世界に一つだけの姥花日記

貴方は貴方らしく私は私らしく、世界にただ一つだけのきれいな花を一生懸命咲かせましょう。
シニア主婦の平凡な日記です。

朗読

2022年10月22日 | 読書&映画&ドラマ

1ヶ月に1回、朗読の会に参加しています。

この回に参加し、得られるメリットは多々あり、声が出る限り続けたいと思っている趣味となりました。

以前は区の図書館で「絵本読み聞かせ」をしていました。コロナ禍になり活動はとまったまま。

おそらく眼の悪くなった私は、再開されても読み手になることはもうないでしょう。

残念ですが、自分の健康あってのボランティアーです。仕方ありません。

 

先日の朗読の会では原田宗典の「秘密」という短篇を読み回しました。

原田宗典という作家、皆さんはご存知ですか?私にとっては未知の作家。

ある大女流作家のお兄様でいらっしゃいます。そう!原田マハさんのお兄様!

朗読の会の楽しみの一つは新しい(私の知らないい)作家に出会あえることでもあります。

 

月が雲に隠れた午前2時。どこかで誰かが不思議な夜噺をはじめます。

秘密屋という質屋で、母親の隠し事が高額で売られているのを見つけてしまった僕の話。

やっとのことで買い戻したけれど、見てはいけない中味をこっそり見たくなって・・・・。

(内容「BOOK」データベースより)

 

読んでいて少年のドキドキ感が伝わり、切なくなってきて、胸がキュンとなります。

この「秘密」はネット検索で知りましたが、彼の「ゆめうつつ草紙」の中の1篇です。

是非全編読んでみたいです。

 

毎年1回、朗読の会グループで発表会を行います。

各々自分で選んだ7~8分の小品を朗読するのです。

この作品の選択が難しく、7~8分の短篇はなかなかありません。

前回は向田邦子さんの「字のない葉書」をよみました。8分程度だったでしょうか。

朗読 字のない葉書 向田邦子 当時のブログです。お時間のある時にお読みください。

今回は原田宗典さんの「人の短篇集」から「塩辛いおしぼり」を読もうかと思っています。

彼の短篇はファンタスティックでもあり、またスリリングでもあり、感動的でもあり・・・。

 

図書館で2冊も借りてきて一気に読んでしまいました。お薦めです。

特に「人の短篇集」はどこにでもいそうな若者を主人公に据え、どこにでもあるような日々と、

彼の心の情景を短いスト-リーで巧みに表現しています。

原田マハさん同様、原田宗典さん、好きな作家のひとりになりそうです。

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グッドタイミングの読書

2022年08月22日 | 読書&映画&ドラマ

「熱源」 川越宗一著 第162回直木賞受賞作です。

「BOOK」 データーベースより

故郷を奪われ、生き方を変えられた。それでもアイヌがアイヌとして生きているうちに、

やりとげなければならないことがる。北海道のさらに北に浮かぶ島、樺太(サハリン)。

人を拒むような極寒の地で、時代に翻弄されながら、それでも生きていくための「熱」を

追い求める人々がいた。明治維新後、樺太のアイヌに何が起こっていたのか。

見たことのない感情に心を揺り動かされる、圧巻の歴史小説。

 

いわゆる北方領土のひとつ、日本名「樺太」 ロシア名「サハリン」。

私たちはこの北の島、樺太(サハリン)のことをどれほど知っているでしょうか?

1875年(明治8年)、「樺太・千島交換条約」が締結され、日本は樺太の権利一切を放棄し、

その代わりにロシア領であった千島列島全域を日本の領土としました。

この交換条約は日本にとってかなり不利です。樺太の方が面積も広く、資源も豊富です。

なぜこんな条約を結んだのか素人の私でも不思議でなりません。

しかし日露戦争でロシアに勝利した日本は樺太の南半分を取り返します。

そして第一次世界大戦を経て第二次世界大戦で連合軍に敗れた日本は、

北方領土すべてをロシアに明け渡す結果となりました。それが現在まで続いています。

 

そんな樺太の歴史に翻弄される二人の主人公、アイヌ人「ヤヨマネスク」とポーランド人「ブロニスワフ」。

(登場人物の名前が舌を噛みそうでなかなか覚えられず苦労しました)笑。

大国ロシアに飲み込まれそうになりながら、アイヌ人として誇りを持ち生きていこうとするヤヨマネスク!

同じくロシア帝国から祖国を救おうと戦い、当時流刑地であったサハリンに流されたブロニスワフ!

この二人が樺太で出会い、様々な出来事を通して心を通じ合わせ、物語が進んでいきます。

後半では二葉亭四迷、金田一京助、南極探検隊隊長白瀬中尉なども登場。

知っているようで知らない樺太先住民族のアイヌの歴史、文化、風習。

史実に基づいたフィクションとのことですが、壮大な歴小説。とても勉強になりました。

 

こうした歴小説を読むにつけ、この歳になっても自分が余りに知らないことの多いことに驚愕します。

教科書では知りえなかった日本の歴史を読書を通じて知ることに私の好奇心は満たされます。

また折しもロシアのウクライナ侵攻と北方領土侵攻が重なり、心痛む思いでもありました。

読後、余韻の残る読み甲斐のある本でした。直木賞受賞に納得の1冊です。

 

私は図書館本(ハードカバーの単行本)で読みましたが、Kindle版も出ているようです。

 

 

 

 

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読書感想~いつかの岸辺に跳ねていく

2022年07月25日 | 読書&映画&ドラマ

ブログ夏休中ですが、読後の感銘、余韻の薄れないうちに備忘録として感想を綴っておきます。

加納朋子?全く聞いたことも、ましてや読んだこともない未知の作家です。

夫が新聞の紹介でこの本を知り、図書館で借り、ま~ま~面白かったよと。

どちらかというと女性向の内容かもしれないと聞き、読んでみることにしました。

 

<Amazon 内容紹介より>

俺の幼馴染・徹子は変わり者だ。道端で突然見知らぬ人に抱きついたり、

俺が交通事故で入院した時、事故とは全く関係ないのに、なぜか枕元で泣いて謝ったり。

合格間違いなしの志望校に落ちても、ケロッとしている。

徹子は何かを隠している。俺は彼女の秘密を探ろうとするが・・・・・。

互いを思いやる二人の物語重なった時,温かい真実が明らかになる。

 

「フラット」と「レリーフ」の2章からなり、「フラット」は護という少年の目線で、

「レリーフ」は彼の幼馴染で未来を予見できる不思議な女の子「徹子」の目線で描かれています。

「フラット」も「レリーフ」も同じ時、同じ事象を描いているのですが、目線がそれぞれ違うため、

別のストーリーのように感じてしまいます。

前半、幼馴染の友情とも愛情とも区別のつかぬ感情で、徹子の不思議な行動を護は見守り続けますが、

後半でその謎が徹子によって一気に解かれていく様子は推理小説を読んでいるようでした。

登場人物全てが大変個性的で、許せない嫌な輩もいて重苦しい部分もありますが、

素敵な出会いも沢山あり、全体的には優しいトーンでとても面白かったです。

未来が見える能力ゆえに悩み、孤独に生きていかなければならなかった徹子。

その徹子を見守り支えていく幼馴染の護の大きな力が徹子を救う。

最後は時が流れ、一気に二人の晩年へ。ラストのシーンには誰もが目頭を熱くするでしょう。

 

加納朋子さんの他の作品も読んでみたくなりました。

 

 

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読書備忘録~竹ノ御所鞠子

2022年04月29日 | 読書&映画&ドラマ

鎌倉3代将軍 源実朝が甥に当る公暁に暗殺され、源氏の直系男子は実質途絶えます。

鎌倉は三代で終わりだった思っている方も多いのではないでしょうか。

実朝の後一体源氏はどうなっていったのか、4代将軍は誰がなったのか?

続きが知りたく、こちらの本を読みました。

「竹ノ御所鞠子」(杉本苑子著)

 

 

鞠子は2代将軍頼家の遺児で唯一女性(姫様)。

女であるがゆえに血を血で洗う権力抗争から逃れることができ、母(頼家の妾)である刈藻と、

人里離れた竹の御所で静かに穏やかに暮らします。相思相愛で女の幸せを得ることもできた鞠子。。

源氏の嫡流となる鞠子ではありますが、、刈藻は母として鞠子の平凡な幸せを必死で護ろうとします。

しかし、やはり鞠子も源氏の一族であるという立場を逃れることはできませんでした。

結局、非情な権力抗争に巻き込まれ、思いがけない方向へと人生が流れていきます。

読みながら、権力の道具として使われた武家社会の女性たちの憐れが身に沁み、

悲しさがこみ上げやりきれない気持ちになります。

タイトルは「鞠子」ですが、この小説の主人公は鞠子の母、刈藻。

我が子を護ろうとする母の愛で満ち溢れています。

後半はミステリアスな部分もあり、ややサスペンス的で一気に引き込まれて読み切りました。

あまりに悲しいラストに胸えぐられる思いでしたが、いろいろ勉強にもなり、とても読み甲斐のある本でした。

 

そして今、読みたいと思っているのがこちら!実は夫が図書館で借りてきて今読書進行形。

鎌倉関連部分のみ読ませてもらったのですが、日本史を人事という切り口から読み解くもので、

奥が深く、興味深い。歴史好きには一読の価値ありだと思います。

でも図書館本は順番待ち、私、確か10番目。所蔵本は1冊なので3~4ヶ月待ちかな?

 

 

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読書備忘録~鎌倉時代

2022年04月15日 | 読書&映画&ドラマ

 

まだ続いてます、凝りもせず「鎌倉殿の13人」関連の読書。

そろそろ終わりにしようかなと思いつつ、1冊を読み終わるとまたその先が読みたくなる。

今まで読んだ本はこの2冊の前に「炎環」(永井路子著)と「鎌倉殿の世界」(複数の著名作家著)。

「言の葉は、残りて」以外は鎌倉時代の歴史小説短編集となります。

ひとつ一つの作品は時系列になっており、主人公も一人ですが、重なる話もあり、

読解力不足の私は、読み進むうちにやや混乱してきます。(苦笑)

前2作の読後感はこちらをクリックしてください→「大河ドラマに魅せられて」

 

「鎌倉燃ゆ」は7人の作家が、鎌倉時代初期に登場する人物を描いています。

「水草の言い条」では大河ドラマ主人公の北条義時を、「蝸牛」では頼朝の娘、大姫と静御前を、

「曾我兄弟」では曽我十郎五郎のあの有名な仇討を、「讒訴の忠」では梶原景時を、

「非命に斃る」では鎌倉2代将軍、源頼家を、「重忠なり」では忠義者であった畠山重忠を、

「八幡宮雪の石階」では三代将軍「実朝」を描いています。

今回の大河ドラマで脚光を浴びることになった鎌倉時代。

あまりに表面的なことしか知らなかった自分にショックを受けるほど、

様々な人物、様々なキャラクターがクロスし、時代が進んでいったのですね。

 

この本の最終章の「源 実朝」の生涯を読み、もっと詳しく知りたいと飛びついたのが、

次に読んだ「言の葉は、残りて」(佐藤雫著)です。

三代将軍「源実朝」といえば、鶴岡八幡宮の石の階段で公暁に襲われ、命を落した悲劇の将軍!

恥ずかしながら、その程度の知識しかなかった私は、夢中になって読みふけりました。

これは感動的な歴史恋愛小説と言えるのではないでしょうか。

武の力ではなく、言の葉で世を治めたいと願う心清らかな将軍実朝に私はほれ込みましたよ。

都から嫁いできた公家の姫・信子との夫婦愛に心温まるものがあります。

実朝は文芸には優れているものの、将軍としてはひ弱で無能というイメージが強いですが、

そんなことはありません。様々な葛藤を乗り越え、有能な将軍へと一歩を歩み出した矢先、

血で血を争う殺伐とした世に、夢かなわず命を落としまいました。

しかし実朝の言の葉は藤原定家の案で「金塊和歌集」として残ることになります。良かった!

 

今まで読んだ本が少々固い筋であったため、ロマンス小説ともいえるこの本は、

長編小説として実朝の生涯が丁寧に描かれ、また文体も優しく、とても読みやすかったです。

初めてであった作家、佐藤 雫さんの他の小説も読んでみたくなりました。

 

 

 

 

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