関東平野は本日も快晴なり。毎日が同じように思えてしまう。
わたしは何も感じなくなってしまった。年齢を重ねるごとに感じているという幻想が薄れてきた。
光が窓から差し込む。散歩する。風がなく穏やかであった。平日の昼下がりは静かだ。
図書館の言葉の海におぼれる。時間が過ぎていく。足が動かなくなる。呼吸が苦しくなる。むやみに本を広げては文字を追う。
ねっとりとした空気を喘ぎながら出口に向かう。
月が葉をすっかり落としたけやきに刺さっている。
子供たちの声。だるまさんが転んだよ。あたりに飴の甘い匂い。
車がゆるりと曲がっていく。
クジラの月を知らせねばならない。