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吉野山修行体験をして。

2008-10-30 23:29:19 | チャレンジ
比叡山や吉野大峯山千日回峰行者の本を読んで
一度でもいいから現場を歩いてみたいと以前から思っていたが

たまたま、吉野大峯の修行コースの一部を体験できるご縁を
いただいたので楽しみに参加した。

朝6時過ぎに家を出て9時に奈良県の近鉄吉野駅へ


小型バスに参加者と分乗してスタートの九十丁へと向った
紅葉が始まっている大峯の山中を曲がりくねりしながら40分。

そこから吉野金峯山寺蔵王堂の修験僧侶が案内をしてくれる
修行者の装束をまとった白い出で立ちは、死を意味するもの
死にに行くのだ、そして生まれ変わってくる覚悟の装束だと
説明を聞いて身震いがした、やっと大峯を歩けるという嬉しさと
どんな道なのだろうか・・・という緊張感。

スタートの九十丁は、修行の道出発の金峯山寺蔵王堂からは
すでにかなりの距離にあるところ

吉野大峰の険しい山々を修行の霊場に切り開いたという役行
者が小さな祠の中からしっかりと見つめている、そっと手を
合わせてほら貝を合図にいよいよ修行の道へとすすむ。


天気は快晴、最初はゆるい上り道、木々の中をスローペースで
すすむ。緊張感も徐々にやわらぎ周囲に自分が同化していくの
がわかる。



最初の目的地百丁茶屋跡へ
コースの前後にはたくさんの茶屋跡があり、修行する人たちが
往来した祈りの道であったことをうかがわせる。



ここに修行の道を開いた役行者さん(写真左に小さく見える)
も見守って下さる。


修験僧侶から、道が険しくなってくるので

 さーんげ   さんげ   ろっこん  しょうじょ

と大きな声を出して行きましょうと

僧侶の声に従って大きな声を出し続けたが
どうしても息切れをする
やっぱり足と呼吸がずれてくるとしんどい

中間にいる自分がやめると声が小さくなるので
へんな使命感にかられて頑張り続けたが・・・

やっぱり修行している人は違う
それになによりも足取りが軽い
回峰行の写真を見るとまるで地を飛んでいるように見えるが
きっとそうなんだろう、一日に48キロも険しい山道を
千日も歩き続けるのは・・・きっとそうなんだろう。


次の大天井茶屋跡へのコースはかなり険しい急な登り道が続いた
早くもリタイアが1名、遅れる人が少しずつ出てきた

登り続けながら、ふと、立ち止まり、周囲の景色に目をやる
やさしい秋の日差しの中を葉っぱの一枚一枚が精いっぱいの
お化粧をしてうれしそうに歓迎の笑顔で出迎えてくれている。

色づく葉っぱも落ち葉も枯れ枝も、そして雲も風もみんなみんな
無事を祈ってくれているのだろう
周囲のすべてに守られている自分を強く感ずる
熊野古道や先々週歩いた高野山の町石道でも同じことを思った
歩かせていただいているんだと。

大天井茶屋跡茶屋跡から見る大峯の山々はすでに紅葉が
すすみ とても遠く、広く臨める景色を楽しむことがで
きた。



ここで修験僧侶と写真を撮ってもらう
笑顔をたやすことなく、休憩ごとに楽しい話を聞かせてもらい
質問にもわかりやすく接してもらっていい出会いだった。


ここから頂上までは高度にして50メートルくらいか
そこに見えている頂上を山登り経験のない自分には簡単に思
えたが実際は、縄を伝って登る急な険しい道の連続で緊張した。



12時8分、大天井ケ岳1430メートルの頂上へ到着。


ここで昼食。

頂上から少し下ったところに昼食場を確保
所属しているSNSのバッチと帽子の記念撮影を始めたら
向こうから二人の女性が寄ってきて何をしているのかと聞かれた。

(バナナにパンありがとう、たくさん楽しい話ありがとう)

右の人が四国88ヶ所霊場めぐりのスタッフをしているようで
高野山の町石道もよく歩いているという
すっかり会話がはずみ楽しい昼食をした
バンとバナナもいただいて、やっぱり昼食は貢物がある
おばさんと一緒に限る・・・。

この二人とは、帰りの電車でも偶然に一緒になるのだから
これもご縁かなあ・・・

食事を終えたから、今度は急な下りと、平地になると木の根の
稜線歩きでここも緊張する場面が多かった
前の人の足元をしっかり見て、滑らないように
転ばないように・・・
大半の人が杖でしっかりと歩いているのに
こちらは素手?ここらがいい加減さの証明
なめたらあかんという反省。

旧五番関跡に到着、ここから女人禁止という門が
立っていて説明がきちんと書かれた標識も立っている
いまも大峯山は女人禁止になったままだ。


(ここから女性は入れない、その理由の説明を聞いた)

ここからが最後の急な下り、縄づたいをしながらスタッフの
サポートを受けて石ころの道を下りて行く。
この急降下、スリル満点、緊張した。


前を下りて行く女性があぶなかしい
とうとう二度も続けてリュックから転んでしまった

思わず笑ってしまった

ごめんなさいね

後ろのことは気にされないで
ゆっくりと自分のペースで下りてくださいね
と声をかけた

ありがとうございます

これで通じあった。

無事に五番関隧道西口へ降りた時はほっとした。

ここからバスで40分、吉野の上千本へ
ここで観光協会の方に温かいうどんをふるってもらって
やっと緊張の糸がほどけた。

今日の修行体験は、ほんのほんの一部の道だけ、
距離にして6キロほど、修行と言えるものではないが

吉野大峯の自然のおもてなしに
たくさんの元気をいただいて
少しでも自分のこころがリフレッシュできたのなら
こんなありがたいことはないと思った。

どれだけ長く歩くとか
どんなに早く歩いたとか

自分には、もうそんなことはどうでもいい

歩いてなにを感じたか
歩いてなにが見えたか

そして歩かせていただいた道と
出会った自然や人に感謝できること

それがたぶん自分がたどり着いたウォーキングに
求めていた答えなんだろうと思う。

歩き方は生き方。

別にいい格好するために言っているつもりはなく
ここまで歩いてきてごく自然にそう思うようになっただけのこと
それも未熟な自分をなんとかしたい、そこに原点があると思う。

自分の倶楽部にもいるが、ウォーキングをしている人には
長い距離や早く歩くことに一生懸命になっている人もたくさんいる

これもチャレンジウオークだからすばらしいこと
歩きはそれぞれ、楽しく歩けることが一番だ。

自分の場合は段階を経て、年齢もあるのだろうが
そういう境地になったのだと思う。

解散してからは自分の吉野ウォーキング

吉野へ来ればなんといってもあの金峯山寺蔵王堂を
訪ねておかないと来た意味がないと参道を下り続ける

あの大きくて荘厳な威容の蔵王堂の姿の前に立つと
体の中をなにかが抜けていく・・・来るたびにそう思う
線香をあげお参りをしてゆっくりと時間を過ごした 。


吉野駅まで、体が疲れているはずなのに
軽くなったココロトが救ってくれたのか楽しく下り
電車で帰路についた。

先月から高野山、法隆寺・発起時、吉野と世界遺産登録の
祈りの道を歩かせていただけたことをしみじみと好運に思った。


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