不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Mostra monografica di Bronzino

2010-09-07 13:00:35 | アート・文化

Bronzino(ブロンツィーノ)の呼び名で知られる
1500年代フィレンツェを代表するメディチ家お抱えの宮廷画家。
本名はAgnolo di Cosimo(アーニョロ・ディ・コジモ)。
マニエリスム期の画家で、Pontormo(ポントルモ)を師とし
愛弟子にはAlessandro Allori(アレッサンドロ・アッローリ)がいます。

メディチ家のCosimo I(コジモ1世)に寵愛され
メディチ一族の肖像画を数多く手がけています。
肖像画作品はどれも荘厳な美しさに満ちながら、
とても自然で、上品さの漂う作品となっています。

メディチ宮廷を中心にフィレンツェで活躍したことから
ウフィツィ美術館は世界でも群を抜いて
彼の作品の所蔵数が多くなっています。
フィレンツェ市内の教会や他美術館にも
彼の作品はかなり残っています。
そうした作品を集めて、
今回世界で初めてのブロンツィーノのモノグラフィー展が
ストロッツィ宮殿で始まります。

4年前から作品の修復など、展覧会準備が進められ
満を持しての開催となります。
フィレンツェ所蔵の作品約70点のほか、
世界各地の美術館から約10点計約80点の展示となります。

展覧会はいくつかのセクションに分かれており
終生師匠であり友人でもあった
ポントルモとの関係に触れるセクション、
ブロンツィーノにとって2大依頼主であった
メディチ家(i Medici)とパンチャティキ家(i Panciatichi)との
関係に言及するセクション、
彼の作品の大部分を形成する
肖像画と宗教絵画の比較セクション、
そして彼がアッローリに与えた影響を見るセクションと
彼の画家としての人生を網羅した展示となっています。

今回の展覧会にあわせて、
未発表の作品3点が展示される予定です。
このうちの2点は
Giorgio Vasari(ジョルジョ・ヴァザーリ)が言及していながら
失われたと考えられていたもので、
Cristo Crocifisso(キリスト磔刑)とSan Cosma(聖コズマ)。
前者はBartolomeo Panciatichi
(バルトロメオ・パンチャティキ)の依頼で作成され、
ルターの宗教改革によって異端とみなされた作品。
後者はもともとPalazzo Vecchio(ヴェッキオ宮殿)内にある
Cappella di Eleonora di Toledo
(エレオノーラ・ディ・トレドの礼拝堂)に置かれていた
Pala con il Compianto sul Cristo morto
(死せるキリストへの哀悼の主祭壇)の
右翼に描かれていたもの。
ちなみに主祭壇自体は今はヴェッキオ宮殿にはなく
Besanson(フランス)にあります。
3枚目はCristo portacroce(十字架を背負うキリスト)で
これは近年ブロンツィーノ作であるとされたばかりの晩年の作品。

ウフィツィ美術館から動かせない作品も中にはあり、
それも考慮してウフィツィ美術館入場とブロンツィーノ展の入場を
組み合わせて適応される割引料金も予定されています。

Bronzino.
Pittore e poeta alla corte dei Medici
会場: Palazzo Strozzi Firenze
会期: 2010年9月24日から2011年1月23日まで
開館時間: 9:00-20:00 木曜日 9:00-23:00
入場料: 11,10ユーロ *各種割引あり
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