晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

乙女の密告

2010年07月28日 | 
第143回、芥川賞、直木賞が過日、決まった。
書店でも、やっと搬入したばかりのピカピカの二つの本を特等席に並べ、ポップまで作りました。
今いち、反応は薄い。二人が初ノミネートで、知名度が低かったせいでしょうか。
新聞にはずい分と書評が載っていましたが・・
前回は該当者ゼロの芥川賞でしたから、ちょっと期待が高まります。
で・・早速読んでみました。

がっかり・・

アンネフランクのユダヤ人としてのアイデンティテーと、外大に通う女子大生の乙女、とを比較しているらしいのですが、さっぱり、よくわからなかった。
私の読解力不足かもしれませんが。
好きな類の小説ではないですね。

「ふざけているの?」と、思いながら読みました。京都のキャンパスを舞台にドイツ語で、アンネの日記を暗誦するコンテストに出るために奮闘努力する乙女達の様子に、変なドイツ人教授。(頭が変なんちゃう?)
関西弁のせりふに噴出した場面も多々。これは効果的です。

しかし・・意味不明でした。

アンネを密告したのは誰?と、乙女達の中にいる密告者とを引っ掛けているのはわかりますが・・感動は覚えませんでしたね。

あまりにも現代の女子大生の天然ボケと、平和な生活感のなさで、悲劇のユダヤ人ホロコーストが現実味をおびません。祖国を追われて、(もともと祖国なんてなかった)ユダヤ人たる人格も名前も剥奪されて・・とにかく平易に語ってほしくない歴史です。

まぁ・・純文学とはこんなもん?
と、首をかしげて、読み終えました。おそらくこの人の本はこの先読まないと思います。

それより、
先日読んだ
「カッコウの卵は誰のもの」 東野圭吾
は断然、面白かったですヨ


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