今の歌声は

ohtaと申します。M!初演の中川晃教さんに感動してこのブログをはじめました。ゆるゆると更新中。よろしくお願いします。

スウィニー・トッド

2007-01-29 23:27:47 | musical
観る気はなかったんです、最初…(爆)
なんだか、怖そうだし。
ソンドハイム、好きじゃないし。
お正月そうそう、見る気にならないなあ…困ったなと(笑)
市村さん出てるけど、今回はやめておこう、と。
でも、市村さんから来た年賀状見て、あっという間に心変わり。
意気込みが判るような気がして、やっぱり行くことにしました。

とはいっても、チケット1枚くらいいつでも買えるわ…なんて、暢気にしてたら、無くなってた。
ネットのチケット掲示板でなんとか見つけて、ようやく今日行ってきました…って、千秋楽だった!

結果、行ってよかったです。
やっぱり、市村さん、信じてよかった~
なんて、私もいいかげんです(すみません、、、、)



冒頭からアンサンブルの迫力が凄い!
緊迫感溢れる舞台でした。

ホラーミュージカル?
最初はなんだか、気味悪いし、これを楽しめる人がいるのだろうか…
と、ちょっと落ち込みました。
正直いうと。

しかし、やっぱり、役者の力って凄い、というか…
主役の二人、市村正親さん、大竹しのぶさんが素晴らしい。
ファンだから、贔屓目あるかもしれないけど。
でも、それを差し引いても、だんだん引き込まれて、最後までのめり込んで見てしまいました。

血しぶきあります。
メイクが怖いです。
みんな、目の周りが黒いの。
市村さんはそのうえ、目の上と下に隈取みたいのしてます。
大槻ケンジさんみたいな感じ。
アンサンブルの人たちもみんなそう。
だから、人間なのに、最初から死人みたいで…ゾンビみたいです。

大竹しのぶさん、ミュージカルは始めてだそうで…
あっきーと前に「未亡人下宿」に出てたっけなあ…(遠い目)
ソンドハイムの私から言わせるとへんてこなメロディに苦戦されてたけど、お芝居はさすが!
市村さんとの間合いといい、丁々発止の感じといい、舞台度胸のよさといい、凄いなあと。
巧いです。
レミゼのテナルディエの奥さんみたいな感じだけど、可愛さとしたたかさを持っている役柄が違和感なく出てました。

武田真治さんが、面白い役。
見違えました!
凄く味のある役。
見た目がお人形みたいで…可愛い。
鬘がね(笑)素敵でした
トミー人形を連想しちゃった(笑)
演技的にもトートは何処?って感じ。
歌も頑張ってましたよ。

そして、市村さん
復讐に燃える床屋、スウィニー・トッドを大熱演。
いつだって、熱演するんだよね、市村さんは。
そこが好きです。
何気なく演じてるようで、実は凄い集中してる。
ゾクッとします。

銀の凄い剃刀で次々と首を切る
怖いけど…
ホントに怖いのはその後…
お店が繁盛してるのが怖い。
パイがおいしいのが怖いよ~ブルブル

凄いブラックジョークというかブラックユーモア!
桐野夏生の「アウト」を思い出した…
といえば、判りますよね…

ラヴェット夫人が楽しそうに歌いながら血のついた骨を洗ってる…

間違えば、ただのホラーになるところを、トッドの妻と娘の復讐劇となってて、そのむなしさ、哀しさが伝わってきて、最後はなんだか感動してしまいました。

ロンドンの底辺の人たちの生活、精神病院の悲惨さも描かれていて…
さりげなく、社会批判にもなってるみたいな。

シニカルなブラックコメディとも思えたり…
MAよりも、ずっと楽しめた(爆)
というか、作品としてよかったと思います。
テーマは重いけど、エンターテイメントになってます。ちゃんと。

でも、ソンドハイムの曲はよくわからないなあ、やっぱり(爆)

乞食女のキムラ緑子さんがよかった。
あとはソニンちゃんや、城田優さんとかが出演されてました。

最後のカーテンコールでは演出の亜門さんも引っ張り出されてました。
カンパニーみんなが仲良さそうで、一体感を感じましたね~
そういう舞台って、見てる方も嬉しい。

市村さん、ご苦労さまでした。
これから、各地を回るんですよね。
カンパニーのみなさん、頑張って怖くて面白い舞台を作ってください。