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鵜飼哲さん「21世紀の天皇制とその批判の論理」を聴いて:田中直子

2019-02-12 17:48:02 | 大阪ネット
昨日の2011・2・11集会のメインスピーカー鵜飼哲さんによる「21世紀の天皇制とその批判の論理」の一端をご紹介します。

大阪ネット事務局の田中直子さんがフェイスブックに投稿されていたものを、ご本人の了承のもと転載させていただきます。

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昨日の<2・11「戦争する国」も「神の国」もゴメンだ!>集会での鵜飼哲さんの講演、素晴らしい内容でした。

最初に、2001年9月12日英国ロンドンでのコンサートで、ニューヨークのビル爆破による犠牲者を追悼するため起立をと求められた際、「パレスチナ人は毎日殺されているのに誰も哀悼をしない。なぜ、このように人を分け隔てるのか」という思いから自分は起立しなかったというお話を聞いた時から、がーんと心を揺さぶられました。昔、日米野球を息子と観戦に行った時、「日の丸」には起立しなくても、「星条旗」には起立した自分と引き比べて、その透徹した思考と行動に心から敬服しました。

そこから先のお話は、「オリンピックにきちんと反対しないと、この国では天皇制に反対できない」という基本に貫かれたものでした。

そもそも、1896年初めてのオリンピックがアテネで開かれた時、ギリシャは君主制だったが、王族は外国から来た人たちだったところ、オリンピック開催によって、国民と一体化したということ。

1964年開催の東京オリンピックは天皇ヒロヒトの国際社会への復帰の場となり、1966年建国記念の日制定へと繋がったこと。

そして、2020年の東京オリンピックは新天皇の国際社会へのお披露目となり、もう一つの即位式の意味を持つこと。

2020年は、2018年の明治150年、2019年の天皇代替わりを経て、絵に描いたような「民族の祭典」となるであろうという指摘に、ああ、NHKの大河ドラマ「韋駄天」を面白がって観ている場合じゃないと思い知りました。

開高健1964年の著作「ずばり東京」にはオリンピック開催のための工事で合計303人の死者が出た(そのうち、東海道新幹線工事によるものが211人)ことが書かれているが、それはオリンピックが始まる前に労働災害関係者から聞き取ったもの。始まってからでは、聞き出せなかっただろう。ところが今や、2020年東京オリンピックに関する情報統制はすでに酷く、「工事による死者の正確な数字がいつか知られることはあるのか?」という最後の指摘に、自分が今生きている時代の危うさを知りました。ほんまに、ぼーっと生きてる場合じゃない!

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