お世話をしているウォーキング倶楽部が今月で10年になった。倶楽部を立ち上げ、第一回の例会を開催したのが2002年2月23日(土)、まさかこんなに長続きするとは思いもしなかったのでここまでよく続いたものだと自分でも驚いている。
10年間、120回近い例会を開催してくることができたのも、いいメンバーに恵まれ、お手伝いをしてくれるリーダーにも恵まれ、人数を増やさず、人間関係を大切に、例会の内容と倶楽部の運営にこだわったことがよかったのかなあと思っている。
区切りの2011年2月例会を記念例会として第一回例会を開催した思い出の地、滋賀県長浜市で20日(日)に開催することにした、長浜を選んだもう一つの目的は、現在放映されている大河ドラマ「江~娘たちの戦国~」の父親、浅井長政ゆかりの地、そして三人姉妹が過ごした小谷城も姉川の合戦場もすぐ近くにあり参加するメンバーもドラマに結び付けて楽しんでくれるだろうと思った。
日曜日の滋賀は快晴で暖かくウォークにはいい日和になった。
午前10時前、JR北陸線、長浜駅に11名が集結した。大阪駅から1時間47分、兵庫県西部からの遠方組は3時間近くもかけて元気な顔を見せてくれてうれしいやら申し訳ないやら・・・。
長浜を訪れるとまず立ち寄るのが駅前に立っている豊臣秀吉と石田三成の出会いの像、長浜で生まれた三成が家臣になるきっかけとなった「三献の茶」の様子が像に再現されている。
「三献の茶」とは長浜城主となった秀吉が、鷹狩の帰途、のど乾きを覚えて、ある寺に立ち寄り茶を所望したところ、対応した小姓が、大ぶりの茶碗にぬるめの茶を一杯に入れて出した。
喉の乾いていた秀吉は、それを一気に飲み干したあと、もう一杯たのむと、小姓は、やや小さめの碗に、やや熱めにした茶を出した。もう一杯所望したところ、今度は小ぶりの碗に熱く点てた茶を出した。この気働きに感じ入った秀吉は、その小姓を家来とした。この小姓こそ、のちの石田三成、これを三献の茶と言い伝えられている。
その前で記念撮影をしていよいよスタート、まず長浜城のある豊公園へ、桜でも有名な公園は琵琶湖畔へと続く、ここから眺める琵琶湖は広い、沖ノ島も長命山もはるか彦根城も、そして対岸の湖西の頂に雪の積もる山々も遠望できる絶景の地、湖畔から眺める長浜城の佇まいもすばらしい。
次に長浜のシンボル長浜城へ、長浜はかって今浜といっていたが、天正元年(1573)、秀吉が浅井長政の小谷城攻めの功により、信長より浅井氏の領地の大部分を与えられて、初めて今浜に城を築き、信長の名を入れ地名を「長浜」に改め長浜は長浜城の城下町として発展した。
長浜城は昭和38年に「歴史博物館」として再興されているが、いまは、「浅井三姉妹展覧会」が開催されておりそれを見学したあと、10年前の第一回例会で記念撮影をした天守閣の同じ場所で全員集合写真を撮った。背景は滋賀、岐阜県の境にある伊吹山。
秀吉ゆかりの長浜には、秀吉ゆかりの六社寺を巡る「六(む)瓢箪めぐり」がある、秀吉が合戦で掲げた旗印が縁起ものと言われた瓢箪で、戦いに勝つと腰に付けた瓢箪を一つずつくわえてたという。
六瓢が「無(む)病」につながるとして長浜では「六(む)瓢箪めぐり」は大切にされている。めぐるたびに一つずつ瓢箪を集めて六つ授かると無病息災、開運招福、子孫繁栄。今日はそのうち近場の4社寺をコースに入れ、最初に訪れたのが「豊国神社」、ご朱印をもらっているうちにメンバーは行ってしまった!
隣の派手な朱色の出世稲荷にもお参りした“いまさら出世でもないやろ!”そんな声が背中から聞こえてくるような気がして・・・あわててメンバーのあとを追った。
そのまま進むと長浜市街地の中心、昔はお城に通じた大手門通りにすすむ、このあたりから長浜随一の観光エリアの黒壁スクエア、観光客が多い、モダンな雰囲気が漂うさまざまな観光スポット、男でも楽しいお店が続く、長浜はガラス細工の地で黒壁とガラスショップなどの古い町と新しい町とが融合して魅力的な街歩きは楽しい。
通りには、大河ドラマにちなんで浅井三姉妹ゆかりの幟りや広告物がやたらと目についてまさに時の地と言っていいのだろう。三姉妹の博覧会も開かれている。
時間は少し早かったが、みんな早朝に出掛けてきたので食事を先に済ませて、ながはま御坊表参道を通って長浜御坊として知られている大通寺へ、この参道は大通寺へ続く門前町として栄えたところ、いまもその風情が残っている。
大通寺は浄土真宗大谷派の古刹、狩野山楽や円山応挙の襖絵が有名で小学生だった息子を連れてきたとき、大変に気に入って広間に座り続けていたことを思い出した。いまはこのお寺で有名な「あせび展」を開催していたが時間の関係でパス。この時期にしかみられないんだけど・・・。
六瓢箪めぐりの続き、「長浜八幡」へ行く、参道から正面に冠雪の伊吹山がきれいに見えたが、さすがに滋賀県の湖北は寒いところだ。
長浜八幡宮のすぐ隣にやはり六瓢箪のひとつ「舎那院」へ、ここも秀吉ゆかりのお寺、観光コースから少し外れただけでほとんど人影もなく我々のグループだけが境内を独占、空模様に陰りが出てきて風も冷たくなったので再び、大手門通りにもどり、日本三大曳山としても知られている長浜曳山会館へ、そして向かいのオルゴール館に入った、こんなにたくさんの種類のオルゴールがあるものかとびっくりするほどさまざまなオルゴールに驚いた。
実は、これまで何度このあたりに来たことがあるが入ったことはなかった、女性メンバーのためにと思って入ったのだが、おじさんメンバーも楽しんでいたな。
ここだけの話だけど、みんなの目が離れている間にバレンタインデーのお返しに一品を買った!
まさかオルゴールではないよ。でも、どうして渡そうかなあ。
お土産物店が続く大手門通りでメンバーの買い物や散策に自由時間を提供、ここから南北に通っている北国街道をすすむ、長浜は近畿と北陸を結ぶ交通の要衝で古くから北国街道としても栄えた町、当時の名残があるレトロな建物をみながら歩くのも楽しい街道歩き、そのまますすみ明治ステーション通りで右折、すぐ両側の建物が舟の廃材で作られた舟べいが続く通りをすすむ。
JR北陸線の踏切を渡ると右手に現存する日本最古の長浜駅舎、明治ステーション通りとはこの駅のことを呼称したのだろう、表から見るだけで見学はパスしてコースの最後、駅舎の向かいにある慶雲館で開催中の「長浜盆梅展」の会場へ入った、集合時間を15時にして自由見学、この盆梅展は今年で60回、関西ではよく知られており記憶をたどってみると今回で来たのは4回目だと思う。
見学を終えて帰りのJR乗車時間に余裕があったので駅前のスーパーのレストランでコーヒータイム、しばらくくつろいで予定していた15時59分の新快速に乗車、10周年記念の例会を無事に終えてきた。
帰りの車内から信長の安土城跡のある安土を通過、今夜の大河ドラマのシーンは?と思いをはせながら戻ってきた、長浜の周辺には、小谷城、姉川古戦場の他、すこし北へ行くと秀吉と柴田勝家の賎ゲ岳の戦いのあった古戦場、さらに北へ行くとお市の方がドラマでこれから出てくると思う勝家の北の庄がある、このあたりは激動の戦国時代に主戦場になった地域、またの機会にゆっくりと歩きたい。