平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「はじまりのセツナ」~入学式後の教室、誰かが話しかけてくれたら世界はキラキラ輝き出す!

2022年03月30日 | その他
 世間には『卒業ソング』と呼ばれるものがたくさんあるが、『入学ソング』というジャンルがあってもいい。

 アニメ『明日ちゃんのセーラー服』の主題歌『はじまりのセツナ』はまさにそういう曲だ。

 

 入学式を終えて教室に入ればまわりは知らない子ばかり。
 でも誰かが自分の名を呼んで話しかけてくれたら、教室はキラキラと輝き出す!
 そして、いろいろなおしゃべりをして、
 もっと相手のことを知りたくなって、自分のことももっと知ってほしくなって、
 どんどん愉しくなって、
 授業を告げるチャイムがわずらわしくなって!

 ここで、おじさんはあまりにもキラキラした青春にドッと涙が出てしまうのである!
 これでアニメ本編を見たら、愛おしくて、せつなくて、もうダメ!
 なんてみずみずしい感性の世界なのだろう!
 ……………………………………

 曲の構成は──
 サビ→Aメロ・Aメロ(ダッシュ)→Bメロ・Bメロ(ダッシュ)→サビ×2
 Aメロ・Aメロ(ダッシュ)→Bメロ・Bメロ(ダッシュ)→サビ
 大サビ→サビ×2

 練りに練った巧みな構成だ。
 2回目のAメロではAメロと微妙にメロディを変えている(Aメロ・ダッシュ)。
 2回目のBメロではラップ調(Bメロ・ダッシュ)。
 2番の歌詞の展開は素晴らしく、大サビの歌詞にも「そう来たか」という感じ。
 曲の最後、どんなセツナで終わるか? にも注目!

 作詞・作曲は杉山勝彦さん。
 乃木坂46の「君の名は希望」(作曲)、私立恵比寿中学の「まっすぐ」など、僕の大好きな音楽家さんだ。

 この曲『はじまりのセツナ』はまさに杉山勝彦ワールドだなあ!
「入学ソング」というジャンルもこの曲が初めてではないだろうか?


 YouTube動画はこちら
『はじまりのセツナ』(歌詞付き・フル)

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鎌倉殿の13人 第12回「亀の前事件」~どうやらここまでのようだ。わしは降りた。伊豆へ帰る

2022年03月28日 | 大河ドラマ・時代劇
「わしの身内によくぞそんな口を叩いてくれたな! たとえ鎌倉殿でも許せねえ!
 言っちまった……。どうやらここまでのようだ……。わしは降りた。
 鎌倉の生活は窮屈でいけねえ。伊豆へ帰る」

 時政(坂東彌十郎)の本音である。
 前半は父親としての思い。
 後半は「京のようになっていく鎌倉」への違和感だろうか?
 上総広常(佐藤浩市)が京にのぼった時のために文字を練習していたように板東武者たちは「京のようになっていく鎌倉」に居心地悪さを感じている。
 現に鎌倉政権には大江広元(栗原英雄)ら公家達が入って来た。
 今回の「後妻打ち」も都の作法だ。

 頼朝(大泉洋)のアイデンティティは「都」なんですね。
 あまり「板東」には馴染んでいない。
 そこに今回のような摩擦が生まれる。
 北条は「鎌倉の要石」、果たしてどうなるのか?
 ……………………………

 義経(菅田将暉)の「好戦」は今回も。
「そんなこと(馬曳き)をするためにここにいるわけではありません」
「平家と戦えぬ私は役立たずです」
 こんな好戦性が今回に焼打ちに。
 これを「若者のあふれるエネルギー」と言うべきか?
「いくさの天才ゆえの抑圧・暴発」と言うべきか?
「限度や常識を知らぬ子供の無邪気さ」と言うべきか?

 八重(新垣結衣)の心も複雑だ。
「お任せいたします」
 父と兄を失い、流されるままの八重。
 父兄の死は千鶴丸の時と同様に殺害だと思っている。
 こんな残酷で理不尽な世界に心を閉ざしてしまうのは当然だろう。
 そんな八重に義時(小栗旬)は、無神経にも頼朝の命令による父兄殺害を話してしまう。
 認めたくない現実を知らされて激怒する八重。
 現実を正当化するため自分にこう言い聞かせる。
「佐殿は千鶴丸の仇を取ったのです!」
 八重としてはこう言うしかないんだろうなあ……。
 こうしなければ、頼朝を憎んでしまう、この世の残酷に身を引き裂かれてしまう。
 こういう心の機微がわからない義時は未熟だ。

 さまざまな不安要素を内包して進んで行く鎌倉政権。
 進んだ先にどんな風景が見えるのか?

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ゼレンスキー演説に対する日本の反応~安倍晋三は相変わらずの安倍クォリティ!

2022年03月25日 | 事件・出来事
 昨日のウクライナ・ゼレンスキー大統領の国会演説。
 日本のナショナリズムに訴えず、抑制の利いた内容でよかった。
「日露戦争」「広島・長崎」は日本のナショナリズムだけでなく、ロシアやアメリカも刺激するしね。
 それでいて「原発事故(チェルノブイリ)」「サリン」「津波」という日本人の心に響く言葉をさりげなく入れている。
 練りに練られた演説の文章だと思う。

 一方、これに対する日本の反応。

 まず演説後の国会議員の「スタンディングオベーション」はプログラムに組み込まれていた。
 当日の式次第をフジテレビがテロップで流してしまった。

 

「スタンディングオベーション」って自然に巻き起こるものじゃないの?

 山東昭子参議院議長はゼレンスキー氏の演説を受け、日本の国会を代表してこう発言。
「多くの人々が命を顧みずに祖国のために戦っている姿を拝見し、その勇気に感動している」

 反応がこれかよ?
 語るべきは「日本は停戦に向けて努力する。国際社会に訴え続ける」だろう?
 これがあの演説に対する正しい反応だ。
 やばいな、この人。
 さすが日本会議系の国会議員。戦前回帰の亡霊。
 仮に日本有事になった時、こういう人は「国のために命を顧みず戦え」と言い出すぞ。
 自分は安全な所にいて。
 戦争を回避できなかった政治家としての自分の無能を棚に上げて。
 そもそもウクライナの人たちの大半は戦禍に苦しんでいる。
 その苦しみに思いを馳せるのが、成熟した人間のおこないだろう。
 なのに参議院議長ともあろう人が
「多くの人々が命を顧みずに祖国のために戦っている姿を拝見し、その勇気に感動している」
 ………………………

 安倍晋三も相変わらず。
「改めて私たち日本はウクライナ国民とともにある。武力による侵略、武力による一方的な現状変更の試みは断固として許さないという決意をするとともに表明したい」

 おいおい、27回もプーチンと会談したのはどこへ行ったんだ?
「ウラジーミル。君と僕は、同じ未来を見ている。行きましょう。ロシアの若人のために。そして、日本の未来を担う人々のために。ゴールまで、ウラジーミル、2人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか」
 と言ったのはどうした?
 こんなことも言っていた。
「ただ信じる。これがロシアとの付き合い方だ」

 相変わらずの安倍クォリティである。
 この人、絶対に信用されないよな。
 状況が変われば風見鶏のようにクルクル変わる。
 まだロシア擁護の鈴木宗男の方が一貫していて、すがすがしい。

 普通の人間の感覚なら、過去の自分の発言を恥じて、沈黙するのが妥当だろう。
 実際プーチンと親しい森喜朗や柔道の山下泰裕氏は沈黙してないか?
 それに「私たち日本」って、いつから安倍晋三が日本の代表になったんだ?
 本当に言葉が軽い。

 こんな人物が8年(第1次も入れれば10年)近くも首相をやっていたんだから、日本は衰退するよな。
 何しろ口だけなんだから。
 経済成長、拉致問題、北方領土問題、なにひとつ進展せずに終わった。
 おまけにコロナ禍で苦しくなると、病気を理由に政権を投げ出した。
 しかも投げ出したのは2回!
 普通の感覚なら恥ずかしくてオモテに出てこられないんだけどなあ?

 無恥と無知は無敵である。
 ………………………………

 以下はネット掲示板の反応

・何言ってんだこいつ

・とりあえずこいつの言葉になんの意味もないのはわかる

・またええかっこししたいんか?

・なんなんだこのコウモリ野郎は

・お前の舌は何枚あるんだよ

・こいつはいつも口だけ
 この発言を安倍信者はどう思ってるんだろうか

・思想云々の前に、人としてどうなのよ
 今だ支持している人、会ったこともなければ話をしたこともないのに
 よく信じているなあ・・

・安倍ちゃん大好き
 ほんと期待を外さない

・グダグダ言ってねえでロシアに行ってこい。

・ウクライナ侵攻について日本で一番関わっててはいけない人物
 という自覚が本人にはない

・安倍さん、スピーチライター交代した方がいいよ
 ゼレンスキーさんとの落差が、ちょっとシャレになってないです

・安倍ちゃんがプーチンに捧げたトンデモポエムは何度見ても笑えるな
 あれ考えた安倍の側近はなかなかお笑いセンスがあるな

・万が一の為のロシアへのパイプ役が消えたw
 余計なことしてるなぁ

・自衛隊出せないのに台湾に無駄に期待させたりとか
 保守派全員で責任取って台湾に移住して義勇兵として戦えばいいのに

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進撃の巨人 「懐古」~壮絶な戦い! それぞれの思いがぶつかり合い、悲鳴をあげる……!

2022年03月23日 | コミック・アニメ・特撮
 壮絶な戦いである。
 以下、ネタバレ。

 戦うのはかつての仲間。
「裏切り者! 俺たちは仲間じゃないのか!?」
「お前たちは仲間だよ!」
 できれば血を流したくない。
 しかし──
「誰かがやらなくてはいけないんだよ! 誰かが自分の手を血で染めないと!」

 哀しみと憎しみの中、地鳴らしを阻止しようとするアルミン(CV井上麻里奈)たちは数で圧倒的に劣勢。
 飛行船も爆破される前に確保しなければならない。
 そこへライナー(CV細谷佳正)とアニ(CV嶋村侑)が登場!
 鎧の巨人と女型の巨人の登場だ!

 これで戦況は一気に変わると思いきや、二体の巨人は苦戦する。
 飛行船の整備士、飛行船を運ぶ船を守って戦わなければならないからだ。
 整備士を守って女型の手がぶち切れる。
 鎧のうなじに雷槍が被弾する。
 装甲がほとんどない女型の代わりに鎧が雷槍を顔に受ける。

 

 女型は弱点のうなじを守って戦わなくてはならない。

 

 雷槍の集中砲火を浴びて地面に落ちる女型の頭。
 鎧の巨人もボロボロでもはや動くことができない。
 沈黙する二体の巨人。

 イェーガー派のフロック(CV小野賢章)たちも必死だ。
 地鳴らしを止められたらパラディ島の住人は世界中の憎悪を浴び、報復されて滅ぼされる。
 だからフロックは叫ぶ。
「心臓を捧げよ!」
 しかし、ここにミカサ(CV石川由依)、ジャン(CV谷山紀章)、ハンジ(CV 朴璐美)が来る。
「ためらっていたら地鳴らしは停められない!」
 かつての仲間たちの返り血を浴びてミカサたちも辛そうだ。

 

 一方、劣勢のイェーガー派にも一発逆転の勝機がある。
 汽車に乗った増援部隊が到着すれば数で圧倒できるのだ。
 しかし、その列車は突然、爆破。
 いったい、どうして?
 いったい誰が?

 顎の巨人を継承したファルコ(CV花江夏樹)もいたたまれなくて戦いに参加した。
 すぐれた戦闘能力を見せて、囲まれたミカサたちを窮地から救うが、巨人の力を継承したばかりであり、制御できない。
 結果、暴走して車力の巨人を押し倒し、食いちぎろうとする。
 そんなファルコに触発されてガビ(CV佐倉綾音)も戦いに参加。
 船に雷槍を打ち込もうとするフロックを銃で撃った。

 そして、あの人物が登場!
 元調査兵団団長。団長としての成果は兵士の死のみ。
 自分は特別な存在でないと思い知り、前線を退き、後進の育成に生きる場を移した人物。
 自らを「傍観者」と呼んだ人物。
 キース・シャーディス教官(CV最上嗣生)だ。

 

 そんな彼が傍観者でなくなった。
 増援部隊の列車を爆破したのは彼だった。
 かつての教え子たちの戦う姿を見て立ち上がったシャーディス。
 かくして彼は何かを成し遂げた。

 そして、テオ・マガト(CV斉藤次郎)。
 しんがりとして港に残り、最期にこう語る。
「あの子たちが普通に生きることができたとしたら、どんなによかったか……」
 あの子たちとはガビであり、ファルコであり、ライナー、アニであり、ジーク(CV子安武人)だ。

 
 この回想は泣ける。
 
 何と壮絶で混沌とした戦いだろう。
 さまざまな人物の思いが飛び交い、ぶつかり合い、炸裂した!
 一方でこんな言葉も思い出される。
「人から暴力を奪うことはできないんだよ。ねえ兵長?」
 戦いの果てにあるものは何なのか?

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鎌倉殿の13人 第11回「許されざる嘘」~頼朝、義経、謀略を使い、邪悪な領域へ

2022年03月21日 | 大河ドラマ・時代劇
 時代は動いている。
 頼朝(大泉洋)は「鎌倉殿」になり家臣は「御家人」に。
 平清盛の命が尽きて平家衰退が始まった。
 そして義時(小栗旬)は八重(新垣結衣)にフラれた!
「八重殿はわたしを頼りにしております」
「お断りいたします」笑
 …………………………………

 そんな中、裏ではドロドロのドラマが始まりつつある。

 義経(菅田将暉)は言葉巧みに兄・義円(成河)を誘導し、源行家(杉本哲太)と共に平家討伐のいくさへ。
 結果、捕らえられて……。
 ライバルをひとり蹴落とした。
 もっとも、この謀略は目撃者がいたため簡単に発覚。
 義経、まだまだ詰めが甘い。
 頼朝はそんな義経を諭して「心を磨いてくれ、九郎」

 伊東祐親(浅野和之)親子も殺されてしまった。
 頼朝の弟・阿野全成(新納慎也)の「千鶴丸を成仏させなければ男子は生まれない」という占いを信じて、頼朝は祐親親子を切腹にみせかけて殺害。
 伊東祐親は憑き物が落ちたように穏やかになって、恩赦で家族と暮らせることを願っていただけに、この死はつらい。
 そして頼朝はついに負の領域に足を踏み入れてしまった。
 権力を持つということはそういうことなのかな~?

 そんな中、唯一、正気なのは義時。
 祐親親子を殺害した頼朝に「人を許すことが徳となるのではありませんか!?」
 これが主人公なんですね。
 ぶれずに正論。邪悪や謀略からは一線を画している。
 父・時政(板東彌十郎)も権力欲から離れた、いい立ち位置。
 時政は権力の邪悪さに何となく気づいているのかもしれない。

 この作品、どこまでオカルト要素を盛り込んでいくのだろう?
『平清盛』は「もののけの血」をメインテーマにしていたが。
 中世、近世の初期を描く時、オカルト要素は避けて通れないものであるとは思うが。
 今回は陰陽師の占い。
 今後は「清盛や平家の怨念」みたいなものが出て来るのかな?

 いずれにしても邪悪に手を染めてしまった頼朝の心は蝕まれていく。
 義経の場合は、無邪気な子供の残酷さみたいなものが垣間見える。
 あふれる才気、自分が一番、そして愛の欠乏。
 義経の思いの根本は「兄に愛されたい」「兄にとって自分が一番でありたい」という思いなのだろう。

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ゼレンスキー大統領がアメリカの議会演説で「真珠湾攻撃」を持ち出してネトウヨ発狂!

2022年03月18日 | 事件・出来事
 ウクライナのゼレンスキー大統領がアメリカ議会で、今回のロシアの侵攻を「9・11」や「真珠湾攻撃」になぞらえて演説。
 英国の議会でも「シェイクスピア」を持ち出し、「ドイツと徹底的に戦ったチャーチル」を褒めたたえて演説。
 結果、どちらでもスタンディングオベーション!
 ゼレンスキー大統領、たいした役者ですね。
 いや、ゼレンスキー氏はもともと役者出身だった。

 さて、このゼレンスキー演説。
 アメリカの議会で「真珠湾」を持ち出したことで、ネトウヨが大騒ぎ。
 今まで応援していたのに、あっという間に「反ウクライナ」に。
 いはく、
「真珠湾で日本人を侮辱したんだからもう応援しない」
「歴史を勉強しろ」
「まあウクライナは中国に空母を渡した戦犯ではある」

 これが日本のネトウヨさんである。
 ちょっとしたことで軸がぶれる。
 アメリカの議会での演説なのだから、アメリカ人に受けることを言うのは当たり前だろう。
 それに、いちいち目くじら立てるってどうなのか?
 こんな浅い思考しかできないやつらが敵基地攻撃とか核共有を煽ってるんだぜ。
 くわばら、くわばら。
 …………………………………………

 さて日本の国会でも23日にゼレンスキー大統領の演説がおこなわれるらしい。
 ここでゼレンスキー氏は何を語るのか?
 ネット掲示板ではこんな書き込み。

 ゼレンスキ「安倍晋三、プーチンを増長させたのは貴方だ!」

 ギャクで言ってるんだろうけど、本当にこう演説したら面白いな。
 僕は、ゼレンスキー氏は「日露戦争」を持ち出すと思うよ。

「日本はロシアに勝った偉大な国。
 我々は日本を尊敬している。我々も日本を見習いたい」みたいな。

 これを言ったら、ネトウヨさんはどう反応するんだろう?
 いきなり「ウクライナ万歳」に変わるとか。
 安倍晋三や高市早苗は涙を流したりして。
 ゼレンスキー氏は情報戦が巧みだ。
 ナショナリズムをくすぐることにも長けている。

 さてゼレンスキー氏は23日に何を語るのか?
 日本の右派はどう反応するのか?

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チャイコフスキー「1812年」~ウクライナ侵攻でこの曲の上演が取りやめになっているらしい

2022年03月16日 | その他
 ロシアのウクライナ侵攻で、チャイコフスキーの『1812年』が演奏取りやめになっているらしい。

 曲に罪はないはずだが…チャイコフスキー大序曲「1812年」演奏中止相次ぐ(読売新聞)

 まあ、曲の内容が、ナポレオン率いるフランス軍による1812年のロシア遠征で、露軍が仏軍を撃退する様子を表現したもの=ロシアの勝利を意味するものですからね……。
 聴いていて不快に思う観客もいるだろう。
 僕は上記の読売新聞の見出しにあるとおり『曲に罪はない』派だが……。
 そして『1812年』が大好き。
 小澤征爾の『1812年』は圧巻でCDも持っている。

『1812年』ともかく画期的な曲だ。
 途中に挿入されるフランス国歌『ラ・マルセイエーズ』。
 これが少しずつ打ち消されていって、帝政ロシアの国歌が流れて行く。
 これの意味する所は、ナポレオン率いるフランス軍の撃退だ。
 曲に『ラ・マルセイエーズ』とロシア国歌を入れ込むという着想がすごい。

 曲のラストでは、ドーン! ドーン! と本物の大砲が撃たれて、号砲が鳴り響く。
 演奏に本物の大砲を使うなんて、これまたすごい着想だ。
 今風に言うとパーカッションに大砲を使ってるってこと。

 とはいえ、チャイコフスキーは繊細な人で、この曲を書くことも発表することも嫌がったらしい。
 やはり国家賞揚の政治絡みの仕事だったからか?

 僕も今回のウクライナ侵攻で『1812年』を素直に愉しめなくなってしまった。
 プーチン大統領、そろそろ戦争をやめてくれませんかね?
 チャイコフスキーも哀しんでいると思いますよ。


※動画はこちら
 チャイコフスキー『1812年』(YouTube)
 ※「ラ・マルセイエーズ」パートは4:44くらいから。
  最後に大砲を撃ちます。空砲ですが。

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鎌倉殿の13人 第10回「根拠なき自信」~天才戦術家・義経、戦場を見てどう攻めればいいか、がすぐにわかる

2022年03月14日 | 大河ドラマ・時代劇
 義経(菅田将暉)はいくさの天才なんですね。
 戦場を見ただけで、どう攻めればいいかがすぐわかる。
 だから軍議をする板東武者たちが愚鈍に見えてしょうがない。

 ただすぐれた戦術家であっても人間としては未熟。あるいは子供。
 その象徴的なシーンが兄弟で話をするシーンだ。
 頼朝(大泉洋)が語ることに、いちいち「違います」「私ではありません」と否定する。
 今は寛容だが、いずれ頼朝は気を悪くして義経を遠ざけるようになるだろう。
 政子(小池栄子)に膝枕を求めるのも子供。
 政子はこれを可愛いと思っているようだが。

 義経は戦略家でもない。
 戦略家とは政治・経済・人心・敵の情勢など、あらゆることを大局的を見て判断する人物を言う。
 頼朝がそうだ。
 一方、戦術家はいくさの現場の優秀な指揮官。
 これが義経。

 頼朝はまず自分の地盤を固めることに専念して、すぐ京に攻め上ろうとしない。
 足場を固めるため、家人の支持を得るため、佐竹攻めに取りかかる。
 頼朝は待つことができる。
 これが戦略家だ。
 それは藤原秀衡(田中泯)にも言える。
 平家と頼朝を天秤にかけ、両方にいい顔をして勝てそうな方につこうとする。
 待つことができる秀衡もまた戦略家なのだ。
 一方、義経ははやく京に攻め上りたくてしょうがない。

 戦術家としては上総広常(佐藤浩市)と義経を比べてみるのがいいかもしれない。
 上総は「しなくてもいい、いくさ」を知っている。
 敵のトップをだまし討ちで斬り、内通者をつくり、内部崩壊させて勝つ。
 ずるいが、被害を最小限にする勝ち方だ。
 一方、義経はまっすぐで好戦的。
 ただ戦術が天才的だから、少ない被害で面白いように勝てる。
 上総と義経はいずれ対立していくのだろう。
 大庭景親(國村隼)が上総に言った最期の言葉が思い出される。
「あの時、頼朝を殺しておけばよかたと思う時があるかもしれんな、上総」

 そんな中、主人公・義時(小栗旬)はすぐれた調整役だ。
「若造は口を挟むな」と言われて口をつぐむ義経に対し、「何かおっしゃりたいことがあるのではありませんか?」と話を振り、義経の披露した戦術に関しては「官服いたしました」と言う。
 組織にはこういう調整役が必要なんですね。
 義時はその性格もあるが、あくまでナンバー2、補佐役に徹している。
 一方、八重(新垣結衣)には何とも思われていない様子。
 女心にも疎くて、草もちやきのこを渡しても、あまり喜ばれていないのに有頂天になる。
 おまけに草もちが原因で三浦義村(山本耕史)は腹を壊していくさに参陣できなくなってしまう。笑

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真犯人フラグ~事件の真相を考察する。真犯人は日野。真帆を誘拐したのは瑞穂

2022年03月13日 | 推理・サスペンスドラマ
 さて本日は『真犯人フラグ』最終回!

 こういうドラマはミスリードが散りばめられているので
「現象」から推理するより「動機」から推理した方がいい気がします。

 実際、動機からのアプローチで、
 僕は本木陽香(生駒里奈)が光莉(原菜乃華)を誘拐したこと、
 バタコ(香里奈)が篤人(小林優仁)を誘拐したことを当てました!←自慢かいっ!

 で、本日明らかにされる『真犯人フラグ』の犯人は──
 『至上の時』の店主・日野(迫田孝也)だ
 と推理します。

 動機は──
 現実を舞台にした壮大なミステリー小説を書きたかったから!

 当初、日野はそんなつもりはまったくなかったと思う。
 ただ凌介(西島秀俊)の事件を知り、自分の店でのやりとりを見ているうちに深く追及したくなった。
 そこで強羅(上島竜兵)に依頼して情報収集をおこない、陽香やバタコのことなどを知った。
 そして登場人物を自分のストーリーに沿って操り始めた。

 動機は、作家になれなかった文学青年の屈折である。
 自分の一手で凌介たちや世間が右往左往するのを見て楽しんでいた。
 それをまとめて一冊の小説にしようとも考えていた。
 前回・第19話で二宮瑞穂(芳根京子)がネットに小説をUPしたのは犯人の日野を挑発するため。

 日野は物語のラストをどうまとめようとしているのか?
 ……………………………

 さて、今作の最大の謎・真帆(宮沢りえ)については、こう考える。
 真帆を誘拐したのは二宮瑞穂。
 もっとも誘拐という言葉には語弊がある。
 瑞穂は真帆の危険を察知して「かくまっている」のだ。
 おそらく真帆がいるのは真帆の実家の両親の家。
 考えてみると、この両親、実の娘なのにぜんぜん真帆のことは心配していないんですよね。
 これが真帆が両親の家にいる証拠。

 では真帆が隠れなければならない理由とは何か?
 おそらく林洋一(深見元基)がらみであろう。
 林は真帆との不倫がバレれば、等々力建材の真莉奈(林田岬優)との婚約が破談になる。
 だから真帆を失踪あるいは誘拐に見せかけて殺害しようとした。
 二宮瑞穂は姉のような悲劇を起こさないために、真帆をかくまい、実家の両親の家に隠した。

 林殺しは等々力建材が主犯だろう。
 等々力建材の社長が命令して住愛ホームの社長が実行した。
 しかし、その住愛の社長も強羅に殺されてしまった。
 瑞穂も林殺しに関わったかもしれない。
 確か「二種類の凶器が使われた」と警察が言っていたが、浅い凶器の傷は瑞穂がつけたもの。
 それは致命傷には至らなかったが。

 以上が『真犯人フラグ』の真相のおおまかなものだ。
 もちろん、これだけだと抜け落ちてしまうことが、いろいろあるのだが……。
 真帆の結婚指輪のことを考えると、河村(田中哲司)の可能性もあるのだが……。
 さて、答え合わせはいかに?

※追記
 見事にはずれました!

 まず、「真帆さんは生きている」「作品はハッピーエンドで終わる」という思い込みがあったため間違えました。
 明らかにされた真犯人に関しては、動機が同じなので日野さんでも代用がきくと思いましたが、19話ラストのアイスピックのミスリードに騙されました!
 群馬での真帆の指輪にこだわっていれば!

 ただ真犯人の心情は理解不能。
 愛する人を殺してしまったのに苦悩もなく普通にふるまえるのがおかしい。
 拒否された愛情で、あれだけのことをしでかすというのもよくわからない。
 サイコパスだったと言ってしまえば、それまでなのですが……。

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真犯人フラグ~俺たちはぬる~い地獄でじわじわ殺されてるんだよ!

2022年03月11日 | 推理・サスペンスドラマ
 14日に最終回を迎える『真犯人フラグ』。

 今回は底辺ユーチューバーぷろびん(柄本時生)のことを少し。
 ぷろびんは第19話で光莉(原菜乃華)たちに「信じろよ!」と怒った、実は熱い男。
 そんな彼が第18話で、宗教団体・輝きの世界に入信しようとする友人にこんなことを言っていた。

「そっちに行っても何にもないぞ。
 宗教だけじゃないからな。
 正社員が安泰だとか、
 結婚して子供を産めば幸せだとか、
 国とか権力だとか、信じて得するもんなんて1個もねえんだよ!
 俺たちはな、ぬる~い地獄でじわじわ殺されてるんだよ!
 俺を信じろ。
 死ぬまでの暇つぶし、俺が面白えものを見せてやる!」


 現代の単調な絶望を表現した言葉だ。

 現在、ぼくたちは何を信じて生きているんだろう?
 正社員になれば安泰?
 結婚して子供を得れば幸せ?
 国? 宗教?
 全部ウソだ。
 これらのものが全部信じられない世界になってしまった。
 これらのものを素直に信じるほど純粋ではなくなってしまった。
 ネトウヨさんは「国」を信じてすこし幸せそうだけど、国なんか信じても裏切られるだけなのにな。
 ぼくたちは漠然とした虚無の中に生きている。
 とは言え、何となく生きていられるから自殺するほどではない。
 革命を起こす気力もない。
 でも賃金は安いし、税金はむしり取られるし、いろいろな形で搾取されている。
 未来への夢も希望も見当たらない。
 ぷろびんが言うように「俺たちはぬる~い地獄でじわじわ殺されている」

 では、こんなぬる~い地獄で、どう生きるべきか?
 ぷろびんは言っている。
「死ぬまでの暇つぶし、俺が面白えものを見せてやる!」
 要約すれば、
「死ぬまでの暇つぶし、面白おかしく生きて行けばいい」
 ずいぶん明るい絶望だ……。
 でも、こうして生きていくしかない。
 これがじわじわ殺されている人間たちのささやかな抵抗だ。

 ところで「真犯人フラグ」の犯人は?
 ぼくは『至上の時』の店主・日野(迫田孝也)だと推理します。
 詳しくは考察は日曜日に!

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