平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

軍師官兵衛 第17回「見捨てられた城」~嫌われても、最良の策を実行する。これが軍師の役割

2014年04月28日 | 大河ドラマ・時代劇
 上月城の対応をめぐって信長(江口洋介)に掛け合う秀吉(竹中直人)。
 信長「700を救うために5万と戦えば、兵を失う」
 秀吉「失うのは織田の信用でございます」

 <合理主義者>信長と、<情の人>秀吉という感じであろうか。
 この対立には、「知に働けば角が立つ、情に棹させば流される」ということわざが一番ぴったりくる。
 ベストなのは両者のバランスをとって行動していくことなのだろうが、どっちつかずの中途半端になる可能性もある。

 竹中半兵衛(谷原章介)は官兵衛(岡田准一)に言った。
「嫌われ、さげすまれても、最良の策を実行する。これが軍師の役割」
 官兵衛はこれを「軍師にとって必要なのは非情になること」と理解するが、すこし納得していない様子だ。
 信長や半兵衛のいう合理主義にもとづく<非情さ>はわかる。
 だが、同時に「しかし……」と官兵衛は考えてしまうのだ。
 もしかしたら官兵衛は<合理主義>と<情>の中間の道を行こうとしているのかもしれませんね。
 それが優しくて非情に徹しきれない官兵衛には合っている。
 そして、それを指導者として実現してくれそうなのが秀吉。
 だからラスト、「わしについて来られるか?」と秀吉に問われて「はい!」と答える。
 本能寺の変の時、官兵衛は秀吉に「あなたが天下を取るのです」と勧めたと言われるが、もしこの作品でそれが描かれるとしたら、この文脈からだろう。
 <合理主義>と<情>の両方を併せ持っている秀吉なら天下を上手く治められる。
 こう考えたからこそ官兵衛は秀吉に天下を取ることを進言した。

 さて上月城を見捨てて毛利を撤退させ、一時的に平和を取り戻した播磨。
 官兵衛の失ったものは、山中鹿介(別所哲也)、尼子勝久、櫛橋左京進(金子ノブアキ)。
 これは<人は何かを得れば何かを失う。望むとおりのものを、すべて得ることなど出来ない>という良い例だろう。
 では官兵衛が得たものは何か?
 それは櫛橋左京進の子供たちの笑顔。
 得たものが子供たちというのは救いですね。
 なぜなら子供たちは未来を担う存在だから。
 子供たちが元気に笑える世の中こそ素晴らしい。

 最後にもうひとつ失ったもの。
 荒木村重(田中哲司)。
「しょせんは使い捨てか」
「外様は見捨てられる」
 これはやがて明智光秀にまで連鎖して……。
 上月城を見捨てた影響はかなり大きいようだ。

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金曜バイキングで小林麻耶さんが号泣!

2014年04月27日 | バラエティ・報道
 金曜バイキング(4/25)で小林麻耶さんがまたまた大活躍!?
 CM開けで、小林さんが号泣している。
 原因は、入社試験が上手くいっていない女子大生の相談に乗ったブログに寄せられた批判らしい。

 小林さんが女子大生へのアドバイスとして、
『わたしは面接で就職ガイドに書かれているとおりの返答をしたらテレビ朝日を落とされた。
 逆に、TBSではありのままの自分をさらけ出したら合格した。
 フジテレビと日テレはTBSが合格したので受けるのをやめた。
 だから、面接では、自分のありのままであることが大切なのではないか』
 といった内容を書いた所、
 寄せられた批判は、
『自慢話をしている』
『採用しなかったテレビ朝日は正しい』etc
 有名人がネットでこうした批判に合うことは引き受けなければならないことなのかもしれないが、小林さんは号泣。
 生放送なので、しっかり映ってしまう。

 このハプニングはバラエティ番組としては美味しいし、面白い。
 女性視聴者の中には「何なの、この子」と眉をひそめる方がいるかもしれないが、僕などは応援したくなってしまう。
 同時に、タレントさんの言動に対して賛否両論があるのは、タレントさんに個性やキャラクターがある証拠。
 逆に当たり障りのない無難な安全運転のタレントさんはつまらない。
 小林麻耶さんもテレビタレントしてやっていく以上、これを引き受けていく覚悟なのだろう。
 先程の女子大生に対するアドバイスに関連して言えば、まさに号泣した小林さんは<ありのままの自分をさらけ出した>。

 というわけで小林麻耶さん、がんばれ!
 同じ金曜バイキングで、うまく自分を表現できなくて悩んでいるNMB48の山本彩さんは<小林さんの自由さ>を参考にしてもいいかも。

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花子とアン 第4週「嵐を呼ぶ編入生」~腹心の友登場!

2014年04月26日 | その他ドラマ
 夕食の食堂にやってきた蓮子(仲間由紀恵)が食事を出されて、「……ありがとう」と言った。
 伯爵令嬢である蓮子が今まで言ったことのない言葉。
「……ありがとう」と言ったのは、はな(吉高由里子)に「他人に何かをしてもらったら『ありがとう』と言うものだ」と教えられたから。
 少しずつ変わっていく蓮子。
 少しずつ頑なな心がほぐされていく蓮子。
 少しずつ距離が縮まっていく蓮子とはな。
 この「少しずつ」というのが大事。

 蓮子は、はなには本音を吐けるようだ。
 恵まれているように見えるが、実は家族から「厄介者」だと思われていること。
 退学されてることは、家族への「復讐」であること。
 年上でプライドの塊である蓮子が、これらの本音を吐露するなんて。
 でも、きっと孤独な彼女は<自分がつらいこと>を誰かに知ってもらいたかったんでしょうね。

 最後に今週の葡萄酒事件。
 これを見て、『赤毛のアン』の<イチゴ酒事件>を思い出してしまった。
 アンとその腹心の友・ダイアナがイチゴ酒を飲んで酔っ払ってしまう事件。

 『花子とアン』には、こうした『赤毛のアン』へのオマージュが溢れている。
 第一週で、朝市に教室で石板を叩きつけるのも『赤毛のアン』にあった。
 はなが「はな子」と呼んでくれ、というのもアンが、名前でAnneというeのつく表記にこだわったことに似ている。
 こういうのに『赤毛のアン』のファンはニヤリとしてしまうんでしょうね。

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花咲舞が黙っていない 第2話~そんな銀行の常識なんかクソ喰らえ!

2014年04月24日 | 職業ドラマ
 物語は『半沢直樹』1話~5話の大阪西支店編を一話にまとめた感じでした!(笑)

・融資先の倒産、社長の逃亡
・5000万の焦げつき
・部下に押しつけられる責任、支店長の保身
・何と支店長は融資先の社長と通じていた。

 同じですね!
「手柄は上司のもの、ミスは部下のもの」も同じ!
 いくら同じ原作者だと言ったって……。
 こちらとしては、まさか『半沢』と同じになるとは思っていないから、前回の第一話のこともあって、部下の杉下祐一(田中圭)が支店長をおとしめるために画策していたのではないかと深読みしてしまいました。
 でも、こういうの好きです。

 ラスト5分で、舞(杏)が支店長の不正を暴く手腕も見事。
 <被害者の女性の名簿が舞の知っている銀行の顧客だった!>
 <顧客名簿を支店長が横流ししていた!>
 安易と言えば安易ですが、こちらとしては、この話は二話にまたいで描かれるのかなと思っていたので、このラスト5分のスピード解決はなかなか心地良い。
 『半沢直樹』のようにさまざまなエピソードを入れて5話分の時間を使って、深く描き込むドラマもありですが、こういう1話完結もスッキリしていて楽しい。

 あと楽しみなのは、毎回、食通・相馬(上川隆也)が何を食べるのか?
 前回は蕎麦だった。
 今回は、舞の父親のつくったカブの煮物。
 実においしそう!
 それと、この相馬というキャラ。
 酸いも甘いも知り尽くした大人な人物で、とても魅力的!
 舞が叫ぶ「そんな銀行の常識なんかクソ喰らえ!」も「みんな都合が悪くなると銀行、銀行って! 銀行ってそんなに特別なんですか!?」は正論なのだが、銀行の中でこれを主張することの危うさを相馬は知っている。
 そして、やる気のなさや昼行灯を装い(あるいは本当に昼行灯で)、したたかに生き残ろうとする。
 舞に振りまわされている被害者でありながら、同時に大切な所は押さえて正論を通す。
 良い上司だと思います。

 舞の突破力と相馬の思慮で、今後も銀行がどんどん変わっていくんでしょうね。

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軍師官兵衛 第16回「上月城の守り」~上月を見捨てれば播磨の者は織田を見限りまする!

2014年04月21日 | 大河ドラマ・時代劇
 荒木村重(田中哲司)を始めとする織田家家臣が思考停止になっている。
 播磨に派遣されてきた織田信忠もそう。
 彼らが第一に考えるのは、信長(江口洋介)の意向。
 自分で考えることもしないし、播磨の状況を一番良く知っている秀吉(竹中直人)の意見に耳を貸そうとしない。
 だから尼子が守る上月城を見捨てて、別所の三木城を攻める。

 信長は絶対権力者でカリスマ。
 こういう人物のもとで統率される組織は確かに強いんですけどね。
 何しろ逡巡することがないから、勢いで他のモタモタしている敵をどんどん駆逐していく。
 アレキサンダーしかり、ナポレオンしかり、ヒトラーしかり。
 だが、トップが狂い始めて方向を間違うと一気に崩壊に向かう。

 こうした織田家に敵対する毛利が、毛利輝元、小早川隆景、吉川元春の合議制であったことは興味深い。
 合議制の良い所は、仮にひとりが間違ったとしても、別の意見が出て修正がきくことだ。
 この体制には優柔不断になったり、作戦がどっちつかずの中途半端なものになったりというマイナスがあるが、合議制の遺訓を残した毛利元就は、独裁カリスマ体制の危うさを認識していたのだろう。

 また、今回特筆すべきは、秀吉と信長の溝だろう。
 以前、秀吉は「信長の考えることは手に取るようにわかる。だから先読みして、かゆいところに手が届く対応が出来る」と豪語していた。
 だが、さすがの人たらし秀吉も、信長の考えを読めなくなってきたようだ。
 今回、上月城をめぐる信長と秀吉の判断は180度違ってしまった。
「上月城を見捨てよ」と語る信長と
「上月城を見捨てれば播磨の者は織田を見限りまする」と主張する秀吉。
 ここにはふたりの人間観の違いが表れている。
 すなわち<人間を信じない信長>と<人間を信じる秀吉>の違いだ。
 信長は、前回播磨が分断した時点で、播磨の人間がふたたび帰順することはないと考えている。
 仮に帰順したとしてもまた裏切る。だから不安要素は取り除き、恐怖と力で押さえつけるべきと判断している。
 一方の秀吉は、童話『太陽と北風』で言えば、<太陽>方式。
 人の心をやわらげ、溶かし、味方にしていく。

 今回、秀吉が職隆(柴田恭兵)、光(中谷美紀)を人たらしで味方にするシーンと、荒木村重に人たらしが通用しなかったシーンが描かれたが、村重の心は頑なだ。
 信長を怖れ、その意向を第一に考える村重には、秀吉の人たらしなど通用しない。
 自分で考えることを忘れ、信長のロボットと化した村重の姿は、すこし痛々しい。

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ロング・グッドバイ~日本ではハードボイルドは成立しにくい……

2014年04月20日 | 推理・サスペンスドラマ
 日本にハードボイルドは似合わない。
 どうしても借りてきた感じ、輸入してきた感じになってしまう。
 ハードボイルドってやせ我慢だし、気取りですからね。
 湿潤な気候や木の文化も影響しているかもしれない。

 そんな日本で、かろうじてハードボイルドが成立する時代は、この作品の舞台にもなっている<戦後のゴタゴタ期>だろう。
 アメリカ文化が怒濤のように入って来た時代。
 街の風景、風俗がアメリカになっている。
 自分以外の何者も信じない、ニヒルな感じも敗戦国の屈折した心情に合致している。

 さて、この作品は男優さんたちに注目したい。
 浅野忠信
 綾野剛
 滝藤賢一
 遠藤憲一
 古田新太
 吉田鋼太郎
 柄本明
 渋いですねーー、みんな一癖も二癖もありそうですねーー。

 それにしても『ロング・グッドバイ』を映像化するとは!
 最初に書いたように、ハードボイルドは日本に似合わないので、雰囲気だけをなぞった映像化だと、たちまち薄っぺらいものになってしまう。
 僕は村上春樹訳の原作を読んでいるのですが、ストーリーはあまり大きな起伏はなく、テンポも遅い。今のドラマに馴染んだ視聴者にはどう映るのか。
 また、この原作の面白さは<文章の妙>や<ハードボイルドな心情>にあるので映像には適さない。というか映像で表現できない。
 この作品のスタッフ、志が高く、結構むずかしいことにチャレンジしていますね。
 こういう作品が視聴率を取り、どんどん評価されるといいのですが。

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花子とアン 第3週「初恋パルピテーション!」 ~うつくしい言葉、やさしい言葉、誠実な言葉

2014年04月19日 | その他ドラマ
 はな(吉高由里子)の里帰り。
 これで、はなは<自分が家族の理解と応援、温かい気持ちに支えられて勉強できていること>を知る。

 妹のかよ(黒木華)からは、
「お姉やんがほんな簡単に勉強投げ出しちまうなんて。
 情けなくって悔しくって力が抜けた。
 何のために働きに出るだかおらまで分からんくなっただ」
 母のふじ(室井滋)からは、
「みんな、心ん中で応援してるだよ。かよも吉太郎も。
 東京の立派な学校で頑張ってるはなのこん思うと誇らしい気持ちになってみんな力が湧くだよ。
 ここいらで惨めなことがあっても、おらたちには、はなみてえな家族がいるっちゅうだけで勇気が出るだ」
 そして祖父からは、
「はな、自分の手、見てみろし。その手はもう百姓の手じゃねえ。
 その手は米を作るより、わしらが作れんもんを作るのに使えし」

 やさしくて素晴らしい家族。
 だから、はなは北澤(加藤慶祐)に家族のことでウソを言ってしまったことが恥ずかしい。
 自分の父親は、貿易会社の社長などではなく行商人で、家は小作農、妹は製紙工場に働きに出ていることを語る。

 上手い一週間の構成ですね。
 中盤の里帰りで、はなに自分の家族の素晴らしさを認識させることで、本日(19日)語った北澤への言葉に説得力が出てくる。
 自分の家族を貶めるウソをついてしまった、はなの恥ずかしい気持ちがより強く伝わってくる。

 この作品は<言葉>を大切にしている作品だ。
 前述の家族の言葉もそうだし、はなの言葉も、カナダの少女ミニーの言葉も、ブラックバーン校長の言葉もみんな素敵だ。

 うつくしい言葉
 やさしい言葉
 誠実な言葉

 この作品はこれらの言葉で溢れている。

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続・最後から二番目の恋~人が大人になるということは、それだけ多くの選択をしてきたということだ

2014年04月18日 | ホームドラマ
 千明(小泉今日子)は48歳の自分をふり返って、こう語る。
「人が大人になるということは、それだけ多くの選択をしてきたということだ。
 何かを選ぶということは、その分違う何かを失うということで、
 大人になって何かをつかんだという喜びは、
 ここまでやったという思いと、ここまでしかやれなかったという思いを同時に知ることである。
 だからこそ人は自分の選んだ小さな世界を守り続けるしかない。
 選択を間違ってしまったと認めてしまったら何も残らないから」

 名言ですね。
 ある程度、年齢を重ねてくると、わかってくる心境ですね。
 若い頃は目の前のことに一生懸命で、なかなか人生を俯瞰して見ることが出来ない。

 何かを選ぶということは、何かを捨てること、何かをあきらめること。
 歳を取るということは人生の選択肢が少なくなっていくこと。

 千明は副部長に昇進したが、同時に現場でのドラマ制作という仕事を失った。
 48歳という年齢になって、恋愛の幅も狭くなった。
 しかし、千明はそれでもあがき続ける。
 少しでもいい仕事をし、いい恋をするために。
 悟ったふりをして、こころ穏やかに生きるなんてことは出来ない。
 酒を飲み、へべれけに酔って、
 カッコつけてフランスまで行ってオチのつく失敗をして、
 若い頃を思い出して海岸で戯れたりして。

 『続・最後から二番目の恋』はあがく40代、50代の物語である。
 バカをやって失敗して、そんな時に話を聞いてくれる友達がいる。
 そんな何気ない日常を描いた物語である。

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花咲舞が黙ってない~部下はコスト、自分の出世のためなら部下の人生を台無しにしてもいい

2014年04月17日 | 職業ドラマ
 支店長の矢島俊三(羽場裕一)は出世にとらわれた男。
 行員をコストと考え、彼らの人生を台無しにしてもいいと考えている。
 確かにねえ、コストと考えていたら、部下にも人生があることに気がつきませんよね。

 これは上の連中が陥りやすい考え。
 たとえば戦争。
 戦争指導者たちは兵隊を消耗品と考えている。
 矢島支店長が「銀行のために」と言ったように、「お国のために」というきれいな言葉を使って、人々を死に追いやる。

 ブラック企業も「会社のために」とか「今、必死にがんばれば素晴らしい未来が待っている」という言葉を使って、人を消耗品として使い、役に立たなくなれば簡単に切り捨てる。

 物語は女性版『半沢直樹』。
 半沢直樹は融資課長だが、花咲舞(杏)はテラーという立場で銀行という巨大組織を見つめ、戦う。
 半沢よりも、もっと下の立場からの視点だ。

 ここで描かれたのは、先程の<部下をコストと考え、自分の出世、保身のためなら彼らの人生を台無しにしてもいいと考えている上司>だけでなく、<問題を深く掘り下げて解決しようとしない体質>だ。
 花咲舞の上司・相馬健(上川隆也)は、当初、問題を<不注意><ケアレスミス>としかとらえない。
 掘り下げれば、摩擦が起こり、社内派閥や出世などに影響するからだ。
 この問題を掘り下げない体質は、ドラマだけでなく現実でも同じなんでしょうね。
 しばしばニュースをにぎわせている大企業の不祥事。
 その問題の本質はここにある。
 福島第一原発の汚染水漏れだって、<ケアレスミス>と言われているが、問題の本質は他にある。

 というわけで、現代の大企業の問題をえぐり出しているこの作品、今後何が描かれるか楽しみです。

 
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軍師官兵衛 第15回「播磨分断」~考え直していただけるというのであれば、この首、喜んで差しあげまする!

2014年04月14日 | 大河ドラマ・時代劇
 ドラマは<不安定>になると面白くなる。
 これまでの播磨には不安定要素があった。
・櫛橋左京進(金子ノブアキ)
・小寺政職(片岡鶴太郎)
・別所家のふたりの叔父
・毛利の陰
 今回はそれが一気に爆発した感じ。

 やはり言葉だけの関係というのは不安定なんですね。
 だから、血縁関係とか人質とかが必要になってくる。
 徳川幕府は安定を維持するために、さまざまな法律やシステム、道徳をつくった。

 言葉だけの関係を信じ切っていた官兵衛(岡田准一)もまだ甘いし、青い。
 安国寺恵瓊(山路和弘)の方が一枚も二枚もうわて。
 人間には欲望があり、感情があり、虚栄心があり、同時に弱いものであることを官兵衛は知らなさすぎる。
 それは官兵衛がそれらとは無縁の人間だからだろう。(感情に関しては感情に任せて突っ走る所があるが)
 人はおおむね自分を基準に物事を考えるもの。他人も自分と同じと考えてしまう。
 それは官兵衛も例外ではない。
 しかし、一方で官兵衛の凄いところは、
「考え直していただけるというのであれば、この首、喜んで差しあげまする!」
 と捨て身になれるところ。
 これも青さと言えばそれまでなのだが、これが官兵衛を主人公にしている。
 左京進が言うような「口先だけの男」でないことがわかる。
 
 最後に御着の殿。
 官兵衛が相談にきた時に左京進を評して「男の悋気とは情けないのう」。
 少し前まで御着の殿こそ、秀吉と官兵衛の関係に嫉妬してたのに(笑)
 やはり自分のことはなかなか客観的に見られないものなんですね。

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