私たちが知っている、普通の鰹はこんな感じだよね。
『ケンケン鰹』なるモノの存在を知ったのは、
旅に出る少し前のことだった。
「魚市場内の寿司屋に行ってきた」という、『ボリビアカットの男』が、
板さんに、「紀伊半島に行く」と話したら、
「今の時期なら、ぜひ、『ケンケン鰹』を食べてくるべき」と、言われたと。
主役にいく前に、この日の礒ものは『マガキ貝』
んでは!と、勇んで、目的のひとつにそれを定めてはみたものの...
いざ行ってみれば、はて。
その『ケンケン鰹』なるモノには、行けども行けどもまったく出逢えず。
それが、GW明けのせいなのか、
お天気のせいかはわからねど、
事前に調べた情報とはまったく違い、
定休日でもないのに休んでいる店、
または、潰れてしまったお店...。
とにかく、道しるべを失い、彷徨った四人は、
ついに、観光協会に足を運ぶ羽目に陥ったのである。
地ウニ。
「あのう...」
それまでの経緯を話し、
『ケンケン鰹』がどこで食べられるのか尋ねる我々に、
観光協会の人は、
「申し訳ありません」と謝るが、
これに関しては、きっと誰が悪いわけでもなく、
たぶん原因は、地方の疲弊とか、
人材不足ゆえのことでもあるのだろうと、
他所者ながらにも、それが薄々感じられた。
都会の飲食街であれば、こぞって扱いたがるであろう目玉食材も、
扱う飲食店や人材の数が少なければ、
売り続けることすら困難になるのだと、
足を棒にして初めて、わかったことがあったのである。
ウツボの網焼き。
結局、その町で『ケンケン鰹』に出会えなかった我々は、
その日泊まる予定の町での夕食に『賭けた』ワケだが、
実際その賭けは見事に実を結び、
お目当ての『ケンケン鰹』に出会うことが出来た。
それは、我々が今まで食べたことのある、どの鰹ともまったく違う味で、
『もち鰹』と別名にもあった通り、
モチモチ、吸い付く弾力が衝撃的な、
それまでの『鰹観』を変えるものでもあった。
そして、透き通るような身が、舌に吸い付く『ケンケン鰹』の衝撃!
鮮度が命、という『ケンケン鰹』は、厳密にいえば、
獲れて数時間しか味わえない希少なものなのだそうだが、
出会いまで苦労しただけあって、それはさらに美味しく、
また、苦労するだけの、価値ある味でもあった。
他にももちろん、美味しいものは、たくさんあったけれど...。
流れ子(トコブシ)の刺身も絶品!@南紀白浜『長久酒場』
もし、皆さんが、4月か5月、現地に足を運ぶことがあれば、
ぜひ、『ケンケン鰹』を食べてみて欲しい。
『ケンケン鰹』のケンケンとは、漁法のことで、
一説にはハワイの、現地語だということである。
くじらも美味かった♪
そう!この謎の貼り紙の意味は...ケンケンに魚と堅で『ケンケン鰹』(笑)
とにかく魚が美味かった〜♪