なんだかご無沙汰しているあいだにすっかり2月。
おせちが終わって少し営業して、骨休めに出かけたら...
行った先の宮古島(沖縄県)は到着直後にマンボウに(泣)
そして、例の軽石&某国からの漂着ゴミ。
店はほとんどやっておらず、天気もあいにく...
ま、ホテルでぐうたら出来たのでいいか。
んなワケで、うちの店もまたまたマンボウ態勢。
平日は休んで、また歩くかね。
冬の寄せ植え、作りました。
店を再開して以降、すっかりまた、バタバタの日々。
男と女は完全に違う生き物である。
「ジェンダーがどうだ、差別が云々」
煩い世の中ではあっても。
それはもう、動かしようのない事実だ。
我が店の前は子供たちの通学路だが、
聞こえてくる会話や、
それに伴う振る舞いは、
もう小さなうちから、
男女で完全に違う。
和やかに会話しながら情報交換する女子。
ワーワー言いながら競り合い、
パワーバランスを見つける男子。
ある日のこと。
10歳にもなろうかという、女子二人が、
店の前でランドセルを背負って会話していた。
「わぁ♪そのセーター可愛いね!
その柄の部分、ふわふわになってるんだ〜。
...触ってみてもいい?」
そして、触ってみた後、
「私もこういうの持ってる」
思いがけず聞こえてきた会話とはいえ、
おばさんは内心『おお!』と声をあげる。
これはもう、完全に完成された女社会!
すなわち、
気づき、共感し、
相手を受け止め、
多少大げさに褒めつつ...
巧妙に、絶妙に、
自己アピールも忘れないスタイル。
対して男子は単純で。
どっちが早く走れるかだの、
だれがみんなの荷物を持つかだの、
いつも力比べをしながらワーワーワーワー、
あっという間に通り過ぎてゆく。
...ただ、ある時。
店頭の飾りを
そのうちのひとりが触って倒してしまった際に、
そのまま立ち去ろうとした彼を、
ひとりの、力の大きそうな少年が止めて、
「おい、お前、戻ってちゃんと謝ってこいよ!」
と。
『おお!』
ここでやはり、
おばさんは心の声を上げる。
男と女、違いはあれど。
それぞれ、素晴らしいコミュニティを、
この時点で作り上げているのだなぁ。
どちらがいいとか悪いとかではなく、
この形はきっと、長じても続いてゆく、
理にかなったモノなのだろう。
日が暮れ、子供たちの声が、
飲み歩くオトナたちのざわめきに変わっても。
やはり男は男、女は女である。
「わぁ、それ可愛いね!どこで買ったのー?」と、
情報交換しつつ、
自分の聞いて欲しい『何か』を、
巧妙に、話に織り交ぜてくる女子。
「バーカ!俺なんかこのあいだ5軒もハシゴしちゃってよー」と、
単純な『力比べ』で、競り合う男子(笑)
いくつになっても...。
まあ、男女共に、
それぞれの『社会』がそうなってゆく背景には、
文化的な要素も、
もちろんあるにはあるのだろうが...。
やはりつべこべ言わずとも、
生き物としての本能は、
本人たちが思っているより大きいのだろう。
キノコもすっかり少なくなって、森は秋から冬色へ。
次のシーズンが待ち遠しい!
こんなババァの誕生日に毎年花を贈ってくれる、ゴンザ友人J。
いつも本当にありがとう。
『ババァ』の力に驚いている。
『ババァ』とか書くと、悪口に聞こえるが、
決してそうではない。
褒めているのだ。
森の中でキノコを観察していると、
突然後ろから、
「あらぁ!リュックがカエルさんなのね♪」
と、声がして、
振り返るとそこには、
必ず『ババァ』がいる。
こちらもこちらで、
森の奥深くで、
カエルのリュックを背負った
『不審なババァ』なのだから、
怯まず声をかけてくる『ババァ』の勇気とコミュ力に驚くが、
考えてみれば、
振り返って
「そうなんです♪
ほら、口の中もちゃんと赤いんですよ!」
なんて、
リュックの詳細を見せて喜ぶ私もまた、
相当な『ババァ』なのだろう。
『ババァ』は、なんの躊躇いもなく、
簡単に『垣根』を越えてくる。
まるで見知った誰かのように、
親しげに人に声をかけ、
意識もせぬまま。
中でも凄いのは、
『各方面に渡った知識の広さに自分のことも絡めて』
相手の話を聞く、能力の高さだ。
きっと、子育てしたり、
家庭を運営してゆく中で、
身につけたものなのだろう。
子供や夫の話を「うんうん」と聞き、
総合的な情報を引き出しては分析し、
苦手な人とも、家族のために付き合う。
必要と思われることを粛々と行い、
すべてを丸く収めて...。
私は子育てもしておらず、
夫の世話もあまりしないが、
店に立つ人間として、
また、『ババァ』のはしくれとして、
ああいう『ババァ』に憧れる。
「ちょっと!
ババァババァってerimaさん、
その呼び方は同年代の女性にも失礼よ!」
とお怒りの方もおられるかもしれないが、
愛情こめた『ババァ』という言い方も、
世の中には結構あるだろう。
(ほら、毒蝮さんとか)
私が背負ったカエルのリュックは、
今日も『ババァ』を引き寄せる。
カエルを単に『カエル』と呼ばず、
必ずといっていいほど、
「カエルさん♪」と呼ぶ『ババァ』たちは、
無意識の内に、
小さくか弱い者を慈しむ守護者である。
私もいつか、そんな風に、
自然に相手の気持ちを解きほぐし、
何か、楽にさせてあげられる『ババァ』になりたい。
世の中は、もしかすれば、
気付かぬ内に、
『ババァ』というコミュ力モンスターによって、
ガタつく箇所に油をさされ、
スムーズに動いているのかもしれない。
相も変わらず、あっちの森、こっちの森への毎日。
倒木、朽木を這いずり回って...(笑)
でもこんなのが見つかるからやめられない!
自分で言うことではないかもしれないが、
『自粛』が始まってからというものの、
私の放蕩ぶりが止まらない。
朝、キノコ観察に出ては、
夕方まで帰らず、
たまに森に行かなくとも、
図書館、映画、美術館と、
ふらふらふら...
どうせならもう少し、
金になる動きは出来ないモンか?
と、自分でも思わないではないけれど、
とかく、私の好きなことは、
金にもならず、
役に立たないことばかり...。
対して、
それを優しく許してくれるゴンザはといえば、
店で使うための皿を焼いてみたり、
営業再開のための、
店内整備に精を出したりと、
もう、こちらのダメっぷりが際立ってしまうようで。
...すまぬ。
本当にすまぬ。
いや、マジで仕事に戻れるか不安なのよ。
楽しむことに全力投球しすぎて、
なんか、これでよかったのかどうか...
いや、お上が「休め!」って言ったんだけどね。
「密が悪い」って言うから、
一人、森に籠ったダケなんだけどね...。
つくづく、
自分には金を生む才能も、
協調性もないのだと、
教えてくれた『自粛期間』。
誰よりも楽しんだことには、間違いがないのだが。
ゴンザよ、苦労をかけるねぇ...。
知らないキノコと出会うのは、
自分の知らない小さな国を見つけるような感覚だと思う。
胸が震え、声をあげ、ただ立ち尽くす。
私は毎日、旅をしている。