平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

アントニオ猪木を語ろう②~異種格闘技戦を通して、猪木は新しい技を修得し大きくなっていった!

2022年10月05日 | スポーツ
 アントニオ猪木と言えば「異種格闘技戦」である。

 世界が注目したモハメド・アリ戦。
 世紀の凡戦と酷評されたが、これで猪木は一躍メジャーになった。
 イラクでの人質奪還にも機能した。

 ここで繰り出したのが、マットに横たわってキックする「アリ・キック」だ。
 これでボクサーのパンチを封じられる。
 脚を攻撃することでボクサーのフットワークも封じられる。
 闘い方としては理に適ったものだったが、見た目には地味。
 ボクシング対プロレスの壮絶なファイトをした観客には物足りない。
 しかし、「アリ・キック」はその後、猪木の技の代名詞になった。

「延髄斬り」は「アリ・キック」からの派生技だろう。
 スタン・ハンセンのウエスタン・ラリアットが注目されるようになって、
 猪木にも、シンプルでわかりやすくて、それでいて強烈な技が求められるようになった。
 卍固めは複雑すぎるからなあ……。
 そこで出て来たのが「延髄斬り」。
 ウエスタン・ラリアットの脚ヴァージョンである。

「異種格闘技戦」はその後、どんどん盛り上がっていった。
 特に漫画原作者の梶原一騎が絡んで、コミック『四角いジャングル』で同時進行のドキュメンタリードラマが展開されて注目度はさらに増幅された。
 コミック・プロレス・テレビのメディアミックスである。
 この仕掛けを考えたのは梶原一騎氏なのか、猪木のマネージャーだった新間寿氏なのかはかわからないが、実にお見事だった。
 腹面の柔道家ミスターXなんか、このメディアミックスで試合前はすごい格闘家になった。
 実際は弱かったけど……。
 プロレスと物語は親和性がある。
 プロレスほど物語とリンクしやすいジャンルはない。

 そして「異種格闘技戦」の極めつけが、極真空手のクマ殺しウィリー・ウイリアムス戦。
 かたやプロレスの威信。かたや極真空手の威信。
 どちらも負けられない闘いだ。
 試合はアリ戦同様、噛み合わなかった。
 まあ、空手とレスリングは完全に異質なジャンルだから噛み合わなくて当然なんだけど。
 猪木がウィリーの懐に入っだけで盛り上がったりして、僕的にはエキサイティングな試合だった。

 試合の結果は、両者リングアウトで引き分け。
 ただ、ここで猪木は魅せた。
「腕ひしぎ逆十字固め」
 これでウィリーの腕は全治何ヶ月かの負傷を負ったらしい。
 噛み合わない試合と引き分けでも、凄みを見せるのがアントニオ猪木である。

 そして「腕ひしぎ逆十字固め」は猪木の必殺技のひとつになった。
・アリ戦→アリ・キック→延髄斬り
・ウィリー戦→腕ひしぎ逆十字固め
 格闘技戦を通して、猪木は新しい技を修得し、大きくなっていったのである。

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アントニオ猪木を語ろう①~相手の魅力を引き出す猪木! 猪木との闘いでスタン・ハンセンはブレイクした!

2022年10月04日 | スポーツ
 アントニオ猪木さんが亡くなった。
 報道で難病との闘病生活がとんでもなくハードだったことを知ったが、
 猪木さんは病に屈することなく、闘い、歩み続けたようだ。
 ご冥福をお祈りいたします。

 アントニオ猪木は相手の魅力を引き出すことに長けたレスラーだった。
 以下、敬称略。
 たとえばスタン・ハンセン。
 猪木と知り合う前のハンセンは突進することしか知らない不器用なレスラーだった。
 ところが猪木と闘うようになって化けた。
 猪木はハンセンのウエスタン・ラリアットを受けまくった。
 観客は「ウエスタン・ラリアットってすごい技なんだ」と衝撃を受けた。
 猪木はハンセンの長所を引き出したのだ。
 ここからハンセンのブレイクが始まる。
 必殺技ウエスタン・ラリアット!
 ハンセンはこれで自信がついたのだろう、どんどん輝いていった。
 試合の構成もラリアットを基本に組み立てていけばいい。
 人間って、ひとつ核を持つと強くなれるのだ。

 猪木もハンセンのブレイクに救われたと思う。
 当時の新日本プロレスの猪木の敵役と言えば、タイガー・ジェット・シン。
 でもタイガー・ジェット・シンはサーベルを振りまわすだけのレスラーで、
 猪木が見せたい「ストロングスタイル」とは噛み合わなかった。
 試合をすれば、シンがサーベルを持ちだして反則負け。
「腕折り」という衝撃的な事件があったが、それもストロングスタイルとは違う。
 結果、シンとの試合はいつも不完全燃焼だった。
 猪木はスタン・ハンセンを発掘することで、自分が目指すストロングスタイルを観客に見せることができたのだ。

 もうひとりの不器用なレスラーはハルク・ホーガンだった。
 ホーガンもまた「突進型」のレスラー。
 必殺技アックス・ボンバーも、ハンセンのウエスタン・ラリアットの二番煎じは否めない。
 猪木もホーガンをどう活かすか、苦慮していたことだろう。

 そして事件が起きた。
 IWGP選手権の決勝戦。
 誰もが猪木が勝って世界統一王者になるだろうと思っていたが、
 ホーガンのアックス・ボンバーを喰らって、猪木はリングから転落、舌を出して失神・敗北。
 これは観客にとって衝撃だったが、勝ったホーガンも戸惑っていた。
 ホーガンの戸惑いは。『私、プロレスの味方です』の村松友視氏も指摘していたが、
 ホーガンは目の前の事態にどう対処していいか迷っていた。
 この予想外の事態にどう対処するかは難しく、正解はないのだろうが、
 ホーガンはこんなふうに不器用なレスラーだった。
 一応、勝ち名乗りをあげていたが、目は泳いでいた。

 アントニオ猪木さんに関しては、あと2回書いていきます。

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リオ・オリンピック~卓球って奥が深い! 前衛・中衛・後衛、そしてサインプレー!

2016年08月20日 | スポーツ
 遅ればせながらリオ・オリンピック。
 卓球ってすごいですよね。
 テレビで解説とかを聞いていると、つくづくそう思う。

 まず、<前衛><中衛><後衛>という3つのポジショニングがあるらしい。
 中衛はノーマルポジション。
 いわゆる基本だ。
 一方、前衛に行くと、相手の打った球をすぐに打ち返せる<カウンター攻撃>ができる!
 後衛では、余裕をもってボールを見られるので、飛んでくる球の方向や回転を見極めることができ、打ち返す方は「あの方向に打とう」「こんなスピンをかけてやろう」とかさまざまな対処がおこなえる。
 まあ、言われてみれば、そのとおりで、テニスなんかでもおこなわれてるんだろうど、全然、気がつかなかった。
 温泉旅館とかで卓球をする時、試してみよう(笑)

 ダブルスでは<サインワーク>もあるらしい。
 手を腰の後ろにまわして後ろのパートナーにサインを送る。
「今度は左の方向にこんなスピンのサーブを打つから、相手は右側に打ち返すことしかできない。あなたはそこで待っていて」
 こんなサインワークをするらしいのだ。
 これもバレーボールなどでもやられていることで、言われてみればそうなのだが、スポーツって奥が深い。

 あとは、伊藤美誠選手ってすごいですね。
 あれで、まだ15歳!
 おそるべき逸材。
 将来、どんな選手になるんだろう。

 それと昨日の『バイキング』(フジテレビ)でテーマにしていたが、オリンピックのプロ参加ってどうなのだろう?
 ゴルフなんかを見ていると、プロゴルファーばかりで通常のゴルフトーナメントを見ているのと変わりがない。
 4年後の東京オリンピックでは、野球でドリームチームが作られるんだろうなぁ。
 で、一部のプロ選手はケガを気にして思い切ったプレーをしない可能性がある。
 オリンピックはアマチュアの大会に徹した方がいいのではないか?
 実際、今回の大会で感動的なドラマを見せてくれたのはアマチュアの選手でしたし。
 もちろん、現在のアマチュア選手のほとんどは企業の庇護にあり、アマチュアの領域がどこまでなのか、という議論はありますが。

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<画像>キムヨナ選手と日本人選手たち~こんなふうに人と人は国境を越えて交流できる

2014年02月23日 | スポーツ
 ソチオリンピックで一番嬉しかったことは、浅田真央選手への世界中の選手からの励ましと応援の声。
 これがスポーツの素晴らしさだ。

 ネットを見ていたら、こんな画像を見つけた。

 

 選手たちの交流写真。
 この中に、キムヨナ選手と日本人選手の写真もある。
 今回のソチではなく、過去の写真だろうが、これも嬉しい。
 みんな、いい顔をしている。

 こんなふうに人と人は交流できる。
 その妨げになるのは、<国>だとか、<バカな政治家(日本も韓国も)>だとか、<思想・イデオロギー>だとか。

 当たり前のことなのだが、怒り、憎しみ合うのはやめよう。


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サワコの朝~重量挙げ・三宅宏美選手 記録を1キロのばすために5年かかった!

2013年07月27日 | スポーツ
 本日の『サワコの朝』(TBS)に女子重量挙げの三宅宏美選手が出ていた。
 そこでのエピソード。

 三宅宏美選手、重量挙げで1キロ(194キロ→195キロ)を上げるのに5年かかったらしい。
 1キロのために5年もの歳月!
 もちろん、194キロ→195キロというのは日本記録レベルの高度なもので、それを乗りこえるのは相当、困難なことだろう。
 うまく例えが見つからないが、野球で打率3割5分を打っている選手が4割を打てないのと似ている。
 だが、それにしても5年とは!
 普通の人間だったら、とっくに諦めている。

 一流とはそういうことなのだろう。
 諦めずに地道に持続していく力。
 厚い壁を何度も叩き続ける力。
 確かに壁を9999回叩いてビクともしなくても、あと1回叩いたら壊れるかもしれませんしね。

 現在、三宅選手はリオデジャネイロのオリンピックに向けて練習中とのこと。
 こういうエピソードを知っていると、三宅選手に感情移入して、応援するのにも力が入りますね。


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日本女子バレー銅メダル~感じる10年の歳月

2012年08月12日 | スポーツ
 日本女子バレーが銅メダル。
 これを放送したフジテレビのスタジオには大山加奈さんがいた。
 大山さんにしてみれば、感慨無量であっただろう。
 銅メダルを獲ったロンドンのコートには大山さんがいっしょに闘っていた竹下佳江さん、木村沙織さん、荒木絵里香さん、大友愛さん、佐野優子さんがいた。
 ケガさえなければ、もしかしたら自分の立っていたかもしれないコート。
 大山さんにしてみれば、日本チームがメダルを取ってもちろん嬉しいのだろうが、もし自分が立っていたら、その喜びは外から見ているよりはるかに大きかったはず。
 まあ、これは勝手な僕の想像で、大山さんの気持ちは本人にしかわからないのだが、そんなことを感じる。

 大山加奈、栗原恵というヒロインが登場し、女子バレーが注目され始めてから10年が経った。
 今回のメダルはその集大成。
 そこにはどうしても打ち破れない世界の壁があり、試行錯誤の連続があり、引退していった大山さんらの悔しさや涙があった。
 また、10年の年月は選手の顔を大きく変えた。
 木村沙織さんなんかはすっかり大人の顔になったし、大友愛さんはすっかりお母さんの顔になった。
 フジテレビのスタジオにいた大山さんと吉原知子さんはすっかりきれいになった。
 あまり変わっていないのは竹下さん? ←失礼!

 10年という歳月。
 世界の壁を突破するのは、おそらく中国戦の時のような勢い・気力みたいなものだろうけど、10年間、竹下佳江さんをセッターとするバレーボールを捨てずに貫いてきたことも大きいと思う。

 おめでとうございます!!


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福原愛、松本薫~アスリートからたくさんのことを学ぶ

2012年08月08日 | スポーツ
 朝、ワイドショーを見ていると、さまざまな選手がインタビューを受けている。
 今回、卓球団体で銀メダルを獲った福原愛選手。
 彼女は、前回のソウルオリンピックで韓国に負けた時の写真を卓球雑誌からもらい、引き延ばして練習場に貼っていたそうだ。
 目的は負けた時の悔しさを忘れないため。
 選手はこうやって闘争心をかき立てているんですね。
 負けそうになる自分を克服しようとしている。
 あるいは、つらい現実から目を逸らさないで向き合う。
 愛ちゃんは人形のように可愛らしいけれど、こんなエピソードを聞くとメチャクチャ芯が強くて負けず嫌いなんだと思う。
 脱帽。
 わたくしなどは見たくない現実からは出来る限り目を逸らそうとしていますし、自分に都合のいい理屈をつけて逃げてばかりですし。

 柔道で金メダルを獲った松本薫選手。
 麦茶から妖精が出てきたのを見たらしい(笑)
 ニックネームは<野獣>。
 そんな彼女はこんなチャレンジをしたらしい。
 坂道でブレーキをかけずに、どこまでペダルをこげるか。
 結果は電信柱に激突して気絶!
 お見事です!
 こういうおバカなこと(←失礼!)に懸命になれるのって素晴らしい!!!!
 普通はケガのこととかいろいろ考えてしまう。
 バカげたこと、無意味なことと考えてやめてしまう。
 しかし、この一線を越えて実行してしまうのが松本選手。
 後先を考えず、無意味と思われることをやってみること。
 もやもやと考えているより、まずやってみる。
 これがきっと突破力になるのだろう。
 きっと松本選手は電信柱にぶつかって気絶して、違う世界が見えたに違いない。
 自由な自分、納得できた自分に出会えたに違いない。

 アスリートから学ぶことは多い。
 そう言えば、松本選手、麦茶から妖精が出てきたのを見て「自分は妖精が見守ってくれているから大丈夫」と考えたそうだ。
 アスリートはあらゆることを取り込み、自分の強さにしてしまう。


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日本惜敗! しかし心にしっかり刻まれた!

2010年06月30日 | スポーツ
「感動をありがとう」サムライ完全燃焼(読売新聞) - goo ニュース

 エキサイティングな時間をありがとうございました。
 勝敗は二の次、われわれにたくさんのことを教えてくれた。
・チームワーク
・団結して闘えば、1の力が2にも3にもなること
・諦めない心、強い気持ち
 試合後も素晴らしい。
・PKで失敗した駒野選手をみんなで励ます。抱きしめる。
・岡田監督は「すべては私の力の足りなかったせい」と責任を自分に持ってくる。
・本田選手は「今回の経験を次に活かしていきたい」とあくまで前に踏み出す。

 観客のあるスポーツでは、そのプレイで何かを表現するかが問われている。
 今回の日本代表の試合を見た者はおのずとこれらのことが心に刻まれる。
 今回の試合を見た者は、実生活でも仕事で失敗した同僚をいたわる気持ちを抱くだろう。
 一方、野球賭博の大相撲は?
 真面目に相撲に取り組んでいる力士は別として、ふやけた体のふやけた精神の賭博力士から学ぶことは何もない。
 何が「相撲道に精進する」だ。懸命に上を目指していれば、ギャンブルなどやっている暇はないはず。

 さて、再びワールドカップ。
 まだ祭りは終わっていない。
 日本戦のハラハラドキドキする様な感じはないが、今度は理性的に余裕を持ってベスト8のスーパープレイを楽しもう。
 今回目に焼き付いたパラグアイが上位陣とどの様に闘うかは見物だし、お祭り男・マラドーナ監督もいる。
 マラドーナ監督、あまりにも選手に熱い抱擁をするものだから<男が好き>疑惑?
 すぐに「俺は女が好きだ。今も31歳の金髪女性とつき合っている」と否定したそうだが、<31歳の金髪女性とつき合っている>と自分でわざわざ暴露しなくても……。

 まだまだ祭りは続く。


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ポルトガル・北朝鮮戦 にわかサッカーファンがサッカーを語る

2010年06月22日 | スポーツ
 にわかサッカーファンが、ポルトガル・北朝鮮戦を見た。
 これだけ実力差があると、僕のような素人ファンにもわかりやすい。
 やっぱり優勝候補のチームは、スピード・パワー・戦術すべてが違いますね。

 昨日のゴールショーの内容は次の様なもの。
 選手名はロナウド以外、わからないので選手A・B・Cで。
 まず見事だったのが選手A・B・Cの三人の選手によるゴール。
 選手Aがボールを獲ってBへパス。
 敵の守りが堅くシュートできない選手Bは再びAにボールを返す。
 そして選手Aは何と逆サイドから走り込んで来た選手Cにパス。
 選手Cはそのままシュートでゴール!!
 選手Cは逆サイドから走り込んできたため、敵のディフェンス陣がいないのだ。
 だから簡単にゴール出来る。
 サッカーでは、この選手Cの存在が大きいのだと僕は理解した。
 日本チームは、A→Bの攻撃はする。しかしCがいない。

 ポルトガルはこんなゴールもした。
 選手AがBにパス。そしてBがシュートしてゴール。
 A→Bの攻撃だが、何とこの時、選手Cが同じように逆サイドから走り込んでいた。
 Bのシュートが決まらず、こぼれ球になった時、Cが押し込んでゴールを決めるためだ。
 これで得点の可能性、確率は大きく増える。
 逆サイドからのCの存在の有無で得点力が変わってくる。

 あと気づいたのは個人技。
 北朝鮮戦で見せたロナウドの背中と頭にボールを乗せて打つシュート。
 これは個人技のすごさ以外の何者でもない。
 こういう個人技の有無で勝敗の行方が変わってくる。

 勝敗の行方を左右すると言えば、ミドルシュートの有無もそう。
 今回のポルトガル・北朝鮮戦でも見られたが、日本が敗れたオランダ戦での1点はミドルシュートに拠るものだった。
 ゴール前の混戦、攻防から離れて後方から打つミドルシュート。
 守る側にしてみればかなり意表をつくものであろう。
 ゴール前で攻めている選手は後方のミドルシュートを打つ選手にパスする。
 この後方パスを決めるには、ミドルシュートを打つ選手が自分の後ろにいることを知っていなければならない。
 またミドルシュートを打つ選手は、ゴール前で選手が入り乱れる中の隙間をついて的確にシュートしなければならない。
 これも高度なテクニックだ。

 A→B→C攻撃、個人技、ミドルシュート。
 これら攻撃の手札を多く持っている方が勝利に近づくんですね。
 どんなことでもそうだが、物事は極めていくとやはり奥が深い。
 ポルトガルの次の相手はブラジルか。
 ヨーロッパとラテンサッカーの違いを確認する意味でもぜひ見てみよう。


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浅田真央選手の「鐘」 芸を自分のものにするということ

2010年03月30日 | スポーツ
 浅田真央選手が、トリノの世界選手権で優勝。金メダル。
 キム・ヨナ選手とのライバル対決は、キム・ヨナ選手がコケてしまったため、いまひとつ盛り上がらなかったが、浅田選手のフリーの「鐘」は素晴らしかった。
 オリンピックの放送で繰り返し見たためであろうが、僕にも「鐘」の世界に入り込めた。

 この「鐘」というのは理解するのが難しいパフォマンスである。
 たとえば「007」はわかりやすい。007とヨナ選手の可愛らしさですんなり世界に入っていける。
 高橋大輔選手の「道」も、映画「道」を見ていれば、<人生>を表現しているんだなってことはわかる。すなわち、つまずき・苦悩の人生から歓喜の人生へというストーリー。
 このストーリーで世界に入っていける。
 でも「鐘」は?
 世界に入り込みづらいから、どうしても技の完成度などに目が行ってしまう。
 浅田選手はこれで何を表現したいんだろうと立ち止まってしまう。
 「浅田選手はこれを楽しんでいるのか」と思い、やらされている感を感じる。
 しかし、今回は完全に浅田選手のものになっているような気がした。
 「鐘」が自分のものになっている。

 歌手の尾崎紀世彦さんは、自分の歌「また逢う日まで」を歌うたびに新しい発見がある、と何かのインタビューで言っていた。
 歌い込むとはそういうこと。
 落語家は自分の持ち噺を高座で何度も話すが、毎回同じパフォマンスはない。
 客の反応によっても違うし、演じているうちに新しい解釈が加わったりする。
 演劇も繰り返し同じ人物を演じているうちに、人物像が深まっていく。
 <芸の深さ>とはこういうことを言うのだろう。

 そして今回の浅田選手にはそんなことを感じた。
 「鐘」という曲を浅田選手は深く理解したのではないかと感じた。

 現在のテレビは一回性のものばかりだ。
 瞬間、瞬間で笑いが起こり、笑いが足され、そのまま消費されていく。
 確かに「そんなの関係ねえ」や「グー」では、芸の深さもあったものではないが、浅い芸はやはり飽きられる。捨てられる。

 繰り返し演じられて、どんどん深みが出て来るパフォーマンス。
 繰り返し見られ、読まれて、新たな発見がある作品。
 こういうエンタテインメントこそ、現在必要なのではないか。


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