観賞魚として親しまれている金魚の進化過程を、東海大と国立遺伝学研究所の共同研究チームがDNA分析で解明しました。中国産のフナの一種が祖先で、5つのグループに分かれて多様な品種が作られたことを突き止められました。
東海大医学部の小見山智義准教授(分子進化学)らは17品種、計44匹の金魚のミトコンドリアDNAを分析し、遺伝研のデータベースで他の魚類と比較するなど詳しく調べた。その結果、金魚は「ギベリオ」という中国産のフナが祖先だったことが分かりました。
金魚は約1500年以上前に中国で見つかった赤いフナが起源とされますが、具体的なルーツは不明でした。ギベリオは中国に広く分布し、普通は銀色だが突然変異で赤くなることがあります。野生種のほか食用として養殖されているそうです。
一方、金魚の進化を系統的に調べたところ、オランダ獅子頭(ししがしら)がギベリオから分かれた後、背びれのある朱文金(しゅぶんきん)と黒出目金、背びれのない頂天眼(ちょうてんがん)とランチュウの計5グループに分岐したことが分かりました。
このうち背びれのないランチュウなどは、遺伝的に新しい品種と判明。室町時代に渡来した金魚は、江戸時代にガラス製の鉢が普及するまでは陶器のかめで飼われ、横からではなく上から観賞していました。背びれがない突然変異種は上から体を眺めやすい利点があり、新品種として盛んに改良が行われたことを裏付けられました。
以前、ラジオでやっていた小噺
コロンブスと掛けて金魚ととく、その心は?
昔、ふなでした。(船出した)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます