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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

第6回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会報告

2016-07-26 05:29:03 | 渡部通信
私たちは、7月24日多くの方々とともに、素晴らしい時間を共有することができました。
以下は、渡部通信からの転載です。


昨日(7月24日)大阪にて、
<第六回「日ノ丸・君が代」問題等全国学習交流集会>
                (主催:集会名実行委員会)
が開かれ、全国から150人が集まりました。

集会(10:30~16:30)は、
全国各地で闘っている仲間たちの学習・交流が主でした。

そのため第Ⅰ部では、大阪以外の各地の報告がなされました。
その骨子を紹介します。
<神奈川>
 ・個人情報保護条例を活かす会の活動
 ・マイナンバー制度違憲訴訟
 ・自衛隊への「職場体験学習」中止を求める取り組み

<千葉>
 ・高校における「日ノ丸・君が代」の状況
 ・今年4月に導入された「人事評価制度」(2018年度から賃金反映予定)との闘い
 ・高校の「道徳」授業、主幹教諭配置、
 ・実教出版教科書採択を巡る攻防(6校堅持)、育鵬社版歴史・公民教科書県立中2校で採択
 
<東京>
 ・河原井(3ヶ月停職)根津(6ヶ月停職)裁判、最高裁で処分取り消し確定(5月31日)
  (停職6ヶ月処分について)「自己の歴史観や世界観を含む思想等により忠実で
  あろうとする教員にとっては、自らの思想や信条を捨てるか、それとも教職員としての
  身分を捨てるかの二者択一の選択を迫られることとなり、・・・日本国憲法が保障して 
  いる個人としての思想及び良心の自由に対する実質的な侵害につながる」
 ・第二次再雇用拒否高裁判決(高裁まで勝訴、現在最高裁に係属)
 ・無意味な再発防止研修
  (思想良心の自由を直接的に侵害、戦前の予防拘禁に匹敵する思想弾圧)
 ・これまでの裁判一覧
 ・18歳選挙権ビラまき状況(「産経新聞」の記事に見られるビラまきの効果)
 ・都知事選の状況、自衛隊教育、オリンピック教育の異常
 
<兵庫>
 ・一人で不起立を貫く(あらゆる闘いをつないで大きな抵抗力に)

<福岡>
 ・1988年のゲルニカ問題以来の抗議行動で「君が代」処分はない

<宮城>
 ・「大震災以来、絵・音楽などの活動を通して多くの人々と結びつき、
  一緒に活動。女川原発地区の人々も心を開くようになった。」

<愛知>
 ・名古屋市立中学校の社会科教員が「政治的中立性の観点から不適切」
  として市教委から連絡、謝罪、口頭注意。自民党HPの密告フォームの危険性
 ・育鵬社版教科書採択阻止
 ・自衛隊の学校教育への介入の実態

次いで、「特別報告」として、高嶋伸欣さん(琉球大名誉教授)が
都教委の「オリンピック学習読本」(小学校編・中学校編・高校編)について、
 「オリンピック読本は公私を問わずすべての生徒に配布、約1億円かかっている。
 しかし、IOC憲章違反の内容で、学テ最高裁判決違反の教育を強要している
 憲法違反の文書である。今後、監査請求をし、住民訴訟の取り組みをしたい」
と話しました。

昼休みの後の第Ⅱ部は、
①<文化行事>、②<パネルディスカッション>でした。
①では、【FMシッターズ】が替え歌を6曲紹介してくれました。
いずれも良くできたもので、2人のハーモニーも良かったです。
ここでは福山雅治の≪桜坂≫の替え歌の歌詞を紹介します。
  
  「君が代」が流れたら僕はそっと座るよ Uh yeah
  「君」の意味が天皇だから
  
  揺れる卒業式 煩わしい檀上
  血の色に似た 「日ノ丸」の赤
  子どもたちが主人公だから
  「君が代」じゃダメなのに 校長聞かず
  
  職務命令出たのに
  議員もやってくるのに Uh yeah 
  僕は今も立たないままで
  
  入りたいけど 晴れ姿見たいけど 場外警備
 
  いつかきっと 変わる日が来る 子どもの未来信じて 僕は生きるよ

  子どもの未来に戦争は要らないから Uh yeah
  僕は今も抵抗している

  「君が代」が流れたら僕はそっと座るよ Uh yeah 
  「君」の意味が天皇だから

大変好評だったので、YouTubeにアップされるかもしれません。

②では、
<弁護士><A高校教員><A高校卒業生><A高校保護者><元高槻市教員>
がパネラーとなり、それぞれ意見を述べました。

<弁護士>さんは、「日ノ丸・君が代強制はどこまで来たか」ということで、
詳細な「ヒノキミ年表」をもとに、以下のことについて話しました。

 1、日の丸・君が代をめぐる歴史はどのようなものだったか
  (1)1945年代から振り返る意味と事件や裁判で振り返る限界
  (2)1980年代半ばからの時代の画期と闘い
  (3)2000年ころまでの訴訟での争点
  (4)2000年ころ以降の情勢と闘い
  (5)最近の最高裁判決=訴訟的枠組み
  (6)大阪府・市における動き

 2、日の丸・君が代と憲法、戦争をめぐる情勢はどうなっているのか

 3、歴史から何を学んで、闘いをどのように前進させるのか

またA高校の三者(教員、元生徒、保護者)の話も大変興味深いものでした。
元生徒のHさんは、卒業式に不起立することを自ら選択・宣言し、
それを保護者、教員集団は否定せずに見守り、
卒業式当日ビラをまいたら同級生らもそれを受け取り、
「君が代」斉唱時にも、級生が理解を示した、ことを紹介してくれました。
そうして出された資料には次のように述べられていました。

 「小心者の私の心の支えになってくれたのは、なにがあっても味方で
 いてくれる家族、中学で様々な意見を聴かせて下さった先生方と
 立つか立たないは生徒の自由で、不起立をしたからといってなにか
 いってはいけないと言ってくれた校長先生、高校で出会った私を
 受け入れてくれる先生や不起立をして処分を受けた先生、
 集会で出会った私を理解してくれる沢山の先生や人々に
 出会えたことでした。
 私を支えてくれた人々の多くは学校の先生でした。
 その先生方がもし、起立を強制され、
 不起立の話をすることを禁じられていたら、
 多分私はどんなに納得がいかなくても不起立の決心は
 つかなかったでしょう。
 先生への強制はやはり生徒への間接的な抑圧になります。」

教員のU先生も「君が代」強制を批判するビラをまきました。

こうした闘いにより、その後(2016年3月)、大阪弁護士会は大阪府教委に対し、
 ・「君が代」強制という人権侵害
 ・ビラまき制限行為の人権侵害
をやめるよう求める「勧告書」を出しました。

第Ⅲ部は、地元大阪からの報告でした。
 ・不起立処分1職員の立場から
   生徒の声を聞いてみたい。「君が代」の歌詞の意味を知っていますか?
 ・原告7人の「君が代」不起立戒告処分合同裁判
 ・原告3人の「不起立」解雇(再任用合格取り消し)撤回訴訟
 ・不起立減給処分取り消し訴訟(原告はクリスチャン)、信教の自由から問う
 ・不起立減給処分取り消し訴訟、
  人事委員会審理中なのに裁決が出たとする予断と偏見に満ちた地裁判決
 ・3つの裁判を抱える原告(「君が代」解雇損害賠償・減給処分撤回・戒告処分撤回)
   「君が代」強制は民主主義に反する
 ・高槻市の「日ノ丸」常時掲揚反対の取り組み 
 ・育鵬社版教科書の不正採択を暴く闘いの進展(第三者委員会の設置へ)

以上の第Ⅰ部~第Ⅲ部を受けて、以下のような「まとめと課題提起」がなされました。
 1、闘いの成果を全国に
   集会で報告された成果を全国に。特に、
   東京の須藤判決(河原井・根津裁判の)と大阪の弁護士会の勧告書を。
 2、大衆運動と裁判闘争の結合
   大衆運動が、裁判闘争に勝ち人権を確立する新しい切り口や
   理論を創り出す回路である
 3、慣例上の儀礼的所作は国家神道を引きずった宗教行為であり、
   憲法違反である
 4、東京都のオリンピック・パラリンピック副読本における国旗国歌の
   扱い方の批判
 5、これからの課題
   ・道徳の教科化、高校の「公民科」「総合歴史」問題
   ・高校生らへの「政治教育・政治活動」と教師の「政治的中立性」、密告制度批判
   ・陸自の新しいエンブレムと高校生の自衛隊リクルート、経済的徴兵制批判
   ・各地の課題の集約と文科省交渉
   ・全国各地での生徒・教師・住民へのビラまきと教育委員交渉
   ・情報と全国交流

最後に、
 (以上の経過を簡潔に紹介した後)、
 「また全国各地では、東京や大阪以上に厳しい条件の下でも、
 『日の丸・君が代』強制としたたかに闘い続けている教職員がいます。
 あきらめずに継続すること、そして力を結集することで、
 権力の目論見を跳ね返すことができると私たちは確信しています。
 今日、ここに集まった私たちは、『日の丸・君が代』不当処分を許さず、
 全国の教職員や市民・労働者と手をつなぎ、安倍政権の壊憲策動と
 たたかうことを宣言します。」
とするアピールを採択しました。

集会後、大阪市内を元気よくデモしました。
この日は天神祭の宵宮(よいみや)に当たり、
浴衣姿の人々も多く、それなりに注目されました。
また、デモはアメリカ領事館前で沖縄連帯の抗議シュプレヒコールをし、
大阪市役所前で解散しました。

なお、この集会の成果を踏まえ、今年中に文科省交渉をする予定です。
来年の第7回学習交流集会は、7月23日(日)、東京で行うことになりました。

全国の皆さん!
A高校の保護者は、
 「困難な情勢下、今後どうしたらいいのだろう」
という問いに次のようなことを述べました。
 「少数でも動き続けて発信し続ける事。
 あきらめずに頑張ったから、(娘の)Hが苦しい中を突破出来た。」

情勢は困難でも、焦ることなく、一歩一歩進んで行きましょう。








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「日の丸・君が代」問題等学習・交流会②大学では?道徳教育とは?

2015-08-03 07:05:34 | 渡部通信
大学からの報告、90歳の北村小夜さんの思い等を渡部さんの報告より掲載します。


その後、
・午前中は<東京>の「日の丸・君が代」関係の諸報告など(8人)、
・昼休みに <ジョニーHさんのミニライブ>をはさみ、
・午後からは
 <大阪>の「日の丸・君が代」関係の諸報告(7人)があり、
 <宮城><千葉><神奈川><愛知><兵庫><三重><福岡>
 からの報告の後、
 <学校教育にしのびよる自衛隊><教科書問題>
 <道徳教育><大学問題>の報告があり、
 最後に<「ひのきみ全国ネット」結成>の報告がありました。

ここでは今回はじめて<大学問題>(青山学院女子短大・清水康幸さん)の報告がありましたので、ますそれを紹介しておきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最近文科省が国立大学へ「日の丸・君が代」実施を要請した。

国立大学(80校余り)で言えば、「日の丸」は70数校、「君が代」は11校で実施している。

いまや大学も国家に絡め取られるようになってきた。

国立大学は10年前に独立行政法人となり、昔とは全く変わってきた。

研究費は学長の元に召し上げられ、
研究を申請して認められなければもらえない。
すべて競争になるので学者たちはバラバラになる。

一方学長の権限は強化され、その学長を選ぶのも、学外者を含めた形になっている。

「日の丸・君が代」もお金欲しさでやるところが出てくるだろう。

というのは、この間毎年1%ずつ予算が減らされ、この10年で1割減らされた。そして種別化して重点配分するから。

最近では、まだ自由な私立大学に逃げてくる学者たちもいる。

しかし、安保法制が出てきて、憲法学者の役割、アカデミズムの役割が考えられるようになった。

「学者の会」には1万人以上が賛同している。
「日の丸・君が代」強制にも3000人以上が賛同している。いろんな大学で集会なども開かれている。

大学での学問は「全てを疑う」、「常識を信じるな」というところから始まる。

学生たちに「日の丸・君が代」の意味を聞くと殆ど知らない。

そこで、戦前の教科書で「君が代」がどう説明してあるかを示す。するとよくわかる。

またそこには「日の丸」⇒「君が代」⇒「靖国神社」の順に説明してある。

事実を知れば理解する。疑問が生じる。そこから学問は始まる。ちゃんと歴史や事実を伝えることが大事だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
また<道徳教育>については、
まもなく90歳の北村小夜さんが報告してくれた。
北村さんは戦前の「唱歌」と「道徳」の関係を述べ、常に音楽と「道徳」とは深い関係があることを指摘された。

その上で次のように述べられた。
「自分は、戦後ずーと抵抗してきた、それなのに
こんなことになってしまい申し訳ない、と語って来た。しかし最近は、私たちが闘ってきたからこの程度で済んでいる、現場の人が大変だ大変だと言うが、それはあなたたちが後ずさりするからじゃないの、と言うようになってきた。権力は教師の力、教育の力を知っているから攻撃してくる。彼らが恐れていることに対して、教員たちはそれに見合うだけのことをしているだろうか。」

ここでは、それ以外の発言については紹介できませんでしたが、いずれも、国会で「戦争法案」審議中に開かれた全国集会にふさわしいものだったと思います。

集会終了後、銀座デモを行いましたが、池田浩士さんと北村小夜さんはそれにも参加して下さいました。
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「日の丸・君が代」問題等全国学習交流会①池田浩士氏講演

2015-08-03 06:56:54 | 渡部通信
昨日の報告が渡部秀清さんから届きました。2回に分けて掲載します。

昨日(8月2日)、「第5回『日の丸・君が代』問題等全国学習交流会」が開かれました。(参加者147名)

集会では、午前中、池田浩士氏さん(京都大学名誉教授)の講演がありました。

テーマは<戦争する国は学校から~いま教育とファシズムを考える~>でした。これはなかなか学ぶところの多いものでしたが、ここでは特に印象に残ったことを紹介しておきます。

それは、「国家儀礼」と「ボランティア活動」は戦争に密接に関係しているということでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1918年ドイツは第一次大戦に破れ、ワイマール共和国が出来た。

しかし1933年にはヒトラー政権が発足し、1935年6月にそれまでの「ボランティア労働」が法律で<義務化>された。

また同年9月にはナチ党の全国大会でユダヤ人絶滅政策が決まり、それが法制化され、1939年には第二次大戦に突入した。

日本では明治維新以降、天皇制はいちはやく軍隊と教育を掌握した。

(15年)戦争が近づくと「勤労奉仕」が<奨励>から<制度化>になった。

1937年、文部省は『農山漁村に於ける勤労奉仕』を刊行した。

1938年、夏休み5日間の勤労奉仕を実施した(「勤労動員」始まる)。

1939年、「作業」の漸次<恒久化>と<準正課>扱いになった。

1941年11月(太平洋戦争直前)、「国民勤労報国協力令」(勅令)を公布した。

ただ、日本とドイツの大きな違いは、ドイツにはワイマール憲法に基づく教育があり、そう簡単にヒトラーは学生生徒を支配できなかった。

それで「ヒトラー式敬礼」、「ヒトラー青年団(ユーゲント)」とか「アドルフ・ヒトラー学校」などをつくり青年を組織化しようとした。

その点、天皇制国家の公教育による「奉仕活動」などは日本はナチスをしのいでいた。

そしていま、日本はまた同じ道を進みつつある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(すでに都立高校では、2003年度に「10・23通達」を出し「日の丸・君が代」の強制を行い、2007年度から教科「奉仕」が設置され、「奉仕」が義務化されています。そうして、2013年度から自衛隊での宿泊訓練(田無工業高校)を始めました。

現在の「戦争法案」は、まさにその延長線上にあると考えられます。)

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「日の丸・君が代」反対全国ネット発足!

2015-08-01 23:53:42 | 渡部通信
「日の丸・君が代」問題等全国ネット(準)の渡部さんからのメールを転載します。

このメール( 「日の丸・君が代」問題等全国ネットの形成​へ)の<その1>(1)を出したのは、2013年9月19日でした。そこには、次のようなことを書きました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
8月25・26日に東京で行われた、
『「日の丸・君が代」問題等全国学習交流会』では
基本的に以下のようなことが明らかになったと思います。

①安倍政権下で、改悪教育基本法の具体化があらゆる面でしかも改憲の動きとセットになって急速ピッチで進行していること。

しかし、反対する既存の野党・組合などの力は弱まっていること。

②そうした中、「日の丸・君が代」強制反対闘争を軸に、教育戦線での闘いを進めるための「全国ネットワーク」形成の提起が多くの参加者に受け入れられ、情報交換や人的交流を進めていくことが共通認識となったこと。

討論の中である参加者は次のように述べました。
「今、みんなが我慢できないというようなものを持ちながら、模索して、しかしその結集体をどうやって作っていくかというところで本当に悩んでいる。」

『「日の丸・君が代」問題等全国ネットワーク』の形成は、教育戦線での結集体作りの新たな一つの試みと言えるでしょう。
このネットワークの最大の特徴は、<緩やかではあるが、闘うネットワークである>ということです。
また、当面、攻撃が特に激しい<東京>と<大阪>が車の両輪の役目を果たし、運動をけん引するだろうということです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その後、準備会が作られ、この間活動してきましたが、
ついに本日(2015年8月1日)、東京で、全国から17名の準備委員が集まり、
<許すな!『日の丸・君が代』強制、止めよう!
 安倍政権の改憲・教育破壊 全国ネットワーク>
(略称:「ひのきみ全国ネット」)が結成されました。

ここでは「経過報告及び課題と方針」、「申し合わせ事項」などが確認され、「結成宣言」が採択されました。

「方針」の中では、運動の「3つの柱」として以下のことが確認されました。
①「日の丸・君が代」の強制・処分に対する闘い
②憲法改悪と「教育再生」=「教育基本法改悪」の具体化に反対する闘い
③全国の教育現場でのあらゆる人権侵害を許さず、
安倍政権の海外派兵に反対し、平和と民主主義の教育の取り組み

ネットワークの「申し合わせ事項」は以下のようなものです。
<目的>
「日の丸・君が代」強制に反対するとともに、安部政権の改憲・教育破壊を許さない闘いに取り組む全国の個人・団体を結びあわせ、情報交換とともに、
具体的な闘いを呼びかけ、行動するネットワーク団体である。

<組織>
〇「世話人」:目的に賛同し、積極的にこの運動に関わろうとする個人
〇「賛同人・賛同団体」:目的に賛同し、この運動と連絡を取り合う個人団体
で構成することになりました。

<運営>
 「世話人会」(当面7人が代表世話人となりました)
 「全国交流会」(年1回以上。当面は東京・大阪での交互開催を目指す)

<財政>
 当面全国交流会の賛同金等の収入をもって、
 全国ネットを運営する

また、
暫定版のウェブサイトは以下のところです。
http://hinokimi.web.fc2.com/

以上のように略称「ひのきみ全国ネット」は
運動の「3つの柱」を大事にした
緩やかなクモの巣(WEB)状のネットワークです。

約2年弱の準備期間を経て不充分な点はまだ多いのですが、「戦争法案」が国会で審議されている中、
戦争と天皇制のシンボル「日の丸・君が代」の強制に反対する「ひのきみ全国ネット」がついに結成されました。

明日の「第5回『日の丸・君が代』問題等全国学習交流会」では本日採択された「結成宣言」が読み上げられます。

全国の闘う仲間の皆さん、
私たちもまた新しい<闘うネットワーク>を作り出しました。ともに闘いましょう。
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根津さんら、東京高裁で逆転勝訴!

2015-05-28 23:38:14 | 渡部通信

免職への脅しにも屈しなかった根津さんはとても強い人、しかしとても優しい人だ。今回の逆転勝訴はとても嬉しい。根津さんのことわかってくれてありがとう、と裁判長にお礼を言いたい気分だ。渡部秀清さんのレポートを掲載します。

 

本日(5月28日)東京高裁(須藤典明裁判長)で、河原井純子さん、根津公子さんに対する
画期的な「逆転勝訴」判決(都教委の裁量権逸脱で違法、損害賠償も認める)
が出されました。
この裁判は、2007年3月の卒業式で「君が代」不起立により、河原井さんには3ヶ月、根津さんには6ヶ月の停職処分が出されたことに対し二人が訴えたものです。

少し長くなりますか、以下、判決文からいくつかの要点を紹介します。

まず、根津さん対してなされた「停職6月」が妥当かどうかについての高裁の判断です。

 「停職処分は、・・処分それ自体によって一定の期間における教員としての 職務の停止及び給与の全額不支給という直接的な職務上及び給与上の大きな不利益を与える処分であって、将来の昇給等にも相応の影響が及ぶだけではなく、職員の懲戒に関する条例によれば、停職期間の上限は6月とされていて、停職期間を6月とする本件根津停職処分を科すことは、控訴人根津が更に同種の不起立行為を行った場合に残されている懲戒処分は免職だけであって、次は地方公務員である教員としての身分を失うおそれがあるとの警告を与えることとなり、その影響は、単に期間が倍になったという量的な問題にとどまるものではなく、身分喪失の可能性という著しい質的な違いを控訴人根津に対して意識させざるを得ないものであって、極めて大きな心理的圧力を加える結果になるものであるから、十分な根拠をもって慎重に行われなければならないものというべきである。そして、控訴人根津において過去に懲戒処分や文書訓告の対象となったいくつかの行為は、既に前回根津停職処分において考慮されている上、本件根津不起立は、以前に行われた掲揚された国旗を下ろすなどの積極的な式典の妨害行為ではなく、国歌斉唱の際に着席したという消極的な行為であって、気分を害した参加者がいることは否定できないものの、その限度にとどまるもので、特に式典が混乱したこともないから、停職期間3月という前回根津停職処分を更に加重しなければならない個別具体的な事情は見当たらないというべきであって、控訴人根津がこれまでにも同種の行為を繰り返していることを考慮したとしても、前回根津停職処分の3月の停職期間を超える処分を科すことを正当なものとすることはできないというべきである。」
 
 「以上によれば、本件根津停職処分において停職期間を6月とした都教委の判断は、具体的に行われた非違行為の内容や影響の程度等に鑑み、社会通念上、行為と処分との均衡を著しく失していて妥当性を欠くものであり、懲戒権者としての都教委に与えられている裁量権の合理的な範囲を逸脱してなされたものといわざるを得ず、違法なものというべきである。」

以上のようにここでは「停職期間6月」は「違法なもの」として都教委は断罪されています。
またこの中には「次は地方公務員である教員としての身分を失うおそれがあるとの警告を与えることとなり」とも述べられていますが、大阪の奥野さんへの<警告書>などはとんでもない大阪府教委の裁量権逸脱と言えるでしょう。

次に、都教委の機械的な加重処分と思想信条の自由の問題が述べられている部分があります。

 「都教委は、・・・・国歌斉唱時に起立しなかった教職員に対して、職務命令違反として、1回目は戒告、2回目は給与1月10分の1を減ずる減給、3回目は給与6月の月額10分の1
を減ずる減給、4回目は停職1月、5回目は停職3月、6回目は停職6月の各処分を行っており、このような機械的な運用は、もともと機械的に一律に加重処分して処分を行うことには慎重な検討をを要請していた本件国会審議答弁における各答弁内容や本件処分量定を定めた趣旨に反するものといわざるを得ない。しかも、このような学校における入学式、卒業式などの行事は毎年恒常的に行われる性質のものであって、しかも、通常であれば、各年に2回ずつ実施されるものであるから、仮に不起立に対して、・・戒告から減給、減給から停職へと機械的に一律にその処分を加重していくとすると、教職員は、2、3年間不起立を繰り返すだけで停職処分を受けることになってしまし、仮にその後にも不起立を繰り返すと、より長期間の停職処分を受け、ついには免職処分を受けることにならざるを得ない事態に至って、自己の歴史観や世界観を含む思想等により忠実であろうとする教員にとっては、自らの
思想や信条を捨てるか、それとも教職員としての身分を捨てるかの二者択一の選択を
 迫られることになり、そのような事態は。もともとその者が地方公務員としての教職員という地位を自ら選択したものであることを考慮しても、日本国憲法が保障している個人としての思想及び良心の自由に対する実質的な侵害につながるもであり、相当ではないというべきである。」

ここでは最後に、機械的な加重処分は、「日本国憲法が保障している個人としての思想及び良心の自由に対する実質的な侵害につながる」と述べています。要するに、都教委は(実質的に)憲法違反を犯していると述べているのです。また、田中聡史さんへの「再発防止研修」や大阪市の不起立3回で免職などという条例はまさに憲法違反と言えるでしょう。

さらに損害賠償に関しては次のように述べている部分があります。
 
 「停職処分は、減給とは異なって、単に経済的な不利益があるだけではなく、一定の期間、その職務が停止されるという職務上の不利益を伴い、しかも、戒告や減給と比較すると、処分を受けたことが外部からも認識することができるものであることや、教員の場合は、
停職期間中は教室等で授業をすることができず、教壇に立てないことによって、児童生徒
との継続的な人格的触れ合いをすることもできなくなり、ひいては教育活動に欠かすことが
できない児童生徒との信頼関係の維持にも悪影響を及ぼすおそれがあり、長くなればなるほど影響も大きくなることを考えると、本件各処分を受けたことにより控訴人らは精神的な苦痛も受けているものというべきである。しかも、控訴人らは、本件各処分による停職期間経過後に復職しても、児童生徒との間で当然に信頼関係が回復されるわけではなく、控訴人らにおいて児童生徒との信頼関係を再構築して、再び円滑に人格的な接触を図ることができるようになるまでには、やはり精神的な苦痛を受け、相応の努力を要するものと考えられることなどの事情を総合的に考慮するならば、本件各処分によって控訴人らが被った上記のような精神的苦痛は、本件各処分が取り消されたことによって図られる財産的な損害の回復によって当然に慰謝されて回復することになるものではないというべきである。」

 「都教委において、控訴人河原井につき停職3ヶ月、控訴人根津につき停職6月としたことは、いずれも裁量権の合理的な範囲を逸脱したものとして違法というべきであり、そのような処分によって控訴人らが受けた精神的苦痛については損害賠償によって慰謝されるべきものと考えるが、・・(他方において職務命令には違反したとして)・・
 本件各処分によって控訴人らが被った精神的苦痛に対する慰謝料は、控訴人らそれぞれに対して10万円とするのが相当である。」

ここでは、教育活動との関係において、「精神的苦痛」を認め、それは「財産的な損害の回復」だけでは慰謝されず、「慰謝料」を払うべきだと述べています。

以上のように、今回の判決は、一方では確かに「職務命令」と原則的には「戒告」処分まで認め、 かつ根津さんに関しては停職3ヶ月まで認めているのですが、 内容的には河原井・根津さんらの大きな勝利と言って良いでしょう。

この勝利判決を受けた報告集会で、河原井さんは、 「すべての処分が取り消されないと完全勝利はない。しかし、 一歩一歩階段を上っていると思っている。判決を生かさなければならない」と述べ、 根津さんは、 「まさかこんな判決が出るとは思わなかった。良かった。これで田中さんも救われる。『10・23通達』が根本から覆る、最高裁判決も覆る可能性がある」と述べました。二人には「河原井さん根津さんらの『君が代』処分を許さない会」から、
抵抗の「白バラ」が贈られました。

全国の仲間のみなさん!
日本が急速に「戦争する国」に向かおうとしている現在、
今回の判決は私たちに<大きな希望と勇気>を与えてくれたと思います。
また、「諦めず闘うことの大切さ」を教えてくれたと思います。
<希望もて丘越え行けば花ざかり>です。
ともに連帯して闘いを堅持して行きましょう!!

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