「 ちあきなおみ 冬隣(ふゆどなり)」
この歌は、先日のカラオケ道場で教わった歌である。小生が知らなかっただけで、決して新しい歌ではないのである。(少なくとも、20年以上も前の「1992年以前の」曲)
寡婦あるいは寡夫のための限定歌であったためであろう、大ヒット曲ではなかったようで、この曲に関する詳しいことをインターネット上で見つけられなかった。
インターネットにこんな記事があった。
” ちあきなおみは1978年に俳優の郷治と結婚したが、92年9月11日に郷が肺癌のため死去。夫の遺体が荼毘に付されるとき、柩にしがみついて「私も一緒に焼いて」と号泣したという。
これを機にいっさいの芸能活動を停止して、その後、公の場所にはまったく姿を現していない。夫に先立たれて、歌う心が萎えきってしまったのだろう。人間の情念を凄まじいばかりに歌いあげた歌手の、歌の世界そのものを彷彿させる話ではないか。
そういえばちあきなおみの歌には「喝采」「冬隣」など、彼女の運命を予見したような歌がいくつかある。男に去られた女の孤独と哀切を歌った作品も多い。”
連れ合いがご健在のお方でも、何時か通る道であろうと思う。人様より早く、寡婦(あるいは寡夫)になった方々の心境を歌った、切々たる歌である。
寡夫である小生が、じんと来た、歌詞の一部をご紹介する。
ちあきなおみ 「 冬隣 」 歌詞(抜粋)
”あなたの真似して・・・ つよくもないのに やめろよと 叱りにおいでよ 来れるなら・・・ この世にわたしを 置いてった あなたを怨んで 呑んでます
写真のあなたは 若いまま きれいな笑顔が にくらしい
あれからわたしは 冬隣 微笑むことさえ 忘れそう・・・そこからわたしが 見えますか 見えたら今すぐ すぐにでも わたしを迎えに きてほしい
地球の夜更けは 淋しいよ…… そこからわたしが 見えますか この世にわたしを 置いてった あなたを怨んで 呑んでます”
こちらが原曲であろう。杉本眞人歌・作曲、吉田旺作詞である。