猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

妄想か現実か。

2010年03月31日 08時03分45秒 | つぶやき

 

昨日はとってもいい天気!
だけど...すんごく寒かった!!

 

朝から『つくし』を摘みに行ってのことだった。

「さてそろそろ」と、いっぱいになった袋を抱え、
引き返そうとしたとき、その人が現れる。

「つくし?」と、私が抱えたものの正体を確かめ、
「本当はもっと、水辺に生えているのが美味しいよ」と。

そのおじいちゃんは、丁寧に教えてくれて。

「ああ、そうなんですか♪」

 

さくらは二分咲き、三分咲き。
見ごろは週末あたりかな?

 

毎年つくしを摘むたびに、多くの人から話しかけられるのに慣れた私は、
話し続けようとするおじいちゃんに、少々付き合うことに決める。

.....が。

何やら耳を傾けてると、そのおじいちゃんの話が、
現実なのか妄想なのか.....

次第に怪しい方向へ進んでいくのに気づいて、戸惑う。

「あそこに生えているあの、うちの敷地にある木。
 アレ、枯れているでしょう?アレは除草剤をかけられて枯れたんだ。
 犯人はだいたいわかってるんだ。裏の後家だよ。
 あの後家は昔うちの納屋に男を連れ込んで、
 その男が煙草を捨てたものだから、火事になりかかって.....
 あそこが燃えたら近所もみんな燃えちゃうよ。
 俺の親父は怒ってねぇ.....でも後家と男はすぐ逃げちゃって、捕まんなかった」

「あの柿の木は接ぎ木をして、腐葉土を自分で作ってあげて、
 良い実をつけるんだけど、みんな盗まれちゃう。
 腐葉土もみんな持っていかれちゃうんだ。近所のヤツだよ」

おじいちゃんは同じ話を4度も5度も、飽きずに繰り返す。

 

さくらが咲く頃のつくしは美味しいと。
今年もたくさん摘んできました♪
持ち帰ったものは、ちまちまちまちま、袴をとって、余分な胞子を落として。

 

『ああ、このおじいちゃんはどこか病んでしまって、
 妄想に取りつかれてしまったのだ』

私は勝手に結論づけて、
さて、このおしゃべりをどの辺で切り上げようかと、
様子をみながら考える。

.....しかし、おじいちゃんのおしゃべりはやむことなく。

次第に私はそこに何か、不思議な整合性があることにも気がつく。

「ほら、ここには昔、池があって、大雨で川の水が流れ込んだとき、
 水遊びをしていた子供が一人亡くなってねぇ.....誰も弔いをしなかったんだけど、
 おばが供養のためにその後石塔を建ててね。
  見て、足元の石塔。水神って彫ってあるでしょ?
 これは水で亡くなった仏さんなんだ」

見れば、それまでただの道しるべか何かかと思っていた土手の小さな石塔には、
本当に側面に『水神』の文字があって.....

私は、何が現実で何が妄想なのか、わからなくなる。

 

こちらは取り除いた袴と胞子。
つくしは頭がまだ固い、開ききっていないものが美味しいというけど、
そういうのは胞子がすごいので、とんとんとボールの肌にぶつけて、
余分なものを落としてやる。
その後、つくしは何度か洗って6~7時間水に浸して、間に数度水換え。
いったん湯がいて絞って下ごしらえ。

 

「ほら、そこの川には大戦中米軍の戦闘機が墜ちて。
 日本軍が引き上げに来たけど、エンジンはまだ見つかってないんだよ」

「焼夷弾が破裂すると、破片がべっとりと膝の下にこびりついてとれない。
 六角形のヤツだよ」

そういえば、博物館で見たマグネシウム焼夷弾は六角形ではなかったかと、
私は思い出して、ますますおじいちゃんのことがわからなくなる。

もしかしたら、おじいちゃんの言っていることは、全部本当のことなのかもしれない。

でも、もしそうなんだとしたら.....

ちょっとした横溝正史の世界じゃないか。

のどかな農家の集落に小さな川、
近隣の人たちと、絶え間なく起こるトラブル、
疑心暗鬼の世界。

 

下ごしらえの済んだつくしは、ごま油で炒め、醤油・砂糖・みりんで味付け。
毎度変わり映えしませんがきんぴらに。
やっぱり美味しい!春の香り♪
毎春、一度は食べたいもの。

 

「そろそろ帰らなきゃ」

同じ話を繰り返し続ける、おじいちゃんが息を継いだのを見計らい、
私はなんとか、そのおしゃべりの渦から身を滑らせる。

「それじゃあまた!興味深いお話をありがとうございました」

はたして私が聞いたのは、小説より奇なる事実だったのだろうか。

小さな世界にうごめくものは、案外おそろしく、
想像もつかぬ現実だろうかと.....。

自転車に乗り、しばらくして振り返ると、
遠く小さくなったおじいちゃんは、土手にたたずみ、
川をじっと見つめている風だった。


もはやメダルの問題ではなく。

2010年03月29日 18時03分53秒 | ぶ~すか言ってやる!

 

.....ん?雨!?
と思ったら。

 

本当にバカバカしくって怒る気力もない。

「何が?」って、
聞くまでもない。

女子フィギュア、世界選手権の話である。

まあ、これについてはもう、他の方々も十分書いて下さっているので、
今さら私がどうこう言うまでもないのだろうが。

やっぱり言おう。

「馬鹿にしてんの?」

 

バラバラ、激しいアラレが落ちてきました。
まるで、怒り、荒れる、私の胸中を表してるような。

 

キム・ヨナの、あの、すっぽぬけジャンプと転倒、
プラス、どこにステップが入っているんだかわからないぐだぐだフリー演技で、
パーフェクトかつ、芸術的な真央ちゃんの点数より上?????

なんだ?

フィギュアじゃいつから『転倒』が高得点の技になったんだ?

まさか、演技途中でやる気をなくしてあきらめる素振りも、
やっぱり驚異の高得点のうちなの?

「曲の解釈が素晴らしい!」とか?(笑)

 

.....アレ?
毎日利用する駅の反対側にいつの間にかこんなものが...
ああ、そういや噂で、ありふれた施設が出来たと聞いたような(笑)

 

まったく、フィギュアスケートってのは私たちの知らないところで、
凄い進化を遂げたものですなぁ!

もはや理解不能なほど高度なスポーツになっていたとは!

もうね。

その陰で動くマスゴミと金と権力に踊らされている『節穴』の持ち主は、
一度でいいから真央ちゃんとヨナの技の完成度やポジションを比べてみるべきだ。

(今回はもはやひとつひとつを比べるまでもないほどの酷さだが)

まあ、真央ちゃんや他の選手が何をしても、
どんなに頑張っても、
どのみちキム・ヨナに、
『歴代最高得点を叩きだした女王』という称号は持っていかれちまって、
誰もそれを破れないよう、すでにおぜん立ては出来ているんだろうけども。

 

こちらは、実にみごとなモクレン。
きれーい♪

 

国策と金は二人の少女をめちゃくちゃに痛めつけた。

その結果が、あのキム・ヨナの、
他選手と、選手希望の子供たちと、
また自分をも侮辱した発言なのだろう。

.....こんな話があるか?

19かハタチでこんなに腐っちまうなんて。

腐らせちまうなんて。

彼女を思うとき、私の脳裏に浮かぶのは、かのトーニャ・ハーディングだ。

ま、今回の場合、暗躍しているのは本人じゃなく、
周囲なんだろうけども。

 

畑から菜の花。
こちらもまたきれい...
だけど、花びらがばらばら落ちて、ちょっと大変(笑)

 

フィギュアの世界はもはや終わった。

ただそれでも、
これだけ酷い目に遭わされても、
ひたむきに別の次元で、気高く美しく全力を尽くす真央ちゃんに、
私は救いを見出すけれど。

......あれが世界だってんなら、世界なんぞ糞喰らえだ。

しかし、腐った世界がたとえば誰かを腐らせても、
至高の存在ってのは決して輝きを失わないもので、
私は、真央ちゃんにその輝きを見出した自分の目を信じる。

真央ちゃんは別次元の女王で、
だから、金(カネ)メダルなんか買わずとも、
史上最高のアーティストでアスリートであると。

ま、あんまりこういうことを言うのも、
真央ちゃんのひたむきな努力と思いを穢してしまうことになるので
やめておいたほうがいいんだろうけども。

.......って、やっぱこれが言わずにおれるかってんだ、ボケ!!!

 


思いと現実。

2010年03月28日 17時00分03秒 | つぶやき

 

ふと目を留めた貼り紙には。
思いがたくさん。

 

仕事へ行こうと電車を待っていたら。

折りから吹きはじめた強風に肌寒さを感じ、
ホーム設置の待合室に逃げ込んだ。

と。

一枚の貼り紙に目が留まり。

その手書きの文字に、何か真摯なものを感じ、
ゆっくりと目で追う。

 

こちらはお店の小さなほうの看板。
もう載せたっけ?
前にも書いたかもしれないけど、これ、
元は入り口足元にある大きな看板の、サンプルだったもの(笑)

 

この土地には固有のサクラソウがあって、それが絶滅危惧種であること。

その貼り紙を書いたのは地元の小学生である二人で、
同じく地元の有志と共に、
大切なサクラソウを守り、増やそうと活動していること。

.....そして、いつかそれが実現したら、
周辺住民にもぜひサクラソウを見に、
川沿いの新たな公園へ足を運んで欲しいこと。

また、それまで温かく見守って欲しいこと。

 

こちらはサクラソウならぬサクラ。
いただいたお花の中から♪

 

.....その思いは紙面に滲み、
ぜひ私もサクラソウでいっぱいになった公園を見たいと思う。

しかし一方で、遊水地としての整備もが進むその公園が、
一部コンクリートで固められているのを目にした時をも思い出す。

地域のため、住民のため、
その工事はきっと必要であるのだろうけれど。

「行政のすることは、どうにもサクラソウを守ろうとする人々の思いとは
 絡み合いそうにないなぁ」と。

 

ど~~~~~ん!お店で生ハム一本っ!!
最初は、この台にどうやって固定するのかわかんなくて困ったのも、
今は懐かしい思い出(笑)

 

サクラソウが育つのに必要だという広い湿地が、
これからどうなるのか.....。

すでに工事終了の予定期日を2年半過ぎても、
一向に完成する気配のないその公園が、
はたしてサクラソウを思う人々の期待に応えられるのだろうか?と。

野球のためのグラウンドや、
サッカーやテニスコートに化けてゆく湿地帯を横目に.....。

そこに注ぎ込まれる税金はいくらか?

反して、サクラソウを守ろうとする彼らにされる支援は.....?

 

いきなりトイレ周りでごめんね(笑)こちらは店内化粧室。
ちなみに、お店の木工事関連はすべてゴンザ父が担当。
トイレ設置は水道関係の仕事をしている友人Y君が、
寝る間も惜しんで、完璧に仕上げてくれたのでした。
Y君、本当にありがとう。

 

水鳥が遊び、憩う湿地のそばで進みゆく、終わらない工事。

果たしてサクラソウは子供たちの思いを受けとめ、
とどまってくれるだろうか?

その未来は、オトナたちにかかっている。

 


その美しい一節。

2010年03月26日 22時00分00秒 | つぶやき

 

 

本を幾冊か読んでいると、
「この美しい一節にめぐり逢えただけで、この本を読んだ価値がある」
と、思える箇所に出会えることがある。

ごく短い一節ではあっても.....

夢の世界に誘うような。

酔っ払ったような。

 

 

ひとつの頁に世界は広がり、
それは時間も距離も、次元も遠く飛び越え.....

そりゃあ、実際体験することには及ばなくとも。

それでもそれは、異世界への入り口である。

過去の.....

または未来の。

もしくは現在の。

 

 

誰かが感ずる部分を私たちは、
本を通じて追体験し。

そして.....

その一節は心に残り、
また、新たなフィルターで濾過されるのだろう。

ときに濃く、凝縮されて.....

新たな味を生むために。

本を読む者には、忘れられない蜜の味。

ただその部分にめぐり逢うために。

 


冷たい雨の前の春。

2010年03月25日 21時12分07秒 | 

 

人がバタバタする間も.....

畑では菜の花が咲き。

 

クロッカスは毎年のように、ひそかに咲いては、
春の花と交代するようかのように散る。

 

チューリップは気温と共にぐいぐい伸びて.....

 

ソラマメの花は葉の影で惜しみなく、
芳香をまき散らす。

 

ムスカリは、とどまることなく仲間を増やし.....

何があっても春は来る。

桜もちらほら、咲き始めましたねぇ。