今朝、起きるとゴンザが泣いていた。
ちびくんの小さな骨壷を前にして。
今日はちびくんの四十九日だ。
ちびくんが旅立った日から。
少しずつまた、日常を取り戻し始めた我が家ではあっても、日毎に、彼の不在を.....
さらに強く、悲しく感じる。
運命の相棒を亡くしたゴンザは、毎日、ちびくんの小さな小さな爪の骨を身につけて仕事へ出かけてゆくが、四十九日という節目を迎えたことで、今、ちびくんの定位置にある、彼の小さな骨壷を、移動しなければならないのではないかということに、感情の揺れを抑えきれずにいたのだ。
.....それがたとえ、隣室に移動するだけであっても。
私は、別にそれを急ぐ事はないのだと、ゴンザが望むようにすればいいのだと伝え、彼らがまるで生まれたときからそうしていたかのように、いつも寄り添っていた光景を思い出す。
今日は。
ちびくんを送る儀式を執り行って下さったお寺に、お参りに行こうと前から決めていた。
ちびくんの骨壷はこの家にあるけれど、延命地蔵尊さまにお参りし、境内にいるたくさんの猫達のための、カリカリ大袋を納めに行きたかったのだ。
そこには。
誰かの家族であった、犬や猫のお墓が数え切れないほど並んでいるが、また、生きている猫たちもたくさん暮らしている。
おそらく、誰かが捨てていった者たちなのだろう。
しかし彼らに捨てられた悲壮感はなく、そこを訪れる人々皆に声をかけられ、可愛がられ、有り余る食事を食べ、自由を謳歌している、その姿には、慈悲そのものを見る思いすらしてくる。
風の吹き抜ける竹林を抜け、陽だまりに寝転び、すれ違う、縄張りを共有する仲間と挨拶を交わす。
そこに眠る多くの仲間の魂の間をすり抜け、頬ずりし、思い思いに過ごす。
共存生活では避けられないケンカの傷跡こそあるものの、彼らはきっと幸せそのものなのに違いない。
また、境内にいる猫達の顔を見て回ると、誰と誰が血縁なのかがはっきりとわかるところも面白い。
写真の猫は、母親らしき猫と連れ立って歩いていたが、あまりに面白い柄をしていたので、失礼してシャッターをきらせてもらった。
わかるかな?
ちょうど、あごだけが黒くて、あごひげが生えているみたいなの。
私はこいつを「つのだ☆ひろ」と名付けてみた。
帰り道。
アホみたいにいいお天気の中、美味しいパン屋に寄って、焼きたてパンを大量に買い込み、「沢田研二シングルA面集」を大音響でかけ、風に吹かれつつ、車内で熱唱する私たち。
生きるというのは、色んな感情が複雑に絡み合い、辛くもあるが、また一方では単純で、素晴らしい。
私たちの大切なちびくんの四十九日にあたる今日。
初夏を思わせる陽気にたくさんのものが揺らめいて。
今年初めての逃げ水を見た、日曜の午後のことだった。
ちびくんの小さな骨壷を前にして。
今日はちびくんの四十九日だ。
ちびくんが旅立った日から。
少しずつまた、日常を取り戻し始めた我が家ではあっても、日毎に、彼の不在を.....
さらに強く、悲しく感じる。
運命の相棒を亡くしたゴンザは、毎日、ちびくんの小さな小さな爪の骨を身につけて仕事へ出かけてゆくが、四十九日という節目を迎えたことで、今、ちびくんの定位置にある、彼の小さな骨壷を、移動しなければならないのではないかということに、感情の揺れを抑えきれずにいたのだ。
.....それがたとえ、隣室に移動するだけであっても。
私は、別にそれを急ぐ事はないのだと、ゴンザが望むようにすればいいのだと伝え、彼らがまるで生まれたときからそうしていたかのように、いつも寄り添っていた光景を思い出す。
今日は。
ちびくんを送る儀式を執り行って下さったお寺に、お参りに行こうと前から決めていた。
ちびくんの骨壷はこの家にあるけれど、延命地蔵尊さまにお参りし、境内にいるたくさんの猫達のための、カリカリ大袋を納めに行きたかったのだ。
そこには。
誰かの家族であった、犬や猫のお墓が数え切れないほど並んでいるが、また、生きている猫たちもたくさん暮らしている。
おそらく、誰かが捨てていった者たちなのだろう。
しかし彼らに捨てられた悲壮感はなく、そこを訪れる人々皆に声をかけられ、可愛がられ、有り余る食事を食べ、自由を謳歌している、その姿には、慈悲そのものを見る思いすらしてくる。
風の吹き抜ける竹林を抜け、陽だまりに寝転び、すれ違う、縄張りを共有する仲間と挨拶を交わす。
そこに眠る多くの仲間の魂の間をすり抜け、頬ずりし、思い思いに過ごす。
共存生活では避けられないケンカの傷跡こそあるものの、彼らはきっと幸せそのものなのに違いない。
また、境内にいる猫達の顔を見て回ると、誰と誰が血縁なのかがはっきりとわかるところも面白い。
写真の猫は、母親らしき猫と連れ立って歩いていたが、あまりに面白い柄をしていたので、失礼してシャッターをきらせてもらった。
わかるかな?
ちょうど、あごだけが黒くて、あごひげが生えているみたいなの。
私はこいつを「つのだ☆ひろ」と名付けてみた。
帰り道。
アホみたいにいいお天気の中、美味しいパン屋に寄って、焼きたてパンを大量に買い込み、「沢田研二シングルA面集」を大音響でかけ、風に吹かれつつ、車内で熱唱する私たち。
生きるというのは、色んな感情が複雑に絡み合い、辛くもあるが、また一方では単純で、素晴らしい。
私たちの大切なちびくんの四十九日にあたる今日。
初夏を思わせる陽気にたくさんのものが揺らめいて。
今年初めての逃げ水を見た、日曜の午後のことだった。