超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

歳時記俳句・浦島草

2024-05-09 00:03:01 | 自作俳句
緩やかにかざす手のひら踊り子草
淑やかに道端に咲く姫女苑
草原の涙の様な花ぎぼし

雨上がり素知らぬ顔の紫蘭かな
その思い現の証拠となりて咲く
どの花が草の王かは吾知らず

町の奥花も豊かに富貴草
おおばこの花や親子も散歩かな
陽を浴びてかたばみの花涼やかに

捩花に螺旋階段思い出し
都草遠くの町の風運び
わが暮らし今は昔の浦島草
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歳時記俳句・五月雨

2024-05-08 00:03:02 | 自作俳句
薄暑にて時折風の声を聞く
夏立ちて空駆ける鳥山に消え
五月雨に思いがけなき走り書き

衣更え夏服を出す胸逸り
心太性根も強く育てたし
郭公が朝早く啼く日も明けて

蛍火に胸の奥まで照らされて
蝸牛家を背負いてはや二年
庭先の薔薇ぽつぽつと咲き始め

苺見て人を思うは夢のゆえ
遥かなる君影草の季節かな
鈴蘭に誘われてふと町の果て
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歳時記俳句・夏燕

2024-05-07 00:02:49 | 自作俳句
夏めきて人溌溂と動き出し
初夏や野山を降りて智慧の蜜
朝涼し一枚羽織り曲を掛け

汽車旅の少年時代夏巡る
南風振り向く親子幼少期
夏シャツの生徒のペダル快活や

半袖に半ズボンなり帰宅して
夏講座颯爽とした束ね髪
夏芝居役者の横で花の舞う

帰宅して出掛ける毎に髪洗う
寺山忌見上げる空に夏燕
庭先は薔薇の蕾の二つ三つ
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内面短歌・今日の樹液

2024-05-06 12:14:27 | 自作短歌
町外れ廃品回収業者から忘れた夢の断片を見る

飛び疲れ落ちた野鳥は忘れられ別の野鳥がより遠く飛ぶ

精神の収穫祭に次々と着想が湧き暇もない程

疲れから治癒しつつある者もありそのまま落ちていく者もまた

その本を書き終えたから何になる損得ではなく奥へ入るのみ

その人は勿忘草を過ぎたはず吾の心の星座では咲く

万象の山川草木輝いてお前は生きたと一斉に歌う

一切が巡り来る時この吾は覚えているか今日の樹液を
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歳時記俳句・夏来たる

2024-05-06 00:03:05 | 自作俳句
擦れ違う軽装の人夏来たる
夏ジャケを羽織りて眩し薄暑かな
若夏に草の緑も伸び盛り

後半生なりの歩みや夏めきて
夏初め雲一つなき遠き空
夏暁や快癒に向かう兆しあり

輪郭も目に冴え冴えと夏の峰
自転車の通りし後に風薫る
人の子の長患いに薬降る

時刻表見て居るとふと涼風や
汗を拭き木立を抜けて夏野かな
冷蔵庫開けて直ぐ様飲む麦茶
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