大阪府教委による「君が代」不起立処分の本質がここに表れています。渡部秀清さんによるまとめです。
一昨日(5月1日)、大阪の府立学校教員・奥野泰孝さんに、卒業式「君が代」不起立で「戒告」処分が出されました。しかし、これは非常に大きな問題をもった処分です。
まず、第一に奥野さんは、支援学校の教員で、卒業式の際、奥野さんが担当する生徒が 「君が代」斉唱時に周囲が一斉に起立すると不安になり発作を起こすことなどがないように、と介助のために生徒とともに着席していたのです(昨年は奥野さんの代わりに生徒の横に付いた教頭が起立している時発作が起きました)。これについては奥野さん自身、管理職に対して、
「卒業式で担当する生徒が発作を起こさないように座って指導をしたい。」、
「卒業式当日の国歌斉唱時に周囲が一斉に起立すると発作が誘発される可能性かおる。」と申し出ているのです。
そして、式前日、「奥野さんを支える叫ぶ石の会」のメンバーが府教委支援教育課へ行き、
「国歌斉唱時、障がいのある生徒の介助のために担任が横に座っていることは有りですね」
と確認したところ、坂田指導主事 は「もちろんです」と頷き、「学校へ連絡する」と約束しました。
それでも「職務命令」だと言って処分しています。「君が代」強制の「職務命令」が生徒のいのちや健康のことを二の次に考えていることをこれ以上明らかにしたことはありません。奥野さんは、悩み抜いた上で、あくまで生徒のことを考えて不起立していたのです。
第二に、奥野さんはこれまでこの問題で、「減給処分」を受けています。しかし、今回は「戒告」処分にとどまりました。これは、奥野さんの正当な行為を否定することができなかったからとも思えますし、また最高裁判決が「戒告」を超える処分はしてはならないという判決を出しているからだとも思われます。
第三に、それにも関わらず、今回府教委は奥野さんに対して、今度不起立したら「免職」という<警告書>(以下に掲載)なるものを出しました。これはとんでもない脅しです。「戒告」の次が「免職」などということは聞いたことがありません。また、この<警告書>自身が最高裁判決をも無視する全く無法なものと言えます。むしろ最高裁から府教委に<警告書>が出てもおかしくありません。
第四に、中原教育長は、弁護士3人による府教育委員会の第三者委員会の報告書で、府教委職員4人にパワハラをしたと認されし、「職責として不適切」と断じられました。そんな人物が懲戒などの処分なしというのはおかしい(辞任はしましたが)。それに対し職務専念していた奥野さんが戒告処分とされ、次は免職だと脅されるのはまったくおかしな判断です。これは明らかに府教委による中原同様の公然たるパワハラです。
全国のみなさん!
今回の問題は大阪府教委の<生徒よりも「君が代」が大事>という体質をよく表しており、「君が代」強制の本質を極めてよく表しています。また府教委の橋下・松井独裁パワハラ体制に逆らえない体質をもよく表していると思います。しかし、このようなことを許せば、「君が代」の前には基本的人権は蹂躙され、子どもたちは再び、「お国のために犠牲になるのは当然」として、
無謀な侵略戦争に動員されていくことになるでしょう。
(下の方に「辞令」・「処分説明書」・「警告書」を貼り付けておきました。)
全国から、大阪府教委に対し、多くの抗議の声を上げてください。
〔奥野さんへの処分抗議をお願いします〕
◆大阪府教育委員会教職員人事課「管理・公務災害グループ」
T E L : 06-6944-6896 F A X : 06-6944-6897
大阪市中央区大手前3-2-12府庁別館5階
なお、大阪では一昨日以下のように府教委抗議行動が取り組まれました。
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15時~「奥野さん処分抗議!」大阪府教委への抗議行動
午前の奥野さんへの不当極まりない処分〔戒告・(次回は免職ありうるとの)警告書〕に対して、
午後3時から府教委前にて、約20名で抗議のビラ情宣と人事課あての撤回要求行動をしました。
奥野さんも自らの抗議書を手渡しし、また「大阪ネット」と奥野さんを支える石の会・支援学校の君が代不起立応援団の処分撤回の要請書を。
午後3時半~から教育記者クラブ室にての記者会見では、朝日や毎日、MTV等の質問も含めて4時15分まで。
奥野さんは今後の人事委・裁判闘争や卒・入学式での対応等、自らの思いを語られました。
16時半~「松田さん処分阻止!」大阪市教委への申し入れ・要請行動
前回に、本人上申書を処分決定までに人事監査委・教職員部会に渡すということが実行されて
いないことへの怒りが爆発、回答を迫って時間を大幅延長し、
さらに担当課の部屋前に約50名が詰めかけての交渉の結果、
市教委は郵送等で本日中にでも渡すことを約束し、19時過ぎに終了しました。
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辞 令
大阪府公立学校教員 奥野 泰孝
地方公務員法第29条第1項第1号及び第3号により戒告する
平成27年5月1日
大阪府教育委員会
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処 分 説 明 書
大阪府公立学校教員 奥野 泰孝
あなたは、平成27年2月26日(木)、勤務校である府立〇〇支援学校の会議室で行われた職員会議において、
平成26年度卒業式に関し、校長から、平成24年1月17日付けで大阪府教育委員会教育長が府立学校の教職員あてに発出した通達「入学式及び卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱について」、「役割分担表」及び「会場図」の配付を受け、「すでに平成24年1月17日付け通達により教育長から府立学校の教職員に対して職務命令が出ています。これを踏まえて、私の方から式当日の職務の分担を示しますので、「役割分担表」、「会場図」にしたがって、自らの職務に専念してください。式場内の教職員は、国歌斉唱の際に起立して斉唱してください。これは、私からの職務命令です。職務命令に違反するようなことがあっだ場合は、服務上の責任を問われることとなります。」との職務命令を受けた。また、あなたは、同日午後5時10分頃、准校長室において、准校長から、職務命令に従うよう指導を受けた。その後、あなたは、同年3月3日(火)午前9時50分頃、担任する生徒を連れて准校長室を訪れ、准校長に「卒業式では担当する生徒の発作予防のために座って指導をしたい。」旨を申し出、同日午後5時12分頃にも、准校長室において、准校長に「卒業式当日の国歌斉唱時に起立すると発作が誘発される可能性かおる。」と申し出た。
この申し出に関し、あなたは、同月4日(水)午後5時14分頃、准校長室において、 准校長から、国歌斉唱時に着席しての生徒介助は認めないことを伝えられ、「国歌斉唱時は起立してください。」と目(口の間違いでは)頭での職務命令を受けた。 さらに、あなたは、同月5日(木)午後5時20分頃、准校長室において、准校長から、国歌斉唱時は起立して生徒介助にあたるよう指導を受けた。しかしながら、あなたは、同月6日(金)に実施された同校の平成26年度卒業式において、当該職務命令に違反して、国歌斉唱時に起立斉唱しなかった。あなたの行為は、地方公務員法第32条に規定する上司の職務上の命令に従う義務に違反するものである。
以上のことは、学校教育に携わる公立学校教員として、全体の奉仕者たるにふさわしくない非行であり、その職の信用を著しく失墜するものである。よって、地方公務員法第29条第1項第1号及び第3号に該当するものとして、戒告する。
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警 告 書
府立〇〇支援学校 教諭・奥野泰孝
(内 容)
1 あなたは、平成25年3月6日(水)、あなたが勤務する府立〇〇支援学校の平成 24年度卒業式において、
准校長から式が終わるまで受付業務をするよう命じられた にもかかわらず、
受付業務は終わったと勝手に判断して卒業式会場に入場し、
教員席 に座り、教育長及び校長から職務命令に違反して、国歌斉唱時に起立斉唱しなかった ことから、
地方公務員法第32条に規定する上司の職務上の命令に従う義務に違反す るものとして、
同年3月27日付けで大阪府教育委員会から、減給1月の懲戒処分を 受けた。
2 また、あなたは、平成27年3月6日(金)、開校の平成26年度卒業式において、
事前に教育長及び校長から職務命令を受けていたにもかかわらず、それに違反して、
国歌斉唱時に起立斉唱しなかったことから、地方公務員法第32条に規定する
上司の職務上の命令に従う義務に違反するものとして、
本日付けで大阪府教育委員会から戒 告の懲戒処分を受けた。
3 このことから、職員基本条例第29条第2項の規定に基づき、
今後、あなたが同一の職務命令に違反する行為を繰り返した場合、
地方公務員法第28条第1項第3号の規定により免職することがあることを警告します。
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一昨日(5月1日)、大阪の府立学校教員・奥野泰孝さんに、卒業式「君が代」不起立で「戒告」処分が出されました。しかし、これは非常に大きな問題をもった処分です。
まず、第一に奥野さんは、支援学校の教員で、卒業式の際、奥野さんが担当する生徒が 「君が代」斉唱時に周囲が一斉に起立すると不安になり発作を起こすことなどがないように、と介助のために生徒とともに着席していたのです(昨年は奥野さんの代わりに生徒の横に付いた教頭が起立している時発作が起きました)。これについては奥野さん自身、管理職に対して、
「卒業式で担当する生徒が発作を起こさないように座って指導をしたい。」、
「卒業式当日の国歌斉唱時に周囲が一斉に起立すると発作が誘発される可能性かおる。」と申し出ているのです。
そして、式前日、「奥野さんを支える叫ぶ石の会」のメンバーが府教委支援教育課へ行き、
「国歌斉唱時、障がいのある生徒の介助のために担任が横に座っていることは有りですね」
と確認したところ、坂田指導主事 は「もちろんです」と頷き、「学校へ連絡する」と約束しました。
それでも「職務命令」だと言って処分しています。「君が代」強制の「職務命令」が生徒のいのちや健康のことを二の次に考えていることをこれ以上明らかにしたことはありません。奥野さんは、悩み抜いた上で、あくまで生徒のことを考えて不起立していたのです。
第二に、奥野さんはこれまでこの問題で、「減給処分」を受けています。しかし、今回は「戒告」処分にとどまりました。これは、奥野さんの正当な行為を否定することができなかったからとも思えますし、また最高裁判決が「戒告」を超える処分はしてはならないという判決を出しているからだとも思われます。
第三に、それにも関わらず、今回府教委は奥野さんに対して、今度不起立したら「免職」という<警告書>(以下に掲載)なるものを出しました。これはとんでもない脅しです。「戒告」の次が「免職」などということは聞いたことがありません。また、この<警告書>自身が最高裁判決をも無視する全く無法なものと言えます。むしろ最高裁から府教委に<警告書>が出てもおかしくありません。
第四に、中原教育長は、弁護士3人による府教育委員会の第三者委員会の報告書で、府教委職員4人にパワハラをしたと認されし、「職責として不適切」と断じられました。そんな人物が懲戒などの処分なしというのはおかしい(辞任はしましたが)。それに対し職務専念していた奥野さんが戒告処分とされ、次は免職だと脅されるのはまったくおかしな判断です。これは明らかに府教委による中原同様の公然たるパワハラです。
全国のみなさん!
今回の問題は大阪府教委の<生徒よりも「君が代」が大事>という体質をよく表しており、「君が代」強制の本質を極めてよく表しています。また府教委の橋下・松井独裁パワハラ体制に逆らえない体質をもよく表していると思います。しかし、このようなことを許せば、「君が代」の前には基本的人権は蹂躙され、子どもたちは再び、「お国のために犠牲になるのは当然」として、
無謀な侵略戦争に動員されていくことになるでしょう。
(下の方に「辞令」・「処分説明書」・「警告書」を貼り付けておきました。)
全国から、大阪府教委に対し、多くの抗議の声を上げてください。
〔奥野さんへの処分抗議をお願いします〕
◆大阪府教育委員会教職員人事課「管理・公務災害グループ」
T E L : 06-6944-6896 F A X : 06-6944-6897
大阪市中央区大手前3-2-12府庁別館5階
なお、大阪では一昨日以下のように府教委抗議行動が取り組まれました。
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15時~「奥野さん処分抗議!」大阪府教委への抗議行動
午前の奥野さんへの不当極まりない処分〔戒告・(次回は免職ありうるとの)警告書〕に対して、
午後3時から府教委前にて、約20名で抗議のビラ情宣と人事課あての撤回要求行動をしました。
奥野さんも自らの抗議書を手渡しし、また「大阪ネット」と奥野さんを支える石の会・支援学校の君が代不起立応援団の処分撤回の要請書を。
午後3時半~から教育記者クラブ室にての記者会見では、朝日や毎日、MTV等の質問も含めて4時15分まで。
奥野さんは今後の人事委・裁判闘争や卒・入学式での対応等、自らの思いを語られました。
16時半~「松田さん処分阻止!」大阪市教委への申し入れ・要請行動
前回に、本人上申書を処分決定までに人事監査委・教職員部会に渡すということが実行されて
いないことへの怒りが爆発、回答を迫って時間を大幅延長し、
さらに担当課の部屋前に約50名が詰めかけての交渉の結果、
市教委は郵送等で本日中にでも渡すことを約束し、19時過ぎに終了しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
辞 令
大阪府公立学校教員 奥野 泰孝
地方公務員法第29条第1項第1号及び第3号により戒告する
平成27年5月1日
大阪府教育委員会
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処 分 説 明 書
大阪府公立学校教員 奥野 泰孝
あなたは、平成27年2月26日(木)、勤務校である府立〇〇支援学校の会議室で行われた職員会議において、
平成26年度卒業式に関し、校長から、平成24年1月17日付けで大阪府教育委員会教育長が府立学校の教職員あてに発出した通達「入学式及び卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱について」、「役割分担表」及び「会場図」の配付を受け、「すでに平成24年1月17日付け通達により教育長から府立学校の教職員に対して職務命令が出ています。これを踏まえて、私の方から式当日の職務の分担を示しますので、「役割分担表」、「会場図」にしたがって、自らの職務に専念してください。式場内の教職員は、国歌斉唱の際に起立して斉唱してください。これは、私からの職務命令です。職務命令に違反するようなことがあっだ場合は、服務上の責任を問われることとなります。」との職務命令を受けた。また、あなたは、同日午後5時10分頃、准校長室において、准校長から、職務命令に従うよう指導を受けた。その後、あなたは、同年3月3日(火)午前9時50分頃、担任する生徒を連れて准校長室を訪れ、准校長に「卒業式では担当する生徒の発作予防のために座って指導をしたい。」旨を申し出、同日午後5時12分頃にも、准校長室において、准校長に「卒業式当日の国歌斉唱時に起立すると発作が誘発される可能性かおる。」と申し出た。
この申し出に関し、あなたは、同月4日(水)午後5時14分頃、准校長室において、 准校長から、国歌斉唱時に着席しての生徒介助は認めないことを伝えられ、「国歌斉唱時は起立してください。」と目(口の間違いでは)頭での職務命令を受けた。 さらに、あなたは、同月5日(木)午後5時20分頃、准校長室において、准校長から、国歌斉唱時は起立して生徒介助にあたるよう指導を受けた。しかしながら、あなたは、同月6日(金)に実施された同校の平成26年度卒業式において、当該職務命令に違反して、国歌斉唱時に起立斉唱しなかった。あなたの行為は、地方公務員法第32条に規定する上司の職務上の命令に従う義務に違反するものである。
以上のことは、学校教育に携わる公立学校教員として、全体の奉仕者たるにふさわしくない非行であり、その職の信用を著しく失墜するものである。よって、地方公務員法第29条第1項第1号及び第3号に該当するものとして、戒告する。
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警 告 書
府立〇〇支援学校 教諭・奥野泰孝
(内 容)
1 あなたは、平成25年3月6日(水)、あなたが勤務する府立〇〇支援学校の平成 24年度卒業式において、
准校長から式が終わるまで受付業務をするよう命じられた にもかかわらず、
受付業務は終わったと勝手に判断して卒業式会場に入場し、
教員席 に座り、教育長及び校長から職務命令に違反して、国歌斉唱時に起立斉唱しなかった ことから、
地方公務員法第32条に規定する上司の職務上の命令に従う義務に違反す るものとして、
同年3月27日付けで大阪府教育委員会から、減給1月の懲戒処分を 受けた。
2 また、あなたは、平成27年3月6日(金)、開校の平成26年度卒業式において、
事前に教育長及び校長から職務命令を受けていたにもかかわらず、それに違反して、
国歌斉唱時に起立斉唱しなかったことから、地方公務員法第32条に規定する
上司の職務上の命令に従う義務に違反するものとして、
本日付けで大阪府教育委員会から戒 告の懲戒処分を受けた。
3 このことから、職員基本条例第29条第2項の規定に基づき、
今後、あなたが同一の職務命令に違反する行為を繰り返した場合、
地方公務員法第28条第1項第3号の規定により免職することがあることを警告します。
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