昨年の大阪府教育委員会の教科書採択の件を覚えていらっしゃるでしょうか?中原教育長は教育委員会議にも諮る前に、すなわち教育委員も知らないうちに大阪維新の会の意向を聞き、それを教科書採択に反映させていたのです。この件については、その後の大阪府議会でも大きな問題となりました。
しかし、中原教育長は、大阪維新の会に限らずだれであっても意見は聞くというような、およそ弁解にもならない理屈で逃れようとしました。
今回ようやく、昨年8月8日、中原大阪府教育長をはじめとする教育委員会事務局が大阪維新の会の勉強会に呼ばれ、そこでどのような話があったか判明しました。
あぶない教科書大阪の会伊賀さんによる情報公開請求を教育委員会は拒否してきましたが、今回、情報公開審査会の公開決定を受けて、1年経ってようやく公開されました。
どうか、みなさんお読みください。あまりにもなまなましい大阪維新の会と中原教育長の癒着がそこには表れています。
高校教科書採択に関わって大阪府教委が公開を拒否してきた昨年の8月の大阪維新の会との勉強会の概要が情報公開審査会の公開決定を受けて、1年たってようやく公開されました。
このようなことを府民として許せば、教科書は難なく政治によって支配されていきます。それがいかに危険なことかは昨今の状況を見れば言うまでもないのではないでしょうか。
以下、公開された資料を記載します。作成は大阪府教委です。再度繰り返しますが、中原教育長が維新の会府議団に呼び出されて、その場でまだ教育委員にさえ見せていない実教日本史を選定した学校名を維新府議団に伝えてきたことの一部始終です。あまりにも生々しい政治介入が赤裸々に表れています。
多くのみなさんの力により、教育委員会中原教育長に責任を追及していきたいと思います。
以下、情報公開により明らかになった大阪維新の会 勉強会概要メモ
(改行等編集しています。編集前の公開資料は末尾に添付しています。)
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大阪維新の会 勉強会概要メモ
【日 時】 平成25年8月8日(木)13:30~14:15
【場 所】 維新団総室
【出席者】
(教育総務企画課) 木寺
大橋政調会長:
教科書の選定の状況について、昨日事務局から説明を受けたが、ゆゆしき問題だということで、上島議員と相談して、教育常任委員の方々に急きょ集まってもらった。
中原教育長:
本日はすごくいい機会をいただいた。教科書採択について事務局内で議論していたところ、ウミが出てきた。教科書を採択する権限のある教育委員会の事務局が、これまで全<教科書を読んでいなかった。そういう実態を今日まで知らなかったが、これは大問題。さっそ<手分けして読むように指示をした。
5月の教育委員会で議決をしたが、虚偽の報告に基づく決定なので無効になる。8月30日の教育委員会議で採択のプロセスを見直し、議決をやり直す。府教委として問題と思っている箇所は、実教出版の「日本史A」「日本史B」の国旗・国歌法に関する記載の脚注の部分。
阿部議員:
①と④の違いは?
中原教育長:
①ははじめから採択させない。④は取り下げてもらうという圧力をかける。④は現実的ではあるが、教育委員会と学校の責任が見えなくなり、責任と権限の明確化を言ってきたこれまでの自分のやり方に反することになる。
大橋政調会長:
さっきまで、採択予定の8校に乗り込んでいこうと思っていた。
中原教育長:
府民の代表である議員には、ぜひ行って大いに議論してもらってかまわない。
阿部議員:
実教出版の教科書の記述は、いつから載っているのか。我々が条例を作った後なのか。
和田室長:
日本史Aは24年3月から、日本史Bは25年3月から。出版社に確認したところ、東京都の動きを記載しており、大阪のことは念頭においていなかったとのこと。
阿部議員:
それはどうか分からない。教科書でそういうことを絶対やったらあかん。
中原教育長:
政府は強制するものでないとしているが、一部で強制があると書くと、内心の自由を害するかのような表現。これを読んで憲法違反だと思ってしまう生徒もいるかも。
上島議員:
最高裁判決でも問題ないとなっている。それなのにこういう記載をするというのは、起立斉唱や府条例に反対するものと考えるのが普通。選択している学校の取組みも色々書いているが、生徒一人ずつの教科書に注意書きを張り付けるのは現実的ではない。副教材も何が配られているか分からない。教科書を採択するのは教育委員会であり、責任は教育委員にある。学校が何を選んでこようと、6人の教育委員でしっかり選んでいただきたい。自虐史観の固まった教師が教科書を選ぶことなど誰も望んでいない。
阿部議員:
上島さん、あんまり全部言うてしまわんといて<れ。我々教育常任委員が集まった意味がなくなる。採択で×にしたらいいだけの話。
大橋政調会長:
昨日の説明では、高校から出てきたものが8/30に決定するとのことだったが。
和田室長:
府教委として教育委員会議で採択するということ。
大橋政調会長:
その際に拒否の決定をすればどうなるのか。
中原教育長:
拒否すれば、また次の教科書を選ぶという次のステップに行く。8/30はそれをどうするかを6人の教育委員で議論して決定する。
大橋政調会長:
中原教育長のガバナンスがしっかり効いているのであれば問題はない。今日の意見交換を踏まえ、会としてどうしていくか決めた上で、また連絡する。
和田議員:
少しだけ。本当に今まで教科書を見ていなかったのか。
中原教育長:
そこが大問題。一事が万事で、どの情報を信用していいか分からない。こんなことでは教育委員会が情報操作していると思われても仕方ない。裏切られた気持ら。
堀口議員:
タメなものは採択しなければいいが、既に今年度使っているところもある。去年は認められて今年はタメというのは整合性をどうするのか。
中原教育長:
事務局では誰も見ていないのだから、そこは謝るしかない。実際、東京都が問題にするまで気ついていなかったわけだし。
上島議員:
採択のやり方を見直してほしい。大阪市はこれまで順位づけを示し、あとは現場からの意見を追認していたが、今後、教委が決定することにした。東京都では、学習指導要領に基づいているかどうか等の項日に基づいて点数化している。ぜひとも参考にしてやってもらいたい。データに基づく客観的な根拠になる。
和田室長:
小中学校分は選定のための資料を作っているが、点数はつけていない。
中原教育長:
見ていないのだから点数のつけようもない。東京都の状況を確認してゼロベースで考える。議会では100人超の人員に喧々諾々の議論をして物事を決める。教育委員会はたった6人(うち、5人は非常勤)で物事を決めてしまうということ。外向きには教育長の自分か陰山教育委員長のどららかが責任を問われる。議員の先生方には、細かいところまで実情を説明する必要があるので、今日は高等学校課が教科書を見ていなかったことをご説明した。
大橋政調会長:
8校の選定理由の資料はどういう扱いになるのか。
和田室長:
最終的な意思決定をしていないので、内部資料という扱い。
大橋政調会長:
この後、会派としての対応を協議して、連絡することとしたい。
阿部議員:
今決めたらいい。間違ったことを書いているので採択はタメというだけ。
奥田議員:
これまでも教科書の問題はずっと議論があった。にも関わらず、そういう状況でこれまで採択が行われてきたのは問題。今後の話としては、採択しないということでいい。
中原教育長:
府議会の最大会派である維新の会からの意見として、受け止める。他会派からも意見があれば、それらも踏まえて採択していく。
阿部議員:
我々としては、採択したらアカンと言っている。その上で府教委として採択するのであれば、それなりに説明してもらう必要が出てくる。
上島議員:
高校生がこの「強制」という記述をみれば、悪い意味にとらえる。やはり意図を感じると言わざるとえない。
堀口議員:
不採択でいい。これまで読んでいなかったというところへの対応もしっかりと。
大橋政調会長:
せっかく教育長が来てくれているので、他に確認しておくことはないか。なければ今日はこれで終了する。