一文字 寅 の 「風菜園(かぜさいえん)」 

「天に星。地に花。人に愛。」 風に乗って、日々の所感を「風菜園」から発信してまいります。

秀麗なる二上の麓 濃醇旨口の酒蔵見学 『大倉本家』 【奈良・香芝】 2/8

2015年02月10日 23時56分52秒 | みんな~愛『酒』てるかい

( 大倉本家への小学生の寄せ書き )

 

■20145/2/8(日)

今日は昼から、私の日本酒の供給基地のひとつ「エポック」主催で<「金鼓」「大倉」で知られる香芝市の『大倉本家』へ酒蔵見学に行った。 今まで他のルートから何度かこの蔵に行くお誘いはあったが、御存じのように私のブログに「金鼓」「大倉」は登場したことがない。 また灯台下暗しで、近いからいつでも行けると思っていたこともある。

最近、難波で多々見かけるようになった「大倉」ラベルの酒。 「愛酒でいと」でも大倉隆彦氏がステージに立つと独特のいじられキャラで声援も多い。そろそろ外堀も固まってきて、酒蔵見学しておかないと「大倉はどうですか?」と聞かれた際、話しについていけないのも困るなと今回参加を決意した次第。

 

■『大倉本家』  1896年(明治29年創業) 2000年に蔵は休業

閉じていた蔵に2004年 隆彦氏が戻って杜氏(但馬)さんを呼び戻し酒造りを復活

四代目となり現在に至る。

昭和7年より奈良神社庁の御神酒づくりを開始  濁酒免許をもつ数少ない酒蔵 

濁酒(どぶろく)の大倉として有名  

実質隆彦氏一人で造っている。 以前の6000石レベルから現在は300石(1/20) 

500石未満という少量生産は、私のような地酒ファンが喜ぶゾーンだ。

 

JR五位堂駅前に13:30に集合し、奈良県香芝市の「大倉本家」へはエポックの藤井部長の先導で徒歩15分ほどで到着。 朝は雨が降っていたが私が家を出るとどんどん天気が良くなった。 今まで日本酒のイベントやバルで、傘をさした試しがないほど。この日も 晴れ男ぶりを発揮。 藤井部長も自身晴れ男と言っていたから少なくてもあの時、二上の麓に二人の晴れ男が居たことになる。

(左の先に「大倉本家」が見えて来た)

蔵に着くと エポックはいばら店からの参加者と合流 エポックかつらぎ店と合わせ総勢35人超えほどの大人数となった。

 以降 かなり割愛しているが写真を入れて紹介したい。(胆の部分は敢えてここに載せないことにした。 蔵の中には、きっと公開してほしくない機器や箇所もあるはずだから)支障のない程度に抑えた。興味を持たれた方は、蔵見学して頂くのが一番だ。

 

  ▼「実はこちらの方が蔵の正式な入口です。」と四代目大倉隆彦当主の挨拶が始まった。

三代目の体調不良から休眠していた蔵を戻って復活させたことは、他にも数例知っているが、ここもそのひとつ。 となりの背中を向けている僕が将来の五代目

▼「明治の頃は、牛車で酒を奈良市まで運んでいたんです。 この鉄のワッカは、その牛をつなぐためのもの・・・」説明を聞いた後、皆さんお屋敷に入り始めた。

▼これが今では奈良県でも現存少なく貴重な「大和棟」

瓦葺きと茅葺の組み合わさった屋根のことだ。

 

■ 洗米器・脱水機も見せてもらった。(写真は公開しないことにした)

「これでも軽自動車一台買えちゃうんです。 見かけよりゼロが一個多いでしょ」と値段の説明があった。

▼これは「甑」(こしき) こいつで酒米を蒸す 

しっかり「金鼓」の菰が巻かれていた。

▼最近一番お金をかけたであろうと思われる まだピカピカの「麹室」

▼まるでスタジオのセットみたいだ。

美味しい酒造りに向かって不退転の決意が受け取れた。

▼このもろみは、「備前雄町」特別純米 泡がぷくぷく

▼今回用意されていた「大倉」「金鼓」のお酒たち

▼皆が上の写真の酒たちに夢中になっている内に私が向かったのは

この12年ものの古酒を開封し燗つけ器で、一人お先に

琥珀色のトロリ甘いシロップでほっこり

▼みなさんお酒話しに花が咲いていた。 お酒が飲めない子供たちは

退屈を紛らわすように駆けまわっていた。 子供に酒蔵は酷だよな

▼ここのお酒に使われている各種 お米

▼最初はここが蔵の入口と思っていたが実は、勝手口・出口

▼苗字が大倉と言うだけあって昔はここ鎌田地区一体 

この大倉さんの所有だったそうだ。 その雰囲気は今も残っている。

▼帰路についた。JR五位堂駅では上空は晴天。この右手が

万葉集にも詠まれた二上山(ふたかみやま・にじょうさん)

 

実は、以前一度 美山錦の純米吟醸の大倉を頂いたことがあり、それが相当美味しい酒として私の記憶の中にはインプットされている。

今回は並んでいなかったが、この酒米はこの蔵にピタリとはまる酒米と思ったが、その理由がわかったような気がした。

私がお酒を片手に質問したのは、

「使っている酵母は何ですか?」 「七号酵母です。」 「真澄酵母ですよね 何故それを使っているんですか?」 「んー 失敗が少ないというか エラーが少ない酵母だから・・・」

この会話をした後、暫くして 「真澄酵母か・・・ だから美山錦の酒が印象に残る美味しさだったんだ・・・ (信州の酒にひけをとらない)」と少し謎がとけた気がした。

( 万葉集にも詠まれた夕陽の二上山 葛城市 )

この二上山の麓というロケーションも適しているのではなかろうか・・・

私は敢えて伝えなかったが、あのはまっていた美山錦の酒をまた造ってほしいと密かに思っている。 二上・葛城の山をながめながら帰路についた。

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(寅)