不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Codice Trivulziano

2006-02-27 00:20:00 | アート・文化

レオナルド・ダ・ヴィンチはミラノとも関わりが深いのは周知。

彼がルイ12世の招きで
二度目にミラノでの長期滞在をはじめたのは1506年。
それから500年がたったのを記念して
(偉人のやったことは何でも記念日になるのだね!)
ミラノではレオナルド・ダ・ヴィンチの
il Codice Trivulziano(トリヴルツィアーノ・コード)」が
一般公開へ。

これは「アトランティコ・コード(il Codice Atlantico)」と並んで
ミラノに保管されるレオナルドの手稿で
通常はトリヴルツィアーナ図書館に保管されています。

ちなみにアトランティコ・コードは
アンブロジアーナ図書館に保管されています。

1998年以来封印されていた
このレオナルドの手稿が2ヶ月ほど一般公開になります。
展示会場ではすべての手稿が展示されるのではなく
巡回で手稿の一部が公開されていくことになるようです。

そしてそのアンブロジアーナ図書館では
先日ボッカッチョの手書き写本が見つかったのです。
イタリアってすごい宝物がまだ隠されているのですね。

話を元に戻してレオナルド。

展示会場となる「Sala delle Asse」は
レオナルドがLudovico il Moro
(ルドヴィコ・イル・モーロ)の依頼で手がけた
フレスコ画が残る部屋。
あまりいい状態で残ってはいませんが、
象徴的な意味合いの深い自然描写のなかに
さまざまな政治的な比喩表現が
隠されているともいわれる作品。
こちらも一緒に堪能できるなんてお得。

Codice Trivulziano(トリヴルツィアーノ・コード)
1487年から1490年に書かれたもの。
レオナルドが残した手稿の中でも
古い時代に位置づけられるもののひとつで
当時ラテン語に執着していた彼の意向を
反映しているといわれています。
科学用語、哲学用語、
人文学にかかわる用語をリストアップしており、
その多くの語彙について
彼なりの解説を加え、新しい意味をもたせ、
その言葉をさまざまなコンテクストの中で使いこなしています。
その当時の言語史を知るのに貴重な資料ともいえます。
語彙リストに加えて人体研究に関する
多くのデッサンと風刺的なデザインが描き込まれているので
リアルな肖像画と彼の想像に基づくデザインが混在して
非常に興味深い
「人体イラスト集」の一面も持ち合わせています。
それに加え、ミラノのドゥオーモのティブリオ(tiburio)の
コンクールに向けた設計図や
そのほかの軍事建築の設計図なども残されています。

この手稿はポンペオ・レオーニ(Pompeo Leoni)が
メルツィ家(famiglia Melzi)から購入し
その後も何人かの手に渡って
最終的にprincipe Trivulzio(トリヴルツィオ王子)の手に渡り
そこに手稿の名も由来しています。

1935年からはスフォルツェスコ城のコレクションとなっています。

会期:2006324日から2006521日まで
展示会場:Sala delle Asse del Castello Sforzesco
スフォルツェスコ城内「サラ・デッレ・アッセ」

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