恨めしいペレの声が聞こえてきます
「オヒアよ、私はお前に惹かれ、素直に気持ちを打ち明けた。しかしお前はそれを卑しめたのだ。このまま帰れると思うな」
そう言ったとたんたちまち炎は消えました。
一体何が起こったのでしょう?オヒアには全く解りません。オヒアはくじいた足にふれてみました。すると、どうでしょう・・そこには硬い手触りがあり、驚いたことにオヒアの足は木に変わっていたのです!
そして足から腰、胸とみるみるうちに身体は木へと変わっていくのです
ついには頭まで木になり、オヒアは身動きができなくなってしまったのです。
オヒアは叫びます
「ああ、レフア、僕はもう君に会う事はできない」
帰りの遅いオヒアを心配して、レフアは一人山に探しにやってきました。
足を棒にして探したけれどオヒアはどこにも見当たりません。
疲れ果てたレフアは一本の木の下に身を崩すように横たわると、そのまま眠ってしまいました。レフアはオヒアの夢を見ました
夢の中でオヒアはなにが起こったのか話ます。そして
「今、お前が寝ているこの木こそ私の姿なのだ」
目を覚ましたレフアは、そのまま木にしがみついて、ひたすら泣いたのでした。
そんなレフアを見守る目がありました。
それはペレの妹で雨の女神「ヒイアカ」です。ヒイアカは心を痛め、なんとかオヒアを元の人間の姿にかえしてやろうと思いましたが強いペレの呪縛をとくことができません・・
やがてヒイアカはレフアに告げます
「レフア、ひとつだけ方法があります。もしお前が人間としての一生をあきらめるのなら、お前たちを永久に一つにしてあげましょう」
レフアは答えます
「お願いいたします。私をオヒアと一緒にさせてください。」
この言葉に胸をうたれた女神ヒイアカは、レフアの頭にそっと手を差し伸べました。
するとレフアの姿は消え、まばゆい光がオヒアの木を包み、つぎつぎと真っ赤な花が咲いていったのです!
「レフアよ、花になって永久にオヒアと添い遂げるが良い。」
キラウエアへ行っても決してレフアの花を摘んではいけません。
これを摘むことは、再び二人の仲を裂くことになるからです。
もし・・あなたがレフアの花をつめば、やがてキラウエアに雨がふるでしょう。
そしてその雨はもう二度とはなれたくない、と泣くレフアの悲しみの涙なのです。
・・・
ハワイにはたくさんの神々がいて、神話が今もかたりつがれています
レフアの花の悲しくも美しい物語です。