平成27年産米の生産目標及び生産目標面積の通知が届き、平成27年度の水稲細目書の提出期限が迫ってきた。
いよいよ将来へ向けての決断の時期が限界まで迫ってきたんです。
平成23年産米から平成26年産米までの4年間は「不作付け」
その実績から届いた生産目標面積は60%で40%は転作面積になっている。
そして、俺が決断したのは「不作付け」。
来年以降も作付はしない。
今年は米の生産にかかわる農機具の処分を始めようと思っている。
もう、ボランティアでは米作りはできない。
JAそうま管内の米は原発事故の風評被害が深刻で売れない。
平成26年産米の価格も暴落してしまった。
平成27年産米の作付も南相馬では飼料米の作付を奨励している。
米を作らなければ田んぼがダメになることはわかりすぎるくらいわかっている。
でもそんな状況の中では米の生産意欲は湧くはずがない。
先日新聞に出ていた情報だと南相馬の平成27年産米の作付は昨年の5倍以上だと言う。
それでも目標としていた面積の半分以下。
田んぼを作らなくても管理には経費が掛かる。
今年から原発事故の賠償金も出なくなり全てが農家の持ち出しとなってしまう。
米を作れば補助金が入るが果たして生産コストに見合うだけの所得は得られるかわからない。
作っても作らなくても農家の負担は増大するだろう。
消費者庁が実施した調査では、いまだに福島県産の食品購入をためらうと言う人が少なくなったと言っても17%もいる。
「放射性物質の検査にクリアした物しか出荷しないから安全です。」
と言うがなかなか不安な気持ちは払拭されないだろう。
震災から4年。
震災前(23.3.11)の南相馬市の生産年齢人口(19歳~60歳)が43,264人。
昨年(26.06.05)の生産年齢人口は29,241人。
14,023人もの生産年齢人口が減少してしまった。
子供の数も戻っていないのでこれから先も減少し続けるだろう。
その生産年齢人口のほとんどが市内の商工業系に働いているのが現状だと思う。
農業生産している方々の年齢は上昇を続けている。
南相馬の農業もこれから変貌を遂げていくと思うが、衰退していかないことを願いたい。