夕螺の一言日記

毎日心に浮かんだことなどを書いてみたいと思います。。。(2014年3月13日開設)

しりとり俳句 2019年秋

2019年10月23日 22時41分17秒 | 「しりとり俳句」
       2019年 秋

     雨上がり残暑厳しき草の原 夕螺
     草の原刈る生身魂の合掌 翡翠
     合掌して煙草手向けし盆の夕 夕螺
     盆の夕に酌み交はしゐる次世代と 被衣
     次世代もオヤジとなりて秋の蝉 夕螺
     秋の蝉よはよはしき声窓に聞く 被衣
     窓に聞く秋めく風の通り雨 夕螺
     通り雨紅鮮やかに野萱草 越後美人
     野萱草この雨忘れ明日思う 夕螺
     明日思う繁殖終えし秋蛙 りら
     秋蛙見つめる空に夜風吹く 夕螺
     夜風吹く地蔵盆に砂糖菓子 翡翠
     砂糖菓子葉月終わるか口に溶け 夕螺
     口に溶け甘みを残すかき氷 被衣
     かき氷彼岸も近き夕日射し 夕螺
     夕日射し白き干菓子に白き月 翡翠
     白き月残暑の夜やワンピース 夕螺
     ワンピース仕舞ひてケースに夏と書 被衣
     夏と書き思いでしまい秋の服 夕螺
     秋の服栗色こげ茶でしっとりと 越後美人
     しっとりと秋の長雨葉も黄ばみ 夕螺
     葉も黄ばむ庭に一輪黄菅咲く 被衣
     黄菅咲く香り残して秋深し 夕螺
     秋深し我が脳みそも秋蒸かし はな
     秋蒸かし湯気は登りてさつま芋 夕螺
     さつま芋ご飯の湯気も黄金色 翡翠
     黄金色秋の夕日に街は染む 夕螺

2019年秋の句は27句でした。
         多くの投句ありがとうございました。
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しりとり俳句 2019年夏

2019年07月28日 17時07分29秒 | 「しりとり俳句」
2019年 夏

     老夫婦遠雷鳴りて花そよぐ 夕螺
     花そよぐ姫林檎の木に白き蝶 被衣
     白き蝶花を渡りて夏は来ぬ 夕螺
     夏は来ぬ山や田んぼにそよそよと りら
     そよそよと名もわからぬや初夏の花 夕螺
     初夏の花かおりて誘うわが心 はな
     わが心夢かうつつか夏の空 夕螺
     夏の空うっとりしてるとヘビが伸び はな
     蛇伸びて手も足もなき厳かさ 夕螺
     厳かさ神に祈りて初夏みどり はな
     初夏みどり暗き小道に雨を待ち 夕螺
     雨を待ちモッテノホカ菊植ゑ替ふる 被衣
     植ゑ替ふる季節の花や初夏にして 夕螺
     初夏にしてUVケアで女子をゆく りら
     女子をゆく高齢体操蒸し暑し 夕螺
     蒸し暑し寒酒一杯菊うかべ はな
     菊うかべ甘酢の香り夏の夕 夕螺
     夏の夕そぞろ歩きの風呂上がり 越後美人
     風呂上り風さわやかに皐月月 夕螺
     皐月月つきつきと重なりて朧なり はな
     朧なる奴豆腐に角はなし 夕螺
     角のなきまあるい女に夏来たり 被衣
     夏来たり激しき雨や窓眺む 夕螺
     窓ながむ気分ゆらぎて青嵐 りら
     青嵐昼寝の夢も騒がしく 夕螺
     騒がしき蛙の声に夕散歩 被衣
     夕散歩笑顔に出会い暑いねと 夕螺
     暑いねと言いつ節電いつの事 hiro_kuma3
     いつの事五月の風は通り過ぎ 夕螺
     通り過ぎ振り返る初夏に同級生 被衣
     同級生バスで出会えり夏姿 夕螺
     夏姿祭りの下駄を取り出しぬ 翡翠
     取り出しぬ二十歳の日記や梅雨の雨 夕螺
     梅雨の雨でんでん虫のシャワーかな 越後美人
     シャワー浴び土の汚れに花思う 夕螺
     花思う君のしぐさに初夏の月 りら
     初夏の月うすぼんやりと雲に入る 夕螺
     雲に入るひんやりとした寝床かな はな
     寝床にて梅雨の音や寝返りす 夕螺
     寝返りす梅雨の来るとて傘もなし はな
     傘もなくコンビニ出でて夏の雨 夕螺
     夏の雨積ん読本を掘り返す 翡翠
     掘り返す土の匂いやダンゴ虫 夕螺
     ダンゴ虫葉つぱの上で寝たふりす 被衣
     寝たふりす煩き声の日盛りに 夕螺
     日盛りにキュウリベビーと睨めっこ はな
     睨めっこ待宵草に月は出ず 夕螺
     月は出ず夏の夜風が頬なでる りら
     頬なでる木陰の風や空仰ぐ 夕螺
     空仰ぐアジサイの花に雨の粒 越後美人
     雨の粒花に残りて夏の朝 夕螺
     夏の朝地震速報友は無事? はな
     友の無事暑中見舞いは早きかな 夕螺
     早き音(ね)に風鈴ひびくなゐの夜 被衣
     なゐの夜ストロベリームーン輝きて 夕螺
     輝きて樹液の丸く花おくら 翡翠
     花おくら味を思いて昼下がり 夕螺
     昼下り夏山の緑目にぞ染む 被衣
     目にぞ染む山桃落ちて雲厚し 夕螺
     雲厚し晴れてなんぼの梅雨空よ  はな
     梅雨空よ路地裏暗し窓の猫 夕螺
     窓の猫まだかなまだかな外見てる 越後美人
     外見てる店番暇や扇風機 夕螺
     扇風機の字が小さくて眼鏡かけ 静香
     眼鏡かけ上目づかいに窓の夏 夕螺
     窓の夏雨に濡れゐる茱萸の枝 被衣
     茱萸の枝実は鈴生りに朝の風 夕螺
     朝の風赤くも青くも犬の声 はな
     犬の声雨に湿りて梅雨さなか 夕螺
     梅雨さなか可惜夜に星二つ沿い 翡翠
     二つ沿い夫婦湯飲みや夏の午後 夕螺
     夏の午後星空待って食う西瓜 はな
     西瓜食い冷夏の風や足淋し 夕螺
     足さみし梅雨の寝冷えや朝ぼらけ りら
     朝ぼらけ二度寝の夢に蓮の花 夕螺
     蓮のはな酒染みこみぬ象鼻杯 翡翠
     象鼻杯天の甘露や夏の空 夕螺
     夏の空気まぐれなる雨稲に降り 被衣
     稲に降り山は静まり長き梅雨 夕螺
     長き梅雨母の昼餉にとろみ食 被衣
     とろみ食そうめん茹でて日は暮れて 夕螺
     日は暮れて炭色の空夏花火 はな
     夏花火静けさ戻り帰路の道 夕螺
     帰路の道まぶたに残る遠花火 翡翠
     遠花火出窓の風の心地よさ 夕螺
     心地よさ大樹の中の風涼し 越後美人
     風涼し眠気に落ちて遠き音 夕螺
     遠き音心に響き夏便り 被衣
     夏便り友の持病も笑顔にて 夕螺
     笑顔にてばあば来たよと夏休み 越後美人
     夏休みラジオ体操雨あがり 夕螺

2019年の夏の句は91句でした。たくさんの句をありがとうございました。
8月8日は立秋です。しりとり俳句も秋になります。
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しりとり俳句 2019年春

2019年05月02日 22時41分16秒 | 「しりとり俳句」
          2019年 春

     更け行かん立春大吉月は無く 夕螺
     月は無く音なくしても星光る はな
     星光る紫の空春来る 夕螺
     春来る計算する手がまた痩せた はな
     また痩せて余寒の雨は肩濡らす 夕螺
     肩濡らす君の涙に春の風 はな
     春の風花びら揺らし何知らす 夕螺
     何知らす春風にゆれ白きカーテン はな
     白きカーテン残るシミ寒戻る 夕螺
     戻るかな戻れるものなら過去の春 はな
     過去の春新月浮かぶ古池に 夕螺
     古池のわたる南風春はそこ 越後美人
     春はそこ雫の中の青空に 夕螺
     青空に幾多の希望日本兵 はな
     日本兵遺影の姿母の皺 夕螺
     母の皺笑って緩む陽炎よ はな
     陽炎の先にただよう笑顔あり 夕螺
     笑顔あり幼児に戻る母の春 はな
     母の春焼き芋食いて雪解ける 夕螺
     雪溶けてまた積もるなり人の世も はな
     人の世の春夏秋冬春浅し 夕螺
     春浅し警護も浅し知恵浅し はな
     知恵浅し春を探さず冬思う 夕螺
     冬思い掘りごたつにて蜜柑食う はな
     蜜柑食いすっぱい果汁や寒戻る 夕螺
     寒戻り鷺あきらめず池に立ち はな
     池に立つ枯れた草木に芽は萌える 夕螺
     芽は萌えて春の光にネコヤナギ はな
     ネコヤナギ城下の町やゆるき風 夕螺
     ゆるき風水面を刷いて雲流れ はな
     雲流れ淡き雪降り老夫婦 夕螺
     老夫婦連れ立ってこそ春うらら はな
     春うらら無風の空の静けさや 夕螺
     静けさや無心に眠る夜半の春 はな
     夜半の春雨のにおいに月隠れ 夕螺
     月隠れ薄き雲間に鷽一羽 はな
     鷽一羽木彫りの顔や悲しげに 夕螺
     悲しげに話すおばちゃんウソ一杯 はな
     ウソ一杯春満月は見下ろして 夕螺
     見下ろして春爛漫の宴かな はな
     宴終わり家路の路地やおぼろ月 夕螺
     おぼろ月差し伸べる手に花散りて はな
     花散りて光る日差しに思い馳せ 夕螺
     思い馳せ旅の夜空の冬銀河 山親父
     冬銀河消えゆく天に春の星 夕螺
     春の星まだ明けやらぬ草原に はな
     草原に春一番のつむじ風 夕螺
     つむじ風馬酔木(あしび)の花も目をまわし はな
     目をまわす都会の雑踏木々芽吹く 夕螺
     木々芽吹く朝日の中にネズミ一匹 はな
     ネズミ一匹春の夜中や屋根に月 夕螺
     月淡く青く透けゐし冬の朝 山親父
     春の朝小さき蜂は訪れし 夕螺
     訪れし友遠方より来る春嬉し はな
     春嬉し土割る球根柔き風 夕螺
     柔き風菜の花畑のおままごと 越後美人
     おままごと花の冠れんげ草 はな
     れんげ草根を張る土の暖かさ 夕螺
     暖かさ心の糸も解きほぐし はな
     解きほぐし冬枯れの草芽は息吹く 夕螺
     芽は息吹く平成終焉燦々とし はな
     燦燦と風通り抜け春の朝 夕螺
     春の朝寝ぼけ眼の猫ひょろり はな
     猫ひょろり炬燵はいらぬと春の庭 夕螺
     春の庭育ちはじめしハーブ摘む 山親父
     ハーブ摘み蛇口開きて風薫る 夕螺
     風薫る季語で迷いて彷徨いて はな
     彷徨いて散歩の道に風薫る 夕螺
     風薫る空はみずいろ恋のいろ りら
     恋のいろ仄かにもえるキンセンカ りら
     キンセンカ民家の屋根は古びれて 夕螺
     古びれて忘れな草の鉢欠けて はな
     鉢欠けて空き家の出窓春の雨 夕螺
     春の雨静々としむ胸のうち りら
     胸のうち開けて見せたい鬼薊(おにあざみ) はな
     鬼薊深き根っこは生き残り 夕螺
     生き残り花あかりさすここは路 りら
     ここは路老婆踏みしめ桃の花 夕螺
     桃の花遠い昔のひな祭り 越後美人
     雛祭り冷たき雨やちらし寿司 夕螺
     ちらし寿司赤い生姜で薫る春 はな
     薫る春雨は混じりて薄明り 夕螺
     薄明り暖を待ちわぶ浅緑 りら
     浅緑春の日射してモネの池 夕螺
     モネの池白き日傘の映る人 はな
     映る人東風吹く池や心揺れ 夕螺
     心揺れふわり浮きたち春二番 りら
     春二番つぼみ開いて立ち話 夕螺
     立ち話もう行こうよと春の風 越後美人
     春の風振り向きざまに薫る花 夕螺
     薫る花雪解の庭に黄水仙 被衣
     黄水仙花落ち葉っぱの背比べ 夕螺
     背比べ胸を張りつつ春ショール りら
     春ショール巻き方変えて午後のカフェ 夕螺
     カフェテラス弾む会話に山笑ふ 山親父
     山笑う小川の流れ追いてみる 夕螺
     追いてみる鯉の恋です春となり はな
     春となり小さき蜂の花選び 夕螺
     花選び仲良く歩く春うらら りら
     春うらら花屋の香り足を止め 夕螺
     足を止めチューリップ咲くを振り返る 被衣
     振り返り声する路地や猫の恋 夕螺
     猫の恋遠くの声や夢うつつ 越後美人
     夢うつつ浮世の境春霞 夕螺
     春霞瀬戸にたなびき小舟揺れ はな
     小舟揺れ光長閑けし港町 夕螺
     港町花冷えにのる潮の風 りら
     潮の風浜辺に一人浜えんどう 夕螺
     浜えんどう這う風に揺れ海は凪 はな
     海は凪春風過ぎて光る海 夕螺
     光る海あなたはやがて春の雲 りら
     春の雲浮かんでみたがあてもなく 夕螺
     あてもなくブログに向かふ春の夜に 被衣
     春の夜につぼみ開かず月隠れ 夕螺
     月隠れ声だけ残す猫の恋 はな
     猫の恋探すは無粋暮れの空 夕螺
     暮れの空春雷踊り犬は啼き はな
     犬は啼き春の夜明けの空動く 夕螺
     空動く永遠の蒼桜咲き はな
     桜咲き残雪の山清き水 夕螺
     清き水さらりと流れ春を知る りら
     春を知る露天の風呂は賑わいて 夕螺
     賑わいて歌う踊るの花見かな はな
     お花見か猫の散歩や花薫る 夕螺
     花薫るブログ日記も小手まりや はな
     小手毬や朝日射しこむ路地の奥 夕螺
     路地の奥小さな地蔵にレンゲ挿し はな
     レンゲ草風に揺られて彼岸過ぎ 夕螺
     彼岸過ぎそよ吹く風も透きとおる りら
     透きとおる朝日の中に雪柳 夕螺
     雪柳ゆらりと手招く女みゆ はな
     女みゆ着飾る顔の花曇り 夕螺
     花曇り女性の喪服の裾ひらり 被衣
     裾ひらり桜の宴に夜風吹き 夕螺
     夜風吹き桜吹雪の人模様 はな
     人模様寒の戻りや交差点 夕螺
     交差点ふと目が逢うや春の宵 りら
     春の宵ふらっと家出て空見上げ 夕螺
     空見上げリラの花咲く恋ほしく はな
     恋思い落ちる花びらハートのよう 夕螺
     ハートのよう白き羽つけうららかや はな
     うららかやシエスタ覚めて青き空 夕螺
     青き空子らの声して蓮華草 越後美人
     蓮華草咲き乱れるや古寺の屋根 夕螺
     古寺の屋根あたりただよふ花霞 りら
     花霞見下ろす丘に雲の影 夕螺
     雲の影春の陽隠す粋な空 被衣
     粋な空散らさぬほどに花を染め 夕螺
     花を染め忘れ心に春がすみ はな
     春がすみ小島のごとく山は立ち 夕螺
     山は立ち景入れ替わり山笑ふ 山親父
     山笑うトンネルぬけて里の風 夕螺
     里の風少し温みて一華咲く 被衣
     一華咲く悟りのごとき静けさや 夕螺
     静けさや桜散り行き霊柩車 はな
     霊柩車速度落とすや花吹雪 夕螺
     花吹雪まばたく今ぞ酔うてゆく りら
     酔うてゆく花見の茣蓙の香りして 夕螺
     香りして春過ぎゆきて海ちかし はな
     海ちかし浜辺を思い葱坊主 夕螺
     葱坊主あたま揃えて春の風 はな
     春の風ダンスのごとく走り去り 夕螺
     走り去りネズミ静まる春雷か はな
     春雷や十秒後の日の陰り 夕螺
     日の陰り生活保護だけのどかなり はな
     のどかなり花がら摘みや花に問う 夕螺
     花に問う令和の御代の空の色 越後美人
     空の色散り行く花に見上げおり 夕螺
     見上げおり雲の流れに遍路ゆき はな
     遍路ゆき一期一会で糸つむぐ りら
     糸つむぐ筵の老婆春の歌 夕螺
     春の歌なぜか歌わぬ母ひとり はな
     母ひとり散りゆく桜車椅子 夕螺
     車椅子に身をゆだねゐる母の春 被衣
     母の春洗濯干す手独り言 夕螺
     独り言はずんだ頃は春だった はな
     春だった記憶の流れ池は染む 夕螺
     池染むる桜の花びら隙間なく 被衣
     隙間なく風に漂い花筏 夕螺
     花筏思い出七色母は逝く はな
     母は行く忘れて母も桜餅 夕螺
     桜餅今年の香り葉届きけり 山親父
     届きけり祖母が祝って鯉のぼり はな
     鯉のぼり川に渡して夏近し 夕螺
     夏近し珈琲挽くや風となる りら
     風となりブランコ揺らし西の空 夕螺
     西の空曇天に射す夕日かな はな
     夕日さす鉢の花散り春思う 夕螺
     春思う芽を出す花の緑濃し 被衣
     緑濃し山の梢に鳥の声 越後美人
     鳥の声小梢の日差し夏きざす 夕螺
     夏きざす言う貴方さえ夏知らず はな
     夏見えず冷たき雨に春炬燵 夕螺
     春炬燵まどろむ先に二輪草 被衣
     二輪草三歩下がりし老夫婦 夕螺

2019年春の句は195句でした。たくさんの句をありがとうございました。
       明日5月5日は立夏です。しりとり俳句も夏の句となります。
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しりとり俳句 2018・19年 冬

2019年02月03日 21時50分42秒 | 「しりとり俳句」
        2018・19年 冬

     四季は過ぎ木立閑とし宇津田姫 夕螺
     宇津田姫どこにおわすや冬を舞う はな
     冬に舞う落ちる木の葉の昼下がり 夕螺
     昼下がり小春の池の白き花 はな
     白い花寒木瓜ひとつ青き空 夕螺
     青き空稲かぶ蹴って揚げた凧 はな
     揚げた凧か細き骨に風は鳴り 夕螺
     風は鳴り雷鳴うめく冬来たり はな
     冬来たり海曇りて風はなり 夕螺
     風は鳴り雪のにほひを運びくる 被衣
     運びくる御節のビラや年思う 夕螺
     年思う銀杏ゆらす爺ちゃんよ はな
     じい様や桜落ち葉の帰り道 夕螺
     帰り道石焼き芋の誘う声 はな
     誘う声柚子の入荷や襟を立て 夕螺
     襟を立て男の料理柚子を切る はな
     柚子を切り浮かべて香り風呂の湯気 夕螺
     風呂の湯気母の面影冬の夜 はな
     冬の夜に人は消え失せ花眠り 夕螺
     花眠り花眠りてや寒椿 はな
     寒椿朝に一輪薄日さす 夕螺
     薄日差す庭を明るめもみぢ散る 被衣
     もみぢ散りわがよたれそ常ならむ はな
     常ならむ冬草残りて時を待つ 夕螺
     時を待つ白菜漬けに鷹の爪 はな
     鷹の爪夕餉の香り暮早し 夕螺
     暮早し隣は何をする人ぞ はな
     する人にスイセン咲くや笑い声 夕螺
     笑い声どんぐりころころ大合唱 はな
     大合唱第九は長し懐手 夕螺
     懐手王手を迷う爺の皺 はな
     爺の皺箒持つ手や冬の朝 夕螺
     冬の朝めざめてまぶし銀世界 はな
     銀世界彼方の山に思い馳せ 夕螺
     思い馳せネギかキャベツか卵の巣 はな
     卵の巣古屋となりて冬木立 夕螺
     冬木立はっぱ一枚落ちました はな
     落ちにけり瀑布の音や山眠る 夕螺
     山眠る腹は煮え立つ休火山 はな
     休火山囲炉裏も消えて湯治の宿 夕螺
     湯治の宿養老の滝母を連れ はな
     母を連れ年は暮れ行く数え年 夕螺
     数え年冬至が来ると二つ増え はな
     二つ増え春待つ花や苗の影 夕螺
     苗の影葉牡丹競う化粧よさ はな
     化粧よさ初雪知らす声弾み 夕螺
     声弾む子ら通りゆく落ち葉道  被衣
     落ち葉道耳輪片方落としけり かさね
     落としけり冬ざれの陽に薄き影 夕螺
     薄き影月ならば好し夜神楽に はな
     夜神楽や冬満月の山の峰 夕螺
     山の峰今宵限りと冬の月 はな
     冬の月太政大臣我が世とぞ 夕螺
     我が世とぞ思ひし二十歳の春ありぬ 被衣
     春ありぬ冬木立の芽硬きかな 夕螺
     硬きかな希望の扉春とおく はな
     春遠くか弱い日差し枯れし葉に 夕螺
     枯れし葉に君は誰よと問うてみる はな
     問うてみて答えもせずに冬の雲 夕螺
     冬の雲風に任せてただ放浪 はな
     放浪やあてなき旅の雪曇り 夕螺
     雪曇りぽとりと落ちる侘助よ はな
     侘助や風流ならむ現世に 夕螺
     現世に咲けども空し帰り花 はな
     帰り花里の景色に戸惑いて 夕螺
     戸惑いて早朝の電話とる冷たし はな
     冷たさや米研ぐ音に灯は暗し 夕螺
     灯は暗しどうにかしてと泣く犬よ はな
     鳴く犬や時雨る空に灯油売り 夕螺
     灯油売り電話予約に替えたらし 被衣
     替えたらし師走の飾り曇天に 夕螺
     曇天に冬の花火は狂い咲く はな
     狂い咲く政治を眺め水洟も 夕螺
     水洟も啜ってくれた母も在り はな
     母は在り目貼りの紙を折りており 夕螺
     折りてゐし冬の陽を浴ぶ鶴幾羽 被衣
     鶴幾羽吐く息白し夜の明けん 夕螺
     夜の明けん正夢に見え正座する はな
     正座して五感冴ゆ石の庭 夕螺
     石の庭白き化粧に紅をさす はな
     紅をさす手元もどかし冬の朝 夕螺
     冬の朝雨上がりにて虹の立つ はな
     虹の立つ暖冬うれし天気雨 夕螺
     天気雨狐の嫁入りほっかぶり はな
     ほっかぶり渡し船漕ぐ空っ風 夕螺
     空っ風裾を絡げて小走りに はな
     小走りの師走の日々に立ちすくみ 夕螺
     立ちすくみじっと見ている冬ネズミ はな
     冬ネズミ天井裏も年を越し 夕螺
     年を越し晴れて退院霞む夢 はな
     霞む夢叔母の名を呼ぶ母の声 被衣
     母の声細く愚痴言いみかん剥き 夕螺
     みかん剥き炬燵で年越し懐かしい はな
     懐かしき駄菓子屋流行り冬茜 夕螺
     冬茜ねぐらさがして飛ぶ子らよ はな
     飛ぶ子らの縄跳び眺め頬寒し 夕螺
     頬寒き朝の雪かき黙々と 被衣
     黙々と鍋をつつくや星流る 夕螺
     星流るひとつ落ちたと初夢よ はな
     初夢や何が現る年の暮れ 夕螺
     年の暮れガマ口の中腹へったぁ はな
     腹減って正月じたく餅を焼き 夕螺
     餅を焼き 醤油無いのに 今気づき ヒロ
     今気づき年越す母の老いし髪 夕螺
     老いし髪梳いてすかして年を越す はな
     年を越す宿題重し散歩道 夕螺
     散歩道山茶花咲いて口ずさむ はな
     口ずさみ枯葉舞い上げつむじ風 夕螺
     つむじ風ワンコの耳も立ち上がり はな
     立ち上がり炬燵を抜けて月を見る 夕螺
     月を見る冬至になると光りだす はな
     光立つ波に揺られて冬の月 夕螺
     冬の月我が身を照らせ影もなく 越後美人
     影もなく薄日の花壇春思う 夕螺
     春思う越後美人の下駄の音 はな
     下駄の音やけにうるさし冬至の夜 夕螺
     冬至の夜南京食べて腹はくち はな
     腹はくち炬燵は温しラジオ聴き 夕螺
     ラジオ聴きビング・クロスビーとXmas 被衣
     Xmas眩しき月は宙わたる 夕螺
     宙わたるアリアに夢を冬の月 碧
     冬の月碧空の朝白き影 夕螺
     白き影走るトナカイ雪は舞い はな
     雪は舞い帰省の道の街灯に 夕螺
     街灯に肩抱く影や雪時雨 はな
     雪時雨曖昧模糊と急ぐ足 夕螺
     急ぐ足願いばかりの初詣 はな
     初詣屋台は並び古き門 夕螺
     古き門観音開きに五光たち はな
     後光たつ観音見上げ寒の入り 夕螺
     寒の入り飛び立つサギのすまし顔 はな
     すまし顔朝日凍りて寒椿 夕螺
     寒椿赤きつぼみに雪を載す 被衣
     雪を載すワンコの鼻の面白さ はな
     面白き世間話も春遠し 夕螺
     春遠し誕生日さえ放置され はな
     放置され枯野の隅に夕日さす 夕螺
     夕日さす窓辺に小鳥影二つ はな
     影二つ老いし夫婦は路地曲がり 夕螺
     路地曲がりいつも走った駄菓子屋さん はな
     駄菓子屋の子らに交じりて寒雀 夕螺
     寒雀ふっくらふわふわ手に泊まれ はな
     手に留める輪ゴムは濡れて母動く 夕螺
     母動き鏡餅割るあの笑顔 はな
     あの笑顔沢庵一本レジ通す 夕螺
     レジ通す白菜重くて抱っこする はな
     抱っこする赤子の頬や冬晴れに 夕螺
     冬晴れに水仙の香ただよいて はな
     ただよいて結露の窓や珈琲の香 夕螺
     珈琲の香なつかしきかな純喫茶 はな
     純喫茶雪降る街の片隅に 夕螺
     片隅に冬の陽浴ぶる廊下延ぶ 被衣
     廊下延ぶ走るべからず寒稽古 はな
     寒稽古吐く息白し朝日射す 夕螺
     朝日射す窓辺に背伸びすシクラメン はな
     シクラメン影の隙間に日向ぼこ 夕螺
     日向ぼこワンコもお猿もキジまでも はな
     雉鳴くや高野の山は静まりぬ 夕螺
     静まりぬ廃屋の庭ふきのとう はな
     ふきのとう二個三百円春隣 夕螺
     春隣り土筆もヘビもこんにちは はな
     こんにちは冬を飛び越え雪椿 越後美人
     雪椿都会の空に空っ風 夕螺
     空っ風もうじき春だと言うお告げ はな
     言うお告げ節分の鬼高笑い 夕螺
     高笑い馬鹿な役人鬼は外 はな
     鬼は外鬼も内にと荒れ野原 夕螺
     荒れ野原つのる想いの寒の花 はな
     寒の花風に遊ばれ散る憂き目 被衣
     散る憂き目過ぎし夢かな冬座敷 夕螺
     冬座敷どてら着てねる掘りごたつ はな
     掘りごたつ火傷せぬかと祖母は笑む 夕螺
     祖母は笑むお餅ちぎって丸め役 はな
     丸め役後方支援の雪合戦 夕螺
     雪合戦子らのほっぺは真っ赤っか 越後美人
     真っ赤っか婆売るリンゴ雪が降り 夕螺
     雪が降り目を閉じてみるロシアかな はな
     ロシアの果てに舐めるがごとき大寒波 夕螺
     大寒波母の背中にAと書く はな
     Aと書き医師は目を上げ冬の窓 夕螺
     冬の窓 きのうの傑作 浮かびをり 越後美人
     浮かびをり鴨集まりて風わたる 夕螺
     風わたる不可能と言う寒空に はな
     寒空の雲間の穴に光落つ 夕螺
     光落つ総理の目口朧なる かさね
     朧なる稜線凍みて東山 夕螺
     東山凍てる杖つき渡るかな はな
     渡りかけ見上げる信号霙降る 夕螺
     霙降るカタカタ走るランドセル はな
     ランドセル衣更着(如月)の朝窮屈さ 夕螺
     窮屈さインフルエンザみな同室 はな
     同室の鳥のつがいや冬ごもり 夕螺
     冬ごもりすればいいのにチュウ太郎 はな
     チュウ太郎節分の夜は更け行かん 夕螺

2018年の冬の句は194句でした。
たくさんの句をありがとうございました。
明日2月4日は立春です。春の句となります。
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しりとり俳句 2018年 秋

2018年11月06日 17時42分04秒 | 「しりとり俳句」
       2018年 秋

2018年秋の句は112句でした。たくさんの句、ありがとうございました。
11月7日は立冬です。冬の句となりますがこれからもよろしくお願いいたします。


      憂いなし涼風至る雨の午後 夕螺
      雨の午後虹立ち上り龍田姫 はな
      龍田姫恵みの雨を纏い来て かさね
      纏い来て残暑厳しき雨合羽 夕螺
      雨合羽浮き袋にす秋出水 はな
      秋出水ニュースの声に箸を止め 夕螺
      箸止めてニュースに八月の雨を追ふ 被衣
      雨を追う道は続きて秋の川 夕螺
      秋の川裸足にすべる魚釣り はな
      魚釣り残暑の浜は賑わいし 夕螺
      賑はふは田の苗出揃ふ夏まつり 被衣
      夏祭り過ぎし空き地の猫じゃらし 夕螺
      猫じゃらし夕日に並ぶ影ゆれて はな
      影ゆれてヤモリ飛び出す濡れの壁 かさね
      濡れの壁残暑の午後に過ぎし雨 夕螺
      過ぎし雨 雷だけが 居残って はな
      居残って流れる雲や盆休み 夕螺
      盆休み濡れ縁でみなスイカ食い はな
      スイカ食い塩の多さに父しのぶ 夕螺
      父しのぶ高きに上るは低きから はな
      低きからリンゴ見上げて父しのぶ 夕螺
      父しのぶ誕生日には終戦記念日 静香
      終戦記念日固き西日に鳩一羽 夕螺
      鳩一羽影絵欲しくて障子はり  はな
      障子はり全開の庭眺めおり 夕螺
      眺めおり雲流れゆく秋の空 はな
      秋の雲遠き山にもつながりて 夕螺
      つながりて大地と天と稲妻と   はな
      稲妻や氏神様の笑み溢る 夕螺
      笑み溢る夏の祭りの囃子聴き 被衣
      囃子聴き手真似足真似盆踊り 夕螺
      盆踊り芽生えた恋に薄明かり はな
      薄明りろうそく出番暴風雨 静香
      暴風雨過ぎし草むら秋の草 夕螺
      秋の草遊びづかれた子の土産 はな
      子の土産清水焼に月昇る 夕螺
      月昇るおくのほそ道暮の秋 かさね
      暮の秋野良猫逃げて片思い 夕螺
      片思い鰯雲見る猫ひとり はな
      猫ひとり白粉花に顔洗い 夕螺
      顔洗い相撲の手わざ足さばき はな
      足さばき栗のいが剥ぎ土香る 夕螺
      土香るキノコの森のせいくらべ はな
      せいくらべ秋の西日に爪立ちて 夕螺
      爪立ちて熟れた柿の実取る子らよ はな
      取る子らのバッタは跳ねて空青し 夕螺
      空青し飛行機雲でまっぷたつ はな
      まっぷたつ割し胡桃の空の部屋 夕螺
      空の部屋船の形に秋の雲 かさね
      秋の雲流れる雲を見下ろして 夕螺
      見下ろせば庭の真中に薄揺る 被衣
      薄揺れ川面も見えず父の墓 夕螺
      父の墓参るつど咲く野の花よ はな
      野の花よ路肩に顔出し小雨降る 夕螺
      小雨降る寝そべるが如芋虫の かさね
      芋虫や葉を食む音の朝日射す 夕螺
      朝日射す光りを透し芙蓉かな はな
      芙蓉咲き老婆のごとく葉はしげる 夕螺
      葉はしげる秋と言えども葉は繁る はな
      葉は茂る木々の根元に彼岸花 夕螺
      彼岸花ハナミズハミズハッカケと かさね
      歯欠け婆箪笥の奥の八掛や 夕螺
      八掛や見えぬ色香に秋寂し 夕螺
      秋寂し父の位牌の文字の侘び 被衣
      文字の侘び秋雨つたう夕の窓 夕螺
      夕の窓秋桜揺るる玻璃の波 被衣
      玻璃の波秋の愁いや木立揺れ 夕螺
      木立揺れ母の病に秋の雨 はな
      秋の雨一雨ごとの雨の音 夕螺
      雨の音打たれて悲し残り菊 はな
      残り菊一輪立ちて薄日さす 夕螺
      薄日さす病院の部屋酸素吸入 はな
      酸素吸入祈る夜の流れ星 夕螺
      流れ星出会えないままもうななじゅう はな
      七十の坂を登りてすすき原 夕螺
      すすき原すきすぎた腹だんごかな はな
      団子売秋の蚊追いし寺の鐘 夕螺
      寺の鐘あと追うように飛ぶカラス はな
      飛ぶカラス曇天空に柿紅葉 夕螺
      柿紅葉あざやかに映ゆ碧空に 被衣
      碧空にたこ焼き香り暮れの秋 夕螺
      暮れの秋陽だまりの猫しっぽ揺れ はな
      しっぽ揺れ白粉花に隠る猫 夕螺
      隠るる猫木の実潰して粧ひぬ 碧
      粧ひてママチャリ漕ぎてハロウィン祭 夕螺
      ハロウィン祭ちちんぷいぷい星まく娘(こ) はな
      星まく娘ペガサス走り雲流る 夕螺
      雲流る寝転んでみる我が人生 はな
      我が人生昼寝も覚めて火恋し 夕螺
      火恋し盲目の手彷徨うて はな
      彷徨うて黄落の路地影日向 夕螺
      影日向水仙の葉の長く伸び はな
      長く伸び秋の西日は部屋奥に 夕螺
      部屋の奥シャコバの蕾ほの紅し かさね
      ほの紅し夏取り残し残る花 夕螺
      残り花透けて見せます蓼の花 はな
      蓼の花枯れて残れり冬支度 夕螺
      冬支度眠れぬ夜の炬燵かな はな
      炬燵出す晩秋の夜に妻惑う 夕螺
      妻惑う愛の一振り塩加減 はな
      塩加減秋茄子しょっぱし浅知恵に 夕螺
      浅知恵にトランプ王も夜寒かな はな
      夜寒なり蚊の羽音して窓の月 夕螺
      窓の月薄雲のなか祈りの中 はな
      祈りおりお堂古びて草紅葉 夕螺
      草紅葉燃えて落ちます赤い海 はな
      赤い海温き陽沈み冬隣 夕螺
      冬隣クロネコ乗せた箒とび はな
      箒とびハロウィン祭の掃き清め 夕螺
      掃き清む芝生に色づくマンサクの葉を 被衣
      マンサクの黄葉散りて幾年か 夕螺
      幾年か母と暮らした四季は過ぎ はな


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しりとり俳句 2018年 夏

2018年08月07日 14時56分38秒 | 「しりとり俳句」
       2018年 夏

      山見上ぐお花畑に風渡る 夕螺
      風渡る中途半端な髪の色 かさね
      髪の色白く染めゆき夏の夕 夕螺
      夏の夕田畑見回りウォーキング 静香
      ウォーキング野良猫素早し初夏の朝 夕螺
      初夏の朝バラの花殻摘む素手に 被衣
      花摘まむ素手に尺取り虫の道  かさね
      素手に尺取り虫の道年重ね 夕螺
      年重ねサボテンの花逞しく 碧
      逞しく生きた母にも午後の夏 夕螺
      午後の夏除湿されたる微風の涼し 被衣
      微風の涼し昼寝の夢や憂いなし 夕螺

2018年夏の句は12句でした。ありがとうございました。8月7日は立秋・・・・秋の句となります。
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しりとり俳句 2018年 春

2018年04月18日 22時39分29秒 | 「しりとり俳句」
       2018年 春

      白く染め残りし月や春の朝 夕螺
      春の朝親の寝息を確かめる 静香
      確かめる春の匂いや鉢の花 夕螺
      鉢の花色なき厨にシクラメン 被衣
      シクラメンうつむく顔に朝日照る 夕螺
      朝日照る荒れし畑に別れ霜 静香
      別れ霜せめて咲かせてマンサクを 被衣
      マンサクの花の便りに思い馳せ 夕螺
      思い馳せ爪染める夜を春色に 被衣
      春色の乙女のごとき花香る 夕螺
      花香る彼岸の部屋に母笑みぬ 被衣
      母笑みてでかき牡丹餅皿に盛り 夕螺
      皿に盛る新作レシピ春野菜  静香
      春野菜産地の景色を調べおり 夕螺
      調べおり金婚旅行北の春 かさね
      北の春急ぎ追いつき畦の花 夕螺
      畔の花咲かむと薄氷割りて伸ぶ 被衣
      割りて伸ぶ蒔きし種の土温し 夕螺
      土温し焦げのにおいの部屋に満つ かさね
      部屋に満つ香るフリージア朝の陽に 夕螺
      朝の陽に土の光りてイチゲ咲く 被衣
      イチゲ咲き花弁数え山見上ぐ 夕螺


2018年の春の句は二十二句でした。
ありがとうございました。
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しりとり俳句2017・18年 冬

2018年01月31日 20時33分29秒 | 「しりとり俳句」
       2017・18年 冬

     パラダイス炬燵の昼寝声遠き 夕螺
     声遠きおさなの雪に隔てられ 被衣
     隔たりし幾年の冬鏡見る 夕螺
     鏡見る自分じゃないと懐手  静香
     懐手落葉ひとひら戸惑いて 夕螺
     戸惑いの眼を見張る母に雪 被衣
     母に雪越後の思い積り行く 夕螺
     積り行く落葉のごとく言の葉は 夕螺
     言の葉の支へとなるを冬の月 被衣
     冬の月気づいて見れば西の空 夕螺
     西の空4時頃と見る冬耕い 静香
     冬耕の淋しき畝の影長し 夕螺
     影長きマンサクの枝に雪の華 被衣
     雪の華日の出に光り朝支度 夕螺
     朝支度夫魚焼き根深汁 静香
     根深汁冬至の夜に香り立つ 夕螺
     香り立つ柚子の皮のせ暮の蕎麦 被衣
     暮れの蕎麦煩悩深し登る湯気 夕螺
     昇る湯気即席めんや除夜の鐘  静香
     除夜の鐘遠くに響きテレビ消す 夕螺
     テレビ消すネットでドラマお正月 静香
     お正月コンビニ前に笑顔あり 夕螺
     笑顔あり仕舞いに本音寒きびし 静香
     寒厳し鼻水すすり影の道 夕螺
     影の道雪におほわれ延びゆきぬ 被衣
     延びゆきぬ頭を上げよ冬すみれ 夕螺
     冬すみれ見る人もなく風に揺れ 静香
     風に揺れおでんの旗の昼下がり 夕螺
     昼下がり四姉妹美し細雪 被衣
     細雪うるはし面白く染め 夕螺


2017年冬の句は30句でした。楽しい時間をありがとうございました。
最後の句の下五文字「白く染め」から春の句につなぎます。
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しりとり俳句 2017年 秋

2017年10月22日 11時12分38秒 | 「しりとり俳句」
             2017年 秋

     空家あり残暑の庭の夕間暮れ 夕螺
     夕間暮れキスゲの花の鮮やかに  被衣
     鮮やかに秋晴れの空雲流れ 夕螺
     雲流れ山の学校運動会  静香
     運動会狭き園庭笑い起つ 夕螺
     笑い起つ秋晴れの畑老い二人 被衣
     老い二人金木犀のパラダイス 夕螺
(パラダイス風信子咲く花畑 被衣)


     *投句していただいた句は本文中に掲載させていただきます。
            一番新しいコメントの句下五文字から継いでください。
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しりとり俳句 2017年 夏

2017年08月03日 14時27分09秒 | 「しりとり俳句」
         2017年 夏

      足元もサンダル履きの心地よさ 夕螺
      心地よき涼風になびくチューリップ 農婆
      チューリップ終わりし茎の初夏の影 夕螺
      初夏の影農婆歌を詠みにけり かさね
      名乗りけり詠みにけり紫の舞梅雨兆す 夕螺
      梅雨兆す長靴を買い大失敗 静香
      大失敗遠雷早く雨宿り 夕螺
      雨宿り廂の雫の光る初夏 被衣
      光る初夏親水公園賑わえり 夕螺
      賑はえる夏の遠雷ひかり射す 被衣
      ひかり射し昼顔開く昼下がり 夕螺
      昼下がりまだ韓流に心太 静香
      心太喉に冷たし父の顔 夕螺
      父の顔母の顔あり夏の空 静香
      夏の空雲は流れて旅心 夕螺
      旅心フランスギク添へ無沙汰詫ぶ 被衣
      無沙汰詫び新茶を淹れし雨あがり 夕螺
      雨あがり用水覗く蝸牛 静香
      蝸牛朝日は薄く滴垂れ 夕螺
      滴垂る紫陽花咲くを朝見つく 被衣
      朝見つく柔らかきかな夏木立 夕螺
      夏木立ち蟬声聴きつつ草むしる 被衣
      草むしる空蝉思い影優し 夕螺
      影優しピンク色した昼顔の 碧
      昼顔の長く伸びし空き家あり 夕螺 new

    2017年夏の句は23句でした。ありがとうございました。
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しりとり俳句 2017年 春

2017年05月04日 22時28分38秒 | 「しりとり俳句」
       2017年 春

*明日5日は立夏です。しりとり俳句も夏となります。春の句は43句でした。皆さん、投句ありがとうございました。春の最後の句の下五文字「足元に」からつなぎます。

    音立てて木枯らし去りて春来る 夕螺
    春来る花瓶の花は淡き色 碧
    淡き色立春の風は通り過ぎ 夕螺
    通り過ぎてよあれやこれ春炬燵 静香
    春炬燵物音遠し目の重さ 夕螺
    目の重さ腰も重たい春の夢 静香
    春の夢カーテン開けて思い出す 夕螺
    思い出す祖母の写真に春の海 被衣
    春の海のらりくらりと眺めおり 夕螺
    眺めおり二月の家のチュ-リップ かさね
    チューリップ蕾の中の心地よさ 夕螺
    心地よさ背なの春風ペダル漕ぐ 静香
    ペダル漕ぎ曲がる角にも梅の花 夕螺
    梅の花皮算用の日もありて 静香
    日もありてパンジー咲きて猫歩く 夕螺
    猫歩く恋の花咲く春の道 ルイコ
    春の道人の恋しき小雨降る 夕螺
    小雨降り水仙の芽の緑増す 被衣
    緑増し朝日のまぶしき庭の春 夕螺
    庭に春マンサク花びらひらひらと 被衣
    ひらひらと空を見上げて春落葉 夕螺
    春落葉チャック・ベリ-と言ってみる かさね 
    言ってみてでまかせならぬ咲く桜 夕螺
    桜咲く早とちりして頬染めて かさね
    頬染めし卒園児等におめでとう 夕螺
    おめでとう詰め襟ボタンに春の雪 被衣
    春の雪土に溶けゆく切なさや 夕螺
    切なさや咲かぬ桜へ片思い ルイコ
    片思い飛ぶ蝶となり豆の花 夕螺
    豆の花取ってみたいと小さな手 静香
    小さな手親から放し春花壇 夕螺
    春花壇オダマキの葉に里心 被衣
    里心菜の花香る寺の門 夕螺
    寺の門枝垂れ桜に迎えられ 静香
    迎えられ桜吹雪の並木道 夕螺
    並木道しだれ桜の色づきて 被衣
    色づきて緑茶に添うや桜餅 夕螺
    桜餅レシピを聞いて食べるだけ 静香
    食べるだけ筍飯は盛りてあり 夕螺
    盛ってある惣菜を買う春の暮 静香
    春の暮れ夕餉の香り路地の灯よ 夕螺
    路地の灯の見ゆる先には二輪草 被衣
    二輪草老いし夫婦の足元に 夕螺 

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しりとり俳句 2016・17年 冬

2017年02月03日 14時43分04秒 | 「しりとり俳句」
          2016・17年 冬

     秋茄子枯れて種抱く立冬かな 夕螺
     立冬の日差しに眠る野良猫や 碧
     野良猫も足音消せず枯れ葉散り 夕螺
     葉散りゆく 口明ける天 糧祈る 少彦名
     糧祈り神無月過ぎ冬来る 夕螺
     冬来たるバラの蕾も囲はれて 被衣
     囲はれて芽も出ぬ鉢に冬茜 夕螺
     冬あかね枯れ色の畑染めゆきぬ 被衣
     染ゆきし冬の色に足とまり 夕螺
     足を止め絵画展内マスクして 静香
     マスクして眉間にしわ寄す夕まぐれ 夕螺
     夕まぐれ家計節約着ぶくれて 静香
     着ぶくれて傘の滴のわずらわし 夕螺
     わずらわし助っ人来ない煤払い 静香
     煤払い残りし埃見上げ立つ 夕螺
     見あげ立つ飛行機雲や冬枯れて 静香
     冬枯れし原っぱの草に風はなし 夕螺
     風のなく雪まっすぐに落ちる夕 被衣
     落ちる夕冬至は近し暗き灯は 夕螺
     暗き灯はLEDにクリスマス 静香
     クリスマス特売卵声高に 夕螺
     声高に千両の競コンベヤー 静香
     コンベヤー乗せられ過ぎて年の暮れ 夕螺
     年の暮れ心急かされ花活ける 被衣
     花を活けて炬燵にごろ寝雲浮かぶ 夕螺
     雲浮かぶ小舟の帰る初日の出 静香
     初日の出コーヒー淹れて窓ひかる 夕螺
     窓ひかり墨の淡さや初稽古 かさね
     初稽古床の冷たさ師の笑顔 夕螺
     師の笑顔あたらしき年に琴の爪 被衣
     琴の爪硬き音色や寒の入り 夕螺
     寒の入り年明け挨拶済まぬ間に 碧
     済まぬ間に押し流されて七草に 夕螺
     七草や胸のつかえのいつの間に かさね
     いつの間に炬燵の昼寝影長し 夕螺
     影長しけんけんぱあや冬の旅 静香
     冬の旅思い描きて風呂温し 夕螺
     風呂温し月明々と中天に かさね
     中天にオリオンひかり煙草の火 夕螺
     煙草の火そこだけ明るき冬の部屋 被衣
     冬の部屋結露の筋に陽は登り 夕螺
     陽は登り色冴え冴えと干し大根 ルイコ
     干し大根皺もほど良し夕支度 夕螺
     夕支度昨日きょう明日白菜鍋 静香
     白菜や包丁入れて湯気昇る 夕螺
     湯気昇る頭鎮めよ修行中 静香
     修行中寒中見舞いに雪下ろし 夕螺
     雪おろしさくっさくっと音立てて 被衣 new!


    *2016年冬の句は46句でした。
                 たくさんの句、ありがとうございました。
明日は立春。2017年春のしりとり俳句は最後の句被衣さんお「音立てて」から次ぎたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
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しりとり俳句 2016年 秋

2016年11月05日 21時03分14秒 | 「しりとり俳句」
                 2016年 秋

明日は立冬ですね。
 秋の句は23句となりました。皆さんの句そしてお話を楽しませていただきました。
 ありがとうございました。

      惑えけり時に押されて秋迎え 夕螺
      秋迎え見上ぐる空に筋雲や 碧
      筋雲や筆を走らせ高き空 夕螺
      高き空菊芋の花を遊ばせて 被衣
      遊ばせる仔犬は走り彼岸花 夕螺
      彼岸花けしかけられて現れり かさね
      現るるコスモスの種花柄に 被衣 
      花柄の秋雨降るや草の花 夕螺
      草の花紅や真白にこぼれけり かさね
      こぼれおり秋の夕焼けガラス戸に 夕螺
      ガラス戸に矢羽薄の影の揺る 被衣
      影の揺る桜紅葉に顔を上げ 夕螺
      顔を上げ並び立かな秋桜は 夕螺
      秋桜星の雫にひそと揺れ 碧
      ひそと揺れ秋寒の夜に小花咲き 夕螺
      小花咲き枯れ畑に紅の色を差す 被衣
      色を差す十三夜の残り花 夕螺
      残り花秋を深めて風に揺る 被衣
      風に揺る落ち葉吹雪も近かりし 夕螺
      近かりしボブの受賞や秋の風 かさね
      秋の風冷たくもありさわやかに 夕螺
      さわやかにアボガドの葉の重なりて かさね
      かさなりて八百屋に夕日秋茄子 夕螺  new!


 7日からは冬の句となりますが、最後の句の下五文字『秋茄子』から次ぎたいと思います。
 秋の季語から冬の句というのは難しいですが、一応つないでみました。
 1日早いですが、冬のしりとり俳句とします。
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しりとり俳句 2016年 夏

2016年07月31日 19時54分52秒 | 「しりとり俳句」
          2016年 春
      
爺歩く傘もささずに皐月雨 夕螺
五月雨て十八歳の初選挙 花てぼ
初選挙アジサイ終わり思いあり 夕螺
思いあり句をまとめたる七月尽 碧
七月尽草むらの香に惑えけり 夕螺



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しりとり俳句 2016年 春

2016年02月05日 13時56分26秒 | 「しりとり俳句」
          2016年 春

      それなりに立春大吉陽の遊び 碧
      陽に遊ぶ小鳥の声や爺歩き 夕螺


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