受難の年

昨夜。
母から「撮っておいて」と頼まれていた番組を録画しようとしたら、ビデオが壊れた。
テープを入れ、操作をしようとすると電源が落ちる。何度電源を入れても落ちる。
「おかしいな」と思ってテープ取り出しボタンを押しても、反応しない。
何度押しても反応しない。

「......？」

不審に思ってエジェクトボタンを押しても.....ウンともスンとも。
これはいよいよもっておかしいと、フタをめくって覗き込めば.....なんと、テープは少しひしゃげた状態で、中に詰まっている！
しっかりガッツリ詰まっている。

私は、どのボタンを押そうとも何の変化も展開も見られないことを充分に確認し、おもむろにドライバーを手にした。

まず、4箇所のねじを緩め、ビデオ本体上部を覆っているカバーを慎重にはずす。と、簡単に詰まっているテープの姿を確認することが出来る。
しかし、一体何が起きたことか、テープはしっかりと何かに挟まり、食い込み、ビクともしない。しかも本体を持ち上げると、下部から何やら「カラカラッ」という音もする.....。
私は嫌な予感を振り払い、ドライバーを細い物に持ち帰ると、静かにテープ周辺を探り、何とかはずすことに成功した。
「良かった.....」
再びカバーを元通りにかぶせ、数度、テープを出し入れし、正しく作動するのを確認して、本体を元の位置に戻す。
が、またも聞こえる「カラカラッ」の音。
しかも、元の位置に設置し直されたビデオは、またもやテープ詰まりを起こし、一連の作業も水の泡と化す。
「ウキーッ！」最高潮に達する私のイライラ。
またやり直しか.....。

と、再び私がビデオ本体を動かした時、「カラッ」。
小さな金属片がどこかから転がり落ちた。

「コイツか～！」
たぶん、テープを跳ね上げるバネのようなものの一部が折れたのだろう。
先ほどまではあんなに色々無駄な抵抗を試みた私も、＜壊れた＞と確認できれば途端にあっさりと諦める。
私は仕事中のゴンザに電話をし、翌日新しいビデオデッキを購入しなけらばならないことを告げて、ドライバーを放り出した。

それにしても、どうして電化製品って、壊れる時は続けて壊れるのだろう？
我が家は今年、まさに電化製品受難の時を迎えたようで。
最初はＴＶ。お次はエアコン。そして今回のビデオ.....。
気持ちいいくらい、次々に壊れてゆく。

そりゃね、新しい電化製品は機能も良くて、デザインもいいし、選ぶ作業は楽しいわよ。
だけど。こんなに続いちゃ財布に痛いっちゅーの。
すっごくすっごく痛いっちゅーの！

私とゴンザは諦めの境地で、「どうせ買うなら」と、通常のビデオにＤＶＤプレーヤー機能が付いたものを、購入した。予算オーバーだったけど。ホントに財布に痛かったけど（しつこい？）。

でも、ま、少々お値段が張ったぶん、ちゃあこのマイホームも付いて来たからいいか。
新居に足を踏み入れたちゃあこもすっごく満足げだったし。
......って、ちゃあこ。それ、ただのダンボール箱やん！