僕の感性

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猪と魯山人

2008-02-06 23:31:45 | Weblog
 陶芸家、北大路魯山人は美食家としても知られています。彼は、猪の肉を好み、ボタン鍋、すき焼き、バーベキューなど度々舌鼓をうちました。
 夏期の猪はほとんどが赤身で、後々脂がつきもみじが紅葉するころ最高潮に達します。野生の猪は、猪豚とは違い、沢蟹、どんぐり、山芋などを食べ、野山を走り回っているので、肉がしまり、野性味にとんだ味がするそうです。
 魯山人が、食道楽七十年を回顧して、「後にも先にもこれほど美味しいと思った事がない」と評した猪肉の部位が肛門の周りの肉でした。歯ごたえが良かったのでしょうか、香ばしかったのでしょうか、それとも、適度な脂肪が含み甘みがあったのでしょうか、推測の域を出ません。
 猪肉は、低カロリー、低脂肪でカルシウムやビタミンが豊富で、コラーゲンもたっぷりだそうです。
 しかし皮肉な事に、きわ物好きな美食家の彼も半生の田螺を食べ、肝臓ジストマに冒され、肝硬変になりその生涯を閉じました。


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