危ない教科書を子どもに渡すな!大阪の会のIさんから、さる10日に行われた大阪市教委と育鵬社採択をめぐる交渉の報告です。大阪ではその後もしつこく追及していくとのことです。どうかお読みください。
今回の交渉ではいくつかの点で、市教委の担当者の回答が少し前進しました。以下、報告します。
市教委側出席者3名 時間:15時30分~17時30分
この日の交渉のポイントは次の3点でした。
(1)第三者委員会の設置状況について
(2)吉田選定委員と日本教育再生機構との関係について
(3)市民アンケートの集計方法について
(1)第三者委員会については、まだ何も決まっていないという相変わらずの回答でした。第三者委員会の設置が決まってから3か月になるにもかかわらず、まだ発足できていないことについて、私たちは厳しく批判し、新たな情報があり次第こちらに連絡することを約束させました。
(2)吉田選定委員と日本教育再生機構の関係については、市教委事務局が本人に調査を全くしていないことを追及しました。平田主事は今年の3月(この時は前任者の西田主事が問い合わせ)と5月19日に文科省に日本教育再生機構とかかわりを持つかもしれない区長の採択関与について、文科省に問い合わせをしたところ「問題ない」との回答(対応したのは青柳という女性)だったので、本人には調査していないと回答しました。
これに対しては私たちが同時期に文科省に問い合わせ(対応したのは青柳という女性)をした時のことを明らかにしました。私たちが詳しい状況を説明したところ「それはグレーゾーンだ。グレーゾーンは自治体に判断を任せている。グレーゾーンのような懸念される人物は採択には入れない方がいいとアドバイスしている」と回答しました。対応したのは恐らく同じ文科省の役人だと思われますが、これほど回答が違うのは、平田主事が判断の前提になる詳しい状況を説明していないからではないかと疑がわれます。
平田主事は吉田区長が選定委員になっていたことを説明したかどうかも曖昧でした。そこで3月と5月の文科省への電話での問い合わせについて、当時の担当者も含めてどのようなやり取りだったのかを集約してきちんと回答することを求めました。さらに市教委が吉田選定委員に直接問い合わせをしていないことはまったくの職務怠慢なので、直接調査することも求めました。またこのことについての私たちの指摘も第三者委員会に報告するように求めました。
(3)市民アンケートの集約については、「7割が育鵬社採択に肯定的」という報告は不正ではないかと追及しました。これまで市教委はアンケートのやり方について指摘があったので、今後は見直すと何度も述べてきました。しかし私たちが指摘してきたことはアンケートの取り方ではなく、その集約の仕方です。大阪市教委が他市のアンケートの実施方法を調査したところ、多重投票は他市でも見られたことですが、大阪市のように育鵬社のみの賛否を数えたような市はひとつもなかったと市教委は認めています。「7割賛成」という数字は多重投票に気づきながらすべてを1票と数えたことによってつくられた虚偽の数字です。他市が大阪市のような集計をしていないのは、そんなことをしたら誤った世論誘導をしてしまうからです。
私たちはこのことを厳しく追及しました。集計していた時、多重投票に気づいた田中主事がこれをどうか扱うのかと質問したところ、平田主事は全部1票と数えるようにと指示を出したことが6月13日の交渉で明らかになっています。田中主事から相談があった時に立ち止まってみんなで検討していたら、あるいは上司に判断を仰いでいたらこんな事にはならなかったのではないかという私たちの指摘に、平田主事は「今は責任を感じている」「アンケートの集計方法に問題があった」と認めました。またこの数字を採択の教育委員会に報告したことについて「自分の一存で出したのではない」ことも明らかにしました。平田主事によれば事前に森本課長(当時)に報告し、その時似たようなものがあったことも伝えたが森本課長は何も言わずに決裁したそうです。
これまで平田主事は自分の一存で集計し、採択会議で報告したと答弁してきましたが、そうではなく上司の決裁を経たうえでの報告であったことをようやく認めました。森本課長が多重投票の実態についてどのくらいの認識があったのかは今のところ不明ですが、育鵬社がフジ住宅に「今年の大阪市はアンケートが多ければ育鵬社が採択される可能性がある」と伝えていたことからも、アンケート結果の重要性は何らか
の形で市教委内部で共有されていたと考えられます。アンケートの集約、報告の全体に市教委事務局上部がどうかかわっていたのかをもっと明らかにするように私たちは求めました。このことは今後の追及で決定的な部分です。
さらに私たちは6月23日のフジ住宅の株主総会での株主と今井会長らとのやり取りについての資料を提供しました。この資料(添付)ではフジ住宅側が多重投票が不正であることの認識が十分にあり、それ故にばれないように大阪市内33か所に1枚ずつ投函するという面倒なことまでやったということが生々しく出てきます。アンケートを書いた側は“犯意”があったわけですから、集計していた時はそこまではわからないにしても、現在的には明確になっているのであるから結果責任は重いことを私たちは指摘しました。これに対して平田主事は「自由記述欄の集計の仕方を見直す」と表明しました。
私たちはアンケートの集約方法の反省を第三者委員会に伝えること、新たなフジ住宅資料を第三者委員会に渡すことを求めてこの日の交渉を終えました。
交渉に出てきている市教委の担当者はなかなか反省の言葉を口にしません。しかしこの日の交渉ではアンケート問題の核心である集計方法、数値化の問題についてやり方が間違っていたことをようやく認めました。この日はまだ平田主事だけの回答ですが、今後は山本教育長を含む教育委員会事務局全体に集計と報告が不適切であったことを認めさせねばなりません。今のところ、どのような経路で育鵬社にアンケートの重要性が伝わったかについてはまったく明らかになっていませんが、ひとつひとつ追及していくことによって、いずれはそこに到達すると思います。
10日の交渉において私たちが要求したことに対する市教委の回答が出たら、再度交渉を持ちます。
次回の教育子ども委員会は9月28日(水)です。第三者委員会での審議と合わせて、ここでの追及が非常に重要になります。皆さんの注目をよろしくお願いいたします。
今回の交渉ではいくつかの点で、市教委の担当者の回答が少し前進しました。以下、報告します。
市教委側出席者3名 時間:15時30分~17時30分
この日の交渉のポイントは次の3点でした。
(1)第三者委員会の設置状況について
(2)吉田選定委員と日本教育再生機構との関係について
(3)市民アンケートの集計方法について
(1)第三者委員会については、まだ何も決まっていないという相変わらずの回答でした。第三者委員会の設置が決まってから3か月になるにもかかわらず、まだ発足できていないことについて、私たちは厳しく批判し、新たな情報があり次第こちらに連絡することを約束させました。
(2)吉田選定委員と日本教育再生機構の関係については、市教委事務局が本人に調査を全くしていないことを追及しました。平田主事は今年の3月(この時は前任者の西田主事が問い合わせ)と5月19日に文科省に日本教育再生機構とかかわりを持つかもしれない区長の採択関与について、文科省に問い合わせをしたところ「問題ない」との回答(対応したのは青柳という女性)だったので、本人には調査していないと回答しました。
これに対しては私たちが同時期に文科省に問い合わせ(対応したのは青柳という女性)をした時のことを明らかにしました。私たちが詳しい状況を説明したところ「それはグレーゾーンだ。グレーゾーンは自治体に判断を任せている。グレーゾーンのような懸念される人物は採択には入れない方がいいとアドバイスしている」と回答しました。対応したのは恐らく同じ文科省の役人だと思われますが、これほど回答が違うのは、平田主事が判断の前提になる詳しい状況を説明していないからではないかと疑がわれます。
平田主事は吉田区長が選定委員になっていたことを説明したかどうかも曖昧でした。そこで3月と5月の文科省への電話での問い合わせについて、当時の担当者も含めてどのようなやり取りだったのかを集約してきちんと回答することを求めました。さらに市教委が吉田選定委員に直接問い合わせをしていないことはまったくの職務怠慢なので、直接調査することも求めました。またこのことについての私たちの指摘も第三者委員会に報告するように求めました。
(3)市民アンケートの集約については、「7割が育鵬社採択に肯定的」という報告は不正ではないかと追及しました。これまで市教委はアンケートのやり方について指摘があったので、今後は見直すと何度も述べてきました。しかし私たちが指摘してきたことはアンケートの取り方ではなく、その集約の仕方です。大阪市教委が他市のアンケートの実施方法を調査したところ、多重投票は他市でも見られたことですが、大阪市のように育鵬社のみの賛否を数えたような市はひとつもなかったと市教委は認めています。「7割賛成」という数字は多重投票に気づきながらすべてを1票と数えたことによってつくられた虚偽の数字です。他市が大阪市のような集計をしていないのは、そんなことをしたら誤った世論誘導をしてしまうからです。
私たちはこのことを厳しく追及しました。集計していた時、多重投票に気づいた田中主事がこれをどうか扱うのかと質問したところ、平田主事は全部1票と数えるようにと指示を出したことが6月13日の交渉で明らかになっています。田中主事から相談があった時に立ち止まってみんなで検討していたら、あるいは上司に判断を仰いでいたらこんな事にはならなかったのではないかという私たちの指摘に、平田主事は「今は責任を感じている」「アンケートの集計方法に問題があった」と認めました。またこの数字を採択の教育委員会に報告したことについて「自分の一存で出したのではない」ことも明らかにしました。平田主事によれば事前に森本課長(当時)に報告し、その時似たようなものがあったことも伝えたが森本課長は何も言わずに決裁したそうです。
これまで平田主事は自分の一存で集計し、採択会議で報告したと答弁してきましたが、そうではなく上司の決裁を経たうえでの報告であったことをようやく認めました。森本課長が多重投票の実態についてどのくらいの認識があったのかは今のところ不明ですが、育鵬社がフジ住宅に「今年の大阪市はアンケートが多ければ育鵬社が採択される可能性がある」と伝えていたことからも、アンケート結果の重要性は何らか
の形で市教委内部で共有されていたと考えられます。アンケートの集約、報告の全体に市教委事務局上部がどうかかわっていたのかをもっと明らかにするように私たちは求めました。このことは今後の追及で決定的な部分です。
さらに私たちは6月23日のフジ住宅の株主総会での株主と今井会長らとのやり取りについての資料を提供しました。この資料(添付)ではフジ住宅側が多重投票が不正であることの認識が十分にあり、それ故にばれないように大阪市内33か所に1枚ずつ投函するという面倒なことまでやったということが生々しく出てきます。アンケートを書いた側は“犯意”があったわけですから、集計していた時はそこまではわからないにしても、現在的には明確になっているのであるから結果責任は重いことを私たちは指摘しました。これに対して平田主事は「自由記述欄の集計の仕方を見直す」と表明しました。
私たちはアンケートの集約方法の反省を第三者委員会に伝えること、新たなフジ住宅資料を第三者委員会に渡すことを求めてこの日の交渉を終えました。
交渉に出てきている市教委の担当者はなかなか反省の言葉を口にしません。しかしこの日の交渉ではアンケート問題の核心である集計方法、数値化の問題についてやり方が間違っていたことをようやく認めました。この日はまだ平田主事だけの回答ですが、今後は山本教育長を含む教育委員会事務局全体に集計と報告が不適切であったことを認めさせねばなりません。今のところ、どのような経路で育鵬社にアンケートの重要性が伝わったかについてはまったく明らかになっていませんが、ひとつひとつ追及していくことによって、いずれはそこに到達すると思います。
10日の交渉において私たちが要求したことに対する市教委の回答が出たら、再度交渉を持ちます。
次回の教育子ども委員会は9月28日(水)です。第三者委員会での審議と合わせて、ここでの追及が非常に重要になります。皆さんの注目をよろしくお願いいたします。