世界に一つだけの姥花日記

貴方は貴方らしく私は私らしく、世界にただ一つだけのきれいな花を一生懸命咲かせましょう。
シニア主婦の平凡な日記です。

面白くて止まらなかった~読書「ジェエラザード上下」

2023年09月13日 | 読書&映画&ドラマ

最近、読書への意欲はあるものの、のめり込んで読むほどの本に出合わない。

というよりも、私の読解力、集中力減退で読書をこころから楽しめない、感動できない。

これも一種の老化現象かと思うのだけれど・・・・・・・。

が、この本は違った!さすが浅田次郎、一気に読み終え感動し心揺さぶられた。

<シェエラザード 上下 浅田次郎著 図書館本>

以下内容紹介(上巻裏表紙より)

昭和20年、嵐の台湾沖で、2300人の命と膨大な量の金塊を積んだまま沈んだ弥勒丸。

その引き揚げ話を持ち込まれた者たちが、次々と不審な死を遂げていくー。

一体この船の本当の正体は何なのか。

それを追求するために喪われた恋人たちの、過去を辿る冒険が始まった。

日本人の尊厳を問う感動巨編。

(下巻裏表紙より内容紹介)

弥勒丸引き揚げ話をめぐって船の調査を開始した、かっての恋人たち。

謎の老人は50余年の沈黙を破り、悲劇の真相を語り始めた。

私たち日本人が戦後の平和と繁栄の内に葬り去った真実が、次第に明るみに出る。

物悲しい「シェエラザード」の調べとともに蘇る、戦後半世紀にわたる大叙事詩、最高潮へ。

 

これは推理小説ではないけれど、そのスリリングさは推理小説以上。

ドキドキしながら読み、あっという間に読了。

過去と現在が交じり合い、徐々に接点ができて繋がっていく。

現在に登場する人物と過去に登場する人物が繋がったとき、鳥肌が立つほどの感動。

謎に満ちたベールが徐々に剥がれていくたびに、悲しい事実が・・・・・。

最後は涙なしには読めなかった。

 

そして驚いたことに、あとがきで知ったのだが、この弥勒丸にはモデルがあったということ。

あとがきを読み、これは小説ではなく事実であったことに大きな衝撃を受けた。

第二次世界大戦中に起こった「阿波丸」の悲劇を素材にしているそうだ。

戦後生まれの私は知る由もなし、また夫にも聞いてみたが知らなかった。

国際法で攻撃してはならないとされていた豪華客船(当時は軍属)を攻撃した連合軍!

守らねばならない市民、民間人を楯に危険な航路を取らされた弥勒丸(阿波丸)!

連合軍にとっても日本軍にとってもこれは語れない恥部。が、これが戦争か?

 

決して後味のよい読後感ではなかったけれど、私の読書の中で忘れられない一冊となるであろう。

阿波丸事件にご興味のある方は↓をクリックしてみてください。詳細が分かります。

今からこちらの本を読もうと思う方は阿波丸事件のことは知らない方がよいかも?

阿波丸事件

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ボタニカ~牧野富太郎の生涯

2023年06月28日 | 読書&映画&ドラマ

ようやく読了、朝井まかて著「ボタニカ」!500ページに及ぶ長さに途中何度も投げ出したくなったが、

朝ドラ「らんまん」と連動して何とか最後まで読み終えた。

牧野富太郎の生涯を小説化したものだそうだけれど、小説というよりほぼ伝記本。

著者朝井まかて女史の筆力に圧倒される。彼女の著書は「恋歌」に続いて2冊目。

 

朝ドラ「らんまん」の槙野万太郎の性格、生き方は本物牧野富太郎と全く同じ。

しかし「あらすじは」かなり違っている。その比較がまた面白く、読み進む原動力ともなった。

朝ドラ「らんまん」は完璧なフィクションだと思う。

<今朝のらんまんより>

最も興味深かったのは、牧野富太郎には恋女房寿衛と一緒になる時、すでに正妻がいたということ。

彼女は「猶」といい、富太郎の従姉に当る女性で、ドラマでは「綾」がその立場になるのかな。

猶は寿衛の存在を認め、困窮する二人に常に救いの手をさしのべる。よくできた女性だ。

当時(明治時代)はお家のために結ばれる結婚は珍しくなかったことかもしれないが。

私がどうしても腑に落ちないのは、牧野博士の経歴にはこの最初の奥方「猶」の名前は

一切出てこない、なぜ?

小説では牧野博士が番頭(ドラマでは竹雄に当るか)に猶との結婚を勧め、二人は一緒になる。

猶も幸せな晩年を迎えるので、よかったと思うけれど、牧野博士の功績にはこの猶の優しさもあったことを、

一言触れてほしいと思うのは私だけだろうか。

<牧野富太郎胸像とスエコザサ 大泉牧野富太郎記念庭園にて>

 

牧野富太郎博士は稀に見る運のいい男だと思う。

裕福な造り酒屋の生まれ、その私財を惜しみなく注ぎ込み研究に没頭、今でいうKY。

奇人変人、大学との軋轢もものともせず、そのひたむきな植物への愛と不屈の精神は、

多くの理解者を得て、91歳まで生き、偉大な功績を残した。

 

当時の91歳といえば、今では110歳ぐらいの当たるかもと思う。

自分の思うように生き、ストレスのない人生だったからこそ長生きできたのではないかと。

 

偉大な植物学者ではあるけれど、彼の生き方にはいろいろ思うところありの読書でした。

これからの朝ドラ「らんまん」が彼の生き方をどのように描いていくのか、また楽しみです。

まとまりのない読後感となりましたが、どうぞご判読ください。

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映画『リトル・マーメイド』と孫娘たち

2023年06月26日 | 読書&映画&ドラマ

先日娘と約束した映画を観に行ってきました。

偶然二人が観たいと思っていた映画が一致。それはディズニー映画実写版「リトル・マーメイド」!

以前「アラジン」を観て、いい歳をして感動し、それ以来ディズニー映画に魅せられています。

先々週だったでしょうか、NHK火曜日夜の歌番組にアリエルの吹替豊原エリカさんと、

蟹のセバスチャン吹替木村昴さんが登場、素晴らしい美声でリトル・マーメイドの代表曲を歌われました。

すっかりその美声の虜になり、ぜひ劇場で映画を観てみたいと思てしまった私です。

「リトル・マーメイド」吹替版予告編(90秒)|6月9日(金)劇場公開!

 

さて皆さんはアンデルセンの「人魚姫」のあらすじ、はっきり覚えていらっしゃいますか?

というよりその本当の結末をご存知ですか?

確か王子との恋は実らず、海の泡と消える悲劇的な終わり方だったような・・・。

しかしディズニー映画の『リトル・マーメイド』は違いました。ハッピーエンドです。

不幸な終わり方をしないのがいいです。たとえ原作と大きく違っても。

アンデルセンによる世界的名作童話を原作に、ディズニーが楽しい心躍る愉快な音楽と、

ファンタジックな映像で観るものすべてを夢の世界に誘います。

感動に包まれたラストシーンでした。

 

映画の後、娘と孫娘妹のNonちゃんとロイヤルホストでランチ。

社会人1年生となった彼女。素敵にキラキラと輝いていました。2時間ぐらいお喋りしていたかしら?

映画とランチは都合が悪く来れなかった孫娘姉Rinちゃんもお茶の時間に合流。

会いたい会いたいと思いながらも、忙しい二人、お正月以来でした。

充実したハッピーな日々を過ごしている孫たち!お婆ちゃんもハッピー!

可愛い美しい(手前味噌ですみません)孫娘たちからキラキラパワーを分けてもらってたっぷり充電、

しばらくは私も元気にキラキラ(?)輝いて暮らせそうな気がしています。

 

今度はいつ会えるかな~?

 

 

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短篇集に魅せられて

2022年12月15日 | 読書&映画&ドラマ

朗読会サークルに参加するようになって2年足らずが経過。

今まで出会ったこともない、また耳にしたこともない作家を知るきっかけになっています。

私の好きな作家、原田マハさんに同じく作家のお兄様がいらっしゃったなんて全く知りませんでした。

朗読会で彼の短篇を読み、引き込まれたことは以前このブログでも触れました。

それ以来、短篇の面白さに魅せられている私です。

短篇は短時間、隙間時間で読め、凝縮された内容で、短いからこその感動が味わえます。

食後の休息時間に、お風呂上がりのリラックスタイムに、電車の中、目的地に着くまで、

その都度1篇が読了できるので、スッキリ、サッパリ、続きを思い悩むこともありません。(笑)

ひとつのテーマで複数の作家が執筆している本もあれば

一人の作家がいくつもの短篇を綴っているものもあり、連作になっていたりします。

今回読了した原田マハさんの「インディペンデンス・デイ」はそんな短篇集でした。

インディペンデンス・デイ!読んで字の如し「独立記念日」!

主人公は全て女性。以下Amazonの内容解説より。

 

閉塞した日常、退屈な仕事、つまらない男、結婚への焦燥・・・・。でもー

顔を上げ、風を感じてごらん、世界はやさしく豊かだ。

親元から離れた娘、スキャンダルに巻き込まれたニュースキャスター、

他人の幸せを見送る結婚式場で働く女性、夢にもがき、恋に悩む・・・・。

様々な境遇に身を置いた女性たちの逡巡、苦悩、決断を丁寧に切り取り描いた連作短篇集。

(中略)

人生に潔く向き合う気持ちがあれば、遠くまで歩いていけるんじゃないかな。

ふと振り返ると、ずいぶん歩いたな、という日がきっとくる。

大切なのは、「潔く向き合う気持ち」を忘れないこと。

読むほどに、元気になって、視線もぐっと上がる一冊!

 

読むほどに、元気になって、視線もぐっと上がる!まさにこの通りです。

初めは重い空気で始まるストリーも徐々に気持ちが軽くなり、結末はポジティブ。

悩み、躓き立ち止まっているすべての女性たちへの応援歌です。

バラバラな短編のようでありながら、登場人物はどこかでつながっているというマハさんの手法。

お見事です。人はみな繋がり助け合って生きているのだという思いにさせられる本です。

 

この本、できたらもっとと若い時に出会いたかった!

お年頃の孫娘たちに勧めてみたいと思います。

こちらも同じく原田マハさんの短篇集。小さな幸せにホッとします。

 

私は図書館本で読みましたが、この単行本出版の後に題名を「独立記念日」に変え、

文庫本でも出版されました。Amazonで購入できます。

 

 

 

 

 

 

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最後の1冊か~実朝の首(葉室麟著)

2022年11月23日 | 読書&映画&ドラマ

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が面白くて、それに関連した本をこの1年読みあさってきました。

読書家のブロガーの皆さんの読後感を参考に、ほぼ図書館本で。

「炎環」(永井路子著)、「鎌倉殿の世界」(複数の著名作家)、「北条政子」(永井路子著)、

「竹の御所鞠子」(杉本苑子著)、「鎌倉燃ゆ」(複数の著名作家)、「言の葉は残りて」(佐藤雫著)。

これらの読後感は下記をクリックしてください。

読書備忘録~鎌倉時代 - 世界に一つだけの姥花日記 (goo.ne.jp)

大河ドラマに魅せられて - 世界に一つだけの姥花日記 (goo.ne.jp)

読書備忘録~竹ノ御所鞠子 - 世界に一つだけの姥花日記 (goo.ne.jp)

重複する部分も多々ありましたが、読むたびに鎌倉時代への理解を深めていき、

ますます大河ドラマにはまっていった私です。

 

その大河ドラマも後数回、いよいよ最終回も目前です。

一体どんな終わり方をするのか、今から楽しみでなりません。と同時に鎌倉殿ロスになりそう。

次回27日放送は最終章の山場、八幡宮での実朝暗殺。

そこで鎌倉関連本の読むのはこれを最後にと思って手にしたのがこの「実朝の首」(葉室麟著)。

内容<「BOOK」データーベースより>

右大臣は拝賀式の夜、甥のくぎょうによって殺された源実朝。

血で血を洗う骨肉の惨劇。公暁を指嗾した黒幕は?

惣然と消えた実朝の首をめぐって繰り広げられる権謀術数。

歴史文学賞・松本清張賞受賞の気鋭が放つ書下ろし歴史長篇力作。

 

これから大河ドラマで放映される部分ですが、三谷幸喜はどのように脚色しているのでしょうか。

小説ではあまりに多くの登場人物に少々戸惑い、面白かったかと言われれば正直???。

しかし最後に竹の御所鞠子が現れ、今まで読んだ本とも繋がり、ほっとするものがありました。

中盤ではとても詳しい描写が多い割には、最後承久の乱に至る過程が、

あまりにあっさりし過ぎて物足りないものも感じました。

 

来年の大河ドラマは「どうする家康」!

最初このタイトルを耳にしたとき、何これ?と思いました。ちょっとふざけたタイトル?

どんなドラマになるのでしょうか?また大河ドラマ関連の本を読んでいきたいと思います。

 

コメント (9)
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