フェイスブックで話題になった教育改革国民会議(森内閣2000年)の「一人一人が取り組む人間性教育の具体策(委員発言の概要)を掲載します。
私はそのバカバカしさにのけぞってしまいましたが、安倍首や橋下市長にとってはバイブルかもしれません。この路線を忠実に受け継がれているようです。つまり国家あっての国民、国家のために国民を育てなければ(飼い馴らさなければ)ならない。そのために、子どももその親にもどのような教育が必要であるかについて意見が述べられています。委員のみなさまは、私たち国民をどうしようもないバカだと思われているようです。私たち、飼い馴らされた後には、兵士や奴隷に仕立て上げられかねない昨今です。主権在民の憲法をこのまま眠らせてしまうわけにはいきません。
なお、教育改革国民会議とは、2000年3月に当時の小渕首相のもちで設置された私的諮問機関でのことです。2001年4月森首相のときまで引き続き開催されました。
安倍首相は第一次政権時、これを倣って2006年10月閣議決定により教育再生会議を設置し、教育基本法改悪を断行しました。そして、現安倍第2次安倍政権は教育再生実行会議を設置し、教育改革がいかなる構造、いかなる内容をもって行われているのか、そしてそれが誰に利する改革なのか、私たち国民が目を光らせねば一部の政治家や経済人によって、事実上日本の教育が牛耳られてしまいます。
教育行政への提言の一例
●子どもを厳しく「飼い馴らす」必要があることを国民にアピールして覚悟してもらう
●「ここで時代が変わった」「変わらないと日本が滅びる」というようなことをアナウンスし、ショック療法を行う
教育改革国民会議
http://www.kantei.go.jp/jp/kyouiku/index.html
一人一人が取り組む人間性教育の具体策(委員発言の概要)
教育改革国民会議第1次分科会(第4回)2000年7月7日実施
1.子どもへの方策
対象者 | 主体 |
家庭が行うこと [教育の原点で何をなすべきか] |
学校が行うこと [IT時代の学校と教員の在り方 -たかがIT、されどIT-] |
地域が行うこと [子どものしつけは親がする、大人のしつけは誰がする] |
幼児 ~高校生 共通 |
- 挨拶をしっかりする
- 各家庭に「心の庭」(会話と笑いの場)をつくる
- 「しつけ3原則」の提唱・実施
甘えるな 他人に迷惑をかけるな 生かされて生きることを自覚せよ
- 団地、マンション等に「床の間」を作る
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- 挨拶をしっかりする
- 教師一人一人が信念を示す
- 教壇を復活させることなどにより、教師の人格的権威の確立させること
- 倫理、情操教育を行う
- 歴史教育を重視する
- 国語における古典の重視
- 敬語を使う時間を作る
- 体育活動、文化活動を教育の柱にすえる
- スポーツを通じて人間性を育む
- 夏休みなど長期休暇のあり方の見直し
- 自然体験、社会体験等の体験学習の義務化
- 青少年施設、自治公民館等での合宿
- 遠足でバスを使わせない、お寺で3~5時間座らせる等の「我慢の教育」をする
- 地域の偉人の副読本を作成・配布する
- 学校に畳の部屋を作る
- 学校に教育機関としてのシンボルを設ける
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- 挨拶をしっかりする
- 「しつけ3原則」の提唱・実施
- 他人の子どもも誉めよう、叱ろう運動を国民的な運動として行う
- 通学合宿の実施
- 有害情報、玩具等へのNPOなどによるチェック、法令による規制
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小学生 |
<小学校高学年>
- 教育の責任は当人50%、親25%、教師12.5%、一般社会12.5%であることを自覚させる
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<小学生>
- 小学校の学習内容を、知識半分、人格形成半分にし、特に人格教育を重視する
- 基本的な言葉(読む、書く、語る)、社会人が持つべき最低限の算数や理科の知識を教える
- 簡素な宿舎で約2週間共同生活を行い肉体労働をする
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中学生 |
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<中学生>
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高校生 |
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<高校生>
- 満18歳で全ての国民に1年ないし2年間の奉仕活動を義務づける
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2.大人や行政が主体となって家庭、学校、地域で取り組むべきこと
場所 | 主体 |
家庭(保護者) |
学校 |
地域 |
大人、企業 |
- 大人自身が反省する
- 親の責任の自覚
- 親子関係は鑑と鏡の関係
- 家庭教育にもっと父親が参加する
- 親が人生の目的を持つ
- 「しつけ3原則」の提唱・実施
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- 地域の大人が道徳の授業をする
- 有識者ボランティアによる講演活動
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- 企業は1年間に5日程度父親が教育に関われるよう休暇を作る
- 企業は従業員に対して子育てやボランティアのための休暇を認める
- 企業は教育に関する書籍や地域の歴史文化に関する書籍を備えた父親文庫を設置する
- 各分野のプロが当該分野のノウハウを地域へ提供する
- 名刺に信念を書くなど、大人一人一人が座右の銘、信念を明示する
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行政 |
- 子どもを厳しく「飼い馴らす」必要があることを国民にアピールして覚悟してもらう
- 「ここで時代が変わった」「変わらないと日本が滅びる」というようなことをアナウンスし、ショック療法を行う
- 国民会議の提言を広く国民に知らせるための積極的な活動
- 家庭教育について対話できる土壌をつくるため、企業やテレビと協力して古来の諺などを呼びかける
- 子育てにおいて必要な事項を決めた育児憲章を作る
- 家庭教育手帳の年度毎の更新、配布
- 義務教育年限の子どもの扶養控除額を100万円に引き上げる
- 出産後の親業教育の義務化
- バーチャル・リアリティは悪であるということをハッキリと言う
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- 芸術、宗教、文化の領域にかかわる教育を(科学技術と社会科学に次ぐ)第3の教育軸として位置づけ、教育システムの抜本的な再編成を早急に行う
- 義務教育を大幅に見直し、多様化を図る
- 一定レベルの家庭教育がなされていない子どもの就学を保留扱いする
- 他の子どもの学習する権利を妨げる子どもを排除する権限と義務を学校に付与する
- 問題を抱える学校に指導主事のチームを常駐させる
- トラブルの処理は学校だけでは無理であり、教育委員会が第3者機関を作り、そこで引き受ける
- 警察OBを学校に常駐させる
- ・ 子どもが生き生きと過ごしている学校の分析・検討と情報の提供
- 部活などが体験学習の妨げにならないよう、曜日時間を限定する
- 文部省、マスコミが1、2週間程度学校で過ごす
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- 「ここで時代が変わった」「変わらないと日本が滅びる」というようなことをアナウンスし、ショック療法を行う
- 教育基本法を改正を提起し、従来の惰性的気風を打ち破るための社会的ショック療法とする
- スローガン、目標を作り大人一人一人の生涯徳育を助長する
- マスコミと協力したキャンペーンを行う
- 改革を受け入れる基本的土壌をつくる
- 中央からの文書は、簡潔・明瞭で官庁用語を使わず解りやすい言葉で住民一人一人に伝わるよう工夫をする
- 社会教育委員会の開催頻度を増やすとともに、青壮年の男女をバランスよく任命し、地域の教育力を回復する
- 自治公民館の機能の活性化
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しかし、「教育改革国民会議」にせよ、第一次安倍内閣の「教育再生会議」にせよ、現在の「教育再生実行会議」にせよ、たんに首相の私的諮問機関に過ぎないのですが、遣りたい放題ですね。そもそ、私的諮問機関ではなく、国会で論議すべきことのはずですが。
現在の安倍内閣は「教育再生実行会議」で、変な事やろうとしてます。
「教育改革国民会議 中間報告--教育を変える17の提案--」(平成12年9月22日)