平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

真田丸 第43回「軍議」~ここに死に場所はない。死にたいのなら徳川につくがいい

2016年10月31日 | 大河ドラマ・時代劇
 豊臣側の浪人五人衆。
・後藤又兵衛(哀川翔)
・毛利勝永(岡本健一)
・長宗我部盛親(阿南健治)
・明石全登(小林顕作)
 そして
・真田幸村(堺雅人)

 彼らにはそれぞれに戦う目的があった。
・毛利勝永は、「おのれの力を試すためにここに来た」
・長宗我部盛親は、長宗我部家の再興。
・明石全登は、キリシタン信仰を守るため。

 この中でも、特に〝おのれの力を試すためにここに来た〟毛利勝永がいいですね。
 だから、家康(内野聖陽)の首を取ることは力を試す最高の舞台。
 幸村の建てた戦術にも「話が大きすぎて、そこが気に入った!」
 このくらい豪快に生きてみたいものです。

 一方、後藤又兵衛は…………
「この城に死に場所を求めてきた」
 これはまずい。
 死ぬために戦うなんて意味がない。
 太平洋戦争の時もそうだったが、日本人は〝死を美化〟するんだよなぁ。
〝捕虜になるくらいなら死ね〟がまかり通っていた。
 こんな又兵衛を幸村は諫める。
「われわれは勝つためにここに来た。勝つ気がないのなら、この城から出て行ってもらおう」
 こんな逆説的な言い方も。
「ここに死に場所はない。死にたいのなら徳川につくがいい」
 徳川は負けるから死にたいのならどうぞそちらで、という皮肉だ。

 人が力を発揮する時はどんな時か?
〝明確な目的〟を持っている時だ。
 毛利勝永は、この世で自分の力を精一杯、発揮すること。
 長宗我部盛親は、家の再興。
 明石全登は、キリシタン信仰。
 幸村は言う。
「皆、それぞれに望みを持っている。だからこそ、われらは強い!」
 ………………………………………………………………

 一方、そんな浪人たちの思いをまったく理解しない人たちがいる。
 大蔵卿(峯村リエ)や織田有楽斎(井上順)を始めとする豊臣の人たちだ。
 彼らは浪人たちの目的を<金目当て>だと考えている。
 毛利勝永、長宗我部盛親、明石全登、後藤又兵衛の思いは金とはかけ離れた所にあるのに。
 だから見下す。
「お主らはしょせん金で雇われた浪人たちだ。身の程をわきまえよ!」
 こう言われたら、毛利勝永たちはつらい。
 俺たちを何だと思っているんだ? と言いたくなる。
 そう言えば、石原伸晃も環境大臣の時、福島の人たちに対して、「最後は金目でしょう」と言ったよな。
 本当に寂しい人間だ。
 人を金でしか判断していない。

 一方、懸命に説けば、気持ちが通じることもある。
 幸村の説得に心を動かされた、毛利勝永たちがそうだし、大野治長(今井朋彦)、木村重成(白石隼也)もそうだ。
 木村重成は、「今の言葉、腑に落ちました」
 大野治長は織田有楽斎の暴言に対し、「今の言葉、聞き捨てなりませぬ。客人に対して非礼でありましょう」
 秀頼(中川大志)も、「決めた。籠城はせぬ! 打って出よう!」

 密度のあるドラマでしたね。
 登場人物それぞれに思いがあり、望みがあり、それゆえにぶつかり、離反もあれば、心通わせることもある。
 これがドラマですよね。

 脚本の三谷幸喜さんは「三谷幸喜 創作を語る」(三谷幸喜/松野大介・著 講談社)の中で、こう語っていた。
「そんなにみんな戦が観たいのかな? でも、戦にドラマはないからなあ。
 もしまた大河をやらせてもらえることがあったとしたらの話だけど、たとえば戦国ものだとしたら、戦のシーンを少なくして、もしどうしても必要なら、ただ戦ってるんじゃなく、なぜ一方が勝ち、なぜ一方が負けたのかを、丁寧に描きたい。僕は理数系だから、作戦をきっちり書きたいなあ。ワーツと合戦になって、圧勝みたいな展開は観ていてつまらない」

 まさに今回がそれでしたね。


※関連記事
「三谷幸喜 創作を語る」~人気脚本家の葛藤とこだわり(当ブログ)

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潜入捜査アイドル・刑事ダンス~第4話は<一巡目芸能人>、芸能界で必死に生きる人々!

2016年10月30日 | 推理・サスペンスドラマ
 ここまで芸能界の裏側を見せていいのだろうか?
 だから面白いんだけど。
『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』(テレビ東京)のことである。

 第4話は<一巡目芸能人>
 人気が出始めて、各局のバラエティ番組に1回は呼ばれる芸能人のことを言う。
 ここで爪痕を残さないと、2回目は呼ばれなくなるという試練の時でもある。

 辰屋すみれ(中村蒼)の「カッコつけてねえよ!」でブレイクしたデカダンス。
 彼らも一巡目芸能人になった。
 今回、出演するのが『ガチトーク!』← 『ア●トーク!』?
 番組の総合演出は梶隆三← 加地倫三氏?
 そこでメンバーは、一巡目芸人のさまざまな生態を目撃する。
★生態①~自分のネタを全国の人が知っていると思い込む(笑)
★生態②~早い段階で私服で出たがる(笑)
★生態③~あいさつ代わりのネタ披露をやめたがる(笑)
 いわゆる<自我の芽生え状態>だ。
 つまり勘違いっていうやつ。
 こうした芸人の評判は<演出→作家→フリーディレクター→他番組スタッフ>の流れで各局に伝わるらしい(笑)

 その他にも一巡目芸能人の生態として描かれたのは、
★街で声をかけられるが、誰だか名前を覚えられていない(笑)
★街で写真撮影を求められて応じるが、しばらくしてSNSを確認すると、<デカダンスのくせにカッコつけてんじゃねえよ!>とdisられている(笑)
★根暗な女につきまとわれる(笑)
★新人芸能人に求められるのはリアクションなので、その研究をおこなう(笑)
★ファンとの火遊び(笑)
★ネットでエゴサーチをおこなって落ち込み、巨大掲示板に<デカダンス最高!>と書き込むと、<掲示板に本人降臨?>とdisられる(笑)
★ドッキリを仕掛けられていることに気づくが、知らないふりをしてリアクションし、その不自然さゆえにダダ滑りする(笑)

 芸能界の裏側を見せてますね。
『黒い十人の女』(日テレ)もドラマ制作に関わるプロデューサー、脚本家、役者、メイク、マネージャーを描いているが、現在の深夜ドラマは裏側を見せるのが流行り?
 アイドル・デカダンスは芸能界の悪を調べるために潜入捜査をしているが、実は芸能界の裏を潜入捜査しているわけだ。
 同時に、そこで描かれているのは、芸能界という仕事場で迷い、葛藤し、うぬぼれ、失敗しながら生きている愛すべき人間たち。

 ただ、こんなダメダメな連中であっても、力と勇気をもらう人はいるようだ。
 辰屋すみれにつきまとっていた根暗な女子高生はずっと引きこもりだったが、すみれの失敗してもがんばっている姿を見て、家から出て世間と戦う決心をした。
 自分の行動がどんなふうに他人の心を動かし、繋がっているかは、なかなかわからないものだ。
 面白い脚本ですね。
 全体はコントの羅列のような構成だが、最後のオチでドラマにしている。
 
 なお、この根暗な女子高生役を、私立恵比寿中学の柏木ひなたが演じている。
 たなひ~、エンディングテロップが出るまでわからなかったよ!

 次回はデビューシングルで盗作疑惑!(笑)
 さて、どんなパロディが見られるか?

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「マツコの知らない世界」~<2時間サスペンスドラマの世界>。視聴者はパターンを楽しんでいる

2016年10月29日 | バラエティ・報道
『マツコの知らない世界』で<2時間サスペンスドラマあるある>をやっていた。
 2時間のサスペンスドラマって実は視聴率的にも安定しているんですよね。
 中高年を中心に絶対に見る層が確実にいる。
 <浅見光彦>や<信濃のコロンボ>などシリーズ化されているものも多い。

 では、<2時間サスペンスドラマあるある>はどのようなものか?

★パーティで乾杯すると必ず毒殺される!(笑)
★刑事じゃないのに探偵を始める!(笑)
★葬儀の時には隠し子が現れる!(笑)
★  〃   怪しいやつが現れる!(笑)
★その怪しいやつは必ず死ぬ!(笑)
★ジョギング中に死体を発見することが多い!(笑)
★お隣さんは必ず三日前に引っ越している!(笑)
★「もうすぐ大金が入る」と言った人物は必ず殺される!(笑)
★階段から突き落とされる!(笑)
★子供はだいたい転ぶ!(笑)
★行方不明の人は大抵、お墓にいる!(笑)
★ふとした瞬間に犯人に気づく(笑)

 2時間サスペンスドラマのお約束は<崖>だけではなかったんですね。
 こうしたお約束の上に成り立っている。
 役者さんも山村紅葉さんなど定番な人が多い。
 視聴者は、「水戸黄門」の印籠のように、このお約束を楽しんでいる。
 これが安定視聴率の理由なのだろう。
 僕はこのマンネリ感がイヤで2時間ドラマをほとんど見ないのですが、たまには、お約束を楽しんでみるのもいいかもしれません。

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5時に夢中!(東京MX)~時事ネタに下ネタでコメントする岩井志麻子先生が過激で面白い!

2016年10月28日 | バラエティ・報道
 本日は下ネタ!
 東京MXの『5時に夢中!』(夕方5時放送)の岩井志麻子先生がスゴい!
 日々のニュースに対するコメントが全部、下ネタなのだ(笑)

★たとえば、大麻所持で逮捕された元・女優の高樹沙耶容疑者のニュース。
 記事に
『高樹容疑者の自宅から大麻用のパイプ10本が見つかった』
 という見出しがあると、岩井先生はすかさず、
「もしわたしが逮捕された場合、見出しは、『岩井容疑者の自宅からバイブ10本が見つかった』になるわね」

 文字が小さくて区別がつかないと思うので拡大すると、
 高樹容疑者の場合は、パイプ
 岩井先生の場合は 、バイブ

 ど、どうしようもないーーーっ!(笑)
 夕方の放送なのにいいのかーーーっ!?
 普通のニュース番組では<医療大麻の是非>を真面目に論じているのに!

★岩井志麻子先生の快進撃は続く。
 年賀状に家族や子供の写真を載せる<幸せ自慢>に関しては、
「別に写真なんかどうでもいいけど、
 年賀状に、『ウチのだんなは一晩で5回できます』って書かれてたらイラつく」(笑)

 岩井先生、やめろーーーっ!
 司会のふかわりょうさんのツッコミも見事。
「そもそも年賀状にはそんなこと書きません」(笑)

★元アイドルが風俗嬢をやっているという記事に関しては、
「わたしの知り合いにプロの童貞というのがおりまして、童貞役でAVに何百本も出演しているんですけど、
 これって全然、童貞じゃないですよね」

 岩井先生、そっちに話を広げるのかーーーっ(笑)

 ともかく東京MXの『5時に夢中!』はメチャクチャだ!
 フツーのニュース番組では聞けない過激な発言がいっぱい。
 僕はにわかだが、この番組の面白さに気づいている人はすでにたくさんいて、番組プロデューサー・大川貴史さんの 『視聴率ゼロ~弱小テレビ局の帯番組「5時に夢中!」の過激で自由な挑戦』という本も新潮社から出版されるそうだ。
 なお、岩井志麻子先生の出演は毎週木曜日。
 新潮社の編集者・中瀬ゆかりさんとの丁々発止のやりとりも面白い。

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相棒15 「人生のお会計」~拳銃を手に入れるために入れ墨を彫る男

2016年10月27日 | 推理・サスペンスドラマ
 余命幾ばくもない彼は考えた。
「自分の人生は地味で平凡だった。
 これで生きていたと言えるのか?
 一度でいいから人の役に立つことをしたい」

 ここからの彼の行動がぶっ飛んでる。
 復讐を代わりにおこなうことを決めた彼は、
・貯めていた500万をホストクラブで散財し、復讐相手の居場所を聞き出す。
・やくざの事務所に乗り込み、拳銃を売れと迫る。
・かたぎには銃は売れないと言われると、入れ墨を彫り、
「俺もお前らと同じになったのだから銃を売れ」とふたたび迫る。

 こんな彼の行動にリアリティを感じるかは視聴者の判断。
 僕は感じないなぁ。
 貯金があるのだから、ゆっくり温泉旅行でもすればいいし、残ったお金はどこかに寄付してもいい。
 民事裁判で訴えることもできる。
 まあ、彼をこのような行動に走らせたのは、正義が正しくおこなわれないからなんだろうけど。
 悪いやつは法の網をかいくぐって悪事三昧。
 弱者ばかりがひどい目に遭う。

 事件は単純明快。
 ラストのハンカチの中のオチも予想できる。
 だって、あんなに堂々と監視カメラを見せてるんだもん。
 彼の意図は見え見え。
 彼は右京(水谷豊)のことを「あんた、すごいなぁ」と、しきりに感心していたが、別にたいしてすごくない。
 右京さんの説得もなぁ。
 ここで自殺したら、この場所を大切に思っている人が迷惑に思う、って……。
 結構、苦しい説得。

 どうした、『相棒』?
 シナリオの質は確実に落ちてる。

 
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逃げるは恥だが役に立つ 第3話~「浸透力ハンパな~~~い!」「教えて、おじいさ~~~ん!」

2016年10月26日 | 恋愛ドラマ
「浸透力ハンパな~~~い!」
 みくり(新垣結衣)の言葉は魔法のように平匡(星野源)の心に染み込んでくるのだそうだ。
 これって、すごいこと!
 フツーは自我が邪魔して、相手の言葉など、ほとんど入ってこない。
 よくて半分。
 30%くらい伝わればいい方。
 心が完全に閉じちゃってる時は0%。
 特に平匡の心のガードはハンパないからなぁ。
 それで入ってくる、みくりの言葉ってすごい。
 こんな存在なかなかいないよ。
 だから絶対に手放しちゃダメ。

 恋愛ドラマの基本は<すれ違い>。
 この作品は、すれ違いの表現の仕方が上手い。
 ふたりは悩む。
「なぜ、こんなふうに劣等感にさいなまれるのか? なぜ、こんなちっぽけな男なのか?」
「なぜなのーーー! 教えて、おじいさ~~~ん!」
「調子に乗ってしまった……。話に乗ってくれたのがうれしくて」
「従業員として最高の褒め言葉」
「その〝好き〟は雇用主への親愛の情にすぎない」
 ああ、もどかしいっ!
 どうして、こんなふうに曲解してしまうのだろう?
 でも、〝好き〟って言葉が一番伝わりづらいのかも?

 僕は沼田(古田新太)の言葉が一番染み込むなぁ。
「幸せになりた~~~い!」
 これって、誰もが心に抱く究極の叫びですよね。

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黒い十人の女~10人の不倫女たちが繰り広げる壮絶な罵り合い!(笑)すごいドラマです!

2016年10月25日 | 恋愛ドラマ
 2016年、芸能界のキイワードといえば<不倫>。
 みんなが謝罪会見をしてる。
 しかし、芸能界には、10人の女性と不倫しているドラマプロデューサー・風松吉(船越英一郎)がいた!
 ひとりやふたりの不倫なんて小さい、小さい!
 それくらいのことでガタガタ騒ぐな。
 松吉は10人なのだ!

 その相手は、舞台女優・如野佳代(水野美紀)、テレビ局の受付嬢・神田久末(成海璃子)、久末の友人・文坂彩乃(佐野ひなこ)、ドラマAP・弥上美羽(佐藤仁美)、脚本家・皐山夏希(MEGUMI)、新人女優・相葉志乃(トリンドル玲奈)、ヘアメイク・水川夢(平山あや)、アロママッサージ師・卯野真衣(白羽ゆり)、そしてあとふたり。

 松吉は冴えないおっさんなんですけどね。
 でも、女性たちは夢中になっている。
 恋は盲目。
 第4話「愛人たちの晩餐会」では、ついに愛人たちが一堂に会して、罵り合い! 修羅場!
 そのやりとりがスゴい!
 舞台女優・佳代と脚本家・夏希はこんな罵り合いをする。
「別れる別れないは私の自由でしょう!」
「自由じゃねえよ! 目障りなんだよ、ババア!」
「ババア? バアアって! 図に乗るのもいい加減しろ、てめえ!」
「うるせえよ! あのクソつまらねえオナニー芝居見せられた挙げ句、こんな場所に集めやがって、そっちこそ何様なんだよ!」
「クソつまらねえオナニー芝居!?」
「誰にもわかんねえよ、あんなクソ芝居! 毎回毎回クソすべってるくせに身内でほめ合って満足してるんだろ! このオナニー劇団! ガマン汁!」

 女性たちがこんな会話をするのである…………。
 女性って、こんな本音を隠し持ってるのか…………。

 挙げ句の果てに、佳代は夏希に水を掛け、夏希はテーブルにあった、あんかけ焼きそばを佳代に掛ける。
 すると、
「あんかけは反則だろうがあぁ!」(笑)
「知らねえよ、そんなルールはよおぉ!」(笑)
 実は佳代さん、今回だけでなく、過去にさまざまなものを掛けられていて、
 第1話ではカフェラテを掛けられて、
「ふ、普通、水でしょう? こういうの! 何してくれてんだよ!? ああっ!?」(笑)
 第2話ではカルアミルクを掛けられて、
「乳製品は臭くなるんで、水でしょう? こういう時はあぁ! 何でカルアミルク掛けんだよぉぉっ!」(笑)

 いやあ、すごいドラマが現れました!
 今、熱くて面白いのは深夜ドラマかもしれない。
 あらゆるタブーをぶち壊している。

 水野美紀さん、吹っ切れてるな~。
 成海璃子ちゃんもこういう役をやるようになったのか。ツッコミが的確。

『黒い十人の女』は日テレ系・木曜よる11時59分~。
 あんかけをぶっかけられる佳代と夏希の第4話は、こちらの読売テレビのサイトで一週間限定で見られます。

『黒い十人の女』第4話「愛人たちの晩餐会」(ytv)
 修羅場のシーンは27:43くらいから。

 
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真田丸 第42回「味方」~このいくさ、十分に勝てる! 勝算は這い上がろうとする者たち!

2016年10月24日 | 大河ドラマ・時代劇
「源次郎がいることで烏合の衆であった敵がひとつになる」
 徳川家康(内野聖陽)はこう懸念するが、まだまだ、ひとつになるには前途多難であるようだ。
 現在、大坂城で問題になっているのは<部屋割り><家格><身分>。
 とても、士気が高く、いくさに勝つために皆が知恵をしぼっているとはいえない。

 幸村(堺雅人)に対しては、信頼と不信と疑念が渦巻いている。
 秀頼(中川大志)などは幸村を信頼しているのだが、後藤又兵衛(哀川翔)、毛利勝永(岡本健一)などは、
「如才のない男であるが、武将としてどのくらいの器量があるのか?」

 人間は嫉妬する生き物で、集まれば<上下関係>をつくりたがるんですね。
 しかし、幸村はひるまない。
 臨機応変に策を繰り出していく。
 <上下関係>については、
「10万の兵を5つに分け、それぞれに大将を置き、その上に総大将として秀頼公御自らが立たれるというのはいかがでしょう?」
 そして、それぞれの隊を率いる大将として、
・後藤又兵衛
・毛利勝永
・長宗我部盛親(阿南健治)
・明石全登(小林顕作)
・真田幸村
 を挙げる。
 互いに競わせて、必死にさせる作戦だ。
 秀吉のエピソードで、城の石垣をつくるのに、人夫を5つに分けて競わせたというエピソードがあるが、幸村が考えた策はまさにそれ。
 枠にとらわれない組織論ですね。
 硬直した思考では、まず総大将を置いて部将を置いて、と既存の枠にはめる所だが、それをしない。
 あくまで現状の人材に合わせて柔軟に対応していく。

 人間洞察も幸村はしっかりおこなっている。
 大坂城に集まった人間を「今の境遇から這い上がるために集まった者たち」と分析。
 幸村としては、このエネルギーを逆利用すればいいのだ。
 逆に家康陣営は「無理矢理、駆り出された者たち」
 いわば安定志向のサラリーマン化していて、必死さに欠ける。
 だから幸村は言う。
「このいくさ、十分に勝てる」

 枠にはめると言えば、実直な信之(大泉洋)は完全にその思考の持ち主だ。
 信之は作兵衛(藤本隆宏)に言う。
「わしの家臣であるということは徳川の家臣であるということじゃ」
「わしは徳川に忠義を誓ったのじゃ。今更、曲げるわけにはいかんのじゃ」
 信之はすでに平和な秩序の時代に生きている。
 もはや、はみ出たり、逆らったりすることができない。
 しかし、枠からはみ出てしまうのが人間でもある。
 作兵衛は逆らった。
 信之も手が動かず、そのまま勘違いをされて(笑)、作兵衛を行かせてしまった。
 人間、すべて自分の思惑どおりにいくものではない。
 逆にアクシデントがあるから人生は面白い。
 幸村だって、自分の建てた策どおりにすべてが上手くいくとは考えていないだろう。

 最後は阿茶の局(斉藤由貴)の言葉。
「先々の不安の芽は摘んでおくに限ります」
 これと同じ理由で、260年後、徳川幕府が滅ぼされてしまうのは皮肉だ。
 大政奉還し、江戸城無血開城までして帰順した徳川幕府。
 しかし薩長は「先々の不安の芽を摘んでおくべき」として、徳川を追い詰め、戊辰戦争までおこなった。
 こうやって歴史は進行していくんですね。
 現代のイスラム過激派の掃討もこれと同じ発想。
 北朝鮮に対しても「先々の不安の芽を摘んでおくべき」という理由で戦争になりそう。

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ドラマ「ザ・ラストコップ」「スニッファー」の犯人が語る、現代日本への苛立ちと怒り

2016年10月23日 | 推理・サスペンスドラマ
<犯罪は社会を映す鏡>と言われるが、昨日のふたつのドラマで犯人はこんなことを語っていた。

 まずは『THE LAST COP/ラストコップ』
 脱走した遠藤(佐野史郎)は京極に言う。
「京極、お前がよみがえって一年経つが、今の社会がいかに腐っているかがよくわかっただろう?
 ごく一部の権力者が実権を握り、逆らう者はつぶされる。
 これから時代を担う者たちはどうだ?
 ネットだ、SNSだかに踊らされ、調和を保つことと本音を隠してご機嫌とりだ。
 誰かが失態を犯せば、ここぞとばかりに寄ってたかって大炎上だ。
 怒り、憎しみ、嫉妬にかられた足の引っ張り合い。
 こんな社会に生きていて楽しいか?」

 次に匂いで捜査をしていく刑事を描いた『スニッファー嗅覚捜査官』
 政治家に爆弾テロをくわだてる犯人(劇団ひとり)は叫ぶ。
「日本のゴミといっしょに心中だ。
 貧乏人が搾取され、1%の富裕層が肥え太る。
 何がトリクルダウンだ?
 底辺に落ちてくるのはカネじゃねえ、蔑みの目と吐き捨てられた唾だけだ!
 俺は黙って殺されはしない。
 報復だ! 革命だ! 世の中を変えてやるよ!」

 ふたりとも今の社会にかなりイライラしている。
 これらに対し、刑事たちは反論するが、その論拠は自分の生き方や情に訴えるもので、根本的な解決にはなっていない。
 格差や差別に関しては、他のドラマでも。
『砂の塔~知りすぎた隣人』では、タワーマンションの格差。
「だって、あやかさんは二階でしょう? わたしたちとは民度が違う」
「腐ったミカンとは言わないけど、安物のおミカンとは距離を置かないと」
『家政婦のミタゾノ』では、都知事の「人間には使う者と使われる者の二種類が存在するんだ」という他者を見下す発言。

 2016年の現代日本はこういう社会です。

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「相棒15」 チェイン~後半がグダグダ。視聴者は置いてけぼりで、長い説明を聞かされる

2016年10月20日 | 推理・サスペンスドラマ
 リトルシガー。
 同じ香りを愛した者どうしの物語だ。
「もう一度だけでいい。あの香りを味わいたい」
「お願い、もう一度、あの香りが欲しいの」
 彼らは自分が過去に犯したことが発覚してしまうかもしれないのに、右京(水谷豊)にシガーをブレンドした工藤春馬を探してほしいと頼み込む。
 同じ香りを愛した羽賀友一、小田桜子、工藤春馬は穏やかな友情で結ばれているのだ。
 ……………………

 ただミステリとしてはイマイチ。
 シガーのブレンドに希少な紅茶とコーヒーが隠し味として混ぜられていて、紅茶とコーヒーから工藤春馬にたどり着くまではいい。
 でも、その後がグダグダ。
 以下ネタバレ。


 事件を再現すると、
・小田桜子は義父が暴力をふるう最低の男で恨んでいた。
・そんな義父の殺害を、桜子の恋人・野中樹生が友人の羽賀友一に依頼。
 羽賀はタバコに毒を染み込ませて義父を殺害。
・それから年月が経ち、野中が傷害事件を起こし、逃亡資金を桜子と羽賀に求める。
・工藤春馬は、野中が捕まって過去のことがバレるのを危惧して、野中に自殺するように毒入りタバコを渡す。
・野中はそれを受け入れて、毒入りタバコを吸う。

 う~ん、何か説得力がないなぁ。
 特に野中の自殺。
 逃亡資金を求めるような男なら自殺はしないだろう。
 逆に自殺するほどの強い友情で結ばれているのなら桜子と羽賀を警察に売らないだろうし。
 だから脚本家も自信がなかったのか、自殺に至る野中と工藤のやりとりについてこんな言い訳のせりふを言わせている。
右京「すべては僕の想像ではありますが」
羽賀「ふたりならあり得る行動です」
〝ふたりならあり得る行動です〟って、羽賀は野中と工藤の人柄を知っているかもしれないが、視聴者はほとんど知らされていない。
 工藤は登場してすぐ自殺してしまうし、野中は回想でしか現れない。
 羽賀友一、小田桜子の描写も上っ面。
 このエピソードの決定的な欠点は、羽賀友一、小田桜子、工藤春馬、野中樹生が十分に描かれていないことだ。
 一時間で4人の人物の思いや人生を描くことは難しい。

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