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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

信じられないことが起こっている!田中聡史さんへの強制研修

2014-06-11 06:32:55 | レイバーネット

信じられないようなことが起こっています。昨日、東京板橋特別支援が学校で起こったことを見れば、誰だって都教委は常軌を逸していると思われることでしょう。しかし、それでもやる、そこに、この「君が代」強制問題の本質が表れているように思います。何が何でも「君が代」を歌わせる、「君が代」に疑義をつきつける教員や支援者はなりふり構わず弾圧する、「君が代」装置を利用して市民を多数派秩序に取り込み、少数者の声を抑え込めば、確かに、そこに秩序は生まれますが、必ずや少数者は排除されます。私たちは多くの人とこの問題を共有していかなければならないとますます感じています。以下、根津公子さんからの報告をレイバーネットHPより再掲します。背筋が凍りつきました。

 

田中さんへの強制研修もうやめて!~市民の申し入れに警察官23人

 6月10日、田中聡史さんに対し都教委が学校に押しかけての「服務事故再発防止研修」強行した。当日の様子を報告する。(根津公子)

 

動画(市民の申し入れに警察官 6分)

今日は、驚き呆れた、いや、ぞっとすることが2つありました。そのことを含めて時系列で報告します。

河原井・根津らの「君が代」解雇をさせない会と板橋の市民8人は、7時少し過ぎから出勤する職員にチラシを手渡した。

8時を少し過ぎたころ、副校長が主幹と連れ立って、私たちのところにやってきた。手にはビデオカメラと三脚を持って。案の定、主幹はそのカメラを私たちに向けて設置し、録画を始めた。今年の卒業式からすでに3度目のこと。私たちへの脅しのつもりなのか、それとも、都教委にあげる資料とするつもりなのか。

副校長は私たちに、「生徒には配らないでください」と、これも決まり文句。私たちは「なぜ、生徒には配ってはいけないのですか。」「生徒にも知る権利があります」と訊き返したが、返事はせず。目も合わさず。副校長は、私たちの質問には一切答えず、終始、「生徒には配らないでください」を言い続けた。

8時50分頃、校長に面会を申し入れるために、私たちは玄関を入ってすぐの経営企画室・受付窓口に行った。受付名簿に名前を書き、企画室長に、「田中さんの『服務事故再発防止研修』にかか わり、校長にお会いして、要請書を渡したい」と、私たちの一人が言っている横で、副校長が「校長は会わないと言っている。入ってはいけない。出なさい」とわめいている。主幹も一緒にいる。

 企画室長は、隣の校長室に行き、すぐに戻って、「校長は、今日は会わないと言っています」。理由を訊いても、「理由はありません」。「理由くらい、訊いてきてください」。そのやり取りをしているにもかかわらず、副校長は「不法侵入、不法滞在です。私は 宣言しました。」と言い、携帯電話を取り出して警察に電話を入れた。「8人が不法侵入、不法滞在」だと電話口で言った。

9時8分、警官がこちらに向かってきた。玄関の中に入った警官は、静かな状態に事態が呑み込めないような様子だった。外にいた人には、制服警官の一人が、躊躇しながら訊ねてきた。「何をしにきているのか」と。「今日ある研修について要請書を渡しに来ている」と答えると、「研修って何のですか」と言う。

「君が代不起立で、同じような研修を5回もこれから毎月やるというので、嫌がらせの研修を辞めてほしいと言う要請書を渡しに来た」と答えていると、私服の警官らしき人たちが、10人ぐらいぞろぞろと入ってきた。その中の女性の私服警官(?)がメモ用紙を持って近づき、同じことを聞き出した。

「あなた、誰ですか?」と聞くと、「警官です」。「先ほど話しました」と言うと、制服警官が「何度も聞きますよ」と言う。また繰り返し同じ説明をする。


       *写真=執拗に市民に対して監視ビデオを回す主幹

玄関内では、私服警官の実行部隊トップらしき人物が、「管理者が出ろと言っている。ただちに出なさい。」と威圧するような口調で言った。

玄関の中にも外にも保護者がかなりの人数、居たので、私たちは、門の外に出た。今日は、学校公開日で、保護者や見学者がすでに来校しはじめていたのだった。

外に出て、数えると、制服警官11人、私服(公安かな?)が12人であった。外には、パトカー、警察のワゴン車がそれぞれ2台。

副校長は私たちを監視し続けるためか、一緒に正門前に出てきたが、この事態をどうにかしようとは考えていないよう。

「要請書をお出しになるそうですね。」と今頃になって言い出した。きっと私服警官から、受け取るように言われてきたのだろう。

 そうすると、副校長は警察に電話を入れた時点で、私たちが受付に行った理由を知らなかったということなのか。企画室長と私たちが話をしている内容も知らないままに、「追い出せ」という校長の 指示実行に全力を挙げたということだろうか。

「警察に帰ってもらったらどうですか。学校公開日にこれでは、保護者はどう思うでしょうね」「警察に相談してきたらどうですか」と私たちが言うと、副校長は2メートル中にいる私服警官のところに行った。そして、すぐに、制服警官は帰って行った。私服警官は居続ける。副校長は、私たちの指示にも従う人物なのだ。

私たちが副校長に、「校長宛要請書を読み上げるから校長の代わりに聴き、その要請書を校長に渡してほしい」と言って読みあげると、副校長はそれに応じた。

警察に通報するなどという大そうなことをしないで、初めから「校長の代わりに私が受ける」と頭を使えばいいものを、副校長には状況判断もできず、先のことも見えなかったのだろう。

長いこと、校長の指示通りに動くことにしか、神経を使わないできた結果なんだろうと思った。

校門の中にいる私服警官は、私たちがここにいる限り、退散しないだろうと考え、私たちはいったんこの場所を離れることにした。そして、10時半、私たちは再び戻り、校長室で行われている「再発防止研修」を、校長室から1メートルほどしか離れていない公道で監視した。監視と言っても、カーテンが引かれ、中の様子はまったく、分からない。

同「研修」が始まる予定時刻の10時半少し前にも、終了予定時刻の11時半少し前にも、誰かが校長室のカーテンをわずかに動かした。私たちがいることを確認したようだ。プラチナの指輪をした左手がわずかに動いたのを、私は見逃さなかった。校長室にいたのは、田中さんの他には、管理主事ら、都教委4人と校長だ。

11時20分、また、制服警官3名がワゴン車で来て、私たちの近くに停車した。管理主事らが帰るために呼んだのだろうかと思ったが、12時になると、車は立ち去った。

私たちは管理主事らに抗議文を手渡したいと思い、待っていたが、それは果たせず仕舞いで、今日の行動を終えた。

冒頭、驚いたこと2つ、と書きました。警察を呼んだことが一つ。 もう一つは、学校公開日にもかかわらず、「再発防止研修」を最優先したこと。あるいは、都教委が通知してきたこの日の設定に、変更を申し出なかった無責任さ。

学校公開日には、廊下を歩き、授業を見回ることが校長や副校長の仕事のはず。保護者との交流も、そこですべきことでしょう。そのことに専念すべきでしょう。

「君が代」不起立処分「ゼロ」にかける都教委の執念と焦りを、ここに見る。

一つとっても嬉しかったこと。

それは、一人の保護者が「不起立を続ける田中聡史先生がどういう人なのか、インターネットでよく確かめた。この学校に田中先生がいらして、とっても心強いです」と、おっしゃったことです。

その方は、「あのたくさんの人だかりは警官だったのですか?」驚かれていた。この方と出会えて、私たちにとっては、学校公開日が幸いしました…。

田中さんに対する、都教委が押しかけての「再発防止研修」、次回は7月28日(月)14時から15時まで。その間に、校長による同「研修」が毎週のように課せられます。

皆さま、これからでも結構ですので、都教委に●「君が代」不起立処分をやめよ。●「服務事故再発防止研修」をやめよ。と抗議を寄せてください。

*都教委の総務部教育情報課(都民の声を聞く担当):電話 03-5320-6733 FAX03-5388-1726
*人事部職員課:電話 03-5320-6792


根津公子の都教委傍聴記:ますますエリート育成に税金を注ぐ都教委

2014-05-24 20:58:18 | レイバーネット

佐々木有美さんから根津公子の都教委傍聴記が届きました。レイバーネットHPより掲載します。

 

根津公子の都教委傍聴記(2014.5.22)

ますますエリート育成に税金を注ぐ都教委
「等しく教育を受ける権利」を各教育委員はどう考えるか

前回4月24日の定例会では非公開議題に入学式「君が代」不起立処分案件が予測されたため、公開議題を終え、処分案件の非公開議題に移る時点で、傍聴者20人のうちの半数が退場しながら、「君が代」不起立処分の不当性について、ことばにした。各教育委員にしっかり考えてほしかったからである。それに対し木村委員長は、議事妨害の現認確認を担当職員に指示し、担当職員は今日の傍聴受付時に2度目の現認をされた人に対し、「誓約書」に署名を強要した。

そして、今日も定例会の冒頭、木村委員長は「議事妨害に対しては厳しく対処する」と宣言。背面監視も続く。都教委を批判する者を敵対視する教育委員と事務方である。

今日の公開議案は①「進学重点校の指定について」と他1件、報告事項が3点(②「卒業式・入学式の実施状況について」 ③「グローバル人材の育成に向けた取組(高校)について」 ④「平成25年度に発生した都内公立学校における体罰の実態把握について」)。

毎回の定例会で、事務方の議案・報告も、それを検討する教育委員の発言・対応もエリート教育にしか関心がないのか、ノンエリートは自己責任でと考えているのかと思わざるを得ない。今日もしかり。

①「進学指導重点校の指定について」は、青山高校を新たに進学重点校に指定したいという議案。進学重点校に指定されるには、「難関国立大学等現役合格者数15人」など3つの選定基準に達することが要件となる。2012年、8校のうち7校が基準に達して更新されたが、青山高校は基準に達しておらず、以降2年間の大学合格実績を見て判断することになっていた。この春の実績は基準(難関大学現役合格数が17人)に達し、青山高校は3年間の更新が可能となり、進学指導重点校に指定することが承認された。進学重点校への予算配分は、他の高校に比べ、群を抜く。

③「グローバル人材の育成に向けた取組(高校)について」: 今年度3期生を出す「次世代リーダー育成道場」(都立高生徒、都立中及び都立中等教育学校生徒 100人×2を1年間海外に留学させることが主な役割。一人あたりの総費用300万円のうち、8割は公費負担)、来年度、国際高校に国際バカロレア(国際バカロレア機構が認定した学校で学び、統一試験に合格することで、国際的に認められる大学進学資格を取得できる)の教育プログラムを実施するコースを設置するなど、エリート育成に金を注ぎ込むのが、今の都教委の方針である。

「グローバル人材の育成に向けた取組(高校)について」は、「使える英語力」、「高校在学中の留学」と「海外大学進学」、日本人としての自覚や資質の涵養が課題であるとし、今年度の取り組みとして、次のア~キを上げる。 

ア.外国人招致(現在5人を100人に)とネイティブ(1年次105時間すべての授業に)を入れた英語の授業の拡大  イ.英語科教員140名を英語圏の大学に派遣  ウ.英語教育重点校10校の指定 エ.次世代リーダー育成道場による留学支援の継続  オ.来年度中に国際高校において国際バカロレアの認定を目指し、施設整備、ネイティブの雇用等推進  カ.JICAの施設に高校生100人を派遣し、国際貢献のための体験研修(25人ずつ5泊6日)の実施  キ.日本の伝統・文化を学ぶ科目の設置(すでに39校が設置) ウ.の英語教育重点校10校は、「海外研修に毎年40人以上(の生徒)が参加している」「次世代リーダー育成道場に2桁の応募がある」「外国語コースが設置されている」「留学生を受け入れている」などの「実績」から指定したという。

配布された資料には英語教育重点校の取り組みとして、「外国人の授業の実施(全学年)」「生徒の海外語学研修の実施」「留学生との交流」などが挙げられている。そうすると、すべての高校で「ネイティブを入れた英語の授業の拡大」をするのではなく、英語教育重点校で行う、あるいは、重点校に極端に厚いということか。

進学重点校の指定、次世代リーダー育成道場、国際バカロレア、そして英語教育重点校。これらが重複して特定の高校に集中する。不平等もいいところだ。

憲法26条「教育を受ける権利」は「すべて国民は、…その能力に応じて、等しく教育を受ける権利を有する」と謳う。「その能力に応じて」と限定することによって、養護学校・特別支援学校をつくり、ノーマライゼーションへの道を阻んできたと思うのだが、都教委が今、ノンエリートには自衛隊駐屯地での宿泊訓練を、エリートには金をふんだんに使ってグローバル人材の育成をするのも、「その能力に応じて、等しく」と開き直るのだろうか。

② 卒業式・入学式の実施状況について」では、「国旗掲揚」「国歌斉唱」「会場設営等」についての、全都の学校からの報告を一覧表(A3用紙10枚)にして提示し、「国旗掲揚、国歌斉唱、すべての学校で適正に行われた。職務命令違反が○名あった」というだけのものだった。

前回の定例会で「都民から寄せられた苦情や請願の件数、内容」の報告の中に、「君が代」不起立処分についての批判がかなりの数あったにもかかわらず、ここでもまったく、委員からの発言討論はなかった。

③ 「平成25年度に発生した都内公立学校における体罰の実態把握について」では、「2013年度は2012年度に比べ、体罰が減った。体罰をした教職員110名のうち、複数回行った者が25人」などの報告。「体罰の程度が著しい事案」として「野球部の活動中に、宿題や教員に対する態度について1名の生徒を指導した際、同生徒に対して、足を蹴る、胸への張り手をする体罰を計20回程度行うとともに、右手で左側頭部を3回程度叩き、右胸両下腿打撲傷の傷害を負わせた」など24件が校名をあげて報告されている。

報告を受け、「体罰の認識が広まった。しかし、(体罰をした教員の)感情がコントロールできなかったですまされない事案がある。体罰は許されないが、教員からの聞き取りも必要ではないか」(竹花委員)との発言があったが、その真意がどこにあるのかがわからなかった。生徒に問題があるときには、教員の処分を軽減してもいいということなのか、と疑問に思った。

「君が代」不起立で停職通算22か月の処分を科された私に比べ、体罰に累積加重処分はなく、何度繰り返しても軽い処分である。処分の軽重は、処分事案に対する都教委の認識を反映する。都教委をあげて体罰防止に取り組むというならば、傷害を負わせても、心に傷をつけても軽い処分で済ませることはしないはず、と思うのだが。

*写真=佐藤茂美


根津公子の都教委傍聴記~イジメ防止を言うならまず都教委がイジメを止めなければ!

2014-04-25 22:20:14 | レイバーネット

教育委員会に多々問題があることは、だれよりも私たちが知っています。しかし、それは制度が問題なのではありません。制度を活かしきっていないから問題なのです。住民の声を受け止め、それを活かすことが教育行政の最も大きな死仕事だと思うのですが…。

根津公子の都教委傍聴記(2014.4.24)

寄せられた都民の声をどう受け止めたの?

 

 この日の議題に入学式での「君が代」不起立処分案件2件があったはずですが、24日 夕刻現在、処分発令はされていません。

 公開議案は、①東京都いじめ防止対策推進条例の立案依頼について。

報告が②東京都いじめ防止対策推進施策について ③平成25年度指導力不足等教員 の指導の改善の程度に関する認定等及び平成25年度条件付き採用教員の任用につい て ④都民の声(教育・文化)について(平成25年度下半期・10~3月) ⑤平 成26年度東京都立高等学校入学者選抜における採点の誤りについて 等。

① は、国のいじめ防止対策推進法の成立を受けて、都教委作成のいじめ防止対策 推進条例案を6月都議会にかけるというもの。

① が成立した後、いじめ防止のために都教委、区市町村教委、各学校が取り組む べきことについてが②の報告だった。

たいそうな条例や施策をつくればいじめが根絶できるものではない。子どもたちは大 人のいじめを見て真似ていくことくらい誰にだってわかるはず。

都教委のすべきことは、学校内での大人のいじめを止めること。校長が教員を怒鳴 り、パワーハラスメントをする、都教委が「君が代」不起立処分をする。これらのい じめを止めるのが都教委のすべきことである。

③の「指導力不足等教員」について都教委は、「業績評価が悪い者を『指導に課題 がある教員』として掘り起こしていくことを考える」とも言った。「君が代」不起立 教員に対し、都教委は評価項目4つのうちの一つの「学校運営」を「C(以下)」に するよう校長に指導している中でのこの発言は、非常に気になる。

また、「条件付き採用教員の任用」では、昨年度も新採用教員のうちの2、7%=7 9人が不採用とされた。

校長から目をつけられた人は、ほとんどが自主退職に追い込まれる。まったくひどい ものだ。そうした中、今年もそれを拒否し、免職にされた人が1人いる。これまでに 免職にされた人の話を聴くと、校長の当たり外れで不採用にされるのではないかと思 われるケースが目立つ。

毎年3%前後の新採用教員が不採用とされている現実を見れば、この制度が、首にさ れないよう、校長の指示に忠実に従うべきことを新採用教員に叩き込むものであるこ とは明白だ。

本来ならば、すべての教職員組合が取り組むべき課題であるにもかかわらず、これに 取り組んでいる組合は少数組合のみという悲しい現実がある。

新採用教員に対し、適切な指導ができなかった校長の指導力はなぜ、問わないのか。

新採用教員に対する指導の中にも、子どもたちの面前で校長や指導教諭が新採用教員 を罵倒することがあることも耳にする。これも子どもたちへの、いじめの奨励ではな いのか。

④は都教委に寄せられた苦情・要望、請願、陳情・要請の件数、内訳の報告。

苦情・要望では、大雪のために中止となった「中学生『東京駅伝』大会の延期開催を 求めるもの」が227件あった他は、「君が代」不起立処分等に関するものが183 件(うち、ほとんどが、不起立処分に反対する内容)、「『はだしのゲン』の撤去ま たは自由な閲覧を求めるもの」が152件。

請願では、「『はだしのゲン』の撤去または自由な閲覧を求めるもの」が119件、 「都立高校日本史教科書採択について」が74件、請願の全てが教育委員長をはじめ 教育委員によって検討されることを求める「東京都教育員会請願処理規則の一部改正 について」が65件。

陳情・要請では、「教職員」に関するもの22件が最多であり、そのうちの20件が 「君が代」不起立処分について、ということだった。

これらすべては、教育委員の仕事を問うものであるのにもかかわらず、誰からも発言 がなかった。肝心なことになると、口を閉ざす人たちだ。

寄せられた都民の声をどう受け止めたのかを委員たちは発言する義務があるだろう に、そして、公開の定例会で論議する義務・道義的責任があるだろうに、なぜ、それ をしないのか。

このことを回避して、東京の教育に責任を持つ仕事はできないはずだ。

教育委員の皆さん、そうではないですか。

⑤は、4月10日に荻窪高校で8名の答案に採点の誤りがあったことが判明。それを 受けて、すべての都立高で点検した結果、48校、139件の誤りが判明したとの報 告。

「1人が採点したものを3人がチェックする。採点期間は3日間。」と事務方の説 明。都立高の退職教員の話では、以前は授業をやめて採点時間をつくっていたのに、 現在は授業の合間に採点をするのだという。授業の合間の採点なんて、間違いが起き ても不思議ではない。

「3日間」については、木村委員長から「それも問題だ」との発言があった。

「採点ミスを行った者に対し、厳重な○○を」(○○は聞き取れず)と発言した教育 委員がいたが、その前に「授業の合間の採点」を強いている都教委のやり方、それを させている責任者を問題にすべきなのだ。

教員上がりの指導主事・管理主事には、採点がどれほどの重労働であるかはわかって いたはずであり、それを放置した無責任さが問われねばならない。

都教委は、教育委員も事務方も、自己に厳しく向き合ってもらいたいと思う、定例会 であった。

*写真上は定例会前のチラシまき。石原「僕歌わない」プラカードが大活躍。下は警備する都教委職員と傍聴受付

 


いったい「再発防止研修」とは何なのか?~この虚しさに耐え、それでも民主主義を志向する!

2014-04-05 16:08:17 | レイバーネット

いったい、“言葉”というものを石原元都知事はどう考えているのでしょうか?都知事時代に行なった「君が代」強制政策の数々、それによって多くの教職員を処分によって苦しめたことを考えれは、口が裂けても「僕、国歌 歌わないもん」とは言えないはずですが…。

それに比して被処分者、再発防止研修を強制される田中聡史さんの“言葉”の真摯さ!「最高裁がどう決めようが、僕の良心が僕に立つことを許さない」。魂から発せられた“言葉”の潔さは私たちの心に響きます。

東京都教育委員会が「君が代」不起立者に行なう再発防止研修とはいったい何なのでしょうか? 

石原元都知事「僕、国歌 歌わないもん」~「再発防止研修」の茶番つづく

 

「僕、国歌 歌わないもん」。石原元都知事のプラカードがひときわ目を引く。4月4日、今年も卒業式で「君が代」不起立した教員に対して、「再発防止研修」なる転向強要が行われた。会場の東京・水道橋「教職員研修センター」前には、約60人の人が集まり抗議の声を上げた。石原元都知事は「君が代」強制の張本人。その人間が『文學界』3月号に堂々と「国歌なんか歌わない」と公言したのだ。都教委は10年以上、国歌を起立斉唱することを強制し、400人以上の教員を処分してきた。それに基づき、この日も減給処分を受けた田中聡史さんなど3人の教員が、3時間以上にわたって強制研修をさせられた。憲法を踏みにじり開き直る「茶番劇」は、いったいいつまで続くのだろうか。(M)

動画(YouTube 6分)

↓「再発防止研修」会場前を固める都教委職員

↓澤藤弁護士が憲法違反の「研修」をやめるよう訴える。澤藤弁護士発言(ブログ)

↓石原発言に対する抗議プラカードがいくつもあった

↓石原氏は、仕方なく歌うときは「君が代は(天皇の世は)」ではなく「わがひのもとは(私の日本は)」と歌詞を変えて歌うそうだ。

↓研修後の報告。鈴木たけしさん。「研修はイジメ・嫌がらせだった。振り返りシートで、自分の意に反する文章を書かされた。読みあげることまで強要されたが読まなかった」

↓田中聡史さん。「研修官は職務命令合憲の最高裁判決をもちだした。私にとって“起立斉唱することは自分の良心がとがめること”。裁判所が決めることではない。私は思想・良心の自由が侵されたと感じ、行動している」と研修官に反論したことを報告した。支援者から大きな拍手が起きた。

↓会場前では抗議のコールが続いた。

*石原発言関連記事 「ビジネスジャーナル」

 


一番大事なことは歌いたくない人、敬意を表したくない人の権利を守ること

2014-04-03 21:29:59 | レイバーネット

長谷川済さまが言われています。「他の国で、国歌や国旗がどんなふうに扱われているかを日本の人はもっと知るべきだと思います。」と。

国歌が国家のシンボルである以上、個人と国家の関係において、国家を批判的にとらえる自由は民主主義国家にあるはずです。国歌を歌わない権利もあるはずです。

国家のシンボルとして国歌を強制する国は、全体主義国家と言っても過言ではないでしょう。

 

歌わない権利を守ること~カナダ国歌についての思い出

     長谷川 澄(カナダ・モントリオール在住)

 


    *当時の写真

今年41歳になった息子が小学校を卒業した時のことだから今から殆ど30年も前のことですが、日本の公立学校での国旗、国歌の強制の話を聞くたびに思い出し、日本の人に話したいと思うことなので書いてみます。

息子はフランスで生まれ、3歳の時に私達といっしょにカナダのケベック州に移民し、幼稚園と小学校はモントリオール郊外の公立で学びました。今は公立学校は宗教と関係が無くなりましたが、当時は教育委員会がカトリックとプロテスタントに分かれていて、無宗教の私達は宗教教育の殆ど無かったプロテスタント教育委員会の方の仏語学校を選びました。ケベックの仏語系住民は殆どがカトリックだから、プロテスタント仏語という学校に通うのは親が移民の子か、プロテスタント英語系住民だが、子どもに仏語で教育を受けさせたいと考える家庭の子どもでした。

全校生徒数が200人と少しの小さい学校でしたが、ある時、親の出身国の歌や詩を紹介する学芸会をしたら40カ国近い国が出てきたという学校でした。こういう背景の学校だからか、息子がこの学校を卒業する時の式では、カナダ国歌を歌いました(このことは後で説明します)。私は子ども達の席の後ろに用意された父兄席からその様子を見ていました。すると、起立して歌う6年生の中に一人だけ、着席したままの子がいるのです。

それで、休憩時間に、私のところに顔を見せた息子に「国歌を歌わない子がいるんだね、どうしたんだろう?」と聞いてみました。すると息子はすごい勢いで「ママ、そんなことを言っちゃいけないんだよ! 国歌を歌う歌わないは完全に個人の自由なんだから、そんなことで、何か言うのはとても失礼なんだよ!」と怒るのです。「いや、何か言ったんじゃなくて、どうしたのかなと聞いただけよ」と言っても「聞くだけでも駄目なの!どうしてなんて、理由を聞く必要も、理由を説明する必要もないの!」と全く、取り付く島もないのです。

それで、息子は自分の席に戻ってしまったので、私は何か呆気にとられて、ぼんやりしてしまいました。すると隣の席にいたお母さんが少し笑いながら「あれはきっと、歌わないお子さんの権利を守るために、先生が教室で皆に厳しく注意なさったんでしょうねえ。私が思うには、あのお子さんは多分、エホバの証人のご家庭の子なんだと思いますよ。エホバの証人は神の国は一つという考えで、国家を認めないから、国歌も歌わないと思います」と教えてくれました。

家に帰ってから、息子に,気を付けて言葉を選びながら経過を聞いてみたら、国歌の練習の時にその子が先生に話しに行って、先生は「もちろん歌わないで良い」と言ってから、皆に歌う歌わないのは個人の自由であること、だから、そのことで何か言ったり、理由を聞いたりしてはいけないと話し、その子にも「あなたが説明したければ、勿論、説明しても良いのだけれど、したくなければ答える必要もないのだと言ったことを話してくれました。勿論、校長先生も全部ご存知だったと思います。ステージの上にいた校長先生にはよく見えたはずですから。このことは私の中に強い印象を残しました。

それまで疑問に思うこともなかったカナダ国歌の歌詞もよく考えてみました。仏語の方は『おーカナダ、我が父祖たちの地よ』で始まるのです。例えばカナダ先住民の家族だったら、これはとんでもない歌詞かもしれません。我が父祖たちからだまし取った地なのですから。(先住民がカナダ国歌を歌わされることはないでしょうが、先住民以外の人と結婚して、リザーヴの外で生活していればあり得ることです)。そう考えていくと、どこの国の国歌でも、国旗でも、それに反発を覚える人は必ずあるはずだと思うようになりました。だから、国歌や国旗がある限り、それを歌わない権利、敬意を表さない権利を保障することは非常に大事なことなのだと心から納得しました。


    *写真=現在のカナダの小学校

その時から15年くらい経って、日本で国旗国歌法が通った時、日本は大変なことになるのではないかと感じました。案の定、瞬く間に強制が始まり、今に至っています。他の国で、国歌や国旗がどんなふうに扱われているかを日本の人はもっと知るべきだと思います。

私は3年前に退職するまで、30年以上、大学で日本語を教えていたので、その間、何回も自分の学生たちに小学校やハイスクールで、国歌を歌ったかを聞いてみました。カナダのケベック州出身の学生は学校で歌ったことがあるという学生は殆どいませんでした。私の子どもたちの通った学校は移民の子が大部分だったために、国歌を教える意味もあって、卒業式に歌ったのかなと思います。カナダの他の州から来た学生には卒業式で歌ったという人も何人かいました。しかし、多くは歌ったような気がするけれど、はっきりり覚えていないと言うのです。しかし、米国出身の学生は大抵、いろいろな機会に学校でよく国歌を歌ったと言っていました。

中で一人、カナダ人だけれど、親の仕事の関係で、ハイスクールを米国で過ごした学生は、米国旗を揚げる時、胸に手を当てるのがとても嫌で、自分はカナダ人だからそうしたくないと先生に言い、学校から親に電話がかかってきたけれど、両親も本人がそう言うなら本人の意思を尊重してくださいと答えて、自分はしなかったという経験を語ってくれました。米国でも、拒否する権利は守られているようです。今回、これを書くにあたって、今はどうなっているのだろうと思い、今、小学校や中高校に通う子を持っている人たち何人かにメールで聞いてみました。

ケベック州では、やはり卒業までに一度も歌わなかったという答えばかりでした。ケベック州は公用語が仏語の州で、独立を望む人たちもいる州だから、カナダ国歌を歌うことは微妙な問題になるのかもしれません。バンクーバーで公立小学校の先生をしている方からもお返事をいただいて、その方の学校では週の始めの月曜日に毎週、校内放送で、国歌を流し、子ども達も歌うということでした。そして、集会などでは歌うことも歌わないこともあるけれど、そいうことは全て、校長の判断であること、他の学校ではどんな時に歌うかを校長が職員に意見を聞くところもあると言うことでした。

カナダではケベック州も含めて、学校では校長の権限が強く、大抵のことは校長の判断で決めるようです。教科書なども担当の先生が選んで、校長が許可すれば良く、私の子どもたちの学校では英語の先生は6年間、教科書は使わず、童話など、先生の選んだものを使っていました。

兎に角、日本では、『外国では、、、、』と言うとき、その外国は米国のことが多く、他の国とは大分様子が違うことも多いのです。色々な国で、国旗や国歌がどう扱われているか私も知りたいと思います。歴史的背景を考えれば、私も「君が代」や「日の丸」に全く敬意を表することは出来ませんが、一番大事なことは歌いたくない人、敬意を表したくない人の権利を守ることだと思います。