不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

I Mai Visti 2011

2011-12-13 23:55:00 | アート・文化

この展覧会が始まると個人的に年末だなと感じる、
年末年始恒例のI Mai Visti展。
ウフィツィ美術館収蔵品を中心に、
通常は展示されていない作品を集めて
期間限定で公開してくれる特別展です。

この展覧会、毎回案内を受け取るたびに
実は「なんかつまらなそう」と思うのですが、
実際見に行くと魅了されて
期間中に何度も足を運ぶことになります。
それくらいよく考えられた深い展示なのです。

今年は、
ウフィツィ美術館の2階廊下部分に置かれている
大理石彫刻を中心とした、
このシリーズの原点に戻った展示内容となっています。
その質も数もヨーロッパ有数の展示を誇る
ウフィツィ美術館ですが、彫刻作品も豊富です。

歴代ローマ帝から富裕商人まで、肖像彫刻の数々が
16世紀の終わりから
ウフィツィ美術館の廊下部分に置かれて
現在も通常の展示にメリハリをつけているのですが
実際には絵画作品に集中する訪問者が圧倒的に多く
こうした彫刻作品は目に留まらないケースがほとんどです。

その時代ごとに
フィレンツェの個人コレクションもしくは
フィレンツェやローマの
トスカーナ大公邸宅に置かれていたコレクションから
選りすぐって集められた45体の大理石彫刻は
ローマ共和制後期の写実主義的要素の強い作品から
アウグストゥス帝の頃までに確立された古典主義の作品、
アントニウヌス帝時代のパトス主義作品など
様々な古代ローマ様式の描写を網羅する形になっています。

いずれの作品も全世界から特別展への出展依頼が多く
フィレンツェを年中不在にしがちな有名作品ばかり。

この機会に是非古代ローマ様式の肖像彫刻群を
じっくり堪能してみるのはいかがでしょう。

I Mai Visti 2011
I Volti Svelati
会場:Sala delle Reali Poste degli Uffizi
会期:2011年12月15日から2012年1月29日まで
開館時間:10:00-17:00
休館日:月曜日、12月25日、1月1日
入場料:無料