猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

猿八座人形浄瑠璃公演 信太妻 お知らせ 

2012年09月04日 22時24分19秒 | お知らせ

新潟県村上市塩谷での公演チラシです。

2月の新潟大学公演での「信太妻」は説経祭文で節付けしたものでしたが、その後、文弥節を取り入れた「猿八節」に改曲しました。既に心萃房での公開稽古で実験しましたが、今回の公演が新しい浄瑠璃での「信太妻」の初演となります。是非ご覧下さい。

ところで、「塩谷」という場所は、説経に由緒があります。

「御物絵巻をくり」によると、照手姫が六浦が浦から人買いに売られて、転々と売られていく道行きに、次のように書かれています。

『六浦が浦にも買い止めず

釣り竿の嶋にと買うて行く

釣り竿の嶋の商人が

価が増さば、売れやとて

鬼が塩谷に、買うて行く』

先月、この街を下見してきましたが、人影もまばらな静かな海辺の街でした。かつては、海運の要衝として、説経にも記録されるほど栄えた街だったようです。

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絵柄は土佐絵金の信太妻です。

公演の詳細は塩谷基地HPをご覧下さい↓

http://shioyabase.web.fc2.com/ibennto.html


八王子車人形公演のお知らせ

2012年09月04日 13時52分10秒 | お知らせ

八王子車人形公演に薩摩若太夫として出演することになりました。

12月9日(日) 14:00開場 14:30開演

会場は八王子いちょうホールです。

演目は、説経節 出世景清大仏殿記 「景清目玉献上の段」となっています。

但し、薩摩派に伝わる台本では、「右大将頼朝公景清目玉献上の段」(十代目若太夫:八王子郷土資料館蔵)とあり、近松門左衛門が書いた浄瑠璃を下敷きにはしていますが、その文言は、薩摩派の太夫が独自に創って来たもののようです。

景清関係では、その外に、「出世景清牢破り」「出世景清一代記阿古屋自害」「武勇誉出世景清」、その後の話しである「日向嶋景清」等の台本が残されていますが、いずれも、多摩地方に伝わる独自の文体を持っています。

何れにしろ、「目玉献上」は「出世景清」の一番最後の場面で、平家への恩と頼朝への恩の板挟みの中で、自らの目をくり抜くという場面です。

公演の詳細は以下のチラシをご覧下さい。

08100001

問い合わせ等の詳細は以下の八王子市学園都市文化ふれあい財団へ

http://www.hachiojibunka.or.jp/icho/event/detail.php?id=e_eef215a5