母はちらし寿司が好きです。
私はそんなに、です。
母の口癖は「ちらし寿司つくるのは大変! もう作らないから、あなたたちが作ってね」というものでしが、
近年、私と妹がそんなに好きではないと公言するようになったために、
そんなことは言わなくなりました。
母を手伝って作ったことはあるものの、
こんなに工程が多いのに、
そこまで「うっま!」とならなくないですか?
おいしいはおいしいけど、
バランスが悪いというか。
私の言うちらし寿司は、
昔ながらのやつです。
全部の材料をすべて違う味に作って、混ぜて、
大量の錦糸卵を乗せて、
エビの殻つきを茹でて上に飾るやつ。
だから私がひな祭りにつくるのは、
市販のすでに具ができているものを米に混ぜて、
さらにほぐし鮭とか大葉とかを追加するスタイルです。
本で読んだところによりますと、
ちらし寿司は昔庶民のごちそうで、
ハレの日の料理。
工程に時間をかけることこそが、「ぜいたく」とされていたんだそうです。
だからあんなに面倒なんだ。
作ることさえも、ごちそうの一部だった。
だしをとって、かんぴょうやシイタケを甘じょっぱく煮ているとき
確かにすごく豊かな気持ちになる。
それはそういうことだったのかも。
母になんでそんなに好きなのか、聞いたら、
「お母さんが特別に作ってくれたご飯なの」
と知りました。
祖母の得意料理だったんですね。
いい話。
帰りにスーパー寄ったら、天然の鯛があったので
母は嬉々として私に鯛をみせてきて、「食べにきたら?」といいました。
小さいとき、私は鯛の塩焼きが好きだったから、
今でも鯛の塩焼きをつくると連絡が来ます。
おかあさん、私はもうそんなに鯛のおかしら、好きじゃないんだよね。
おいしいけど、サバもシャケも同じくらい好き。
母の味といえば、私はから揚げです。
から揚げ作ったら連絡ほしいな。
最後からあげの話になった。
写真は年始の母のちらし寿司。