卓球上手の認知症

いつも新たな発見をくれる認知症のおばあちゃん。

気分の波が激しく、面食らうことがたくさんあるのだが、その分我々も勉強させていただき、現在は手も足も出ない状況は少なくなったと思う。

今日は午後のレクに卓球をしようという事になり、机を卓球台に見立ててピンポン玉とラケットを持ってきた。

レク担当の男性Ｔくんはなかなか上手。
利用者さんは入れ替わりながら、Ｔくんとの卓球遊びをした。
ラリーにならないから球拾いばかりになってしまうのだが、仕方のないことかと思っていた。

そこで、先述の認知症の利用者さんにラケットが渡されたのだが、どうもラケットの持ち方が本格的。
そしてピンポンが飛んでくると、カコッとさりげなく打ち返す。
次もカコッ、そしてカコッ、カコッ、カコッとラリーが続いた。

びっくりした他の利用者さんも集まり、「うまいねー」と歓声まで。
ノッてくると打ち返すスピードが速くなり、スタッフのＴくんがミスしてしまうほど。Ｔくんは負けを認めてクタクタになってしまった。

利用者さんの意外な才能を発見した事で、終礼時にスタッフでビデオを見ながら、これを延ばして次の機能訓練に役立てようという意見で一致した。

何に興味を示されるか見つける事は大変なのだが、いきいきした姿を見る事はとてもうれしい。