不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

3 opere di Bronzino in restauro

2010-03-30 20:23:31 | アート・文化

イタリア・マニエリスムの代表的な画家で
メディチ家のコジモ1世の宮廷お抱え画家として
寵愛されたBronzino(ブロンツィーノ)。
彼のモノグラフィー展が
フィレンツェのPalazzo Strozzi(ストロッツィ宮殿)で
9月から予定されていますが、
この展覧会に向けて彼の3つの作品の修復作業が
現在急ピッチで進められています。

ブカレストの美術館から運ばれてきた作品は
「Venere, Cupido, due amorini e la Gelosia」
ニースから運ばれたのは最近彼の作品と認定された
「Cristo Crocifisso」
ウフィツィ美術館保管庫からは
「Doppio ritratto del nano Morgante」。
この3点は彼の作品や
影響を受けた画家や弟子たちの作品合わせて
56点を集めるモノグラフィー展の目玉作品となるようです。

「Cristo Crocifisso」は長く作者不定となっていましたが
近年の研究で描かれるキリストの彫塑的ポーズに
ブロンツィーノの特徴が確認できるとして
Giorgio Vasari(ジョルジョ・ヴァザーリ)が記録に残していた
Bartolomeo Panciatichi(バルトロメオ・パンチャティキ)が
望んで依頼したといわれる
「キリスト磔刑」であることも確定されました。
ヴァザーリの記録によると
この作品を制作したときにはブロンツィーノは
十字架にかけられた本物の死体を見て
正確に表現しているのだそうです。

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ブカレストから運ばれてきた「ヴィーナスの寓意」は
複数回の上描きがされていることに加え
ベースの木材の損傷も激しく、
どの程度の修復が必要となるか未定。
おそらく展覧会までに表面の大方の修復を終了し
さらに展覧会終了後に
大掛かりなベースの修復を続けることになるといわれています。

ボボリ庭園の外れに置かれていて絵葉書にもなっているので
見かけたことがある方も多いかもしれないMorgante。
ルネッサンス期のヨーロッパの宮廷ではこうした小人が
まるで南国の見知らぬ動物と同じくらいの
好奇心で重宝されていました。
メディチ家の宮廷にも
何人か道化や詩吟を行う小人がいたとされ
その中でもコジモ1世の時代に
特に有名で愛されたのがモルガンテだといわれています。
ブロンツィーノはモルガンテをバッカスになぞらえて
肖像画を描いたのですが、
珍しく1枚の板絵の裏表に前面と背面が描かれて
2重肖像となっています。
これまでウフィツィ美術館管轄の倉庫に眠っていたので
今回の修復・展覧会で日の目を見ることになりそうです。