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『マダム・プティ』に描かれる初恋。

2024年12月26日 | 言いたい放題
【父性愛の不在、初恋、そしてわが道をいく】

※高尾滋さんの漫画『マダム・プティ』への言いたい放題記事です。ネタバレ多数なので、苦手な人は読まないでください※

ネタバレ無しでおすすめ記事を書いた『マダム・プティ』。
  ↓
・漫画『マダム・プティ』。

今回はネタバレ気にせず私が語りたいところだけ言いたい放題書かせていただきます

この作品は…。

~~~

時は1920年代末、トルコ。

16才の主人公・万里子は、30才年上で初恋の相手である夫・俊と新婚旅行のためオリエント急行に乗り込もうとしていた。

俊は、死んだ万里子の父親が残した借金を肩代わりするかわりに彼女を娶ったのだった。

政略結婚ながらずっと憧れてきた俊と夫婦になれた喜び。

夢見心地でいた万里子だったが、オリエント急行内で俊は亡くなってしまう。

これは病死?事件?それとも…。

~~~

まあこんな感じのオープニングです。

気になる方はオンラインで1話読めるはずなので読んでみてね!

さて、この作品…最初から最後までほんっと~~~~に面白いんですが、私が特にお気に入りなのは前半。

万里子さんがもらえなかった父性愛を求めるようにしてずーっと好きだった俊さんに失恋して、それに傷ついて傷ついて、受け入れて、そして成長していくところが大好きです。

万里子さんはねえ…俊さんが本当に大好きなんですよ。

『失恋ショコラティエ』もそうだったけど、2010年代の少女漫画はキャラクターの心を細かくはっきり“言葉にして”語らない作品が多い気がする。

表現する言葉を持たなかったのか、あえて語らなかったのかは作者さんによるでしょうが。

万里子さんの初恋物語もそう。

人によっては

「俊への想いは恋じゃない」

って解釈するんだろうけど、私は断然真剣初恋解釈派。

幼い彼女は

「お父様は嫡男が欲しかったんですわ」

と話し、俊さんはそれに対して心から

「ボクは女の子がいいなあ」

と言ってくれる。

実父の不在、特に父性愛の不在。

それを埋めるように愛してくれる、うんと年上の男性に恋をする…うんうん、現実でもよくある…。

(ファザコン・マザコンだから年の離れた相手に惹かれる人は多いですよ。

 もちろんそうではないけれど仲良しの年の差カップル・ご夫婦もいらっしゃいますが)

これが現実であったなら、俊さんのような男性は狡猾な小児○愛者なんだけども。

そうじゃなく美しい少女漫画なので。

俊さんの万里子さんへの想いは性愛ではありません。

俊さんには、彼の人生の全てを決めて縛りつける怖い怖い実母がいるのです。

あの時代に西洋相手に大金を稼ぎ、外国語を話し、地位を築いた賢く強かな男性である俊。

そんな強い強い男なのに、実母は恐ろしくてたまらない…リアルですね。

彼には結婚したいと願い愛し合う外国人の恋人がいたのですが、母親に言うことすら出来ません。

そして、彼女と愛を貫くために地位も身分も全て捨てて、万里子さんとの法律結婚→オリエント急行での偽装死→逃亡…これをやります。

万里子さんが自分を好きで好きで仕方ないとわかっているのに。

これは彼女を利用した面もあり、どうせなら彼女を助けてから逃げたいという真心でもあり、実に複雑。

彼女の才覚と愛さずにいらせない素晴らしい人格を敬愛しながらも、

「それはね、人間じゃなくて犬扱いをされていたんだよ」(後に、マダム・リディが語る言葉)

と言われても仕方ない、幼く・弱く・女性であるという差別も充分に存在している。

複雑なのだ…実に複雑。

だからこそ万里子さんは賢いだけじゃなく、強い女性です。

強いだけだったら自分が傷つく真実に気づきもしない。

賢いだけだったら、真実に気づきながらも知らないふりをしてごまかす。

でも両方持つ彼女は

「私は彼を愛している、だから辛い。

 愛されていたのかもしれない、でも愛されていなかった。

 ここは大切にされていたけど、そもそも彼にとって私は対等な人間ではなかった。

 それが、失恋と同じように辛い」

と受け入れられるのです。

いやー眩しいくらいよ

物語で出会っていく素晴らしい女性達、そして未熟ながら万里子さんを純粋に好きでいるニーラムくんに影響されながら、

「彼を愛していた。

 でもそれは過去だ」

と彼女は昇華して新しい道を切り開く。

それが本当に素敵で大好きです

傷みや辛さもないヒロインなんて…魅力ないよね。

強くて素晴らしいけれど、同じように苦しみ生きる姿にこそ魅了されます。

私はね。

だから私は万里子さんが大好き

「俊への初恋」

を象徴するようなキーアイテムが、彼の残した素晴らしい翡翠の指輪。

翡翠が盗まれ(笑)取り返し、自分は受け取らず俊のお姉さんに返そうと奮闘し…最終的に彼女は

「私はこうしたい、この道を行く!」

と迷わずに、捨てるようにして翡翠を渡して駆けていく。

…もう、大好き!!!

何度も書いちゃうくらい大好き

だから私はついつい1~5巻ばっかり読み返してしまうのよ。

高尾さん、素晴らしいヒロインと物語をありがとうございまーす!







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