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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

大阪市教育委員会会議付帯決議~教科書選定権を教員から奪い取る決議に抗議

2013-08-09 08:58:29 | 教科書排斥問題

現場の教員が疲弊していくのは、何も物理的な仕事量の増大ばかりが原因ではありません。それ以上に、教員の職業人としての誇りを次々と奪い取る教育行政に問題があるのです。

「君が代」を起立して斉唱せよと命令をくだし、「不起立」で異議申立をする教員を懲戒処分に処し、3度の不起立で分限免職にする条例を作り、つまり命令には絶対服従の精神を教員に植え込むわけです。畢竟、教員は不本意にも「やらされている仕事」に意欲も責任も減少していきます。

挙句の果てに、今度は、教科書さえ教員には決めさせず、行政が選んだ教科書を黙って使えとばかりの決定を大阪市教育委員会は行ないました。―ここまで教員の誇りを奪い取り、子どもたち一人ひとりが自己肯定感を抱くことができるような教育が果たして可能なのでしょうか。共に未来を語る教育ができるのでしょうか。

以下、いち早く、子どもたちに渡すな!危ない教科書 大阪の会が大阪市教育委員会へ抗議と撤回の要求・質問書を提出しました。ブログ「大阪教育条例NO!」から転載します。

「大阪教育条例NO!」より転載 

高校教科書採択で実質的に「学校採択」を剥奪する8.6「附帯決議」に抗議し、撤回を要求します

子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会が、大阪市教委の高校での学校採択をつぶす決定に抗議文を送っていますので紹介します。

2013年8月8日

大阪市教育委員会 長谷川恵一教育委員長様 永井哲郎教育長 様
 
抗議及び質問書
 
高校教科書採択で実質的に「学校採択」を剥奪する
8.6「附帯決議」に抗議し、撤回を要求します

子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会


 8月6日、大阪市立高校の教科書の採択を決定する教育委員会議が開かれました。その場で貴教育委員会は、各学校からの「答申」をそのまま採択するとともに高校教科書採択制度の慣行を破壊する「附帯決議」を全員一致で可決しました。「附帯決議」では「教育委員会による適正な採択のための審議の一層の充実を図るため」として、各学校に「選定候補として2つ以上の教科用図書を答申書に記載し、それぞれの長所と短所を列記することとし、推薦順位や優劣は示さないものとする」とし、教育委員会に高校採択でも「お好み採択」の根拠を事実上与えるものとなっています。
 戦後、大阪市はもとより全国の教育委員会では、高校採択において各学校から選定された教科書を承認してきました。事実上、学校採択が行われてきたのです。高校は教育目標や教育課程、生徒の実態などが小中学校以上に各学校ごとに違い、教科の内容も専門性が高く、従って教科書採択には教科の専門性を有し、生徒の実態にも詳しい学校現場・教員の声が優先されてきました。これは教育条理から当然のことといえます。
 また、教育委員が1~2ヶ月程度の短期間にきわめて多数ある高校教科書を読んで、どれがその学校に最も適しているのか検討することなど現実的に不可能です。教育委員会議でも長谷川教育委員長から「実務レベルの心配」として「教育委員には専門性がないものもいる。5教科以外の教科は難しい問題がある。」と、実質的な調査研究の不可能性を吐露されていました。従って、数十年来続いてきた慣行や教育条理から言っても、教育委員の物理的な業務としても今回の「附帯決議」は現実的ではなく、不当・不法なものと言わざるを得ません。
 そもそも、教育委員会の採択権限を明確に定めた法律はありません。貴教育委員会が根拠としている地方教育行政法第23条第6号には「教科書その他の教材の取扱いに関すること」とあるだけで、採択権限を明示したものではありません。「学校管理機関の職務と校長の職務との関係」を説いた文部官僚も「『教科書その他の教材の取扱いに関すること』という規定があるというだけで、教育委員会が教材の取り扱いに関するいっさいの権限を有すると解するがごときは、お粗末な解釈というべきである。」(『学校教育法解説』(初等中等教育編)1968年)と認めているところです。しかも、学校での授業の具体的内容を最終的に決定する権限、教育課程(カリキュラム)の最終決定権は学校現場にあります。どの教科書を使用するかは、教育課程決定権の重要な要素となり、「教育行政機関」である教育委員会のやるべきことは、「教育機関」である学校現場の選定を尊重することです。教育委員会が、学校で使用する教科書を採択すること自体、行政の教育に対する「不当な支配」(教育基本法第16条)で「違法」です。
 8.6「附帯決議」は、教育委員会に高校教科書の採択権を実質的に掌握させるものであり、事実上「お好み採択」を行うための不当・不法な行為を正当化しようとする、前例のない暴挙です。私たちは、貴教育委員会の8.6「附帯決議」に対して厳しく抗議すると共に、すぐさま撤回することを要求します。

貴教育委員会の「附帯決議」について見解をただすために以下の質問をします。8月22日までに文書での回答と「応接」を求めます。

【質問事項】

1.教育委員会議では、「教育委員会の責任と権限」で採択を行うことが何度も強調されていました。その根拠としてあげられていた地方教育行政法第23条第6号には「教科書その他の教材の取扱いに関すること」とあるだけで、採択権限を明示したものではありません。教育委員会に採択権限があるとする明示的な法的根拠を明らかにしてください。
 地方教育行政法第23条は、「地方公共団体が処理する教育に関する事務」を列挙したものです。また、第6号には「採択」という文字もありません。行政が行う事務というのは「教科書」については、展示会を開催する等々教師の採択を助けるための行政措置などのことではありませんか。


2.「附帯決議」の2には「教育委員会は、答申書を参考にしつつ、自ら調査研究を行い、教科用図書を採択するものとする。」とあります。この点について長谷川教育委員長からは、「実務レベルの心配」として「教育委員には専門性がないものもいる。5教科以外の教科は難しい問題がある。」と発言されていました。すべての教育委員が、すべての高校教科書を熟読し、各学校の特色や生徒の実態を踏まえて、1~2ヶ月程度の短期間に採択することが可能だと考えていますか。


3.今年度の高校採択について、すべての高校教科書が教育委員に手渡されたのでしょうか。教育委員はすべての教科書を読まれたのでしょうか。


4.これまで高校では教育目標や教育課程、生徒の実態などが小中学校以上に各学校ごとに違い、教科の内容も専門性が高いがゆえに、教科書採択には専門性を有する学校現場の声が優先されていたと思います。高校採択において学校現場・教員の声を尊重することは重要だと考えておられるのでしょうか。以上
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