アンダンテ ~私の歩幅で~

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ノクターン第20番 嬰ハ短調 「遺作」

2008年11月23日 | 音楽
昨日の記事 「 彩りのノクターン 」 で中途半端に書いた
ショパン作曲ノクターン第20番 嬰ハ短調 「遺作」
について、もう少し。

ただ、私自身は、
ショパンについて精通しているわけではないので、
アホなことを書いているのかもしれませんが。。(汗)





ショパンのノクターン(夜想曲)。
現在は 21 曲あります。

ショパン自身が、最初からノクターンとして作曲したのは、
19 曲だったようです。

特によく知られているのが・・・

  ♪ 第2番 変ホ長調,作品9-2
  ♪ 第20番 嬰ハ短調,遺作

など、ですね。

第2番は、フィギュアスケートの浅田真央選手が
使っていたこともあるので、ご記憶の方も多いと思います。

そして第20番は、
映画 『 戦場のピアニスト 』 のオープニングに使われています。


1829年。
当時19歳のショパンの心の中には、
コンスタンツィア・グワトコフスカ、という女性がおりました。

   彼女はショパンより3カ月ほど遅生まれの同い年。
   金髪の麗人でソプラノ歌手。
   内気なショパンは、ひそかに憧れていたのです。

ショパンの彼女に対する想いが大きく反映されたのは、
「ピアノ協奏曲 第2番」(ヘ短調 作品21)です。

その中でも、第2楽章ラルゲットは、
コンスタンツィアへの想いが、そのまま曲になったのだと、
ショパン本人が認めているそうです。

ノクターン第20番には、
この「ピアノ協奏曲第2番」からの引用が複数箇所あります。

当時、ウィーン在住だったショパンは、
このノクターン第20番のオリジナル楽譜に手紙を添えて、
ポーランドの家族宛に送ったそうです。

残念なことに、この手紙は失われてしまいました。
しかしながら、楽譜は写譜により残されていたのです。

それでも、1830年に作曲されたノクターン第20番が
出版されることは、ありませんでした。


1875年。
ショパンの没後26年の時を経て、
ノクターン第20番が世に出ることに。

ライトゲーバーから、3曲のマズルカと共に出版されたのです。

この初版の冒頭には、
「姉のルドヴィカが私のピアノ協奏曲第2番の練習の前に弾くために」と書かれていたそうです。

また、当時、この曲はノクターンではなく、
「アダージョ (Adagio)」という表題だったそうです。

その後、ブラームスがこの曲を写譜する際、
この標題の「アダージョ」を消した、という説があります。

それにより、速度記号のみが残り
それからは「 Lento con gran espressione 」 と呼ばれることに。

また、ショパンの姉ルドヴィカが、彼の未出版作品のカタログを作る際、「夜想曲風のレント」と記したのだとか。

彼女のこの一筆により、
この曲がノクターンの仲間入りをしたのかもしれないと
推測しても良さそうに思います。


それから、ノクターン第21番,ハ短調。

作曲年代は、不明とか。
1938年に草稿が発見されたことにより、出版されました。
(ショパン没後90年近く経ってからですね。)

そのような経緯で世に出てきたノクターンなので、
今でも詳細は不明らしい。


ノクターン。。。日本語では夜想曲。

ショパンの21曲のノクターンは、
すべてが違う旋律で、それぞれ違う色を持っているように思います。

夜想曲。

夜、ひとりでもの思いにふける時。
ハッピーだったり、ダークだったり、いろいろ・・・ですよね。

今夜の気分にピッタリのノクターンが、
ショパンの作品の中に、見つかるかもしれません。


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ノクターン第20番 嬰ハ短調 「遺作」 (ひふみ)
2008-11-23 22:33:38
麻由子さん

色々お調べ下さり、ありがとうございました。
今では嬰ハ短調のノクターンは20番ということで定着しているようですね。
それはそれでとくに問題はなさそうですね。

ポリーニなどは、習作の域を出ないと思っているのかどうか、決して弾いてくれませんが、私はこの曲は大好きです。
おそらく誰の心にも響く曲だから映画にもドラマにも使われるのですよね。
初めて聴いた時の胸が締め付けられるような想いが忘れられません。
普遍の名曲だと思っております♪
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Unknown (ayayan)
2008-11-23 22:36:39
ショパンのノクターン、大好きです。
1番や18番が特に好きでした。
遺作も毎回練習会などで楽譜を持って行っているのですが、弾かずに帰って来ています。。
あ、でも次回は練習していないので持って行きませんよ♪
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麻由子から (→ひふみさんへ)
2008-11-24 12:34:41
ひふみさん へ

別記事でのお話も、こちらでご一緒させてくださいね。

レコードの頃は、もともとの第19番までだったのですね。
それにしても、当時のヴァイオリン・リサイタルのアンコールで、
ショパンのノクターン第20番(当時は第21番?)とは!
きっと、ものすごくレアですよね?
海野義雄さんのセンスも素晴らしい!

昔の作曲家の作品は、その後の整理の仕方によって、
現在でも混乱しているものが、いくつもあるようですが…?

ノクターン第20番については、私自身が消化不良状態だったので、
ちょうど良い機会でした。
こちらこそ、ありがとうございました。

現在のノクターン第20番。
ショパン自身は公にするつもりはなかったのかもしれませんね。
それでも、これほど素晴らしい曲ですもの。
埋もれさせてしまうのは、もったいなさすぎます。
曲が始まった途端、心をギュッとつかまれるような曲だと感じています。

ポリーニは、、、そうなんですね。
残念ですが、ポリーニのポリシーですものね。

私も、この曲は普遍の名曲だと思います♪
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麻由子から (→ayayanさんへ)
2008-11-24 12:35:15
ayayanさん へ

ショパンのノクターン。。いいですよね~♪
ayayanさんのノクターンも聴きたい♪♪

そうそう、オリーブさんにお願いしようかしら?
オリーブさんは、弾けると思うわ。(^_-)☆

ayayanさんも、いつか、遺作を弾いてくださいね♪
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Unknown (ひふみ)
2008-11-24 19:51:56
何度もごめんなさい。

私もオリーブさんのノクターン嬰ハ短調、お聴きしたいです♪
アイスクリーム関連で、感性が合うって直感しました(笑)
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きゃ~! (オリーブ)
2008-11-25 14:20:32
ひふみさ~ん!
感性合うと思いますよ!
私と麻由子さんも、食べ物の感性が似ているのです(笑)。

私、なんとな~く、ノクターンが好きだなって思って弾いていました。
深く考えた事が全く無かったので、麻由子さんのお陰ですごく勉強になりました。
すぐに忘れてしまうかもしれないので、その時はまた麻由子さんのブログを読み返させて頂くね!(笑)
そういえば、先生方の楽譜には19番までしか載っていない事が多いような・・・。
私のは20番まで載っていますが、21番が載っていないの。
21番の楽譜がとっても欲しいのですが、その為に楽譜集をまるごと1冊買うのもな~って思いながら未だに入手していません。

練習会で弾きたいな~って思ったのだけど、なんだか有名過ぎて恥ずかしくなってきました。
有名な曲って、人それぞれに思い入れがあるでしょう?
「この部分はこんな風に」とか「ここはこういう感じで」みたいな・・・。
遺作に関しては記譜自体もさまざまだし。
あ、でも、逆に間違っても「ここはこういう音なのよ~」って堂々と弾いていたらバレない?(笑)

ショパンは、麻由子さんの印象とは違ったので(麻由子さんはBB派(笑))なんだか新鮮で嬉しかったです。
どうもありがとう!
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麻由子から (→ひふみさんへ)
2008-11-25 17:03:09
ひふみさん へ

オリーブさんのノクターンは、とっても素敵なんですよ~☆
いつか機会があれば、是非ね♪(^_-)☆
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麻由子から (→オリーブさんへ)
2008-11-25 18:15:50
オリーブさん へ

うふふ。。そういえば、オリーブさんと私も、
食べ物の感性がよく似ているわよね♪
ひふみさんとも共通点があって、嬉しいわ。

ショパンのノクターンといえば、私の中ではオリーブさんです!
今回は、少し調べ始めたら、止まらなくなっちゃって・・・。(苦笑)
私自身が、ある程度納得できたので、よかったです♪

私の楽譜も20番までなの。
20番は、ピアノピースで、単独であるみたいだけど、
21番は?

オリーブさん!
練習会では、是非弾いてくださいな!!
「オリーブ風ノクターン遺作」が聴きたい♪

遺作は、ピアノ協奏曲からの引用部分がややこしいみたいね。
自分好みの楽譜で弾いて、自分色のノクターンで良いと思います。

ふっふっふ~~。
普段、私はショパンを語りませんものね~。(*^m^*)
BBはストンと納得できるので、私は好きみたいです。
その点ショパンはデリケートで、私にはムズカシイ。。
今回は、掘れば掘るほど出てきたので、楽しかったわ~♪
また何かの機会に書くかもしれません。v(^^♪

いつもありがとう♪
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