宣言は、日本の戦争について間違った戦争だという認識を示したいる。この認識を認めるのか」とただしたのに対し、「その部分をつまびらかに読んでいないので、直ちに論評することは差し控えたい」と述べた。
志位委員長は翌21日、記者会見で、
「ポツダム宣言というのは、米国が原子爆弾を二発も落として日本に大変な惨状を与えた後、『どうだ』とばかり(に)たたきつけたものだ」と語っていたことを暴露した。
しかし、ポツダム宣言は1945年7月(26日)に出され、8月(原爆投下後)に日本がそれを受け入れ無条件降伏したことは、普通の中高校生ならたいてい知っていることだ。
首相としては信じられなくらい無知である。
要するに、安倍首相は「戦後レジーム」の出発となった「ポツダム宣言受諾」を認めたくないのである。
なぜ、認めたくないのか。
それはポツダム宣言を読んでみるとよくわかる。
少し長くなるが全文を以下に載せる。
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日本の降伏のための定義および規約
1945年7月26日、ポツダムにおける宣言(「ウィキペディア」より、現代語訳)
1.我々(合衆国大統領、中華民国政府主席、及び英国総理大臣)は、我々の数億の国民を代表し協議の上、日本国に対し戦争を終結する機会を与えることで一致した。
2.3ヶ国の軍隊は増強を受け、日本に最後の打撃を加える用意を既に整えた。この軍事力 は、日本国の抵抗が止まるまで、同国に対する戦争を遂行する一切の連合国の決意により支持され且つ鼓舞される。
3.世界の自由な人民に支持されたこの軍事力行使は、ナチス・ドイツに対して適用された場合にドイツとドイツ軍に完全に破壊をもたらしたことが示すように、日本と日本軍が完全に壊滅することを意味する。
4.日本が、無分別な打算により自国を滅亡の淵に追い詰めた軍国主義者の指導を引き続き受けるか、それとも理性の道を歩むかを選ぶべき時が到来したのだ。
5.我々の条件は以下の条文で示すとおりであり、これについては譲歩せず、我々がここから外れることも又ない。執行の遅れは認めない。
6.日本国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を除去する。無責任な軍国主義が世界から駆逐されるまでは、平和と安全と正義の新秩序も現れ得ないからである。
7.第6条の新秩序が確立され、戦争能力が失われたことが確認される時までは、我々の指示する基本的目的の達成を確保するため、日本国領域内の諸地点は占領されるべきものとする。
8.カイロ宣言の条項は履行されるべきであり、又日本国の主権は本州、北海道、九州及び四国ならびに我々の決定する諸小島に限られなければならない。
9.日本軍は武装解除された後、各自の家庭に帰り平和・生産的に生活出来る機会を与えられる。
10.我々の意志は日本人を民族として奴隷化しまた日本国民を滅亡させようとするものではないが、日本における捕虜虐待を含む一切の戦争犯罪人は処罰されるべきである。
日本政府は日本国国民における民主主義的傾向の復活を強化し、これを妨げるあらゆる障碍は排除するべきであり、言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は確立されるべきである。
11.日本は経済復興し、課された賠償の義務を履行するための生産手段、戦争と再軍備に関わらないものが保有出来る。また将来的には国際貿易に復帰が許可される。
12.日本国国民が自由に表明した意志による平和的傾向の責任ある政府の樹立を求める。 この項目並びにすでに記載した条件が達成された場合に占領軍は撤退するべきである。
13.我々は日本政府が全日本軍の即時無条件降伏を宣言し、またその行動について日本政府が十分に保障することを求める。これ以外の選択肢は迅速且つ完全なる壊滅があるのみである。
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これを読めば、いかに安倍政権にとって都合の悪いことが
沢山書いてあるかがわかる。特に「4」、「6」、「10」はそうである。
その中で、「6」には次のようにも述べられている。
「日本国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を除去する。」
「日本における捕虜虐待を含む一切の戦争犯罪人は処罰されるべきである。」
これはまさに「戦後レジームからの脱却」を掲げ、
「世界の中心で輝く国」、「積極的平和主義」を唱える安倍首相にとっては、
見たくない、聞きたくない言葉である。
さらにつけ加えるならば、「12」にある占領軍の撤退も、米軍の70年にも渡る実質的占領が明らかになるので、あまり知られて欲しくないのである。