思い出したようにというか、気象や天候の成り行きという自然の摂理というか、このごろは、突然、空が曇って雨が降る。最近の言い方だとゲリラ豪雨ということらしい。おととし、去年はそうでもなくて先おととしがそのあたり年で春先から初秋にかけてがそうであった。
この雨は雨粒が大きくて地面に対して鉛直に刺さるように降る。俄か雨とは似て非なる。篠突く雨に似ているがそのようではなくシャワー性でもない。となれば、強雨そのものか。野外では傘も役に立たなくて、全身がずぶ濡れになってしまう、しこうしてその短い時間は雨宿りするしかない。
一度行って経験した、沖縄のスコールとも違う。当地では通り雨のようで、降りはじめから終わるまでは数分間であるが、降り方になんとなくメリハリがあり心の準備も出来て(!)、なんとなく納得させるような情趣があったように記憶している。
この光景は、ちょっと見方を変え第三者的に妄想の世界に遊ぶと、江戸時代の浮世絵などの誇張された風景画の情景のようである。
しかし、わたしのような人間にとってはこんな降り方になにかしら凶悪で暴力性を感じさせる。かつての集中豪雨はもっと降雨地域が広くて、こんなに機械的な降り方ではなくて、局所的ではない。こんな降りかたはここ数年来に始まったような気がするのだ。おっと、これも初老のわたしの妄想ゆえの虚弱な感じ方か。