鎌倉3代将軍 源実朝が甥に当る公暁に暗殺され、源氏の直系男子は実質途絶えます。
鎌倉は三代で終わりだった思っている方も多いのではないでしょうか。
実朝の後一体源氏はどうなっていったのか、4代将軍は誰がなったのか?
続きが知りたく、こちらの本を読みました。
「竹ノ御所鞠子」(杉本苑子著)
鞠子は2代将軍頼家の遺児で唯一女性(姫様)。
女であるがゆえに血を血で洗う権力抗争から逃れることができ、母(頼家の妾)である刈藻と、
人里離れた竹の御所で静かに穏やかに暮らします。相思相愛で女の幸せを得ることもできた鞠子。。
源氏の嫡流となる鞠子ではありますが、、刈藻は母として鞠子の平凡な幸せを必死で護ろうとします。
しかし、やはり鞠子も源氏の一族であるという立場を逃れることはできませんでした。
結局、非情な権力抗争に巻き込まれ、思いがけない方向へと人生が流れていきます。
読みながら、権力の道具として使われた武家社会の女性たちの憐れが身に沁み、
悲しさがこみ上げやりきれない気持ちになります。
タイトルは「鞠子」ですが、この小説の主人公は鞠子の母、刈藻。
我が子を護ろうとする母の愛で満ち溢れています。
後半はミステリアスな部分もあり、ややサスペンス的で一気に引き込まれて読み切りました。
あまりに悲しいラストに胸えぐられる思いでしたが、いろいろ勉強にもなり、とても読み甲斐のある本でした。
そして今、読みたいと思っているのがこちら!実は夫が図書館で借りてきて今読書進行形。
鎌倉関連部分のみ読ませてもらったのですが、日本史を人事という切り口から読み解くもので、
奥が深く、興味深い。歴史好きには一読の価値ありだと思います。
でも図書館本は順番待ち、私、確か10番目。所蔵本は1冊なので3~4ヶ月待ちかな?