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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

「入学式に向けての練習」と入学式の参加についてーーある保護者の手紙

2018-04-19 23:33:40 | 
多くの方々にとって、今や「日の丸」や「君が代」は大きな問題ではないかもしれません。
しかし、たとえ少数であっても、「日の丸」や「君が代」に問題を感じる人がいます。
次に紹介するのは、現在小学2年生の保護者の方が学校に当てられたお手紙です。
ご本人の了承を得て以下に掲載いたします。
なお、プライバシー保護のため一部伏せ字にしています。
私は、改めて、学校で「日の丸」「君が代」を執り行ってはいけないと思いました。


以下〜

京都市立○○小学校 
校長 ○○先生
1年○組 ○○先生

「入学式に向けての練習」と入学式の参加について

日頃は○○がたいへんお世話になり、感謝しています。
2月23日付の1年だより△△に、「入学式に向けての練習」と入学式の参加について、「参加できない方は、事前にお知らせください」とありましたので、参加できないことをお知らせいたします。

参加できない理由は、入学式での「日の丸」と「君が代」に問題を感じるからです。
○○は沖縄にルーツを持ちます。○○には○○の曽祖父母が沖縄戦を体験したことを伝えています。それは、○○の母親が生まれたこととつながっていて、沖縄戦を忘れてはいけないと思うからです。
沖縄戦では、皇民化教育によって、日本本土では考えられないような幼い沖縄の子どもらが闘わされました。ひめゆり部隊や鉄血勤皇隊がそうでした。
「日の丸」「君が代」は皇民化教育に不可欠のアイテムでした。天皇祭祀の日は「旗日」とされ、学校での儀式的行事で「日の丸」の掲揚、「君が代」の斉唱、「御真影」への最敬礼、校長の「教育勅語」朗読といった儀礼が児童全員参加でおこなわれました。
「日の丸」は出征兵士の若者を送る時や戦果を祝うちょうちん行列でも振られました。南京城に掲げられた「日の丸」は、皇軍による住民虐殺のシンボルになりました。
沖縄戦で避難民の「集団自決」があった読谷村の洞窟チビチリガマに遺族会が建てた鎮魂碑「平和の像」は、「日の丸」批判を許さない右翼に破壊されました。
沖縄県内の全41市町村の首長らが東京で米軍基地の機能強化反対を訴えたデモに、「日の丸」を掲げた人々が「売国奴」といった罵声を浴びせました。
「日の丸」を掲げた人々の憎悪の矛先は○○や私たちにとって他人ではないのです。

○○小学校の小1の音楽の教科書(教育芸術社)に載る『ひのまる』は、作られた当初の1911年、二番の歌詞は「朝日に昇る 勢い見せて、/ああ勇ましや、日本の旗は。」でした。今の二番の歌詞は、戦争が激しくなる1941年のものです。教科書には「わたしたちのくにのはたをみると、うれしいきもちになりますね。」とあります。授業でどのように教えられているかわかりませんが、うれしい気持ちになる人ばかりではありません。

公教育での「日の丸」「君が代」の導入に最後まで抵抗が強かったのが、沖縄、そして広島です。京都の中では伝わりにくいかもしれませんが、○○にとって大切なことです。

私たちの友人知人にはたくさんの在日朝鮮・韓国人の方もいます。日本の植民地政策で、日本に生まれたにも関わらず、参政権もなく、年金すら支給されない人がいます。その事実を子どもにどう伝えていくか、その根源となった歴史をどう教えていくか、常に悩ましく思っています。

○○小学校にも日本の旧植民地にルーツを持つ子どもたちが必ず居ると思います。行事だからといって、「日の丸」を掲げていっしょに「君が代」を歌うことは、「旗日」におこなわれた儀式と同じに思えます。

せめて、子どもたちには事前に「君が代」の斉唱は強制ではないこと、歌わないと言ってもいいことを伝えていただきたいですし、歌わない子がいてもいじめたりしないようにしていただきたいです。

2018年3月20日
保護者○○、××



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