
秩父市・太陽寺
完全にバランスを崩しつつある最近のZUYAさん。意を決してトレッキングの再開、それに伴い初めてお寺の宿坊に泊まり精神を鍛えようと言うのだ

池袋から西武線に乗り秩父に向かう。観光旅行なら早々にビールを飲み始めるのが常だが、今回の旅の目的は“精神修養”なのでもちろん無し(前日も飲みませんでした)

西武秩父駅に隣接する 『 秩父仲見世通り 』 。今閉鎖されて工事中になっている。どうやら温泉施設を含む新しい施設なるそうな。特別素晴らしいものではなかったが、情緒があって良かったのだけどね


御花畑駅駅そば

秩父に来たら何はなくとも蕎麦でしょ~
西武線の駅から秩父鉄道御花畑駅への乗り換え時間は20分程あったのだが、ZUYAさんは“駅そば”を楽しみにしていたので少々駆け足、若干ぬめりのある麺に揚げ立ての天ぷらが乗り朝食終了

ここからローカル線で三峰口へ向かう。近年はSLで客寄せ・町興しをしているけれど夏休みとは言え“ど平日”。駅前も人気もなく寂しい。直ぐにバスに乗りこみ太陽寺入口で下車


ここから太陽寺までは約7キロ。先ずはアスファルトの道を5キロほど進む。この道は渓流釣りに行く車か地元の人しか使わない。途中の工事現場の方々から“昨日も熊が出たから気を付けて!”と声をかけられた。あれ?一昨日(8月7日)は知っていたが昨日もとは...緊張しながら歩みを勧める



大血川渓流釣り場からいよいよ山道に入る。ここから既に太陽寺の敷地らしく表参道を進む。入り口からいきなりの警告...しかし実際は熊どころではなく自分との闘いになった。わずか2キロ弱なのに日頃の運動不足の影響が一気に現れた



30分ほどで無事に太陽寺に到着。部屋には15時から入れるとのことだったので、先ずは日陰を探し朝作ってきた握り飯をほおばる。水筒は登山用に何サイズか持って居るのだが、今回のはちと小さかったかな。すでに空っぽ




天日干しが心地良い~
寺の中で働いている男の子と女の子がZUYAさんの存在に気づき、“宿坊にお泊りの方ですか?もうお入りください~!”と言われ2時間も早く中に。全ての窓が開け放たれた本堂の中はとても涼しく、出された麦茶をがぶ飲み状態のZUYAさん



そのうち住職さんが登場。“山を登って来られた方ですね?”と聞かれ、お風呂を早めに準備してくださり、住職手作りの露天風呂を堪能。風呂上りに(得意の)甚平に着替え、お寺で飼われている犬たちの散歩に出かけようとすると他の宿泊客にお寺の関係者と間違えられてしまった


こんなの作っちゃうなんてね~
『 千寿』と『福寿』と名付けられた犬たちを男の子が連れて行く。小坊主かと思っていた彼は東京から来ているボランティアでまだ中3だそうな。田舎の暮らしが好きだそうで部活の合宿で何度か訪れた太陽寺で初めてのボランティアだとか。素晴らしい。日本の中学生も捨てたものではない。茶髪でゲームばかりしている馬鹿ばかりだと思っていたから


自家用車で来た男性2人組以外は(住職の運転による)送迎車でやって来た。伝えておけば三峰口の駅まで往復してくれるのだ。神奈川から来た男性1名、アメリカ人1名、南アフリカ人1名、そして女性2人組。彼らと共に今宵は寝食を共にするわけだ

ZUYAさんは“ストイックにここで過ごすぞ!”と意気込んでいたのだが、初老の男性2人組は完全に旅行気分で、持込のアルコールをガンガン飲み始める...

ここでイライラしてしまってはここへ着た意味がなくなってしまうので、“Let it go”でやり過ごすことに。他人の行為は気にしないことに(結局、寝る前まで飲んでいて、朝も飲んでらしたが...)

写経と読経(共に般若心経が主に)を済ませ、お楽しみの夕食。これまた住職自ら御作りになる精進料理。


その後は法話の時間。とにかく携帯などの電波も入らず、四方八方どこを見ても山しかないわけだ。たとえ仏教行事でも自然と身が入る。“法話”と言うとお坊さんが一方的に小難しい話をして下さるイメージですが、ここ太陽寺では“対話方式”でした

ZUYAさんは“人に宗教と言うのは必要なのか?”と率直に伺ってみた。住職曰く“死と言うものに触れる時又は対峙する時に必要と思うのではないでしょうか”と

その法話の時間の時に、興味深い質問をした神奈川のあんちゃんと就寝時間まで庭で色々話をすることが出来た。外見はすんごい2枚目なのに苦労しているんだぁと。外で話していても温度は快適、虫も寄って来ない。見上げると満点の星空...流石は標高800mだ

ZUYAさんは本堂の本尊の前の部屋をあてがわれた。子供の頃なら絶対に嫌がる場所であろう


珍しく一度も目が覚めないまま朝を迎える。時計を見ると5時20分。やはりいつものZUYAさんだ。朝日が山の稜線から見えるスポットまでとことこ歩き 『 ご来光 』 を見る。まだ6時前誰も来ないと思ったら、2番手はアフリカ人であった。3番手はボランティア君が引き連れ数名と2匹で


山の中腹にある太陽寺
寺に戻り、朝の読経を済ませ、坐禅堂に向かう。非常に立派で建物の足場も木で組んである。眼下に広がる景色もただただ最高。初めての坐禅、意外と集中力のない自分に気づいた





本堂に戻り朝食まで再び写経をやってみた。一回目よりマシかも。朝食もまた精進料理。これまたとても美味く、少々不安の残っていた三峰神社へのトレッキングに向けてパワーを得た。せっかくなのでもう一度風呂を戴き、太陽寺を後にした



約12キロほどの行程だが標高800mの太陽寺から途中経由する霧藻ヶ峰が1,500m、三峰神社に至るわけだが、標準的なコースタイムは4時間。太陽寺から霧藻ヶ峰は高低差700mをひたすら登るしかない。しかもエスケープ・ルートはなく行くか止めるしかない。気合を引き締めて歩き始める

ZUYAさんは腕時計を持っておらず、ザックの中に入ったスマホも確認せずひたすら登る。感覚的に意外と早いペースで霧藻ヶ峰に到達。ここでようやく初めて別のハイカーに出会い、カメラのシャッターを押し合う。ここからはただひたすら下りで三峰神社へ。着いてみると12時45分...2時間半で着いてしまった。ZUYAさん、まだまだいけますな



霧藻ヶ峰から三峰神社を見下ろす

三峰神社
もう何度も来ている三峰神社なので神社本殿そばにある宿泊施設 『 興雲閣 』 の温泉で汗だけ流し、門前にある食堂で昼食。漬物、わらじかつ丼、味噌汁、そしてビールと全て美味しく頂戴いたしました


まさにわらじのようなカツが2枚も~!!
ここからはバスで駅に向かうだけ。今までにない変わった内容盛りだくさんの旅でしたが、精神的にちょっぴり大人になったような気がします。ってかお前はもう大人だろ、ZUYAさん~!


千寿と福寿の子供達。8匹いるそうな
