不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Angeli e Demoni

2006-08-11 15:43:00 | 本と雑誌

Angeli_e_demoni
いつ借りたのかも忘れちゃったくらいかなり前に友人から借りて
ようやく読み終えた作品。
ダン・ブラウンの「天使と悪魔」。
借りたのは日本語訳されたものだったのにもかかわらず
読み終わるまでに相当の時間を要した私。
常に読むのは遅いので仕方ないけど。

数学的要素が含まれている部分もあって
その分野がめっぽう苦手な私にはチンプンカンプンだけれど
科学と宗教(とりわけキリスト教)との関係は興味深いし
アンビグラムもかなり魅力的。

ダ・ビンチ・コードより面白かった。
展開はほとんど同じだけどね。
イタリア好きにはたぶん
こちらの作品のほうが馴染みやすいはず。

ベルニーニの作品が鍵となる本作。
イタリア美術史を知っていてローマの地理がわかる人だと
ある程度は先読みができてしまうのが難点。
事実私は一つ目の作品が特定されたあと
啓示の道の先が見えてしまい、一瞬興味を失いかけました。

しかし、情報量豊富で、
さまざまな伏線を張るのがうまいので
色々時になる部分を残しつつ書き進めていて
読者をひきつける技は冴えてます。

最終展開が予想外で面白かったので
是非映画化されたものを見たいなぁという感じ。

これ読んでからローマの街を歩きなおすと
今まで気づかなかったことにまで目を向けられそうだし
何よりもこの作品のおかげでバロック嫌いな私が
ベルニーニとまじめに取り組もうかと
思い始めているだから、かなりの威力ありです。

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