今の歌声は

ohtaと申します。M!初演の中川晃教さんに感動してこのブログをはじめました。ゆるゆると更新中。よろしくお願いします。

ミュージカル「キャンディード」

2009-09-04 14:22:16 | musical
何で今 キャンディード ?

というと…

この前、市村正親さんの懇親会の時、市村さんの口からこの「キャンディード」というタイトルが出てきたからなんですね。
いや、詳しいことは全然わかりませんでしたが。

で、気になってたところ、NHK ハイヴィジョンのミュージカル特集の中で放送がありまして。
見たら、とっても面白かったんです。

こちら

ハイビジョン ミュージカル特集 ブロードウェイ・ミュージカル「キャンディード」
レナード・バーンスタイン作曲
【脚本】ヒュー・ホイラー
【作詞】リチャード・ウィルバー
【出演】
ポール・グローブズ (キャンディード)
クリスティン・チェノウェス (クネゴンデ)
パティ・ルポン (オールドレディ)
トーマス・アレン卿 (パングロス先生)
                              
~アメリカ・ニューヨーク                
  エイブリーフィッシャーホールで録画~ 

録画時期ははっきりしませんが、多分2003-2004のシーズンのものらしいです。
晃教くんがやったころ?かなあ…

キャンディード ってちょっと難しい、音楽はいいんだけど…っていう頭があって、期待してなかったんですが、今回の放送のものはそんなマイナス思考を吹っ飛ばす面白さでした。

舞台でミュージカルを上演する、のではなくて、フルオーケストラの周りに舞台を仕込んで、そこで歌手や演技者が演じる、というコンサート形式になってました。
コンサート形式とは言っても、動きがあって、背景の転換なんかも工夫されてて、見てて全然飽きません。

そして、出演者達が素晴らしい。
パングロス先生役(ナレーターも兼ねていた)がトーマス・アレン。「サー」が付くんだよね。だからトーマス・アレン卿。
オペラで有名な人だけど、くだけてて、怪しくて好色っぽい感じも出てるし、でも先生らしく理屈っぽいところもピッタシ。さすが。
15年くらい前だっけ、ロイヤルオペラの来日公演で見たことがあります。

一番凄い、と思ったのはクネゴンデ役のクリスティン・チェノウェス。
ミュージカルで有名な人。
いつだったか、TVのトニー賞授賞式のパフォーマンスで「君はいい人 チャーリー・ブラウン」のルーシー役で歌ってるの見て、いっぺんでファンになりました。
ソプラノの難曲「着飾ってうかれましょう」だっけ?、あの曲を軽々と見事なコロラトゥーラで歌い、やんやの大喝采!
彼女のキャラも波乱万丈、ジェットコースター的展開のはっきりいえばはちゃめちゃなストーリーにも埋没することなく、ピッタリと嵌まっていて素晴らしかったです。

後はオールド・レディのパティ・ルボン、この人もブロードウェイでは超有名な方。やはりTVのトニー賞のパフォーマンスで見たことあるけど、凄い存在感でした。
彼女は扱いが特別って感じで、役名ではなく、さあ、「パティ・ルボン」の登場でーす!みたいな感じで凄かった。
クラシックの曲も難なくこなしてしまう実力があるんですねえ。素晴らしい!

オーケストラもフル編成で、バーンスタインのお膝元、縁のオーケストラだそうで、リズム感があって、とっても楽しい演奏でした。


キャンディードが難しい、というのは、内容が宗教的で政治的だし、それをブラックユーモアでかなり辛らつな風刺で表現していて、バカらしいくらいのストーリーをあの珠玉のメロディで綴る、というギャップにどこまで乗れるか、ということだと思うんですね。
下ネタもいっぱいだし、良い子には見せらんない(爆)
大人向け風刺漫画的ミュージカルってところでしょうか。

今回の放送のものは、確かにそういうところもちゃんとやってるんですが、あんまりいやらしさを感じない。
それは音楽の力だと思うんですね。
とにかくバーンスタインの音楽の素晴らしさが全てを浄化してしまってるかのような感じでした。


いつかまた日本でやるとすれば、オーケストラをしっかり編成してもらって、歌と芝居の達者な人たちをそろえることが成功の鍵かなあ…と。
























                              


私に見えたもの

2009-09-04 00:08:40 | 安蘭けい
私に見えたもの

The Musical AIDA
9月2日マチネ  観てきました。
前回は3階席だったけど、今回は1階席。
演出の木村信二氏とか、小池修一郎氏とか、見かけました。



前回観たとき思ったことは「アイーダの信念」の歌があまりインパクトが無いなあ、ということでした。
宝塚版ではラダメスが主人公で、今回はアイーダ主役に主人公がシフトしてるんですね。
それによって、構成というかストーリーに若干‘ねじれ’が生じてる気がしました。

それに、プログラム見て判ったけど、「アイーダの信念」の歌のタイトルが「私の見えたもの」に変わってる。
歌詞も少し違ってました。
宝塚版ではアイーダは祖国エチオピアと愛するラダメスの国エジプトとの板ばさみになって悩み、揺れ動く王女でした。
でも、今回は主役ということもあって、ラダメスへの愛を貫く、ある意味迷いの無い、強い王女となっています。

ラダメスも敵国エチオピアの王女であるけれど、気高かさを失わないアイーダを愛してしまい、最後は二人の悲劇になるわけです。
迷わないアイーダになった分、ラダメスとエチオピア王である父との板ばさみになっても、愛を取ろうとする強さが引き立ち、今更‘信念’を強調しなくても良くなったのか、あるいは目立たなくなったのか…なんて思ってます。

どっちがいいとかそういうことではなく、主人公がシフトしたことから来るアイーダの性格変更というか設定の変化があるんだなあ、と改めて思いました。
そして瞳子さんは、そうなると、より男前度が増すような気がするわけです(笑)
アイーダの性格のシフトによって、愛に生きることの強さ、美しさがより増してる気がしました。


そして、今回もう一つ強く思ったことは、音楽の良さとコーラスの素晴らしさです。
アンサンブルが23人という人数で、よくこれだけの迫力あるコーラスになっているなあ、と思います。
アンサンブルの方たち、みんな声がいいし、歌が上手いです。
エジプト兵の人たちはラダメス凱旋の場面でかなりダンスしてから、その後すぐコーラスなんですよね。
大変だろうなと…
伝令の方も凄い大変。
あれは木村氏、絶対なんとかした方が…

前回もそうだったけど、最後の地下牢での場面は感動です。
照明も綺麗だし、歌もいいし、音楽もいいし、コーラスもいいし…
オーケストラも指揮者の方が凄い頑張ってます。
熱い舞台になってると思います。


ということで…
次回は5日、ファンクラブの貸切公演です。