労働情報「闘いの現場から」にも掲載していただきました
大阪「君が代」条例は憲法違反―不起立減給処分取消訴訟を提
辻谷博子(大阪教育合同労働組合高校支部)
本年1月20日、「君が代」不起立減給処分取消訴訟を大阪地裁へ提訴しました。
ご存じのように、大阪は、橋下徹維新勢力により、“新自由主義の実験場”とされ、教員・公務員攻撃を通して、教育と労働に対する著しい政治介入が進んでいます。
学校への「日の丸」「君が代」強制は、国旗国歌法以来、年々強まっていました。しかし、橋下維新政治が大阪に登壇するまでは、まだそこには論議の場がかろうじてにせよ、残されていました。ところが、大阪維新の会は数の力にものを言わせ、2011年6月、教職員に「君が代」起立斉唱を義務づけた、いわゆる「君が代」条例を成立させ、翌2012年4月には、公務員懲罰管理、教育の徹底的な競争原理を主軸とした教育4条例を成立させました。
学校から「君が代」問題についての一切の議論の余地を奪い、条例(ルール)に従い起立斉唱せよと職務命令をくだし、同一職務命令に三度違反すれば免職と規定した職員基本条例により恫喝し自己規制を強要したわけです。つまり、「君が代」強制に異議を唱えるなら、面従腹背でクビにならない道を選ぶか、クビになり生活を失っても自らの思想・良心の自由を選ぶか、本来選択などできない筈のどちらかを選べと二者択一を迫ったも同然です。これほど教育と労働を愚弄する条例はいまだかつてありませんでした。
私は、「君が代」不起立により、戒告、減給処分を受け、再任用も拒否されました。裁判では、減給処分取消を訴えるなかで、条例そのものの違憲判断を裁判所から引き出したいと考えています。提訴に先立ち開催された、「教育基本条例下の辻谷処分を撤回させるネットワーク」(Tネット)主催の集会には、100名近くの方に参加していただきました。
橋下徹が政界から消え去る日が来ようと、彼の作った条例をそのままにしておけば、大阪の教育と公務労働者は縛られ続けます。どうか、本裁判へのご支援をよろしくお願いします。