晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

白仏

2008年07月12日 | 
「白仏」辻仁成著

1999年仏・フェミナ賞外国文学賞を日本人としてはじめて受賞した作品です。
彼の作品はいままでいくつか読んできましたが、最初は「冷静と情熱の間」でした。みずみずしい恋愛小説に江国香織との共作が斬新で、(もちろんブルーもレッドも)わくわくしながら読んだものでした。

どうして、この作品を今まで読まなかったのでしょう!?
遅きに失した感でした。
作風は古典的ですが正統派。福岡弁がまた、情感たっぷりでよかった。

彼の祖父、鉄砲屋今村豊をモデルにしたもので、明治、大正、昭和を生き抜いた一人の男の物語です。
彼は「自分のルーツ」を覗いてみたかった・・と付記がありました。

鉄砲屋、稔(祖父)が臨終の場面からはじまります。
子供のころから、たびたび不思議な既視感に襲われたり、家族の身近な死をも体験して、「死んだらどこへ行くのか?」「なぜ生まれてきたのか?」の疑問が付きまといます。

生まれ変わり・・輪廻転生の思想も魔か不思議です。仏教徒だったの・・?
「人はなぜ死ぬのか」「愛することとは何か」「過去の記憶が未来につながるのか」など、人間として誰しも持つ普遍的で答えが出ない疑問と向き合ってます。

これが、フランス人の「哲学的思想」にぴったり受けたんでしょうね。


辻仁成の「死生観」描いた作品のように思えました。

明日から、一週間ほど、夏休みをもらいました!
また、南の島で、のんびりしてきま~す



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1 コメント

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Unknown (airplane)
2008-07-17 21:02:26
フランス人の「哲学的思想」と輪廻転生の思想・・・なにか共通するものがあるのでしょうか?

なかなか奥深い本ですね。
いつもながら、yuyupureさんのレパートリーの広さには感服いたします。

南の島での休暇は如何でしたでしょうか?
もう帰りたくない!って思ってたりして・・・
そんなこと言わずに帰ってきてくださいね!
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